『マッドサイエンティストの手帳』834
●マッドサイエンティスト日記(2024年8月前半)
主な事件
・SF検討会@穴蔵(2日)
・創サポ講義(10日)
・山下洋輔×福盛進也@ハチ(11日)
・河合良一メモリアルライブ@ニューサン(12日)
8月1日(木) 穴蔵
目覚めれば8月であった。本日も炎天なり。ついでに1週間ほど「危険な暑さ」が続いている。
老人が迷惑をかけてはいかんので、終日穴蔵。
外出は近所の食品スーパーへ重量物(主に飲料)運搬のため行っただけ。
野々村竜太郎の生家前にあった老朽アパート、駐車場に変わり、本日より営業開始。
*
10台のスペースに6台。まあまあのスタートか。
竜太郎、素人占い師なんていかがわしいことはやらず、きちんと働けよ。
オンボロアパートも立派に更生したのだから。
8月2日(金) SF検討会@穴蔵
本日も炎天で「危険な暑さ」。もう飽きてきたけど、致し方なし。
午前。市営廃墟、野々村竜太郎の生家前の日陰、自転車置き場の青い屋根の上でトラ2匹が昼寝している。
斜めに張られたロッドを伝ってのぼったらしい。器用なものである。
* *
ここなら「性格の悪い」クロも来ず、安眠できるのだろう。
夕刻、かんべむさし氏が来穴蔵。
定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
昨年の暮れ以来か。花見会もやらなかったし、まったく久しぶり。
終活とか痴呆症とか世代交代とか、暗い話では意見が一致するが、生成AI創作に関しては不思議に話が食い違う(理想論と現実論の違いと思う)。
ビール、酎ハイを飲みつつ、気がつけば4時間近く経過。この議題は次回に持ち越しとする。2、3ヶ月先には状況は変わっているだろうが。
8月3日(土) 穴蔵/淀川花火
本日も炎天で危険な暑さ。さすがにうんざり。
終日穴蔵。色々読んで過ごす。
運動不足で体力(脚力)低下が心配だが、しかたあるまい。
たちまち夕刻。
本日は淀川花火だが、城北公園通りを北へ歩く人は昨年に較べて少ない。
淀川左岸の堤・河川敷は立入禁止の広報が行き届いたのだろう(去年で懲りたか)。
ビール飲んでたら、19時30分から花火の破裂音が雷鳴のごとく響きだした。
酎ハイに切り換えて、最後の20分ほどをテレビ中継で見る。
*
ヘリからの中継で、画面左隅にウチの近所の高層ビルが映った。
スペースコロニー内で太陽嵐を見物するのはこんな気分だろうか。
8月4日(日) 穴蔵
本日も炎天……かと思ったら、薄い雲あり。
全国的に「危険な暑さ」らしいが、朝の直射光さえなければ、どうってことなし。
終日穴蔵。色々読んで過ごす。
夕刻(16時〜)急に暗雲、驟雨あり。
ベランダの温度計は38→31℃(アメダスは36.0→29.0℃)に急降下。打ち水効果恐るべし。
これで国際的運動会さえ終れば、暑苦しさからは解放されるのだが……まだ1週間ほどかかる。
さらにアホ高校生の棒振り大会が始まるか。鬱陶しい日が続くなあ。
8月5日(月) 穴蔵
不調である。
原因は睡眠不足。本を少し読むと眠くなり、小刻みに昼寝するため、夜眠れなくなる。
さらにその原因は「運動不足」で、危険な暑さというから外出自粛しているため。
熱中症でバタンキューも悪くないと思うが。
終日穴蔵。
昼はBSで『勝手にしやがれ』を見る。さすがに今見ると退屈。ホテル内のふたりだけの場面、散漫な会話が30分以上つづく。こんなに長いとは思わなかった。
夜は一杯飲みつつBSで『続・荒野の用心棒』。60年ぶりか。イタリアン・リアリズム調濃厚。リンチ場面は溌剌としているな。
明日は外出、少し運動することにしよう。
8月6日(火) 穴蔵
またも炎天復活、朝から直射光。エアコン稼働させる。
本日も外出自粛。ただし昼寝も自粛。睡眠パターンの正常化をはかる。
終日穴蔵。
週末からの「三連休」に色々控えているので、その準備作業。
まあまあはかどった。
夕刻、急に暗雲たちこめ、「大阪市に大雨警報」のテロップが流れる。
*
雨に煙る北梅田を眺めつつビール、酎ハイ。
ゲリラ雷雨……というほどではなし。稲光から雷鳴まで10秒ほどかかる。
淀川花火よりずっといい。
8月7日(水) 穴蔵
立秋である。
本日も炎天だが、心なしかそう暑くもなし。秋来たりなば冬遠からず、寒い季節が近いかと思うと憂鬱になる。
穴蔵にこもって、昨日と同じ作業の続行。
少しは体を動かさねばならぬ。
午後、クールビット(首筋に冷却装置のついた帽子/この帽子の出番もあとしばらくだろう)を被って茶屋町郵便局、ジュンク堂。
あと近くの食品スーパーで非アルコール系飲料を買って出たら、同じく非アルコール系飲料を入れたレジ袋を下げたA先生と、前の信号でいっしょになる。ちょっと距離を置いて近くの事務所まで。
*
仕事中も自分のことは自分でやりはるのだ。見倣わねば。
わたくしも穴蔵に戻り机に向かうのであった。
8月8日(木) 穴蔵
8月8日……ハチママが元気なら91歳の誕生日である。
ジョージ・ルイスの124歳誕生日には及ばないが、誕生祝いはやる。今年はちょっとずれて8月11日の予定。
本日は秋晴れ。少し暑いが残暑であろう。空気は澄んでいる。
終日穴蔵。
マジメに机に向かって過ごすのであった。
夕刻、宮崎南部(日向灘)で震度6弱、M7.1の地震。宮崎なんとか地震という名がつくのかな。
報道がほとんど五輪から地震に切り替わったのがありがたい。
テレビ見ながら晩酌。
*
居酒屋メニュー、6、7皿並べてもらってビール、酎ハイ。
19時45分から気象庁の会見がはじまる。
南海トラフに関して「巨大地震注意」が出た。
ふたつのことが頭に浮かぶ。
・これで大阪の取るべき防災対応が明確になった。
万博中止、IR工事も中止である。あんな危険な場所に子供を招待などもっての外。夢洲は今のまま放置すればよろしい。
今までかかった費用? 復興費用に較べればしれたものではないか。
・気象庁の判断はすべて過去の膨大なデータと照合して行われている。
生成AIによるシステムがすでに完成していて、気象庁はAIの代弁をしているだけではないのか。
会議に2時間要したのは、もったいづけだろう。
記者との質疑応答を聞いていると、チューリングテストをやってるとしか思えないのである。
結果は? むろん合格である。
8月9日(金) 穴蔵
本日も秋晴れ残暑。出歩く気分にならず。
終日穴蔵。
たちまち夕刻。
晩酌時、ビール飲んでたら、20時前に神奈川で震度5弱の地震のテロップ。
昨日の宮崎に続き、今度は南海トラフの東端か……と緊張するが、外れているような。
専任料理人が横浜の一家とメールやりとり。たいした地震ではないらしい。
五輪放送が中断する規模であってほしいが……つぎは台風待ちか。
8月10日(土) 創サポ講義
晴時々曇。雲の変化が早い。相変わらず残暑。
終日穴蔵。
夕刻に這い出て上町台地へ向かう。
谷四の大阪管区気象台の観測施設を見る。大阪のアメダスのデータはここで観測している。
現場の気温を実際に体感してみたかったのである。
*
左端にあるのが強制通期筒。日照は(たぶん)影響しないのだろう。百葉箱はもうない。
17時、日陰になっている。下は芝生。汗もかかず涼しい。29℃くらいに感じる。
【帰宅後調べると32.2℃だった。わが穴蔵のベランダの記録は35℃。アメダスよりいつも2℃ほど高いが、体感的には5℃以上の差か。】
春夏秋冬、どう変わるか(来年まで生きておれば)調べてみることにしよう。
気温に限らず、地震や台風など、気象庁の発表を鵜呑みにしていいのか、いつも迷うからなあ。
大阪城大手門から府警の府庁の間を抜けて谷町筋へ。
18時から創作サポートセンターの講義。
本日はSF系の提出作品が6篇。
・日記に謎の一ページ。株価予想らしいが……「悪魔との契約」を逆手に取ったショートショート。日記をパソコンかスマホで書いている設定にすれば、恐怖感がより現実味を帯びると思う。
・死亡した妻が残した日記の謎。葬儀に警官が数人やってくる。妻には闘病中に意外な行動があった……。ちょっと感動的な短篇。
・太陽系を出たボイジャー1号を擬人化したハードSF短篇。出発から70年後に奇妙な天体と遭遇する。
・水没した都市のイラスト(課題)からイメージを広げた短篇。活発な少女の行動が、なんと『都市と星』のテーマにつながっていく。
・上海で異形のレスラーを集めて行われているプロレス興行に、勇壮なレスラーと学究少年という不思議なコンビが紛れ込む。戦雲たちこめる上海租界を舞台にしたスチームパンク……というよりバイオパンク中篇。傑作である。
・RPGをテーマにした「総合小説」ともいうべき異色の長編。ゲームのノベライゼーションではない。引きこもり少女のRPGによる成長小説であり、キャラクターを思わせる妖精?がからむファンタジーであり、RPG同好会の友情小説であり、PRG論であり(しかもクトゥルフがからむ)、RPGの実況中継小説?(これはひとつのジャンルが成立しているらしい/このパートがいちばん長い)でもある。わたくしはRPGをやった経験がないので、ゲーム描写のリアリティが判定できないのだが、ゲーム経験者の評価は高い。わたくしには、ゲーム主体とひのキャラクターがからみあう複雑な描写(会話)は一種のメタフィクションに読めるのだが、その読みが浅いのか深いのか、自信がもてない。ともかく多様なテーマをはらんだ長篇で、ケームに詳しい別講師にもコメントしてもらう必要がありそうだ。
面白く刺激的にして疲れる日であった。
8月11日(日) 山下洋輔×福盛進也@ハチ
本日も残暑なり。
終日穴蔵。マジメに机に向かう。わたくしも少しは心を入れ替えたのである。
たちまち夕刻。
専任料理人と歩いてハチへ。
1970年の乱入以来、山下洋輔さんが半世紀以上、律儀につづけられている「8月8日ハチママ・バースディ・ライブ」。
今年は少し日がずれたが、91歳の誕生日である。
*
山下洋輔さんのソロで、
・キアズマ
・コミュニケーション
・Brunetta
・First Bridge
ここから福盛進也(ds)さんが加わり、デュオで、
・For 2 Akis
・Birth
・仙波山
・Hachi
アンコールは確か
・You Don't Know What Love Is
最前列で、左耳からピアノ、右耳でシンバルの繊細な音が入ってくる、最高の席で聴けた。
大ちゃんやコロちゃんなど、懐かしい顔ぶれとも再会。
しばらくハチでビールを飲む。
*
着替えてこられた山下さんとも、久しぶりにお話できた。
大ちゃんはさすがにサマータイムをがなる元気はなし。静かに歓談のあと散会となる。
最高の一夜であった。
8月12日(月) 河合良一メモリアルライブ@ニューサン
相変わらずの残暑だが、パリ五輪がやっと終わり、東北に台風5号による打ち水もあり、列島は少し涼しくなった気がする。
3連休の最終日。
昼過ぎに出て、梅田のニューサントリー5(映像あり)へ。
河合良一さんのメモリアルライブである。本日が1周忌。
ODJCメンバーのバンドとファンが集結して河合さんを偲ぶ。
・第1部はODJCの4バンドがそれぞれ思い出の曲を演奏。
ニューオリンズ・ラスカルズ(clは加藤平祐)の「Alexander's Ragtime Band」(ルイスの来日第1曲)から始まり、
ニューオリンズ・フォーティズ
ニューオリンズ・レッドビーンズ
TonTon(Vo)
マホガニーホール・ストンパーズ
おなじみの曲がつづく。
・第2部は東京から来た加藤平祐さんによる「Burgundy Street Blues」から始まり、
ゲストを交えて色々なセッション。
*
河合さんのクラリネットを受け継いだふたり、保田貴秀(左)と加藤平祐(右)がともに遺品のクラリネットを持参しての演奏。
賑やかに「Over The Waves」、しめやかに「In The Garden」で終了となった。
*
本日の出演者約20人で記念撮影。
河合さん亡きあとのニューオリンズジャズを引き継ぐ新旧の顔ぶれである。
昨日のハチでの山下トリオ、本日のニューサンでのラスカルズ、ともに大阪万博(1970年)の年から半世紀以上聴き続けてきた。
あと何年付き合えることやら。
8月13日(火) 穴蔵
晴。残暑……らしい。
終日穴蔵。午前、3時間ほどエアコン稼働。あとは扇風機で快適な1日であった。
マジメに机に向かう。たいした成果はないけど。
一杯飲んで早寝。
8月14日(水) 穴蔵
晴。残暑。関東・東北の「打ち水」がうらやましい。
終日穴蔵。
机に向かい、時々ベッドで読書、の繰り返し。
・昼前に岸田が総裁選に不出馬を表明。パリ五輪中にやってくれよ。
・ちょっと前のニュースだが、自転車で万博へ行けるという。
吉村が「淀川サイクルラインで、そのまま万博会場に自転車で行けるような仕組みをつくります。万博会場の入口まで。」と発言。
調べると、正確には「淀川リバーサイドサイクルライン」。京都の嵐山を起点にして淀川左岸や中之島付近を走行。常吉大橋を経由して舞洲に渡り、夢舞大橋から夢洲に入るという。
問題は、毛馬から「左折」するルートだ。
毛馬から大川沿いを桜ノ宮まで走り、中之島付近(堂島川/土佐堀川?)を走って、西端から(どんなルートか知らないが)また淀川左岸に出て、常吉〜舞洲〜夢洲というルートだ。
こんなに危ない道はないぞ。特に川口から酉島・伝法あたりへの道は。
昔から、枚方から毛馬経由、淀川左岸の堤を(ほとんど信号なしで)常吉(淀川河口)まで一直線に走れた。じっさい、わたくしは5年前に走っている。
万博開催にあわせて、左岸線工事のために堤防は封鎖されてしまった。しかし、この堤防を開催期間中、シャトルバスが(素人運転手の運転で)走るというではないか。
なぜ自転車はだめなのか。いわんや歩行者においておや。
吉村、少しは考えろ。「歩いて万博へ」行けるべきだぜ。
わたくしは万博に興味ないから、淀川堤を歩くだけだけど。
たちまち夕刻。
専任料理人に色々並べてもらってビール、ワイン。
・テレビで読売阪神戦をやっている。わたくしは20年ほど前から職業野球に興味は失っているのだが、専任料理人が、あのピッチャーは「外人女性を殺して、整形して逃亡した殺人犯に似ている」から見ているという。確かに、背番号20の投手、市橋達也にそっくりである。
殺人犯を雇うとはナベツネ球団も堕ちたものよ。
そんな殺人犯に完封されるとは、阪神もヤキが回ったというべきか。
8月15日(木) 穴蔵
晴れたり曇ったり。朝、直射光が入らないのはありがたい。
終日穴蔵。
机に向かって過ごす。マジメになったのである。成果は別だが。
たちまち夕刻。
一杯飲んで早寝させていただく。
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