HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』276

●マッドサイエンティスト日記(2003年6月前半)


主な事件
 ・穴蔵の日々(1-10日)
 ・驚異のTimedomain miniを導入(11日)
 ・昼間からハチで「前祝い」(12日)
 ・神戸ジャズ・ストリート関係で神戸へ行く(13日)

2003年

6月1日(日)
 終日穴蔵。
 15時頃にトースト。
 夜、ビールを飲みながら巨人〜阪神戦を見ていたら、ウィリアムスが高橋のアホに逆転サヨナラホームランを打たれるのであった。嗚呼……。
 血圧暴騰の気配。

6月2日(月)
 昼前に近所の医院へ行く。血圧は136-76であった。
 終日穴蔵。

6月3日(火)
 早朝の電車で播州龍野のタイムマシン格納庫へ移動。
 午後は実家に寄り、書庫にて資料色々探すが、発掘率5割。自分で荷造りしたダンボールのほとんどが未開封のままだから、しょうがないか。
 夜、帰阪。

6月4日(水)
 ネクタイをして市内をウロウロとするのであった。
 ロフトの前を通りかかったら、QBハウスが客待ちゼロ。で、1000円で散髪。
 額がはげあがってきたが、今さら江畑謙介型にしてもなあ。
 午後は穴蔵。
 思うところあって、古い資料のデジタル化を進める。
 夜はワイン飲みながらナイター。阪神が中日に勝ち、別チャンネルで巨人が広島に負ける(それも河原がボカスカ打たれる)という最高の展開である。

6月5日(木)
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 タイムマシンの指導にシリアへ行かねばならぬと覚悟していたのが、日本で研修という方向になりそう。ほっ。
 夜はビール飲みながらナイター。阪神が中日に勝ち、巨人が広島にサヨナラ負け、ともに接戦で、なかなかの展開である。巨人はボロ負けの方が楽しいけど。

6月6日(金)
 終日穴蔵。
 夜、ワインを飲みながらナイター。阪神が勝ち、巨人が負ける、最高の展開である。
 こんないい日ばかりが続くはずあるまい。

6月7日(土)
 終日穴蔵。
 井田茂『異形の惑星』(NHK Books)を読む。
 ここまで「異形」の惑星系が並ぶと、わが太陽系がいかに「異形」かわかってくる。
 夜はビール飲みながらナイター。巨人リード、阪神負けそうな最悪の展開。
 テレビを切って、届いたばかりの花岡詠二『山小舎の灯』(オーディオパーク)を聴く。ソプラノサックス中心のハッピー・デキシー。このスタイル、滝川さんも時々演るが、これからの梅雨時にはいいなあ。

6月8日(日)
 朝3時に目が覚めてしまった。
 穴蔵生活が続いて体が鈍っている感じ。
 朝飯を兼ねて、久々に「早朝グルメ」に出かける。
 4時前に出て、自転車で大阪駅前を抜け、桜橋から国道2号線を西へ。野田の「さぬきや」まで20分かからずに行ける。
 「さぬきや」朝4時半だが、ほとんど満員。朝飯……のつもりであったが、中ジョッキ1杯。
 帰路は25分かかる。ま、ゆるやかな登りだからな。
 終日穴蔵。
 夜、キアヌ・リーブス主演の『チェーン・リアクション』……この手のは、もはやなんとも退屈。

6月9日(月)
 早朝の電車で播州龍野のタイムマシン格納庫へ移動。
 昼前に実家に寄る。
 明日が祖母の命日だというので、老母に変わって墓掃除に行く。
 昨年の今頃いた墓守蛙はいない。日陰にいるのか、百舌鳥に食べられたのか……。
 夜帰阪。
 変化のない日々である。

6月10日(火)
 朝から小雨。近畿地方、入梅らしい。
 穴蔵の片づけをしながら、オーディオ環境の改造を検討する。
 CDは、読書用というか寝転がれる部屋に置いているミニコンポで聴くのだが、パソコンに向かっている時間の方が長いから、あまり聴けない。パソコンに並べて置くと、リラックスした状態で聴けなくなる。
 迷ったあげく、小型スピーカーをパソコン机用に導入することにした。
 タイムドメイン社のtimedomain mini である。
 本当は「便所の臭気筒」型のyoshii-9が「最後の贅沢品」(30万)としてほしいのだが、穴蔵への導入には音量からいって過剰装備のような気もする。
 昼前にネットで申込み、近所のATMから振り込み。と、たちまち「明日には届く」という返事がきた。
 あとは終日穴蔵。
 本日は珍しくも「休肝日」としたので、夜も全然眠くならない。
 結局、明け方に近い時間まで雑読。

6月11日(水)
 朝10時過ぎに、タイムドメイン社のtimedomain mini到着。さっそくパソコンCRTの両脇にセット。
 off
 音源はパソコンではなく、アイワのミニコンポ(2万なんぼのやつ)のスピーカーを捨てたやつ。ボンクラ息子その2がMDコンポを買った時に余ったもので、カセットテープを聴くときだけ使用していたものである。
 が、これで、驚くべきハイファイ性。想像を遙かに上回る性能である。
 ビル・エバンスのトリオから聴きだして、滝川雅弘、谷口英治を聴く。ラファーロのベースの響き、クラの微妙なリードの音……そして午後には森山威男の「しーそー」を聴くが、絶妙のブラシワーク、シンバルの響きが堪らない。
 これが18,000円の音とは……。
 が、困ったね。仕事が全然できない。
 わしゃもともと「ながら族」というのが出来ない体質だし、そこにこの音質ときては。
 夕刻、かんべむさし氏が来穴蔵。ビールを飲みながら1時間ほど雑談。
 夜はワイン。
 巨人19-11のボロ負け、これは楽しい。阪神は勝ったらしい。サッカー、よくわからんが引き分けらしい。
 夜はTimedomain miniを寝床の方に移して、MDウォークマンをつないで藤家虹二を聴く。

6月12日(木)
 天気はどうにかもちそうなので、昼前から自転車で西長堀の市立中央図書館へ。
 調べものしていたら、昼過ぎに専属料理人からメール。
 ちょっと用事でインタープレイ・ハチに来ていて、珍しく大ちゃんも来ているという。何やら騒ぎが始まりそうだから来ませんかという。
 何があるのか。
 40分後にハチに到着。
 大ちゃんが休日で昼間からビールを飲んでいる。
 ハチママが週末に山下洋輔さんの紫綬褒章祝い(身内のみ)に上京という。
 大阪も「身内」が勢揃いしたのだから、ささやかに「前祝い」をやろうというのである。
 off
 まあ、ハチ一家、ウチ、大ちゃん(天涯孤独)が平日の昼間に揃うのは珍しい。
 ただし、わしゃ図書館の食堂でまずいランチを食べた後なので、あまり飲む気にもなれず、ビール一杯だけつき合う。
 夜は図書館の帰りにTakeuchiで買ってきたパンでワイン。
 巨人がヤクルトにまたもボロ負けである。ははは。

6月13日(金)
 午前中、少しは仕事もするのであった。
 昼、またもハチへ。昨日のデジカメ写真をプリントして届ける。
 ついでに「天満人」というタウン誌別冊を製作中の井上彰氏と打ち合わせ。ヌル時代(未成年の時)の写真などを渡す。
 原稿は……まあ、天神祭にあわせて発行予定で進行している。
 いったん帰宅。
 夕方、神戸へ。
 神戸文化センターの会議室で「神戸ジャズ・ストリート実行委員会」にオブザーバー出席する。
 神戸ジャズ・ストリートのHPのリニューアルが進行中で、こちらで計画中のODJCのHPや、わがニューオリンズ・ラスカルズのページとどうリンクさせるかの打ち合わせ。
 末廣光夫さんはインターネットは利用しないが、暁子夫人は詳しく英語にも強い。
 神戸ジャズ・ストリートについての末廣光夫氏の着想は1930年代のニューヨーク52番街にあるという。
 当時ここにはジャズスポットが軒を並べていて、ジャズスポットをはしごするのに「ストリートへ繰り出さないか」で通じた。神戸・北野坂の石畳の通りをこんな雰囲気にしたいというのがもともとの発想という。
 最近、各地で開かれる「ジャズストリート」はフェスティバルやイベントの代名詞になっていて、本来の主旨からはずれつつあるらしい。
 「神戸ジャズ・ストリート」は「日本のジャズ発祥の地」として北野坂の日常にある。
 秋の「神戸ジャズ・ストリート」はその秋祭りみたいな行事なのである。
 この発想にしたがえば、神戸ジャズ・ストリートホームページも、イベント案内だけでなく、神戸ジャズの中心的なページとして機能すべきだろうし、その考えには大賛成である。
 ODJCのHPもそうしたい。
 ジャズは日常茶飯にあるべきなのだ。
 末廣光夫さんは神戸ジャズ・ストリートの実行委員長であり、ODJCの会長でもあるから、記事を書いてもらうとして、両者の争奪戦になりそうだなあ。
 会議が終わってから、末廣光夫夫妻、ODJC事務局長の口羽さんと4人で三宮の寿司屋「すし万」へ。旨い刺身と日本酒をご馳走になる。……店主・関川信弘さんは鈴木宗男より品があり坂田利夫より利口そうな方である。関係ないか。
 ヨーロッパツアーの話など聞いていたら、たちまち23時である。
 帰宅は夜中になる。

6月14日(土)
 穴蔵でCDを聴くのであった。
 timedomain mini 恐るべし。
 仕事が手につかない。
 夕刻、阪急石橋へ。
 友有り遠方より帰阪すまた楽しからずや。
 居酒屋でバカ話2時間半。
 ……しかし、安くて魚のうまい居酒屋というのは、土曜の夕方、夕食を食べに来る家族ご一統様など多くて超満員。早めの解散となる。
 阪急梅田の成城石井でワインを1本買って帰館。
 帰宅するとニューオリンズ・ラスカルズの初代ピアニスト・安達智氏の訃報……というよりも、もうニューオリンズ・スタイルでの葬送は終わったらしい。70年代のラスカルズでの演奏はよく聴いている。武村信吾さんといい、ピアニストの訃報が続くのは寂しい。
 本日、サントリー5にラスカルズ出演の日で、ラストステージに間に合わないではないが、さすがにつらい。
 安達さんのピアノが聴ける初期の傑作「You Rascal You」を流しながら、急冷したワインを飲むのであった。

6月15日(日)
 曇天である。
 近くのスーパーに食材を買いに行く以外、終日穴蔵。
 ほぼ終日、CDを聴く。
 ニューオリンズ・ラスカルズからバド・パウエル、1974年のユーゴにおける山下洋輔トリオ、ジョー・パス、バディ・デフランコと、およそ脈絡なし。
 timedomain mini 恐るべし。
 仕事進まず。
 ちょっとした必要あって30年ほど前の写真を探していたら、父親と撮った写真が出てきた。
 「父の日」記念で公開。
 たぶん1973年の夏。実家に帰省した時、ともかく凶暴な野良猫がいて困っていた。そこで、親父と協力して「生け捕り」にした。古典的ともいえる、箱の下に餌を置いて、ひもで引っ張って箱を落とす方式。
 off
 写真はその箱ごと自転車に乗せて、揖保川の西側へ放しに行く、出陣の記念写真である。
 父は64、5歳か。……だんだん似てきたなあ。
 夜、専属料理人が並べてくれた6品ほどを肴にビール、阪神〜巨人戦。
 投手戦・延長を片岡のサヨナラ安打で征すが、ヒーロー・片岡というのでは下柳が可哀想であるなあ。
 ま、巨人が負けたのだから贅沢はいうまい。


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