『マッドサイエンティストの手帳』285
●第4回小松左京賞授賞式
受賞作は上田早夕里『火星ダーク・バラード』
10月1日(火)
ややこしい手段で上京。午後3時過ぎに着いた。
夕刻から、「第4回小松左京賞授賞式/角川春樹事務所創立7周年記念祝賀会」に出席するのであった。
今年で4回目。
第1回が2000年9月29日。
第2回が2001年10月1日。
第3回が2002年10月1日。
昨年は(受賞作にあわせて)台風直撃のたいへんな日であったが、今年は最高の秋晴れ。
火星は好天ということか。
少し前に行くと、控え室に歴代受賞者……平谷さん、町井さん、機本さん、あとから高橋桐矢さん……それに小松御大、豊田さん、高斎さん、なんとヨコジュンがいてはるのであった。
あ、むろん今回の受賞者・上田早夕里さんも。
ダンナの上田卍さん、緊張の様子である。
18時に開会。大杉社長の挨拶に続いて、綿貫民輔くんの挨拶。2001年とちがって、きちんと「春樹事務所」というてはりました。
小松さんの選評、要点はふたつ。
一読、迷うことなく受賞作に決めたが「ハードSFとしても、広い意味でのエンターテインメントとしても優れていて、昨年の深海から舞台を火星に移したあたりに大きな力量を感じた」ことと「主人公の描き方に『女流』ということを強く感じた」点であるらしい。ともかく、いつになく熱っぽい選評で「林芙美子以来」といった発言まで出てきたから凄い。
上田さんの挨拶はごくシンプル。
町井さんほど極端に短くはないが、SFへの愛着これからの決意をストレートに「どこまで行けるか、ともかくこれから書いていきます」
会場、まあお馴染みの顔が多い。
永井豪さんと挨拶……すごく元気そうで、月に数回ゴルフだとか。
よく考えてみると、年齢は手塚さんを越えたのではないか? おれと同年だもの。
例によって石川喬司さんと時間論少し。森下さんがいないのが寂しい。石川さんは、競馬でない方の長編がほとんど完成のはずである。
SF作家クラブ新会長の山田正紀氏、他に、巽孝之さん、小谷真理さん、高橋良平さんその他お馴染みのメンバー。
異様に目立つズーボ2名。
名前は書かない。おれも最初、誰だかわからなかったのだもの。ひとりはなんとなく「趣味」で。もうひとりは映画?の役柄上とか。織田なんとかに似ているといったら、いたく傷ついたようであった。
上田卍さんがらみで尾川健氏と平石滋氏も。
この3氏、筒井康隆ビブリオグラファーとしての「御三家」なのである。
卍さんは、これから上田早夕里ビブリオグラファーとしても活躍されることになるであろう。
強い味方がいたものである。
色々、楽しい話があり、遅くまでつき合いたかったが、阿佐ヶ谷方面でボンクラ息子その1と会う約束もあり、上田早夕里さんと記念撮影、19:30で中座するのであった。
今年は森村誠一氏の爆笑スピーチは聞けず。これだけは心残りである。
石川さんの意見では、もうそんなに過激なネタはないからということであったが……。
……ということで、阿佐ヶ谷南口方向に去ろうとするおれは、その後、グズラとか沖至との遭遇が待ち受けていようては夢想だにしていないのであった。(日記につづく)
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