『マッドサイエンティストの手帳』865
●マッドサイエンティスト日記(2025年11月後半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・KLL例会(21日)
・停電の日(25日)
・堀晃『宇宙ランド2100』(盛林堂ミステリアス文庫)
11月16日(日) 大阪←→播州龍野
日曜だが、早朝の電車で播州龍野へ移動する。
始発時はまだ暗い。冬至が近いのである。
播州龍野にて9時から始動。
・M自動車へ行って車検の終わったワゴン引取り。
年内で廃車か迷っていたが、こちらでのややこしい案件が続きそうなので、あと1年は必要である。
・タイムマシン格納庫で雑事。メンテナンス業務はまだ残っているからなあ。
・地方信金とJAのATM回り。年末が近いのである。
・午後に某工務店来宅、先日から進めていた補強工事が終わり、その現場確認。
丁寧にやってもらい、たぶんわが生存中は大丈夫であろう。
庭周辺もシルバー諸氏が丁寧に雑草の処理をしてくれていて、来春までは問題なし。
・その後、先月初めから懸案だった「地籍未確定」の区画に出向く。
行政書士と「先方」と現地集合しての境界確認の立会い。
あっけなく……というか、ごく友好的に片づいた。
先方のいうには、悪いのは「市」であって、ウチと先方の境界には何の問題もない。
(先方と公道の境界の図面を見れば確かにもっとも。地籍調査で、役人が面倒になって、隣接するウチもいっしょに「未確認」にして投げ出した気配がある。)
ま、先方と市の問題は残るが、当方は「筆界特定」とかをやらずに済み、最悪2年近くかかりそうなのが数ヶ月で片づきそうな。
負の遺産をしょい込まなくて済みそうである。
実家から少し離れたエリアにて。
*
鶏籠山は見えるが、まるで別世界……クマが出現しても不思議でない雰囲気だ。
夕刻の電車で帰阪。
播州龍野関係の諸問題が大きく進展して、二地域居住の展望が開けてきたような。
疲れた……が、心地よい疲労感である。
11月17日(月) 穴蔵
終日穴蔵。昨日の反動である。
雑事……というか、経過報告書の作成に時間がかかる。SF系のことはできず。
11月18日(火) 穴蔵/ウロウロ
寒波到来というが、普通の日である。
午前は「奇妙な雑務」……急に頼まれて、30年ほど前の短篇(自作ではない)を雑誌から発掘してテキスト化する。
読み返して見ると結構面白く、現代風である。長篇大殺戮ノベルの冒頭みたいな雰囲気。これからどうなるのか期待する。
午後、茶屋町アプローズまで出向く。芦屋にいる身内(妹だが)が出てきたので喫茶店で話す。
播州龍野関係の経過説明と今後の相談だが、クマの出没とか親戚関係者の出没とか、話が周辺の怪しい事情にまで拡大して、2時間以上話し込んでしまった。
兄妹でこんなに話すのは半世紀以上なかったような気がする。
帰路、公園横、いつもとは反対側を通ったら、樹木の枝がバッサリ切り落とされている。
*
樫やらなんやらの常緑樹全部。ここ数日の所業だろう。
身ぐるみ剥がれたようで、急に風が冷たく感じられる。
寒波は皮膚感覚よりも視覚から来るのではないか。
11月19日(水) 穴蔵
終日穴蔵にあり。
色々雑件の処理。
午後、BSで『惑星ソラリス』を見る。
前に見たのは1977年だったから、48年ぶりか。
冒頭あたりの未来都市(東京ロケの高速道路)とラストの原作との違いはよく覚えているが、ともかく長くて往生した記憶だけが残っている。原作に較べてやたら登場人物が多いし。
宇宙ステーションが(金をかけてない分)はじめて生活感が出ているなと、その点だけ感心した。
今回は、忍澤勉『終わりなきタルコフスキー』(寿郎社)で、詳細な画像分析を読んでいるから、見方が変わった。
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なるほどそうであったかと感心するところ多し。
ただ、テンポの緩さは体質に合わないし、「SF」度は原作からガタッと落ちる。最高のSFを普通の文学にしてしまったとでもいうか。
『終わりなきタルコフスキー』を読む方がはるかに面白い。これひとつの不思議。
11月20日(木) 穴蔵
晴。今朝が「いちばんに冷え込み」という予報だが、6時のベランダは8℃(アメダスは6.4℃)。
大袈裟に騒ぐ気温ではない。今年2月22日は、最高7.5℃、最低2.2℃だったんだからな。
つい先日まで暑い暑いといっておりながら、バカじゃねえか、テレビの予報屋ども。
といいつつ、わたくしは寒がりなので、終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
11月21日(金) KLL例会
晴。昼前に出て、阪急で越境、大阪から兵庫県の三宮へ向かう。
市役所と区役所の間の眺め。
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やはり神戸の街並みは大阪に比べて、歩いていて気分がいい。
インバウンドが少ないからだろうか。
午後、区民センターで神戸文芸ラボ(KLL)例会に出席する。
本日はインフルその他で欠席者が多く、作品合評は来月に送って、老人数名の雑談会となる。
Anchor KLL次号で「追悼特集」の予定だが、有力メンバーのひとりを喪って、今ひとつ元気がでないところがある。
本日は早めの閉会。
新開地あたりをウロウロしたいのだが、時間が中途半端。改めて専任料理人と来ることにしよう。
11月22日(土) 穴蔵
世間3連休の初日。人出が多いだろう。出歩かないに限る。
終日穴蔵。
外出は近所へ買い物、飲料系重量物のポーターを務めただけ。
A研究所と大淀のアトリエの間の眺め。
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北側の古い二階建ての住居が取り壊し中である。
A研究所のできる前からあったはず。
何ができるのか。
あと、やりにくいだろうなあ。ここを通る人の多くが見比べていくんだからからなあ。
楽しみといえば楽しみな。
11月23日(日) 穴蔵/ウロウロ
3連休2日目。
出歩かないに限るが、天気がいいので、健康維持のため少し歩くことにする。
南東方向。中崎町界隈はインバウンドもおらず快適。
紅葉も見たくなり、扇町公園まで……と、ここがえげつない人出。
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関テレ主催のイベントらしい。
昨日の御堂筋(阪神のパレード)といい、困ったものよ。
進路を北に変え、天五〜黒崎町で青空書房の跡地にお参り〜許永中の邸宅跡(集合住宅になって面影もなし)〜豊崎の長屋〜南濱墓地〜と2時間ほど歩いて帰館。
まあまあいい運動になった。
これで寿命が少し延びればいいのだが。
堀晃『宇宙ランド2100』(盛林堂ミステリアス文庫)
久しぶりに自分の本なので照れくさいのだが、ちょっと自己紹介。
このたび北原尚彦さんが、わが「ジュニアSF」をまとめて下さった。
半世紀ほど前の、自分でも忘れていた(隠しておきたかったのもあり)作品を発掘していただき、なんとも不思議な気がする。
盛林堂ミステリアス文庫に入り、光瀬龍氏『ジュヴナイルSF未収録作品集』や石原藤夫氏『ショートショート集成』の後列に並ぶことができて、これはまことにうれしい。
本日「文学フリマ」で発売、ネットでも販売開始されたので、ここでも紹介させていただく次第です。
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拙作についてはともかく、次のことだけは書いておきたい。
本書には小松左京氏の脚本による「幻の人形アニメ」の絵コンテが収録されています。
1965年に企画され、残念ながら実現しなかったSFアニメ。その「絵コンテ」で、小松氏の年譜にも記載されておりません。
この小松作品がなぜ……と思われるでしょうが、小松左京ライブラリのご好意によります。
事情は、わが「解説」をお読みいただけるとありがたいですが、上記ライブラリにも少し紹介あり。
絵コンテが読めるのは(今のところ)本書だけです。
11月24日(月) 穴蔵/ウロウロ
やっと3連休最終日。
終日穴蔵……のつもりだったが、サプライ品の必要があって、午後、ヨドバシまで出向く。
やはりえげつない人出。
グラフロ西側を歩いて帰る。
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この道は空いている。人出はほとんど買い物客なのだろう。
……静かな道はいいが、ここも夜になると、木に巻きつけられたLEDが輝き出すのではないか?
夜は出歩くことなく、茶屋町や御堂筋のイルミネーションを見ることもないが、冬は木を休ませてやってほしい。
11月25日(火) 停電
朝だ。雨が降っている。のど飴を舐める。
本日は停電の日。集合住宅の配電盤更新のため、昼間(10〜17時)は全館停電となる。
エレベーターと給水ポンプは仮設電源で対応するというが、PC、照明、エアコンは使えず。
前回は4年前だった。停電の日に穴蔵にいても何もできない。
10時前に出て、西長堀の中央図書館へ。調べたいことが多少溜まっていたので、いい機会である。
地下から入ったところにSFが展示してあった。
11月23日に円城塔さんの講演「SF的思考で見えるもの」があり、それに合わせての展示である。
残念。知っておれば来たのだが。
午後まで館内で過ごす。が、ダウンを着ているのに、体が冷え切ってしまう。館員諸氏は普通の服装だが。
当方の体調が悪いのか。
ちと悪寒がして、14時過ぎに出て帰館、17時の通電まで、薄暗い穴蔵で、2時間ほど布団にくるまって過ごす。
最悪の日であった。
(つづく)
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