『マッドサイエンティストの手帳』726
●マッドサイエンティスト日記(2020年3月後半)
主な事件
・(新型コロナ禍により)穴蔵の日々
・播州龍野いたりきたり(19日)
・神戸新聞文化センター(27日)
・創サポ講義(28日)
・Windows10災難(26〜31日)
3月16日(月) 穴蔵
曇天にして寒……らしい。穴蔵にこもっていると、外の気温はわからん。
終日穴蔵にて、少しは仕事も……と思ってたら、そうもいかず。
新型コロナウイルスの影響が及んできた。
夜に予定していた集合住宅の理事会について、このご時世に集会やるのかという意見がきた。
もっともである。
理事8人、管理会社側を入れると最大10名になる。密閉空間で2時間近く唾液を飛ばし合うのは極めて危険である。
電話で管理会社に訊けば、他でも中止の事例はあるらしい。
理事長として、直ちに「集会」中止を決定する。
掲示を作成して貼り出し、管理人から連絡つくところに電話を入れ、午後に管理会社と30分間面談、配布予定の資料を受け取る。
幸い「議決」を要する議案はなかったので、議事録を作成して理事に配布する。
延べ3時間ほどかかった。それでも作業は迅速な方だと思う。
断続的だから、たちまち夕刻となる。
理事長という立場上、致し方なし。5月の「総会」はどうなることやら。
SFに浸っていたいが、あと2ヶ月、ややこしい日が続きそうな。
3月17日(火) 穴蔵
晴れて暖。春である。
「お上」の要請した2週間の自粛期間は過ぎたのだが、大阪市は休校を延長して、22日まで休みのようである。
おれも3月末まで自粛して「引きこもり」のつもりだが、しんどくなってきた。
播州龍野にしかない資料があり、これをチェックしないと何も進まない。
別のことを先にやればいいのだが、これだけは性分でいたしかたなし。
思い切って電車に1時間半乗るか。満員電車で通勤している人が大部分なのだからなあ。
そろそろ決断しなければならぬ。
あれこれ迷いつつ、終日穴蔵。
上階の騒音一家が引っ越して静かな日々が続いたが、今度はリフォーム工事が始まった。
困ったものよ。
たまりかねて、午後、1時間ほど近所を散歩。
白木蓮がもう散りかけである。
*
この木だけは実家の方がいいな。
まだ咲いているか。
やはり近日、播州龍野行きとしよう。
3月18日(水) 穴蔵
空晴れわたり春風の吹通ふ暖かさ。四月の花盛りのころの如し……と断腸亭調。
本日も終日穴蔵で過ごす。
雑多な本を読むが、生産的なことは何もできず。
たちまち夕刻となる。
と、専属料理人が「10chでニューサンをやってる」と知らせてきた。
テレビを見ると、大阪の「ライブハウス」がクラスターになった影響で、音楽が売りの店が軒並み不振という特集である。
代表格としてニューサントリー5が取り上げられている。
*
映像はホームページを見て「支持者」が来た日のもの。ふだんはガラガカらしい。
森マスター、TonTonも登場。ニューサンはこの夏で50周年を迎える予定。おれも創業時から通っている。おれも支援は惜しまない。
今は(誤飲しかけて)咳がひどいのだが、喉が戻れば覗きたいと思っている。
危ないといえば6階のアイリッシュパブの方が極めて危険だな。
ただ……コメンテーター連中の発言は全部ピンボケ。長くなるからやめるが、「お上」にすがってはいけない。
3月19日(木) 大阪←→姫路←→播州龍野
一応2週間の自粛期間が過ぎたこともあり、朝の通勤ラッシュが終わる頃に新快速で姫路に移動する。
空いていて、2シートにひとりで座って移動。
姫路城の東側にある浮世離れした宗教施設へ身内に会いに行く。
指定の面会室で、テーブル挟み2メートルの距離をおいてマスク着用、1時間ほど雑談(取材というべきか)。きちんとした対応で立派なものである。
姫路駅に引き返し、姫新線で播州龍野へ移動する。
50日ぶりに実家へ。
故郷は緑なりき。
*
白木蓮は散りかけだが、やはり大阪よりこちらの方がいい。
実家にて雑事をテキパキと処理する。
書庫から資料3冊を取り出しバッグに詰める(これが主目的)。
揖保川下流のシルバー人材センターへ行き、ややこしい案件について事情を聞く。要するに「シルバー人材」も高齢化して、高所での作業(庭木の剪定ね)は辞退させてほしい、ということである。剪定中に落下して死亡した事故が数件あるとか。
シルバーの高齢化とは、当然というか言語矛盾というか……まあ時代の流れだろう。
夕刻に近い時間に、姫新線で姫路、新快速で帰阪する。いずれも空いている。
通勤ラッシュ前に帰館できた。
と、夜のニュース。明日から「大阪←→兵庫の往来自粛要請」という。
なんでも「国の専門家会議からの助言」で3連休の間、大阪と兵庫の間、不要不急の往来をせんとけという府のご指示である。
根拠は兵庫の感染者が「爆発的に増える可能性がある」らしい。
おれは危険なルートを往復してきたばかり。
間に合ったというべきか、手遅れなのか、よくわからん。
おれは「お上」には従順なので、明日からまたしばらく穴蔵にこもることにする。
3月20日(金) 穴蔵
本日より3連休。お上のいいつけを守って穴蔵にて自粛モード。
少しは仕事もするのであった。
ただ、リフォーム業者は休日ではないらしく、上階から工事音が響いてくる。困ったものよ。
午後、1時間ほど散歩に出る。
人気のない淀川堤へ。
水管橋の撤去工事……水管とトラス、すべて撤去された。煉瓦の橋脚はたぶんそのまま残るのだろう。
* *
左岸の堤防、水管の跡が高水敷の高さまでえぐり取られている。
雨の少ない冬の撤去工事だったはずだが、梅雨時までに堤防復旧が間に合うのかなあ。
断面が補強してあって(クレーン車の出入りのためと思うが)、当分このままのようにも見える。
線状降雨帯が発生すると面白いことになりそうだ。
たちまち夕刻。台湾産枝豆、他に数皿並ぶ。ビール一杯、あと奄美焼酎湯割り。
さあ、枝雀師匠『雨乞い源兵衛』を見るか……
3月21日(土) 穴蔵
晴。本日も終日穴蔵にて自粛モード。
断続的にテレビで新コロナのニュースを見る。
このところテレビを見る時間が増えた(ふだんは原則として早朝・昼・夕食時のニュースだけ)。
嫌でもCMを目にする。
目をそむけたくなるのが↓これ。
*
料理が並んだカウンターを挟んで大声で歌うCM。たしかミルクボーイという漫才?と思う。見たことないけど。
魚や煮物の皿に唾液の飛沫が盛大にトッピングされるのである。
このご時世に、よくこんなCMをたれ流すものよ。
(新コロナに関係なく、おれは「おばんざい」店は40年以上前から忌避している。)
被害を受けるのが↓下のような店である。
*
専属料理人が近所に「こんな時期に新規開店の店がある」と教えてくれたので見物に行く。
SABAなんとか店の跡、サムライジーンズの横である。タイミングが悪かったなあ。
おばんざい店ではないが、バンザイするのではないか心配になる。悪いのはミルクボーイだからな。
ぎんすけの健闘を祈る……
3月22日(日) 穴蔵
自粛3連休の最終日である。
終日穴蔵。薄曇りで、気分落ち着いて過ごせる。
昼間梅田のデパ地下まで出かけた専属料理人のいうには、人混みは新コロナ前とそう変わらないという。
他に行くところがない市民が出てくるということか。
劇場、美術館、イベント会場、図書館まで軒並み休みだからなあ。
おれとしては米朝五年祭【米朝まつり】5公演の中止が大きい。ビデオでも見られないんだからなあ。
たちまち夕刻。
一杯飲んで寝る。
3月23日(月) 穴蔵
月曜日である。連休明けで、大阪兵庫の往来自粛要請は、大阪は解除、兵庫は継続中らしいが、別に用事はないので、本日も穴蔵に閉じこもる。
少しは仕事もするのであった。
晴れて暖。
3日間閉じこもっていると、さすがに運動不足である。
午後1時間ほど人のいない道を散歩する。
梅田貨物線の地下化工事、いよいよウチの近所(第6架道橋)の近くを掘削し、地下構造物を組みはじめた。
*
電車が地下に潜るのは3年先である。
見られそうにない気がしてくるなあ。
3月24日(火) 穴蔵
晴れて外は暖かそうである。室内は20℃。
終日穴蔵。
西宮に住む身内から電話あり。昨年10月に播州龍野の実家に入った泥的が捕まった。龍野警察から連絡あったという。
どうやらポン人で単独犯、近所で盗んだ小型テレビを売却して足がついたらしい。
詳しく知りたいが、播州龍野へ行って、同じ被害にあったご近所から聞くしかないようだ。
うちの被害はガラス戸を壊された修理費だが、戻らんわなあ。
夜、オリンピックの延長のニュース。
あっさり中止にはならなかったか。
騒ぎはさらに1年以上つづくことになる。嗚呼。
3月25日(水) 穴蔵
晴れて外は暖かそうである。室内は20℃。
終日穴蔵。仕事したよなしないよな。毎日こればっか。
昼食時にNHK『100分 de 名著』(クラーク篇)再放送を見る。最終回『楽園の泉』である。
先週の『都市と星』の「あらすじ紹介」が、これではわかるまいと思った(テキストは素晴らしい)が、『楽園の泉』の場合は的確である。ストーリーがシンプルだからだろう。テキストで瀬名さんは「海底牧場」「イルカの島」を引き合いに論じられていて、卓見だが、おれは「渇きの海」も並べてほしいと思う。ま、それを言い出すと「全作品」にまでひろがるけどね。『楽園の泉』は新田次郎『富士山頂』との共通点が色々あり、想像力と体験という視点もあると思う。こんなこと書き出すときりがないな。またクラークを再読しようと思う。
あと「ソーイング・ビー」という番組がはじまる。
専属料理人が「この番組、大野万紀さんが翻訳してはる」という。海外の輸入番組で縫製がテーマ。
お茶飲みながら見てたら、確かに「翻訳 大野万紀」と出る。
「キッチンノートという海外番組も翻訳してはるわよ」
裁縫、料理とくれば、こりゃ同姓同名の異人だろう。たぶん女性ではないか。※
午後はまた穴蔵。
仕事はさっぱり。
夜は専属料理人が数皿並べてくれて晩酌。
*
米朝師匠5年の命日である。
春パスタで白ワイン献杯。うまっ。
早寝するのである。
※やはり同姓同名別人生((C)かんべむさし)であるとご本人のおひとりから連絡いただいた。ペンネームだから微妙だが。おれの場合、ヒカルさんとは読みがちがった。そういうものである。ジャンルも少し違うが、ともに活躍をお祈りする。(2020.5.26)
3月26日(木) 穴蔵/Windows10機
晴れて暖。
ニュースでは、「うめきた」新駅は連絡通路で結んで「大阪駅」に含まれることになったという。
・大阪駅西側を再開発し、新改札口を設ける予定。同時に改札内に新改札口と新駅を結ぶ約70メートルの地下通路を設ける。
・2020年夏:改札内連絡通路 工事着手
・2023年春:「うめきた(大阪)地下駅」を「大阪駅」として開業、改札内連絡通路供用開始、大阪駅新改札口暫定供用開始
・2024年夏:うめきた2期地区先行まちびらき、大阪駅新改札口供用開始
うーん、よくわからん。大阪駅西側の道路下にズボーーッと南北の地下道(ハービスから「うめきた」まで)ができるわけではないらしい。
大阪駅西北の新商業施設につながるらしく、ややこしい構造になりそうな。
またも「構想」が揺らいでくるなあ。
本日も穴蔵にこもる。
最近パソコンが不調である。
フリーズしたり、ネット接続時に「待機」状態になって再起動したりすることが増えてきた。
Woindows7機で、5年半ほど前に7千円で買ってきた中古機だから、いつクラッシュしても不思議ではない。
Windows10に切り替えの潮時のようである。
昼、重装備でヨドバシへ行く。
デスクトップ機は減ったなあ。それに高級すぎる。おれの場合、HDDは外付けだから100Gもあれば十分だし、officeもいらない。
そういえば地下街の一角に中古機の店があったのを思い出して、そちらへ行ってみる。
DELL OPTIPLEXが2万円以下で出ている。HDDなし。265GのSSD搭載。本体のみ……差しあたり、これで十分ではないか。
衝動買い。案外軽いので下げて帰る。
*
机の右下にWindows7機と並べて、ディスプレイ、キーボード、LANケーブルを差し替えて起動してみる。速い。
・ネット接続、成功。「Edge」を使用してあちこち覗いてみる。
・一太郎をインストール。これもうまくいった。ATOKが使えるようになる。
・OpenOfficeをインストール。これもできた。
・WZ-Editorは使い慣れたバージョンがインストールできない。フリーのを使うか。
・Photoshopがインストールできない。これもフリーのを探すか。
・あとFTPなどインストール。
夕刻となった。
カレイ塩焼き、肉じゃが、ほうれん草、松前漬などでビール、湯割りを一杯。
またWindows10をいじる。
メアドや登録辞書の移設、プリンターのドライバーのダウンロードなど、まだ色々残っているが、しばらく2台並べて、少しずつやっていこう。
操作に慣れるまで、しばらくかかりそうな。
ということでWindows7機に戻し、書いたのがこのページ。
3月27日(金) 神戸新聞文化センター
朝だ。雨が降っている。
穴蔵にこもるには最適の日だが、出かけねばならぬ。
梅田まで歩き、「お上」の要請(大阪兵庫往来自粛)に反して、大阪から兵庫に「往」。電車は空いている。三宮で下車。
午後、神戸新聞文化センターの講座である。
3月は休講の連絡があったのが、少し様子が変わったので、1週間遅れにしてほしいとの事務局の「要請」である。
事務局経由の話ばかりで、聴講者の「本音」はなかなか聞けない。
ずいぶん迷ったが、開講。欠席もあったが、色々な意見も聞けた。
「文章の講座」はいちばん「テレワーク」にふさわしいはずである。
部屋にこもって机に向かえばいい。いい作品を書いて、世間が落ち着けば持ち寄って合評会を開けばいいはず。
これは出席者ほとんど同意見であることが確認できた。
来月は様子を見ての判断とするが、悲観的な見方でほぼ全員一致した。
本日、少人数だが秀作力作意欲作が揃い、講座は充実した内容になった。
夕方に阪急で「来」。帰路も空いていた。
夜はビーフシチュー。
*
こんな時期だし、レストランで「外食」した気分で……と専属料理人。
これでHATHUTATSUのバケット。中本酒店推奨格安馬鹿旨ワイン。うまっ。近所のレストランは数倍をふんだくるのであろう(中本で十数本買ってくのをよく見るよ)。
いい夜である。
3月28日(土) 創サポ講義
本日は曇天なり。
穴蔵にこもるには好天である。
午後、NHKで『羅生門』リマスター版を見る。不思議なことに前(大学時代と思う)見たインパクトはない。
画面が鮮明だからではなさそうな。「最初のチャンバラ」が記憶ほどのものではないからかな。
夕刻出かける。
新コロナ、東京はたいへんだが、大阪も昨日とつぜん、この土日「不要不急の外出自粛」が要請されてた。
おれは「お上」に逆らう気はないので、正直いって出かけるのは気が重い。
前から決まっていた創作サポートセンターの講義である。
今月やっておかないと、期をまたいで、ややこしいことになるらしい。
地下鉄で天満、エル大阪へ。
欠席者もあり(当然だわなあ)、少人数が分散着席、ドア開放(1フロア、使用しているのはウチの部屋だけ)、マスク着用で行う。
ふだんより短時間で終わる。
ただし、作品はそれぞれ面白かった。
帰りも地下鉄。地下鉄に乗るのは久しぶり(50日ぶりくらいか)である。空いている。
*
地下鉄中津駅の工事が終わり、すっきりしている。
心斎橋みたいにならず、なによりであった。
3月29日(日) 穴蔵
未明だ。雨が降っている。が、朝にはやみ、だんだん晴れてきた。
東京(横浜も)は雪らしく、ボンクラ息子その1が写真を送ってきた。「春の雪」……切腹したくなるなあb。
大阪も寒く、しばらく暖房をつける。
終日穴蔵。
机に向かって過ごす。
昨日の講義が異常事態(前日に外出自粛要請)だったので、議事録?を作成、メール配信することに。
結構時間をとられた。
専属料理人のいうには、近所の公園で、寒いのに花見宴会をやってる命知らずがいるらしい。
見物しに行く気にもならず。
夜は豚のイタリアンなんとかでビール、中本酒店推奨格安馬鹿旨ワイン。
*
まずくはないけど、このところ洋風がつづくなあ。
3月30日(月) 悪戦苦闘
曇天。寒い日である。
終日穴倉。
ややこしいことになった。PCが不調である……というよりも、Windows7機は再起不能だろう。
たぶん、Windows7とWindows10を交互にネット接続しようとしたのが主因、古いソフトを10にインストールしようとしたのが副因らしい。
詳しくは書く気にもならん。こちらもボケが進んでいるから試行錯誤の時間が長くなる。。
ということで、IME+エディターでこれを書いているが、ATOKを30年以上使ってきた者としては、1文字ずつ打ちこんでいる感じ。
ATOKだけは最新バージョンにしなければならぬようだ。
解決できぬまま夜になる。
リビングから夜景を眺めつつ、専属料理人の並べた数皿で、ビール、湯割り。
ひさしぶりにピアノトリオ。パウエル師匠、トミフラ師匠、ハンク師匠を流す。
*
2週間前から入居が始まった東洋ホテル跡のタワマン、明りがだいぶ増えたが、これくらいが限度か。投機目的が多いのだろう。
だんだん視野が狭くなってくる。
3月31日(火) 徒労/ウロウロ
昨日に引き続きWindows10機をあれやこれや。
IMEの動作がおかしく、日本語が入力できなくなってしまった。
面倒になり、全部消すことにして「回復」から「すべて削除する」。
きれいさっぱり初期状態。横に置いとく。
ケーブル類をWindows7機につなぎ替えて、こちらはシステムを1週間ほど「以前の状態に復元」する。
ひやひやものだが、うまくいった。前より調子がよくなった気がする。
当分セブン機、うまくいけばまだ3、4年は使えるだろう。
しかし、この数日間の作業はなんだったのか。Windows10の使いにくさを実感できたことだけが成果か。
午後、梅田うろうろ。
年度末の処理があり、金融機関をめざして、人通りの少ない道を選び、グラフロ西側を歩いて大阪駅方面へ。
*
駅北側の桜が満開である。曇天の桜はざんないなあ。
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