『マッドサイエンティストの手帳』800

●マッドサイエンティスト日記(2023年3月前半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり


3月1日(水) 穴蔵
 目覚めれば3月であった。
 5時前に目覚めてゴミ出し。ついでに猫のエサ場を見る。
 電動カートのオバサンが来て、エサの容器を持ち去るところであった。
  *  *
 いつもならさっと片づけるのだが、今日はトラ猫がまだ食事中のため、残っているエサをポリ袋の上に移し、容器だけを持ち去りはった。
 残ったトラはエサを食べている。右耳先端がカットされていることにご注目いただきたい。
 野良猫戦線……意外に大きな組織が動いているようなのである。
 これについては、近日中に報告させていただきたい。
 晴。
 終日穴蔵にて雑事。

3月2日(木) 穴蔵
 曇。午後晴れてきたので、散歩に出る。このところ歩いてないからなあ。
 寒い。風が強い。
 近所ひとまわりして15分ほどで引き返す。
  *
 ウチの北側、貨物線の高架の向う側を、地下から出たテスト走行車が這い上がるところであった。
 新駅オープンに合わせて、おおさか東線になるのだろう。
 4月上旬には放出へ行く予定だから、たぶん大阪からこちらを利用しても京橋経由と同料金のはず。
 新駅からの初乗りは4月上旬とするか。

3月3日(金) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 午前6時の電車。外は少し明るい。春は近いのであろう。
 午前9時前に到着。実家関係の雑事色々。
 主に庭の掃除と戸締りだが、戸締りはコソ泥には有効でも、強盗には役に立たないだろう。
 ぶち破れる窓や扉はいっぱいあるからな。
 金目のものはなにもないが、闇バイトのアホには判断できないだろうし。
 播州ではまだ事件は起こってないけど、こちらにひとりで泊まる気にはなれない。
 揖保川沿いを散歩。
 西の鶏籠山につらなる一帯は「山笑う」雰囲気。
 畳堤の向こうに堀家住宅の白壁。
  *
 強盗に入られないか心配である。
 桜の頃にまた来ることにして、本日は夕刻に帰阪。

3月4日(土) 穴蔵
 晴。寒さは緩んだ感じ。
 訃報が2つ。
 大川隆法(66)とウェイン・ショーター(89)。
 おかしな組み合わせであるなあ……円生とパンダ以来か。
 穴蔵にて雑事。
 午後、肉体労働。
 スーパーまで専属料理人に同行し、液体系重量物10キロほどの運搬を引き受ける。
 いい運動になった。
 夜はグラタン、カルパッチョ、パスタなど並べて貰って、昼間運んだ液体の「白」を少しばかり。
  *
 ウェザーリポートを聴きつつ。
 早寝。

3月5日(日) 穴蔵
 晴れて暖かそうである。
 散歩に最適のようだが、本日は日曜、人出が多そうで、見合わせる。
 終日穴蔵。
 本の整理をして掃除機かけていたら、2時間ほどで面倒になってきた。
 あとは終日穴蔵。
 3月3日に船岡久嗣が釈放されたというニュースをネット(TBS NEWS DIG)で知る。他に報道なし。どうなっておるのだ。
 わたくしは釈放はありえないと思っていた。拘留中に高井凜と似たようなことになるのではと余計な心配をしていたほどである。
 そんな心配はない……ということなのだろうか。
 で、船岡は今どこにいるのだ。
 マスコミ諸君(特にNHK)の奮起を期待する。
 夜は串カツで一杯。早寝させていただく。

3月6日(月) 穴蔵
 このところ、あまり本が読めなくなった。目が疲れやすく、30分ほどで眠くなる。
 100均の老眼鏡が合っていないようである。
 メガネなしで遠方を見ている分にはいいのだが。
 白内障手術から2ヶ月半。まだ点眼は継続中。正規の老眼鏡を作るのは三月経ってからといわれている。
 あと2週間ほど、近距離に視力を酷使しない方がいいか。
 ということで、景色や空を眺めて過ごすことにする。
 午後、近所を散歩。
 淀川を眺めたいが、新淀川大橋の歩道へは、左岸線と新御堂の接続道路の工事で、徒歩では行けそうにない。
 万博過ぎても(ということは生きているうちには)長柄〜十三大橋間の左岸堤には出られそうにない。
 左岸線と新御堂の交差部分。
  *  *
 西側は接続道の工事、東側は豊崎換気塔の工事がえんえんと続くことになる。
 豊崎神社に参拝して帰館。

3月7日(火) 穴蔵
 晴れて外は暖かそうな日である。
 10時半頃からYouTubeでH3の打ち上げをライブで見る。
 10:27に打ち上がり、行けるかと思ったが、10分ほどしてややこしいアナウンス、やがて「第2段エンジンの着火が確認できず」「機体を破壊する指令破壊信号を送信」したということで、11時前に中継は終わった。当然ながら「爆発」は見えず。嗚呼。
 次に期待するが……わたくしの場合、次が見られるかどうか、わからないのである。
 午後、散歩。近所の公園まで。
 先月植樹された小さい木に花が咲いていた。
  *
 札がかけてあり「カワヅザクラ バラ科」とある。こんな花であったか。これから大きくなっていくのであろう。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝させていただく。

3月8日(水) 穴蔵/ウロウロ
 晴れて暖。
 このところ運動不足なので、歩くことにする。
 10時頃に出て、梅田貨物線に沿って、豊崎第6架道橋(地下ヘの入口)から福島側の出口に向かう。
 うめきたの新駅(新ホーム)オープン前に、現状確認してみたくなったのである。
 阪急中津からスカイビルあたり。うめきた第2地区の北側、タワマンが伸びてきた。
 スカイビル東側の地下通路(グラフロへの通路)はまだそのまま。
 さらに南へ。「西梅田一番踏切」は遮断機が何かの支柱に変更されている(最後の日は撮り鉄が押しかけたはず)。
  *  *
 旧線路に沿って進むが「出口」付近はフェンスで見物できず。福島駅北側の浄正橋踏切は以前のまま(相変わらず単線/しかし東側の「斜面」切替工事はたいへんだったような)である。手の届きそうな距離を「はるか」が通過していった。
 この踏切廃止は2031年(列車は新駅から出て、地下でなにわ筋線の方に曲がる)の予定だから、わたくしは見られそうにない(しかし、この踏切で衝突事故が起きる楽しみは残されているわけだ)。
 周辺うろうろするが、福島駅周辺はフェンスと高架ばかりで面白くなし。
 ついでだから聖天さんまで歩き、西梅田一番踏切跡まで戻り、オープン間近の新改札(これもまだ見物できない)前を大阪駅まで歩き、ヨドバシ、紀伊国屋経由、かっぱ横丁の「佐勘」で稲庭うどんを食して帰館。
 12000歩ほどになった。

3月9日(木) 穴蔵
 晴れて暖。
 ウチの集合住宅に導入されているケーブルテレビの電波測定調査があり、待機しておらねばならぬ。
 こういうのはさっさと済ませたいので「午前中」で申し込んでいるのに、なかなか現れず。イライラしてくる。
 なんと12時55分にチャイムが鳴り、アホ担当が来て、5分で終った。わが部屋が午前のラストだったらしい。
 午前中は「10:30〜13:00」としてあるから、怒鳴りつけるわけにもいかず。
 半日を無駄にしてしまった。
 テレビはほとんど見ないから、検査さしでもいいのだが、端子までが共用部分になるのか、微妙なところだ。
 なんだか疲れてしまって動く気にならず。
 遅い昼食のあとコタツで雑読、昼寝。

3月10日(金) 穴蔵
 定刻4時に起きる(このところ22時前に就眠、4時起床のパターンが戻ってきた)。
 4:30に資源ゴミ出し、ついでに猫のエサ場を見る。
 電動カートのおばさんはまだ現れず、カラの容器を前にトラが待っている。
  *
 真中に食べそびれたのか、もう少しほしいのか。
 こんな場合(5時に来る電動カートおばさんは片づけ役だから)トラはエサを貰えるのかどうか……30分も見ているわけにもいかず。
 終日穴蔵。
 晴…というより薄曇り? 花曇りではなく、花粉と黄砂らしい。
 暖かいらしいが、室内は19℃。コタツに潜って過ごす。
 夜、NHKで関西熱視線「南海トラフ大地震 梅田に津波」を見る。
 津波に襲われた時、梅田限定で(多くは北区の住民ではないから)どんな避難行動をとるかのシミュレーションだが、たいしたことなし。
 いいたいことはいろいろあるが、要するに「水平方向に避難するなら新御堂筋の東側へ」ばかりで、「垂直方向」にはほとんど触れず。いちばん興味のあるのは地下(特にうめきたの新駅)なんだがなあ。

3月11日(土) 穴蔵
 晴。季節外れの暖かさという。
 休日で人出が多いであろう。
 終日穴蔵。じっとしていると(室温は20℃くらいで)やはり体は冷えてくる。
 ほとんどコタツで雑読。
 東日本大震災から12年。
 ニュースでは、福島の震災追悼復興祈念式典で岸田が「福島・東北の復興・再生に全力を尽くす」と挨拶したという。
 復興再生に全力を尽すなら、他の業務は何もしないということか?
 いや、東北の復興・再生の業務に当たる場合に全力を尽くすという意味です。
 それなら他の仕事は手抜きしているということか?
 業務全般に手抜きなどしておりません。
 では、他の業務には、手抜きはしないが、全力を尽くしていないということか? どうちがうのだ。
 すべて全力を尽くしております。
 それなら東北の復興・再生に、今までは全力を尽くしていなかったという解釈でよいか?
 ……と、きりがなくなるな。
 こんなこと考えるのは、むろん先日からの「行政文書」を巡る「辞任しろ」「捏造だ」騒ぎのせいである。
 この騒ぎに関しては、藤井青銅『国会話法の正体』(柏書房)がたいへん参考になる。

藤井青銅『国会話法の正体』(柏書房)
 藤井青銅さんの快作。政治家や官僚が繰り出す「ごまかし」「詭弁」「論点のすり替え」など国会答弁……これを「国会話法」と名づけ、そのカラクリを、きわめて多角的・論理的・視覚的かつ面白く分析検証している。
  *
 まず、国会話法の構文解析。ロッキード事件以来の「記憶にございません」(逃げ道用意型)から、「遺憾である」(謝罪偽装型)「仮定の話にはお答えできない」(門前払い型)など、9パターンに分類。これかを組み合わせて答弁が組み立てられるのだが、この構文解析が「図解」で示されて、極めてわかりやすい。
 さらに、たとえば「仮定の話にはお答えできない」に対しては、「そもそも政治の重要な一面は、仮定を使って未来に備える事ではないか?」と鋭い。
 さらに「煙に巻くテクニック」の数々(物量作戦、虫眼鏡作戦、粘着質作戦、悪文作戦、権威作戦など多数)が紹介される。
 巻末には、これら国会話法を普通の言語に「翻訳」した「架空国会中継」が収録されている。
 国会中継を楽しむためには、大相撲や野球の解説(初心者用とマニアをうならせるプロ解説の二面から)が参考になるということで、その楽しみ方まで解説してある。
 この方法で「小西文書騒動」を中継したらどうなるか……もとの国会中継があほらしくてほとんど見ていない。
 できれば本書を(きちんと著作権料を支払って)ChatGPTに学習させて実況中継してほしいところだ。

3月12日(日) 穴蔵/シンギュラリティサロン
 晴。季節外れの暖かさという。
 運動不足なので、近所の公園など、一人いないところを一回り。
 トラが廃墟横の草地で日向ぼっこしていた。
  *
 どうやら無事に冬を越したようだが、この1月ほど、見かけるのはこのトラだけである。
 あとの4匹が気になる。
 午後はオンラインでシンギュラリティサロン
 本日は菊池誠氏をゲストに、テーマは「ニセ科学問題」である。
 最初に菊地さんの講演。
 特にシンギュラリティにこだわらず、以前から論議されてきたオウム事件以来のニセ科学、オカルト事件などから、水からの伝言、放射能(放射線と鼻血)やワクチン(データ捏造)など切実な問題まで、網羅的に語られた。
 それらを踏まえて、最近の「ニセ科学の扱い方」の問題点を色々挙げられたが、このあたりがいちばん新鮮であった。
 科学的とは「客観的で再現性があること」……これは明確だが、これを外れるとすべてニセ科学かというと、グレイゾーンが出てくる。
 好きか嫌いか(優性学やルイセンコ、水からの伝言まで)、ありえなさの程度の判定、個人的な体験と客観的事実の違い、因果と相関の違いなど、科学を理解しているはずの人間でも陥りやすいゾーンがある。
 さらに、明らかなニセ科学(提唱者が自覚している)はやっつけるのが簡単だが、善意の人(水からの伝言の多くはそう)が相手の場合、扱いに本当に苦労するらしい。
 あと、いつものメンバー(松田卓也氏・塚本昌彦氏・小林秀章氏 )が加わってのトークでも、議論は倫理や宗教あたりまでで時間となった。
 ニセ科学にAIがからむと、さらにややこしくなりそうな予感がする。

3月13日(月) 穴蔵
 本日からマスク着用は「個人の判断」にゆだねられるという。
 わたくし個人はむろんマスクは外さないが、集合住宅のエレベーター内はどうなるか。
 「エレベーター内ではマスク着用」の掲示があり、これは3年前の「緊急事態宣言」発出の日(2020.4.8)にわたくしが作って貼ったものである。当時は管理組合理事長だった。月1度の理事会は、会議室での集会をやめ、文書回覧のかたちにしていたので、副理事長と相談して決め、理事には文書連絡するかたちにした。
 ともかくマスク嫌いの住人数名(しかも大声で話す)がいて困っていたのである。「緊急事態宣言」発出はありがたい機会であった。
 掲示には【緊急事態宣言期間中】と注記していた。
 5月連休明けの総会で理事長は次の理事と交替して、やっとお役御免となった。
 5月下旬に、緊急事態宣言が解除されたあと、掲示の【緊急事態宣言期間中】の上に【ご協力よろしくお願いします】といった紙が貼られて、マスク着用は続行となった。後任者に確認はしなかったが、マスク嫌いが「緊急事態宣言の間だけて書いたるやないか!」といった気配濃厚である。あわてて掲示を修正したのだろう。
 政府が妙なことを言い出したから、どうなることやら。ま、現理事会の判断になるわけだが。
 未明からの雨、6時頃にはやみ、午後は晴てきた。
 終日穴蔵。
 あまり出歩く気にならない。

3月14日(火) 穴蔵
 晴。まあまあ暖。
 午前、雑件あって梅田へ。郵便局とATMを回る。人出は多くなく、ほとんどマスク着用してはる。ほっ。
 3500歩ほど歩いて帰館。
 近所の市営廃墟の草地で、一昨日とは別のトラが休憩中であった。
  *
 これは濃い方のトラ(さくら耳)である。少しやせているような。エサにありつけてないのだろうか。
 しかし2匹は確認できたことになる。
 夜中0時頃にエサを置きに来る自転車おばさん(他に時々来る2名/ひとりは白系ロシア女性に見える)と朝5時頃に容器を片づけに来る電動カートおばさん。この人たちは携帯で連絡をとりあっているようである。
 どこかの組織に属してはるのだろうか。1月はじめに確認しているが、昨年生まれた仔猫4匹は全部さくら耳である。これは愛猫家ふたりでできる作業とは思えない。
 保護猫団体や動物愛護団体はいくつかあるようだが、「夜中のエサやり活動」があるのか、よくわからない。
 直接訊けばいいのかもしれんけど、ちょっとなあ。
 午後は穴蔵。
 コタツでボケーーーーッと過ごす。どうも生産効率があがらない。
 ま、たぶんあと1週間で、冬は終わるであろう。

3月15日(水) 穴蔵
 晴。暖。
 午前、近所の某医院へ。定期健診+年1回の健康診査。市から後期高齢者に来る無料の健診より検査項目は多く、会社勤務時代の健診よりは少ない(たとえばバリウムは飲まず/眼科系はなし)。この程度が適当だろう。今さら人間ドックでもあるまいし。
 異常なく、諸数値、極めて良好。やれやれ。
 あとは終日穴蔵。
 午後、天気がいいので公園ひとまわり。
 市営廃墟で、昨日とは別のクロが日向ぼっこ中であった。
  *
 これはほとんどクロに近いトラ(昨日のよりさらに黒い)である。これで3匹は確認できた。
 大きくなると(生まれて1年足らずだが)家族では行動しないのだなあ。


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