『マッドサイエンティストの手帳』700
●マッドサイエンティスト日記(2019年3月前半)
主な事件
・morimura@museum(8日)
・シンギュラリティサロン(10日)
・滝川雅弘4@ニューサン(11日)
・播州龍野いたりきたり
・神戸新聞文化センター(15日)
3月1日(金) 穴蔵/ウロウロ
定刻午前4時に起きる。
プラスチック・紙・衣類のゴミ出しの日で、早朝に2往復。ま、おれの役割だから、致し方なし。
10時過ぎに出て、梅田の金融機関など回ったあと、地下鉄で難波、日本橋へ。
ナニワネジその他に寄って、あちこち覗きつつ、日本橋筋を南下。
本日は中国人は少なく、歩きやすい。
新世界まで。
昼は久しぶりにジャンジャン横丁のやまと屋2号店に寄る。
*
メニューは書かないが、この店は生ビールの2杯目に、おまけで小ジョッキがついてくる。やはり1杯では終われない。
動物園前に出て、天王寺方向を眺める。
*
谷底から台地にのぼる急な坂の印象。
2012年に書いた短篇でここを舞台のひとつにした。
あべのハルカス竣工前である。
雰囲気が変わったなあと思う。ハルカスが権威的というより、俗界のこちらがきれいになり過ぎというか。
飛田あたりも含めて、また書こうかな。
3月2日(土) 穴蔵/ウロウロ
晴れて暖。スギ花粉が濃密に立ちこめているらしい。
こんな日は穴蔵にこもり、本を読んで過ごす……つもりであったが、明日から雨らしい。
午後、マスク、ダウンの重装備で1時間ほど散歩に出る。
淀川堤、12月に始まり1月には遅々として進んでなかった水管橋の解体作業、だいぶ手前まで進んできた。
*
水管とトラスが撤去されて、河の中ほどに煉瓦造りの橋脚が残されている。
手前の「現代のセブリ」諸君に退去勧告は出ているのだろうか。
高水敷へのクレーン接近は平成のうちか、新元号に変わってからか。激しい抵抗とか激突はありや?
こんなことしか楽しみがない。
3月3日(日) 穴蔵
曇天、昼前から雨の予報で、出歩く気にならず。
終日穴蔵。
本を読みかけては目が疲労し、CD聴いては2、3曲で飽き、雑資料のチェックしては面倒になり、終日イライラして過ごす。
そのうち夕刻となる。
雨は降らず。
一杯飲んで早寝……のつもり。
ともかく、明日、一連のややこしいことを片づけてしまわねば。
3月4日(月) 穴蔵/ウロウロ
小雨が降りつづく。
朝、スカイビルまで歩く。
確定申告の相談所へ。修正申告と、もう一件の申告書類をどさっと出す。
さほど時間はかからなかった。
あと北郵便局に寄って、某事務所への書類を発送する。
地下道を抜け、グラフロ経由、金融機関、ジュンクドーを回って、昼前に帰館。
ややこしい案件は一応片づいた。
午後は虚脱状態で過ごす。
明日こそホリは羽ばたく……つもり。
3月5日(火) 穴蔵
いかん、不調である。
天気晴朗なれど気分はさえない。鬱ではないが気力がわかない。
ボケーーーーツと過ごす。
金がなければくよくよします 女にふられりゃ泣きまする
ああ、ありがたや。
金がないから気が滅入るのか。
あと数年のような気がする。
3月6日(水) 穴蔵/ゴーンは千恵蔵か?
いかん、本日も不調である。
曇天、午後は雨というので、出歩く気にもならず。
終日穴蔵。ボケーーーーーツと過ごす。
子母澤寛『新選組始末記』を読んでたら、清川八郎暗殺のあと、あとあとまで佐々木只三郎が出てくる。
意外に重要人物だったらしい(龍馬を切ったといわれるが?である)。
『暗殺』(原作は司馬遼だが)を見たくなるが、棚にDVDは見あたらず。佐々木役は木村功がやった。丹波哲郎の八郎は適役だったが、木村はどうだったかな。確認してみたいが……最近のツタヤは変わってしまったからなあ。
テレビはゴーンの保釈待ち中継ばかりのような。
夕刻のニュース見たら、17時頃に保釈? 偽装車(軽の工事車?)をバイク数台が追っている。
下手くそな変装で出てきたらしい。何かの作業員に変装したらしいが、まるで千恵蔵の多羅尾伴内。
ある時は片目の運転手、またある時は奇術師……その正体は誰が見ても片岡千恵蔵。あれといっしょ。
弘中の入れ知恵か? マンガでっせ。(※)
※ゴーンの変装は高野隆という弁護士の浅知恵であったらしい。「名声に泥を塗る結果になった」だと。(2019.3.8)
3月7日(木) 穴蔵/ウロウロ
いかん、本日も不調である。
曇天、出歩く気にもならず。
しかし、さすがに運動不足なので、午後、1時間ほどうろうろ。
かっぱ横丁の東側「阪急古書のまち」が「うめ茶小路」(紀伊国屋東側)に移ったて、跡地が工事中である。食堂街になるらしい。
道路拡張工事中。それは結構だが、異様なクレーンまがいが出現した。
*
なんだこれは。店の出入り口が東側に出来るのだろうか。
オープンは新元号に変わる頃か。
おれが入れる店はないような気がする。
3月8日(金) morimura@museum/湾岸
昼前に専属料理人と出かける。
地下鉄で北加賀屋の森村泰昌ミュージアムへ。
12時過ぎに着いたら、まだ準備中。
M@M第二回特別展「モリメール」は来週(3月18日〜)からだったのだ。かんちがいしていた。
森村泰昌さん本人がおられて「まだ全部は展示してませんが、よかったら見て行ってください」と声をかけていただく。
ありがたや。作業の邪魔にならぬよう、そっと見せていただく。
フェルメールの「セルフポートレイト」は「牛乳を注ぐ女」だけかと思っていたら、3点あるのだ。
今回のモリメールは「あなたも『フェルメールの絵になれる』展覧会」で、体験できるのは《絵画芸術》《牛乳を注ぐ女》《真珠の耳飾りの少女》の3点(いずれも売り切れ! 追加販売もあるらしい)で、その撮影コーナーも準備中であった。
平成のうちにまた来ることにする。
天気がいいので、住之江区をうろうろ。
名村造船跡からめがね橋方向へ。
三本松渡船場に出て大正区に渡る。
*
また10分ほど歩いて、うるま御殿へ。
おなじみ、うるま定食をいただく。オリオンもぬかりなく。
南恩賀島からバスで大正、地下鉄で帰館。
あ、これは昨年11月11日とほとんど同じコースだ。本日は専属料理人がいっしょだけど。
12,519歩。
3月9日(土) 穴蔵
目覚めれば6時。ふだんより2時間の寝坊。
昨夜、テレビで『カメラを止めるな!』を23時まで見てたせいである。
天気晴朗にして気分よし。
ただ、出歩く気分にならず、終日穴蔵にて過ごす。土日は人出が多いからなあ。
あれこれやってるうちに夕刻。
*
色々並べてもらって晩酌。釘煮が出てきた。
今年は高いそうである。というより、近年高値つづきで、今年は特に高いそうな。
食品売り場を見る習慣は母の死後(9年前)ないから、ピンとこない。
10年前だと、この時期、播州龍野のスーパーに、解禁になったイカナゴど並んだものだが。
昔(60年以上前)は室津から自転車で魚を売りに来たものだった。
この里にいかなご売りの来るからに
海辺は春になるにけらしも
これは亡父が作った短歌(前にも書いたかな。亡母かと思ってたが、言葉遣いから父の作であった)。
なかなかいいと思う。
自家製の釘煮を配る習慣(10年前の播州龍野では一部の人に残っていたが/ウチはもらう方)はどうなったのか。
そういう人もだんだん死んでいくのだろうな。
ちなみに、おれは釘煮で一杯は好きだが、ぜひともレベルではない。
3月10日(日) シンギュラリティサロン
曇天、昼頃から小雨となる。
午後に歩いてグラフロ、ナレッジキャピタルへ。
シンギュラリティサロンである。
本日はジャパンスケプティクスとの共同開催(といっても会長は松田卓也先生)で「意識をめぐる大冒険」である。
まず講演2つ。
・渡辺正峰氏 (東大工学系研究科)による「意識は情報かアルゴリズムか?」
副題は「20年後の意識のアップロードに向けて」
機械に意識が宿ったのを検証するのに、機械と脳の接続の仕方を研究しようという試み(乱暴な要約)。
・大泉匡史氏(株式会社アラヤ)による「意識の理論を構築するための共通のフレームワーク」
IIT(意識の統合情報理論)の立場から、意識の量と質を数学的に定量化する試み(乱暴な要約)。
この2講演は、すでにシンギュラリティサロンで行われた講演の「復習」で、あとの議論の地ならし。
過去の講演は、渡辺先生のは『「人工意識の脳接続主観テスト」が切り拓く意識の科学のこれから』に、大泉先生のは「意識の統合情報理論から意識の理論の創り方を考える」に詳しくまとめられている。
これをまとめたのが、セーラー服おじさんとして知られている小林秀章氏である。
その小林氏が「意識を巡るテーマと問題点・疑問点」を整理し話されてから、松田先生の司会でパネルディスカッション「意識をめぐる大冒険(初案は「大論戦」だったらしい)」の開始。
*
左から、松田卓也、渡辺正峰、大泉匡史、小林秀章 (セーラー服おじさん)の各氏。
のっけからアルゴリズムの定義を巡っての大論戦。
ちょっと要約しづらいが、いかんせん40分未満は短すぎる。たちまち会場の時間制限(16時)をオーバーしかけた。
正直な感想。実験を見届けるまで20年だと、おれは立ち会えそうにないなあ。
3月11日(月) 滝川雅弘4@ニューサン
朝だ。雨が……午前6時にはやむ。浅田飴をしゃぶるヒマもなし。
穴蔵にて非SF系の雑事あれやこれや。
たちまち夕刻となる。
久しぶりに夜遊びに出かける。
19時過ぎにハチへ。
ライブのリハーサル中であった。
ハチママの様子伺い。片腕が不自由だが、歩けるし、まあまあらしい。
20時過ぎにニューサンへ。
滝川雅弘カルテットの出演日である。
*
滝川雅弘(cl) 笹井真紀子(p) 山本学(b) 佐藤英宜(ds)
2、3ステージを聴く。
「ドナ・リー」から始まって、ボサやバラードなど多彩。やはりパーカー・ナンバーが抜群にいい。「ビリーズ・バウンズ」が泣かせる。
滝川さんは、広義にはクラリネットのバッパー、狭義には「クラリネットでパーカーを吹く」のは、今や(デフランコ、トニー・スコット亡きあと)世界的にも貴重な存在ではないか。
最後はユニークな「ローズルーム」。
地下鉄でに帰館、深夜の就眠。
3月12日(火) 播州龍野いたりきたり
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
学校は春休みなのか? 電車は空いている。
タイムマシン格納庫にて相棒の某くんと打ち合わせ。
あと、クルマに乗ろうとしたら、バッテリーがあがったらしく、起動しない。
相棒のクルマのバッテリーとつないで起動。2年前にも同じことがあったなあ。その後バッテリーは交換したのだが。
このところ、2週間放置、15分ほど乗る、の繰り返しだからなあ。免許返上の時期が迫っている気がしてくる。
2時間ほどエンジン切らず。その間、実家の雑事も片づけ。工事関係は後日に送る。
タイムマシン製造の進行状況から、今月末あたりに泊まり込みでの作業になりそうな。
午後の電車で帰阪。
途中、姫路で遅めのランチ。
本日は御幸通りと小溝筋の間にある立ち飲み屋「与太呂」に寄る。
この周辺には、昼間からやってる居酒屋・立ち飲み屋がやたら多く、十三・天五・京橋並である。
* *
その中でも与太呂は1、2を争う立ち飲み店。大将ひとりで串カツ・おでん・その他色々。ともかく安い、手抜きせず、うまい。
100円の塩辛と200円の具沢山粕汁でちょっと一杯。たまらんなあ。
あと、姫路駅で「えきそば」をいただいて、新快速で帰阪する。
3月13日(水) 穴蔵
未明に左ふくらはぎに激痛が走った。悶絶。2分ほど続いた気がする。が、時間感覚はあやふや。
時々こむら返りはあるが、しばらくじっとしてれば、どうってことはなかった。
こんな激痛ははじめて。嫌な予感がする。もっとも、この程度の痛みでコロッと逝けるんなら楽なものだが。
終日穴蔵。
左脚に痛みが残り、散歩する気になれず。某資料を読んで過ごす。
13時48分に震度2の地震があってギョ。震源は紀伊水道。M5.2。和歌山と徳島が震度4。
落ち着かんなあ。
夕刻、久しぶりに入浴、脚を揉みほぐす。
湯上がりで一杯。
*
専属料理人の並べた、ヒラメと貝柱のカルパッチョ、牡蠣のグラタン、サラダなどで白ワイン。
うまっ。
寝る。
地震とこむら返りが起きませんように。
3月14日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
色々読んで過ごすが……特記すべきことなし。
こんな日が増えるのであろう。
3月15日(金) 神戸新聞文化センター
昼前に出て阪急で神戸へ。
午後、神戸新聞文化センターでの講座である。
本日はエッセイ5篇、SF中篇1篇。
エッセイに不思議に「統一的」なテーマが発生。映画やテレビドラマがらみの文章が集まり、それぞれ別のアプローチなのが面白い。
『ボヘミアン・ラプソディ』が話題になるが、おれはまだ見てない。クイーンそのものを知らないし。知らない方が感動は大きいという説もあり。そのうち見ることにする。
SFは傑作。今のSF事情から、できればネットで読めるようにすべきとアドバイスする。
本日、ふだんより早めに終わったので、ひさしぶりに三宮〜元町をうろうろする。
*
コブシ咲く あの道 ああ 港町の春……
甘酸っぱく、かつ禍根ばかりの記憶が蘇るなあ。
元町まで歩き、取り壊し寸前?の有楽名店街を覗く。過去を忘れるために一杯やるには、まだ時間が早いようである。
和田岬(砲台跡)〜刈藻(三ツ星ベルト)あたりをうろうろしたいのだが、和田岬砲台跡の見学日は限られている(昨日であった)ので、ぶらっとは無理である。来月にするか。
夕刻の阪急で帰阪する。
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