HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』191

●マッドサイエンティスト日記(2001年3月前半)


主な事件
 ・滝川雅弘4+谷口英治のライブ2日間(1、2日)
 ・今シーズン花粉症開幕(3日)
 ・兄弟妹そろってニューオリンズ・ジャズで早めの彼岸(9日)
 ・【大予言】ハゲ頭・五十嵐とつるんだ?田中康夫の陥穽(15日)

2001年

3月1日(木)
 某「小松左京マガジン」2号の原稿を仕上げてメール。
 夜、専属料理人と合流して谷町九丁目のライブハウス「SUB」へ。  滝川雅弘4+谷口英治のライブを聴く。

3月2日(金)
 本日、夕方から東京會舘でSF大賞の受賞パーティ。昼前までどうしようか迷っていたが、結局しんどくなってやめる。精神的な落ち込みではなく、体力である。新幹線の3時間がこの半年ほど、急激につらくなってきた。飛行機の方が楽なのはわかるが、やはり覚悟がいるからなあ。……10年前は、3時間の読書時間は嬉しくてたまらなかったものだが。
 SF大賞時刻、守口ルミナールホールへ。滝川雅弘4コンサート(スペシャルゲスト・谷口英治)を聴く。

3月3日(土)
 夕方から天満で某講座の講義。
 地下鉄天満から5分ほど歩く間に目がしょぼしょぼ、くしゃみ連発。
 本日が今年の「本格的花粉症の季節開幕日」である。

3月4日(日)
 花粉が嫌で終日書斎に籠もる。
 ビデオで昨夜放映のNHKのドラマ「歌恋温泉にようこそ」を見る。学芸会みたいで、見ていてちょっと気恥ずかしい。「ミュージカル」を称して音楽が悪いのだからどうしようもない。クラリネットの見せ場聴かせ場をもっと作るべきだし、せっかく坂田明(アルトを吹く板さん)といういい「役者」がいるのに、もったいない話だ。
 芦辺拓『時の密室』を読む。傑作である。

3月5日(月)
 必要あってポルトガル語をちょっと「勉強」する。
 技術用語は英語との共通点が多いようで、読むのはなんとか、日本語からのポ訳は名詞のみ、発音チンプンカンプン。
 寒くて、夜はネギマ鍋である。

3月6日(火)
 午後姫路方面。
 夜、播州龍野の実家に帰る。寒い。鼻水しきり。
 駅近くの酒屋で昨日発売になった発泡酒「アサヒ本生」のキャンペーン中だったので6缶買って帰る。……これ見事にビールである。スーパードライが「発泡酒」系の味で好きではなかったが、これはむしろエビスに似ている。これはヒットするだろう。スーパードライが落ち込むだろうけど。
 しかし、発泡酒の酒税引き上げが心配だなあ。

3月7日(水)
 「SFJapan」を読む。小説よりも対談・座談の方が面白いというのは困ったものだ。山田正紀がだんだん過激になっていくようで楽しみである。

3月8日(木)
 韓国の知人と電話でしゃべる。ウズベキスタンへ行くとなれば、今のところヨーロッパ経由か、韓国からの直行便しかない。……4月から関空からの直行便が飛ぶとかいう話もあるが、まだよくわからない。
 6、7月にひょっとしたら……。

3月9日(金)
 霙混じりの雪が降る。
 原稿を書くのであった。
 珍しいことであった。

3月10日(土)
 終日書斎。
 夕方、兄が来宅。妹もいっしょである。昨夜、実家に帰っていて、本日大阪まで出てきたというか、帰路立ち寄ったというか。ウチの専属料理人も入れて、4人で近所の串焼き屋「串樽」へ。……ここは小松左京令夫人と秘書の樋口さんが昔から時々立ち寄られる店でもある。
 串焼きのあと4人でぞろぞろ歩いて梅田、ニューサントリー・ファイブへ。
 要するに兄は、ニューオリンズ・ラスカルズが聴きたいから大阪で途中下車したのである。本日は、河合良一(cl)、福田恒民(tb)、木村陽一(ds)以外はレッドビーンズのメンバーという構成。ベースの石田さん欠席は珍しいことである。
 父の月命日、オーバーストラーテン神父追悼と母の愛猫供養ということで『In the upper garden』を兄がリクエスト。これは「GEORGE LEWIS PLAYS HYMNS」の一曲目に入っていて、これはピアノ、ベースとのトリオによる演奏。ここでは福田恒民さんのトロンボーンが加わって、もうこれが素晴らしく、感涙ものの演奏であった。
 結局、3ステージ、最終まで。バーガンディもティショミンゴもタイガーラグもリンゴの木の下でもアラビアの酋長も全部聴けたから最高の夜であった。

3月11日(日)
 終日書斎。
 原稿は書けないのだった。

3月12日(月)
 Irsonという人?からメールが来たが何人(なにじん)なんだ?。アドレスがドットコムだと法人なのか個人なのかもわからない。ありがたいお話なのかもしれないが、自己紹介もまともにできない相手では決まり文句の返事しか出せないぞな、もし。

3月13日(火)
 げ。昼前、株価12000を割る。バクチが嫌いだから株なんてものは所有していないが、いよいよ世界恐慌の始まりか……。
 「家庭の事情」((C)トニー谷)で専属料理人がいないので、食料品を買って帰る。すき焼き用の肉が安かったので他の材料もいっしょに買ってきたが、こんな日に限ってボンクラ息子ふたりとも帰ってこない。ひとりですき焼きというのも困ったものだ。材料、大半を明日に送る。
 衛星放送で『喝采』(クロスビー/ホールデン/グレース・ケリー)を観る。まあこんなものか。アル中描写がワイルダーほどうまくないなあ。

3月14日(水)
 朝6時に洗濯する。朝7時にひとりで朝食を作る。夕方、洗濯物を取り入れ片づける。それから「かめくん」舞台の淀川堤へ自転車で走る。ミールの通過、観測できるのは今日がたぶん最後である。昨夕はよく見えたらしいが、昨日は6時過ぎまで拘束されている事情があったのである。18:20〜30待機するが結局見えない。かなり西の低空だったようで、しかも北西方向に無粋な雲。嗚呼……。
 off
 落胆して帰宅して、昨日の材料で、オムレツとすき焼きを作る。凄い組み合わせだが、賞味期限の迫った食材整理も兼ねている。ボンクラ息子ふたりがほとんど平らげてしまう。……こういう生活が快感になると新車に乗った巨根への堕落第一歩であるから要注意である。
 食器の片づけが終わった頃に専属料理人が帰宅。静岡駅構内の生鮮食品売場で買ってきたという、鰺の開き、黒はんぺん、シラス、わさび漬けなどがあり、それらを並べてビール、焼酎。

3月15日(木)
 とうとつに「脱ダム宣言」を行ってからの田中康夫の周辺がなんだかきな臭いので調べてみたら、年末に妙な動きをしている。
 12月29日午後に五十嵐敬喜らと公共事業のあり方について「勉強会」をしている。……年が明けてからヨーロッパ旅行、帰国してから「脱ダム宣言」というわけだが、12月29日の「勉強会」で入れ知恵された結果だとしたら、田中康夫はドツボに落ちかねないぞ。五十嵐敬喜という抜け目のなさそうな目つきの土建屋面したハゲ頭(←法政大学教授!(失笑)……もと三百代言)が、公共事業に関してどんな考えを持っているのか知らないし知りたくもないが、浅知恵というか悪知恵というか、悪辣な策を弄しすぎる男なのだ。わしゃ最終的に自分の目で見て自分の耳で聞いたことを信じるから断言するが、もしハゲ頭・五十嵐が「ブレイン」などと称して憑依しているとしたらろくな結果にはならない。……土木部長の解任や秘書の「裏切り」もその影響か? だとしたら、長野県政は妙にねじれはじめるぜ。民主党と同じことになる。この男の体質は、土建屋と理念がちがうように見えて、やることなすこと公共事業にたかる政治屋も同質としか思えないからだ。……と、これは「体験的」大予言である。間違ってたらむろん直ちに詫びる。ハゲ頭・五十嵐にではなく、このページの読者に対して詫びる。が、当たるぜ、これは。今後楽しみに観戦させていただくことにする。


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