『マッドサイエンティストの手帳』755

●マッドサイエンティスト日記(2021年5月後半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・穴蔵の日々
 ・創サポ・オンライン(22日)


5月16日(日) 大阪→播州龍野
 予報では雨の日曜日である。
 緊急事態中であり、おそらく人出は少ないであろうが、より少ない時間ということで、午前8時すぎに大阪駅へ。
 新快速で播州龍野へ向かう。
 車内ガラガラ。
 以前から依頼していた実家の工事について、工務店から明日行いたいと連絡があったため。
 午前8時頃からの工事だから、今日中に移動せねばららぬ。
 本日より大阪から広島まで、山陽路はずらりと緊急事態発令……日生のカキオコ店もビールは飲めないのだろうな。
 午前中に播州龍野着。こちらは雨である。
  *
 鶏籠山は煙っていた。今年も龍野公園の新緑は見ないまま終わる。
 実家書斎にこもる。
 こちらはネットなし環境。家族とスマホでメールで生存確認する程度で静かなもの。
 夜は大阪から持参の色々並べて独酌。
 ニュースでは本日近畿が入梅。観測史上もっとも早いとか。
 播州龍野の夜は更けゆく。

5月17日(月) 播州龍野
 午前8時過ぎに某工務店から作業員数名来る。
 幸い曇天、雨は降ってない。
 終日工事。
 こちらは何もすることがないが、裏庭などあちこちで作業があり、待機しておらねばならぬ。
 2階書斎の窓際にて、スタンドアローンのXP機に向かって過ごす。
  *
 雑草がはびこり、枝が伸びた庭木を眺めつつ、ボケーーーーッと過ごす。
 断続的に雨。
 16時頃、工事は明日までかかるということになる。
 しゃんめえ(←仕方あるまい。青木功の口癖)。もう一泊。
 17時過ぎ、食品スーパーで食材、味三昧に寄って小さい弁当を買ってくる。
 本日もニュース見ながら独酌。
 播州龍野の夜は更けゆく……といっても、午後9時過ぎにはベッドに潜り込む。
 こちらの夜は早い。

5月18日(火) 播州龍野→大阪
 朝8時過ぎに業者が来て作業開始。
 11時半頃に終わったという。
 工事の箇所をいっしょに確認する。
 今回の改修工事は「防犯強化」である。
 2年前に泥棒が入った。その後注意していたら、室内に入らないまでも、庭や倉庫に勝手に入ってきた形跡が何件か見られるのである。
 警察の指導でも、防犯機能は強化した方がいいという。
 一例をあげれば、わが家の門は鉄フレームで掛け金を落としているだけ。錠前はかけてないから、外から手を入れれば、簡単に開けられる。
 庭には自由に入れるようなもの。中の倉庫にも鍵をかけてない。
 金目のものはない。書庫(こちらは屋内だから鍵はかけてあるが)の蔵書は紙くずにしか見えないはず。骨董品も値打ちはわかるまい、おれでもわからんのだもの。
 そんな気分で10年ほど空き家状態できたのだが、見知らぬ他人(ひょっとしたら知ってるかも)に勝手に立ち入られるのはいい気がしない。
 ということで、この際、防犯機能を相当強化したのである。
  * →  *
 門扉は鉄格子を木目調のパネルに変え、鍵なしでは開けられぬようにした。今頃だが。考えてみれば、これで普通だな。
 ……こんな写真を公開して大丈夫かといわれそうだが、大丈夫。
 ここを破ったとしても、さらに色々な仕掛けを幾つか装備したのである。
 しばらく楽しめそうだ。
 午後の電車で帰阪。電車は空いていてホッ。
 2晩シャワーなしだったので、久しぶりに入浴。
 専属料理人に数皿並べてもらってビール。うまっ。
 早寝させていただく。

5月19日(水) 穴蔵
 梅雨空である。
 終日穴蔵。
 播州龍野行の反動で、出歩くどころか、体を動かす気にもならない。
 3日間のニュースを確認するに、ネットからも(ほとんど)テレビからも隔離されていたが、世の中、たいしたことが起きてないというか、何も進展してないというか。
 さぱりわからんのがワクチン接種の予約報道。
 予約が25分で満杯と大騒ぎしているが……
 わしゃ大阪市内に住む高齢者。郵送されてきたワクチン接種券は持っていて、(市のホームページで確認して)今は予約開始連絡のハガキ待ち状態(のはず)。
 3日間で状況は変化していて、大規模接種会場も国際会議場(政府)、マイドーム(府)、インテックス(市)に開設される(らしい)。
 いちばんわからんのが注射されるワクチン。送られてきたのはファイザー社の説明書だが、多くの(全部の?)会場で打たれるのは未承認のモデルナ製らしい。しかも打ってくれるのが、医者か看護師か自衛隊か薬剤師か歯科医か獣医か……よくわからんらしい。
 こんな状態で年寄りが予約に殺到というのがさらにわからん。生命力旺盛であるなあ。
 接種券は期限切れにはならないようだから、秋頃まで様子見だな。
 トラブルがなくなった頃に近所(区民センターあたり)で接種できればいい。

5月20日(木) 穴蔵
 梅雨空である。
 終日穴蔵。
 工事の音もほとんどなく、静かに過ごせる1日であった。
 おもろいニュース。
・朝乃山がキャバクラ通いを文春にすっぱ抜かれて休場。
 ははは。ガマンできなかったのか。禁欲していた連中は土俵で鬱憤晴らしをやるから、抜いてた朝乃山が弱いはずだ。
 たぶん2、3場所休場で大関陥落だろう。
 スポニチの記者は処分されないのか?
・熱海〜三島間で、ひかりの運ちゃんが腹痛、トイレへ行って、その間、車掌が代行した。
 大騒ぎするニュースか?
 そもそも運ちゃんのトイレはふだんどうしてるのか?
 70年代半ばと思うが、熱海〜三島間で、運ちゃんが乗り遅れて、こだまが無人走行(客は載せとるよ)。慌ててタクシーで(!)追いかけるという事件があったはず。
 新幹線の信頼性・安全性に感心したものである(この事件の詳細を覚えている方がいらっしゃれば、ご教示いただきたい/図書館休館中で調べに行けない)。
 あれから40年以上、まだ運ちゃんがいるのが驚きだ。
 ……などと愚考するうちに、たちまち夕刻。
 夜は鶏とタケノコの赤ワイン煮込み。
  *
 色は今ひとつだが、なかなか結構な。これで残りのワインをチビチビ。
 雨が強くなってきた……。

5月21日(金) 穴蔵
 未明から早朝にかけて、えげつない豪雨。あとは普通の雨。
 終日穴蔵にあり。
 たいしたことできぬまま夕刻となる。
 いかんなあ。
 一杯飲んで早寝させていただく。

5月22日(土) 穴蔵/創サポ・オンライン講義
 曇天、時に晴れ間。静かな土曜日。
 終日穴蔵にて読んだりメモしたり。
 16時から森山威男TRIO JAZZ LIVEである。
 alaで予定されていたライブ、迷っていたところ、無観客で収録、アーラのYouTubeチャンネルで期間限定配信となった。
 PARTTを視聴。ボレロからクレイまで。
 森山威男(ds) 中山拓海(as) 魚返明未(p)
 森山ライブは1年8ヶ月ほど聴いていない。泣けてくるなあ。
 18時から創サポ講義
 本日はオンラインで行う。
 最新の作品を取り上げて「SFの最近の傾向」を色々分析して一方的に話す。
 穴蔵からの講義は初めてで、感触がよくわからぬまま。どうだったであろうか。
 ポストコロナをどう描くかについて質問あり。困ったね。ハヤカワ文庫のをまだ読んでないので答えにくい。
 ただ、酉島伝法さんの『るん(笑)』は、5年前に書かれたコロナ予見小説の大傑作であり、ポストコロナ作品としても凄いものであることは伝える。
「群像」掲載の年、なぜ「三十八度通り」が芥川賞候補にならないのか、不思議でならなかった。
 わがポストコロナ? スパコン岳の最大の功績は「唾液の飛沫飛散」を視覚化したことだろう。人類は飛沫平気派と忌避派に二分して、無機化へ行く忌避派が滅びることになるのだろうな。
 遅い時間に晩酌。
 さあ、森山威男TRIOのPARTU、PARTV聴いてから寝るつもり。

※森山威男TRIO JAZZ LIVEは、
 PARTT Bolero Lost Vision(魚返) CLAY
 PARTU 通りゃんせ Born,live & Die(中山) Snow Tiger
 PARTV 渡良瀬 Sunrize Good-bye
 であった。(24日)

5月23日(日) 穴蔵
 緊急事態下の日曜である。
 快晴。
 終日穴蔵。穴蔵を冬モードから夏モードに模様替え。ただしベランダは足場とネットに覆われているので、布団は洗濯しても干せない。しばらく部屋の隅に積み上げておくことに。
 昼間、梅田のデパ地下まで行った専属料理人のいうには、デパート・地下街・紀伊国屋・三番街・NU茶屋町・ロフト・梅田芸術劇場は全部休業だが、大阪駅の北側、結構人は歩いているという。
 オープンしているのは、デパ地下、ヨドバシ、ダイソー、ユニクロ、コンビニくらい。
 ジュンクドーのレジには長い行列ができていたという。
 休日は出歩かないことにする。

5月24日(月) 穴蔵
 また梅雨空に戻った。
 落ち着いた日である。
 終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
 午後外出。豊崎郵便局往復のみ。
  *
 いつの間にか紫陽花の季節であった。
 メランコリックになるぜ。
 よくまあここまで生きやがってと呆れられる年齢が近く、それは親父の享年でもある。嗚呼。

5月25日(火) 穴蔵
 青空が戻った。
 本日も終日穴蔵。
 生産的なことは何もできず。
 緊急事態宣言が延長されそうで、おそらく6月になっても身動きはとれそうにない。
 悩みはしないものの迷うこと多し。
 気になる雑件ばかりが増えて何も片づかない。

5月26日(水) 穴蔵
 朝から曇り空だが、黄砂によるものらしい。
 終日穴蔵。
 この1週間、急激にボケが進んだみたいで、雑事が何も片づかない。
 お上が「経済センサス活動調査」などというややこしい書類を送りつけてきた。面倒なことよ。
 前にも提出したおぼろげな記憶があるが、調査員がしつこく取り立てに来た。
 わがタイムマシン業は昨年から実質ペーパーカンパニーである。
 相棒の某くんが技術サービスを個人的に継続しているが。
 取り立ては嫌なので、インターネット回答することにするが、マニュアル読むのが面倒で、本日は途中まで。
 明日は大雨という予報。
 夕刻、今日のうちに近所を散歩する。
 貨物線の地下化工事、軌道面?が豊崎第6架道橋に近づいてきた。
  *
 このあたりはU型擁壁で、軌道は路面から1メートルほど下。ボックスカルバートに潜り込むのは100メートルほど西のはず。
 自転車を投げ落とすアホをどう防止するのか、楽しみは尽きない。
 線路切替まで1年半。その他諸々の工事を考えると、まだ4,5年は生きられるか。

5月27日(木) 穴蔵
 朝から本降りの雨。
 終日穴蔵。
 予報の「大雨」というほどではなし、午後にはやんだ。
 昨日から悩んでいた「経済センサス活動調査」については、考え方を変えたら、簡単に片づいた。
 バカ正直に書こうとするからいかんので、泡沫会社が悩むことではないのだ。
 ごく正直に入力していったら、15分で片づいた。
 [受付済]調査票回答を正しく受け付けました……という返信が来た。
 やれやれ。
 一杯飲んで早寝。

5月28日(金) 大阪←→播州龍野
 晴た空。
 6時前に出て播州龍野へ向かうことにする。
 緊急事態宣言の延長は確実で、6月の予定を繰り上げて、先に片づけておくことにする。
 播州龍野に「必要かつ急を要する」用事がたまっているのである。
 お上、大目に見よ。
 早朝の(空いていると予想した)電車で、重装備で移動する。
 故郷は緑なりき。
  *
 揖保川は清流とはいえず。薄緑色に濁っていた。
 昼過ぎ。実家の門に新装置を仕掛けていたところに、身内がクルマでやってきた。
 3年ぶりの対面か。雑草が気になって来たという。ちょうどよかった。防犯装置の説明を行い、悪者の正体が判明した場合の処置についても相談する。
 その他、書庫関係、製麺所関係、タイムマシン関係など片づけ、夕刻前の電車で帰阪する。
 姫新線はガラガラ、新快速も席は半分ほど空いていた。
 ほっ。

5月29日(土) 穴蔵
 天気晴朗なれど穴蔵にひきこもり。
 土日は出歩かぬ方がいいであろう。
 特に生産的なことはできぬまま。

5月30日(日) 穴蔵
 天気晴朗なれど穴蔵にひきこもり。
 土日は出歩かぬ方がいいであろう。
 特に生産的なことはできぬまま。
 ……と、昨日とまるで同じ。しかたあるまい。
 明日はややこしい日なので、少しは動かねばならぬ。

5月31日(月) 穴蔵/ウロウロ
 本日も好天……外は夏の日差しである。
 午前、月末の処理事項など色々あり、梅田まで。
 金融機関のATMと郵便局は空いていて、ほっ。
 1時間半ほどで帰館。
 あとは薄暗い穴蔵にて鬱々。
 世間は知らず、大阪市(北区)は、本日午前9時から、75歳以上の高齢者のワクチン接種の予約開始である。
 元気老人(というより生存欲の強い老いぼれ)が殺到であろうから、わしゃしばらく様子見とする。
 午後3時頃にネットで覗いてみたら「現在、集団接種の予約状況は満員です」。
 ついでに個別接種のリストに「かかりつけ」があったので電話してみると「予約の予定はたっていません」。
 予約の年齢は1週間ごとに少しずつ下がっていき、「積み残し」連中もその時に予約は可能らしい。
 毎週、月曜午前9時に老人殺到、だんだんその年齢が下がり、週ごとに人数は増えていくのだろう。
 なんとか視覚化してくれないものか。
 わしゃ急がんから、せめてその混乱を楽しませてほしい。


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