『マッドサイエンティストの手帳』280
●マッドサイエンティスト日記(2003年8月前半)
主な事件
・追悼カラオケ(2日)
・ODJCよからぬメンバー穴蔵に集結(3日)
・青春18で倉敷を訪ねる(4日)
・山下洋輔氏のハチ・ライブ(7日)
・台風10号、肩すかしの直撃(9日)
2003年
8月1日(金)
カンカン照りである。
こんな日に限って出かけねばならぬ用事が重なる。
某国へ移送するタイムマシンがらみ。タイムマシンの通関資料を自転車で運ぶというのも、なかなかオツなものである。
久しぶりに本町まで。
ボンクラ・サラリーマン時代のなじみの店で昼食。午後1時を過ぎているので中ジョッキ一杯。
本町で昼間飲むビールはうまい。
夜、阪神、ムーアが打たれ、打線はつながらず、ボロ負け。2連敗だが、本当の阪神ファンはこれが本来の姿と感じているであろう。これをきっかけに30連敗するのではないか。長い、いい夢をみたものであるよ、と。……読売ファンのおれは、読売3連敗でまたも借金生活というが、明日から30連勝くらいはしそうで、まだ不安でしかたがないもの。
8月2日(土)
終日穴蔵。
夕方になって這い出る。
阪急池田へ。
6月に亡くなった、ボンクラ・サラリーマン時代の恩人「Mさんを偲ぶ会」ということで有志7人集まる。
もう49日になるわけだ。
会の提唱者が取引先の人というのも人徳である。
おなじみの駅前居酒屋チェーン店でビール。前の公園では「盆踊り」の日であるらしく、炭坑節が流れてくる。
あとは例によって、年に1度あるかないかのカラオケ。ど演歌を歌うなんてこの時だけである。
22時少し前に帰宅。まあ清遊のうちか。
8月3日(日)
カンカン照りなので、久しぶりに穴蔵の清掃、湿気の除去。
午後、うわばみ、ピンカラ、溝川さん(マホガーホール・ストンパーズのドラマー)、少し遅れてODJC事務局長の口羽さんと、恐ろしいメンバーが来穴蔵。
予定していた千日前の喫茶店が休みなので、わが穴蔵に変更したのである。
ストンパーズのニューオリンズ・ジャズフェス出演などで遅れていた、ODJCホームページ開設の打ち合わせである。
このメンバー、むろんおれを含めてだが、ええかげんな性格のが揃ったのか、面白いほど調子よく、「意義なし」でホイホイと決まってしまう。口羽さんのチャチャ入れから脱線して雑談ばかり。これがなければ実質30分ほどで全部決まってしまったのではないか。
表紙に使用するODJCとラスカルズの「看板」(ニューサントリー5に飾ってある)の写真は、口の悪い連中が揃ってほめてくれた。先日の夕方明るい時間にわざわざ撮影に行った甲斐があったというものである。
ということで、打ち合わせがごくスムースに終わったので、15時頃からビール。
唯一の紳士・溝川さんが用事で帰り、バイクのピンカラが飲めないが、あとの3人は底なし。CD流しながら19時頃まで。
ツマミはコンビニの乾きもの。あとで専属料理人に話すと「いってくれれば何か作るのに」という。……うーん、わかってはおるのだが、穴蔵で宴会慣れすると、抑制がきかなくなりそうで恐ろしいのである。
8月4日(月)
ノートパソコンを担いで大阪駅へ。
青春18で倉敷に行くのである。新快速、三宮から藤本さんが合流。先週の名古屋行きに引き続き、倉敷のジャズ友訪問である。
姫路で三原行きに乗り換えるが、4両編成で、混み合っている。
姫路〜岡山間は難所だな。
昼前に倉敷着。倉敷昆虫館の館長・小野洋さんの出迎え。
ノートパソコンをロッカーに預けて市内ウロウロ。
まず倉敷昆虫館へ。しげい病院8階にあって、ふつうに行ったのではわかりにくいかもしれない。患者用と同じエレベーターで8階へ。
チョウ、蛾、蝉などが主体で、トンボ、テントウムシ、クワガタからなんとノミまで展示されている。
カメムシなどの「駆除」についての問い合わせも多いらしい。
「バッタの駆除法はあるのですか」というおれの質問に、小野館長、苦笑しつつ「ジャズの害虫の退治ですか?」……事情はよくご存じなのであった。ジャズの害虫チャーリー某尾を標本にしてここに展示しても博物館としての品位を一挙に落としそうだしなあ。
「美観地区」を散策、大原美術館は30年近く前に一度来て以来だが、現代美術がさらに充実している。
夕刻、チボリ公園のなかのビアレストランでカールスバーグの生ビール。
「カールスバーグの生を愛す」なんて、誰もわからんかなあ。
夕刻の電車で岡山から姫路へ。
ここで藤本さんと別れ、ノートパソコン担いで、姫新線で播州龍野の実家へ。
暑い暑い。
シャワーを浴びてからソーメンでまたビール。
老母が「曾孫」の写真をまだ見ていないというので、兄妹間メール連絡、再送してもらってパソコン画面で見せる。
もう夜中である。
8月5日(火)
タイムマシン格納庫で某国へ移送するマシンの最終チェック。
午後帰阪。
途中、夙川駅で、自動改札機越しに妹から冷酒を受け取る。もつべきものは下戸の身内である。
8月6日(水)
カンカン照りの真夏日である。
こんな日は穴蔵に籠もっていたいが、タイムマシン関係の業務で出かけなければならぬ。
汗噴出。ビールを飲みたいところだが、昼ビールは当分やめることにしたので、大量のお茶を飲む。
滝川さんがペットボトル片手に自転車に乗っている気持ちが多少わかってきた。
午後は穴蔵。
夜、読売が勝ち、阪神は「投壊」というよからぬ展開。阪神30連敗の始まりか。
8月7日(木)
カンカン照りの真夏日であったが、夕方になって風雲急を告げる。
雨のなか、専属料理人とインタープレイ・ハチへ。
ハチママ誕生日(今年は1日早いが)恒例の、山下洋輔さんソロ・ライブ。
最前列で聴く。
ラウンド・ミッドナイト、ブルー・モンクから始まって、珍しくも「ぐがん」、それに今度のNYトリオのCDに入る「シャボン玉」……これはピアノだけで「泡宇宙」を表現するような名演……最後のボレロまで、最高の位置で堪能できた。
今回、珍しくもご家族……洋子夫人はよく来られているが、康輔さん夫妻も来阪とあって、いっしょに「てころ」でヤキトリ。
あと、またハチに戻る。
例によって大騒ぎ。
関テレの取材が入っていて(8/22放映の「痛快エブリディ」とかいう番組。「元気なママ」特集であるらしい)、ハチママ、大張り切りである。
「リンゴ追分」も放映されるのであろうか。
23時頃になって、なんとうちのボンクラ息子その2もやってきた。これまた珍しいことである。
結局、正規のハチママ誕生日である8月8日午前0時まで。
カウントダウンでハッピーバースディの乾杯のあと歩いて帰宅。
さあ、これでしばらくは穴蔵生活である。
8月8日(金)
わ、朝9時前まで寝た。よく寝たものである。
朝刊では、読売が勝ち、阪神連敗……いよいよ30連敗の始まりであるぞ。
終日穴蔵。
台風10号が四国に上陸、夜中に近畿直撃の可能性あるという。
昼前から雨。
しかし風はなし。嵐の前の静けさか。
8月9日(土)
定刻4時に目が覚める。
テレビを見ると、なんと、台風が大阪直撃コースにあるではないか。
雨が降っているが、風はほとんどなし。……窓を開けたまま寝ていたのである。
テレビでは、台風10号、播磨灘にあって兵庫県にもうすぐ再上陸というが、静かなものである。
ただし朝刊は定刻にこない。
6時過ぎに西宮付近に上陸というが、大阪市北区、普通の小雨で、風はほとんど感じられない。「台風、どこ吹く風」である。テレビ画面では深夜からすでに「暴風域」に入っているはずなのだか……。
7時過ぎ、朝刊届く。台風はすでに琵琶湖あたりらしい。
なんだったんだ……
終日穴蔵。
夕刻、かんべむさしくん、来穴蔵。雑談1時間。きっちりと1時間、いつも10分以上の誤差なしで帰るから不思議である。
8月10日(日)
朝刊によれば阪神3連敗、読売連勝の最悪パターン。阪神いよいよ30連敗の始まりである。
終日穴蔵。
望月「グズラ」英明さんからメール。先日、「カールスバーグの生を愛す」というつまらんダジャレを書いたのについて、「今、フィニイの『フロム・タイム・トゥ・タイム』を読んでいるところ。不思議なsynchronicity?」と。
グズラさんとは『冬の神話』といい、妙に読書傾向が重なる。
名ベーシストの特質なのだろうか。
夜、ボンクラ息子その1が帰省。さっそく遊びに行ってしまう。
阪神、井川が打たれて敗色濃厚。それはどうでもいいが、読売が勝っている様子。嗚呼。
ビール飲んで早寝。
8月11日(月)
月曜なのであった。
朝刊によれば、読売は引き分けに終わっている。勝つよりましだが、あっさり逆転されないところが憎々しい。
あまり穴蔵に閉じこもっているわけにもいかないのであった。
昼を挟んで市内ウロウロ。
午後1時過ぎ、梅田・ツタヤ前の定位置でルン吉くん、またも瞑想中。
7月22日に会って以来である。
暑そうだけどなあ……。
夜、ボンクラ息子その1が「ウチで晩飯を食べる」という。
専属料理人、やたらはりきって、贅沢な食卓である。
ちなみに、メニューは、
「枝豆、冷や奴、焼きナス+おくら+カイワレ+ちりめんの小鉢、中トロと明石蛸の刺身、ミニステーキ、温菜炒、トマトサラダ、ビール、ワイン、梨」
おれひとりの時に分散して出してくれ。
8月12日(火)
終日穴蔵。
世間の多くが盆休入りらしいが、零細タイムマシン業者は色々雑用があるのであった。
が、少しは仕事もするのであった。
終日穴蔵。
帰省中のボンクラ息子その1は友達のところへ遊びに行き、ボンクラ息子その2はキャンプに行くと冷凍庫から大量の肉を持って出ていく。
こんな日は粗食であろうと思っていたら、結構豪華メニュー。
が、枝豆、煮蛸、ヅケなどは昨夜の残りを加工したものではないか。
阪神辛勝。ま、連敗の中休みか。これから26連敗であろう。
それはどうでもいいのだが、読売が負けないので嫌になる。
8月13日(水)
終日穴蔵。
阪神が3-2で横浜に勝つ。わが連敗予想ははずれた。読売は中日に負けて4位というから、まあいい結果なのだが、まだ貯金が2もあるではないか。
8月14日
ほとんど終日穴蔵。
雨だが湿度は感じられず、涼しいので「雨読」によろしい。ほとんど寝転がって過ごす。
が、これではいかんので、少しは仕事もするのであった。
夕刻、阪急石橋の居酒屋へ。
盆休で帰省中の旧友数名と。涼しいのでチゲでビールある。
8月15日(金)
朝の新幹線でボンクラ息子その1が帰京。
どういうわけか「一眼レフ」を使ってみたいというので、20年以上使ってきたペッタックスLXと交換レンズ一式を渡す。かなり重い。もうおれは視力からいって自動焦点しか使う気にならないから、まあ形見分けである。
終日穴蔵。
午後、桂歌之助さんのことで思い出したことがあり、維久子夫人に電話したら、ちょうど歌々志くんが「盆のお参り」に来ているという。この世界、やっぱり律儀なんだなあ。歌やんが亡くなってから、梅田界隈で定期的に通う落語会がなくなってしまった。若手も成長しているはずだから、たまには出ていかんとなあ……。
次はサンケイの米朝一門会である。
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