『マッドサイエンティストの手帳』681
●マッドサイエンティスト日記(2018年6月前半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・シンギュラリティサロン(2日)
・穴蔵引きこもりの日々
。神戸新聞文化センター(15日)
6月1日(金) 大阪→播州龍野→明石→垂水→大阪
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
午前9時前に着く。
タイムマシン格納庫と実家の雑事。昼前に片づく。
あわただしくも昼前に本竜野から姫路へ。新快速に乗り継ぎ、明石で途中下車する。
明石で降りるのは何年ぶりか。
魚の棚商店街うろうろ。黒門みたいに中国人がいないのがいいあるよ。
そこいらへんの店で刺身とタコ天の定食を試みたが、たいしたことなかった。
* *
明石公園もちょっと散歩。こちらの庭園はなかなかのもの。
省線で垂水へ移動。ここで降りるのは40年以上前に筒井邸に伺って以来である。
駅でODJCのH氏と会い、スタバであれやこれや。
バンク・ジョンソンの稀覯盤についての打ち合わせ。
しゃべっていると、ODJCにいながら、ともに好きなのはモダンジャズだということで一致して嬉しくなる(おれは、ジャズ・クラリネットが好きでルイスや河合良一のファンなのである。デフランコもエディ・ダニエルズもドン・バイロンも同様に好きである)。バンク・ジョンソンはその性格の悪さから、好きにはなれない。これ本音。
垂水から山電、阪急と乗り継いで、夕刻帰館。
よく動いた1日であった。
6月2日(土) シンギュラリティサロン/ハチ/福盛進也
午後、歩いてグラフロのナレッジキャピタルへ。
久しぶりにシンギュラリティサロン開催。
大阪からシンギュラリティを起こす……はずだったが、東京と交互開催、最近は東京がメインになりつつある。
本日は中部大の津田一郎教授で「脳と心の数学理論」について。
*
脳と心は、一元論と二元論に分かれ、それぞれに4、5通りに分類されるらしい。津田先生の立場は二元論で、脳と心の相互作用をミクロな(分子原子の相互作用を記述する)方法ではなく、マクロな(複雑系の数理)視点から解明していく。話題はものすごく豊富で広いのだが、その数学的記述になるとちょっとついていけない。嗚呼。
北大時代に学位取得まで18年がんばってるのがいるとか、周辺のエピソードも面白い。
16時まで。
夕刻、久しぶりにいんたーぷれい8へ行く。
8月5日のチケットなど。
以前(6年前)からハチでドラムを叩いていた(明利マスターが熱心に支援していた)福盛進也くん、ドイツのECMからデビュー盤が出たという。
菊池雅章以来、日本人で2人目。日本ではまったく無名だったから、ジャズ誌や新聞で話題になり、先月帰国しての記念ライブなどあり、その応援でたいへんだったらしい。
知らなかった。
デビュー盤は「For 2 Akis」で、これは長年支援してくれた明利マスターとハチのアキちゃんに捧げられた曲という。
福盛進也くんはミュンヘンに拠点をおき、ヨーロッパでの活動がメインらしい。
健闘を祈る。
6月3日(日) 穴蔵
本日は終日穴蔵にあり。
ボケーーーーッとしてたら、専属料理人専属洗濯婦が、梅雨入り直前の晴天だから、シーツや春物などの洗濯物を全部出せという。日干ししたからいいではないか……と思ったら、ダニやらなんとか、うるさいことである。
ま、致し方あるまい。
午後、近所を少しだけ散歩。
わが集合住宅と市営住宅との境界、谷間みたいな路地に百合が咲いた。
野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。こればっかり。
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谷間の百合……バルザックかルイスかはお好みで。
ということで、おれは晩酌(枝豆、翁ヤッコ、イカ刺、鰺フライ、サラダなどでビール、れんと水割り)時にジョージ・ルイスの「PLAY HYMNS」を流しつつ。
たまらんなあ。
6月4日(月) 穴蔵/ウロウロ
定刻午前4に起床、4時25分から直射光が射しはじめる。たちまち室温28℃となり快適である。
一応机に向かう。仕事したよなしないよな。
11時頃に出かける。梅田うろうろ。
中央郵便局へ行ったついでに駅前ビルを1→2→3→4と抜け、新規オープンした阪神百貨店の御堂筋側に至る。
地下通路の復活はありがたい(東梅田を回らねばならなかったからなあ)。
スナックパークが再開。ちょっと見物。
*
えげつない行列である。
梅田には、三番街のフードホールとルクア(大阪駅地下)のフードホールが開業して、これで3ヶ所。
いずれも落ち着いて飲み食いできる場所ではない。
ただ、阪神のスナックパークは妙におっさんが多いような。
ここからホワイティ梅田に降り、阪急コンコースを上がって新梅田食道街へ。
結局、おれはここがいちばんいい。
新喜楽でかも鍋定食を食す。
新梅田食道街はたぶん10年(おれの存命中)はこのまま残ってくれるだろう。
命の支えである。
6月5日(火) 穴蔵
定刻午前4時に起床して、いつもモード(ゴミ出し、朝食後に机に向かう)で過ごすが、アタマがさっぱり働かない。
テレビを見て過ごす。
ワイドショーは「紀州のドン・ファン」怪死事件ばっかり。
これは面白い事件だし、怪しいのが誰(と誰)かは、はっきりしている。
文春と新潮がどこまで迫るかだろうな。
誰それの「交友関係」もあぶり出されることになろう。木曜が楽しみな。
結局、テレビは週刊誌が先陣を切るまで様子見を決め込む、腐れメディアなんだなあ、たぶん。
ヒ素入りカレー事件以来の騒ぎになりそうな。
6月6日(水) 穴蔵/ウロウロ
入梅。朝から雨が降りつづく。
こんな日こそ穴蔵に閉じこもっておればいいのだが、本日は水道工事で集合住宅が終日(9〜17時)断水である。
給水方式を、屋上のタンクを排して、直結増圧に変更するもので、本日が給水管の切替作業。
トイレが使えない(正確には手が洗えない)ので、なんとなく落ち着かない。
昼をはさんで3時間ほど外出する。
地下街と屋根のあるところをうろうろ。
久しぶりに大阪駅ステーションシティ・風の広場に上る。人影なし。
*
雨に烟るうめきた2期地区を眺める。センチメンタルになるぜ。
3階に降りると、JR高槻で信号トラブル、吹田〜京都が運休である。特に混乱している様子はない。面白くねえな。
地下街を歩き、久しぶりに駅前第1ビル地下「たかはた」にてきつね。
午後2時頃に帰館。
午後4時半に水道使用可能となった。
トイレを我慢しなければならぬ状況はしんどいものである。あ、入社して数年間の寮生活がそうだったのか。原稿が書けなかったはずだ。
6月7日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
正真正銘、ボケーーーーッと過ごす。
正確には、午前5時にゴミ出し、ついでに久ぷりにコンビニで週刊文春と週刊新潮を買ってきて拾い読み、目が疲れて、断続的にうたた寝。夕刻となる。
期待してたような記事はない。
紀州について感想を述べれば「グル」だろうな。それ以外考えられない。
6月8日(金) 穴蔵
梅雨空である。
終日穴蔵にあり、少しは仕事をしようとは思う。が、ドタマ働かず。歳であるなあ。
宮坂静生『季語の誕生』(岩波新書)を読む。
久々に面白い新書であった。
夕刻のニュース。……金三胖がシンガポールに行くのに中国のチャーター機を出してもらうという。面白くねえな。あのポンコツ機(イリューシン)が墜ちるのだけが楽しみだったのに。まあ、まだ墜ちないと決まったわけじゃないけど。来週の楽しみはほとんどなくなった。
6月9日(土) 穴蔵
定刻午前4時に目覚める、
薄曇りから晴、さわやかな空である。昼は29℃となり、おれには最高の気温である。
事情あって終日穴蔵。
詳しくは書かないが、膝を痛めて、2、3日はうろうろしない方がいいようである。
午前9時にネットで9月15日のala「森山ジャズナイト2018」の予約を行う。最高の席はやはりなし。だいたいいつもの席がとれた。ついでに多治見のオースタットも予約する。これで初秋の予定が決まった。
あとはボケーーーーーッと過ごす。
夕刻に近い午後。
やはりチケットを確保しとかないと落ち着かない。ちょっと脚を引きずりつつ近所のセブンへ森山ジャズナイトのチケットを受け取りに行く。
公園横断。
おや、久しぶりにヨレヨレのおっさんが出てきてはった。
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その姿、神々しいばかり。
おれもビッコの引きかたは似てきたのだが、その雰囲気、到底及ぶものではない。
頭を下げて弟子入り志願すべきか。
迷うこと多し。
6月10日(日) 穴蔵
終日穴蔵。自主的幽閉状態。
息苦しくなり、午後、近所を700歩ほど散歩する。
おや、うちから40秒くらいの場所にクラフトビールの店がオープンしている。
*
カウンターだけの店のような。
ここは4年前に閉店した居酒屋「満留満」の裏口にあたる場所である(表側はクリーニング屋)。
流行るとは思えないが、健闘を祈る。
うちの近所で半世紀つづく店は「正ちゃん」と「串樽」だけになった(ともに世襲)。
ちなみに、「正ちゃん」は不思議な経緯で1975年にかんべさんと来て以来の店、「串樽」は1970年頃から小松さんの秘書・樋口さんの愛好店で、小松夫人も時々来られていた。
今も時々のぞくが……やはり、もうわしらの時代ではないのである。
6月11日(月) 穴蔵
うーん。不調である。
終日穴蔵。ほとんど寝て過ごす。
明日は少しはましな日になるだろう。
6月12日(火) 米朝独演会
うーん、不調である。というより、体調最悪。ほとんど寝て過ごす。
専属料理人は本日より実家行き。
おれが体調不良というと延期しかねないので、出発までは極力普通に振る舞う……が「なんだか機嫌悪いわね」などといわれる。まだ演技が未熟か。
9時50分からテレビ(NHK)で米朝首脳会談の中継を見るが、同じ画像(金三胖がクルマを降りる場面)を延々繰り返し、イライラしてくる。
10時5分にやっと金とトランプが出てきて握手。トランプが何かいうが金は意味がわからんらしい。
2、3分で終わり。あとは密室らしい。テレビ切る。憶測報道ばかり聞かされてもたまらない。
専属料理人は実家へ去る。
久しぶりに独居老人生活(ヨレヨレのおっさん状態ともいう)に入る。
夕方までベッドで過ごす。
17時過ぎにトランブの会見を見るが、同時通訳のしゃべる「質疑」の意味がまったく理解できない。
夜のニュースで見るのがいいようだが、それを見るまでもなく、単に「世界で最も信用できない代表格ふたりが握手した」だけのことのようである。
また寝る。
夜は作ってあったメニューを少し食べるが、ほとんど口を通らず。ビール1缶。
ともかく寝る。
6月13日(水) 穴蔵
昨日の記事に対して、ボンクラ息子その1から「大丈夫か?」とメールあり。大丈夫だよ。
全然怖くない「恐怖の体験談」に「恐ろしい目にあってなあ……」と語り出すのがある。「お前、生きとるやないか」でおしまい。
同様に「体調最悪」といっても、ちゃんとPCで書いとるのだから、机に向かう元気はあるのである。
だいぶマシになった。
朝食は水、野菜ジュース、柑橘類。
終日ベッドで色々な原稿を読む。
昼は近所の「信州そば」(この店も半世紀以上続いている名店)へ行く。
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ここは「コロコロ」が名物だが、おれはいつもざる。うまっ。
午後もベッドで原稿読み。
夜は、やはり食欲なく、枝豆とヤッコでビール1缶。
早寝するのである。
6月14日(木) 穴蔵
独居老人生活。ヨレヨレのおっさん生活とも申せましょう。
朝、近所の某医院へ行く。
血圧は128/60と信じがたい正常値である。どこか悪いのではないか(実際、体調最悪)心配になる。が、これは禁欲的生活のおかげらしい。
先週処方してもらったクスリはやめるよう指示あり。
食欲不振その他の不調も、おそらくこのクスリの副作用だろうという。
先週6月9日からの状態は、完治ではないが、もう大丈夫だろうということである。
この1週間、ほとんど出歩いていないが、念のため、本日も穴蔵生活。
色々と資料を読んで過ごす。
洗濯もするのであった。
食欲はまだ戻らず。
夜は野菜サンドとアイスティ。ビールは飲まず。
明日から活動開始である。
6月15日(金) 神戸新聞文化センター
典型的な梅雨空である。が、気分は爽快。
体調も食欲も、ほぼ正常に復帰したようである。
11時過ぎに出て阪急で三宮へ。
昼、ガード下の長野屋へ。ここに来るのはじつに44年ぶりである。
こういうものをいただく。
*
ここの名物はカレーそばだが、カレー味は信そばの本質にあらず。
神戸新聞文化センターへ。
第3金曜の午後は、眉村さんから引き継いだ講座である。
SF者も約1名いて面白いのだが、多くはエッセイ、自伝的作品、普通(でもない)小説、それに戯曲まで多彩。
わが評価に絶対の自信はないが、議論の発火点にはなる雰囲気はあり。脱線も多いが刺激的である。
時間超過して15時過ぎまで。
あと、近くの穴場的喫茶店でガヤガヤ。17時頃になった。
また阪急で帰館。
夜も食欲はあり、コンビニ・メニューだが、ビール、焼酎水割り。
楽しき独居生活モードである。
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