『マッドサイエンティストの手帳』679

●マッドサイエンティスト日記(2018年5月前半)


主な事件
 ・Osaka Big River Jazz Festival 2018(5日)
 ・創サポ講義(12日)
 ・播州龍野いたりきたり


5月1日(火) 穴蔵/ウロウロ
 爽やかな5月である。
 張り切って仕事を……と思いつつ、たいしたことはできないのであった。
 だだし、創サポ提出作品(長篇)に収穫あり。たいへん幸せな気分になる。
 夕刻に近い午後に散歩。近くの梅田貨物線沿いを歩いただけ。
  *
 豊崎第6架道橋の西側あたり、工事はだいぶ進んでいるが、これから手前に線路を敷き、こちらを走らせて、淀川側を掘削(1年先)、またそちらに戻して(5年先)手前を普通の道路にする。
 先はまだ長いのである。
 生きてる自信がなくなってきた。

5月2日(水) 穴蔵
 曇天、午後に小雨となり、夕刻には雨脚強し。
 天気は下り坂で、わが人生と同じ。ま、しょうがないよな。
 終日穴蔵にてボケーーーーッと(しか見えない態度で)過ごす。
 たちまち夕刻。
 雨に煙る北梅田の夜景を眺めつつ晩酌。
 トミフラ師匠、パウエル師匠などを聴きつつ。
  *
 三井アーバン跡のファインタワーが最上階まで伸び、その手前に東洋ホテル跡のブランズタワーが6,7階まで迫り上がってきた。
 半年ほどでファンイタワーを掩蔽することになるか。

5月3日(木) 48億の妄想
 世間は4連休の初日である。出歩く気にならず。穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
 午後、散歩に出る。といってもジュンクドーまで。
 新御堂筋側の扉から出ると、ジュンクドーの東側にも、わが穴蔵から見えるのと同じ表示ボードが「試験放映中」である。
 下まで行ってみると、さらに南のビル(COMODO)の屋上のボードと連動しているのに気づく。
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 新御堂に(少なくとも)3基。
 帰って調べると、東京のHITという屋外ビルボード広告代理店運営しているらしい。大阪にも進攻しているのである。
 ついでに新御堂筋ライブカメラというのに気づく。
 うちの東側の風景。
  *  *
 これは、穴蔵の東南100メートル、ショーレイビル屋上(フレーム左上)にあるカメラの映像である(中央の白い部分はHITの表示パメルの裏側)。こんなカメラ、いつからあったんだ?
 カメラがちょっと首を左に振ると、わが穴蔵が覗き込まれそうな。
 近所のコンビニやマンションには防犯カメラだらけ、クルマにも車載カメラが増えているし、スマホの動画は流れるし、えらい時代になったなあ。

5月4日(金) 穴蔵
 五月晴れである。
 出歩く気にならず。穴蔵を半夏モードに変更する。去年より1週間早い。
 午後、ジュンクドー往復のみ。
 けったいな本を見かけた。
 「まんがでわかる 理科系の作文技術」
 なんでもマンガで読む時代で、古典文学からマルクス、相対論、量子力学まで、何がマンガ化されても驚かないが、これはなあ。
 原典はいうまでもなく木下是雄氏の名著「理科系の作文技術」(中公新書)で、おれも昭和56年に読んで以来、ずっと書架に置いている。新書では「知的生産の技術」と並ぶ古典ではないか。
 しかし、作文技術をマンガで学ぶとはどういうことなんだろう。そもそも文章技術を身につけようと思う人間がマンガから始めるのか。
 10分ほど立ち読み。
 人工知能に関わっている理系女子がプレスリリース作成やプレゼンで悪戦苦闘する設定で、各章の後ろに原典の「要点」がまとめてある。理系文書作成の心構えを説くものらしいが、これで理系文書が書けるとは思えない。
 構成者はSF好きらしく、主人公はアシモフやクラーク、ハインライン、小松左京を愛読している(SFを悪文としているわけではありません)設定にしてある。へんな本だなあ。発行は原典と同じ中央公論で、1200円。原典より高い。誰が買うのかねえ。

5月5日(土) Osaka Big River Jazz Festival 2018
 本日も五月晴れ。
 昼前、久しぶりに自転車で出かける。
 淀川堤を走り、毛馬閘門から大川左岸、桜宮公園で源八橋を西に渡り、OAPへ。
 ビッグリバー・ジャズフェス2018である。
 今年も好天でなによりであった。
  *
 あまり絵にならんなあ。
 ニューオリンズ・フォーティーズ、ヒロシマ・ホットキャッツ、早稲田諸君、リバーサイド・ジャズバンド、キッチン・ファイブ、マホガニーホール・ストンパーズを聴き、リバーボート第1便の出発を見送ったあたりで失礼する。
 ついでに桜宮橋あたりまで散策。こちらは人はほとんどいない。
  *
 泉布観は新緑の中にたたずむ。

5月6日(日) 穴蔵
 世間の連休最後の日である。
 まだ人出多そうなので、終日穴蔵。
 相も変わらずテレビは朝から「ふるさとや行楽地で過ごした人たち」のUターンラッシュを報じておる。
 つまらないので、午前中はCDを聴き、午後は米朝師匠のDVDを見て過ごす。
 このところ、本があまり読めない。
 たちまち夕刻。雨になった。
 専属料理人が並べた、ヤッコ、オムレツ、白菜ベーコン、サラダなどでビール、ハツタツのパンでワイン少しばかり。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。早寝する。

5月7日(月) 穴蔵
 ちょっと思うところあり、ダンボール1箱ある資料(スクラップ10冊以上)の整理にかかる。
 27年前の事件で、作品になるのかどうかわからない。SFとするのは綱渡りみたいなことになりそうな。
 いずれにしても、諸々の資料の廃棄を考えねばならぬ。ま、ぼちぼち進めよう。
 大雨の予報だったが、朝から小雨が降ったりやんだり。
 傘さしてない人が半分以上。
 昼過ぎに散歩に出る。
 野々村竜太郎の生家の斜め向かいはオンボロアパートで、食品スーパーの調理室として使われている。
 この前にバラが植えてあって、この季節、バラだけは美しい。
  *
 野々村竜太郎の生家前にも花は咲くのであった。こればっかり。

5月8日(火) 穴蔵
 終日穴蔵にこもる。
 某資料を読んで過ごす。
 石川敏男(芸能レポーター)なんて男がまだのうのうと生きとるんだなあ。梨元は死んで久しいが。
 恐ろしい世界だ。

5月9日(水) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵にこもる。
 某資料を読んで過ごす。
 曇天、午後急速に晴れてきたので散歩に出る。
 ジュンクドー〜ヨドバシ〜グラフロと歩き、ナレッジキャピタルの広場で現代芸術?に遭遇。
 手前のベンツが作品なのかどうかは不明。
  *
 「大作」ではあろうが、この程度では驚きもせず。
 わがSF感覚が優れているからか、感性が老化で鈍っているからか、自分では判定不能だ。
 たいした作品ではないと思うがなあ。

5月10日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 午前、柳瀬の参考人質疑の中継をしばらく見るが茶番。
 あとは週末の講座の作品を読む。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝。

5月11日(金) 穴蔵/ウロウロ
 朝のニュース。米朝首脳会談がシンガポールで6月12日に決まったという。
 大丈夫なのか? 
 金三胖ご一党が半世紀近い旧式イリューシンで飛んでいくわけで、これが墜ちるかどうか、ヒヤヒヤ ハラハラ ドキドキワクワク要素が加わり、期待は高まるばかり。
 午前中、マジメに机に向かう。
 午後、運動不足なので散歩に出る。
 西回りコース。サムライジーンズ(なぜか改造車がよく停まっている)、佐伯祐三生家、富島神社、許永中生家付近、中津商店街を抜けて、スカイビル方向へ。
 北側、初夏の里山を通り、南側、都心の渓谷の新緑を眺める。
  *
 2期地区を横断してグラフロ側へ。
 うめきたの広場で、一昨日見た現代芸術?にまたも遭遇。
 これは「ART SCRAMBLE」という連休期間の企画(4/26〜5/13)で、コンテンポラリーアート(現代芸術で間違いではなかった)と説明書きにあった。
 ちなみに一昨日見たベンツも一応作品らしい(ベンツのショールーム前。キャンパスとして車体を提供しているのだから、なかなかの太っ腹)。
 広場からナレッジキュピタルの8ヶ所に展示中。
 連休中、人混みに出るのが嫌で気づかなかったのであった。
  *
 「ウルトラ -黒い太陽-」がいい。あとはたいしたことなし。
 ヨドバシ、ジュンクドー経由で帰館。
 7,425歩となった。

5月12日(土) 創サポ講義
 午前、マジメに机に向かう。
 午後4時頃に出かける。
 ジュンクドーへ行こうとしたから、茶屋町が大混雑。「チャリウッド」というイベント(今日明日)で、模擬店が並び、特設ステージでラッパーが何かやっている。
 人の少ない東側に抜け、中之島公園まで歩く。
 バラ園。こちらも人出多し。
  *
 ただ、肝心のバラはいずれも強い日射しで萎れたように見える。ざんないものである。
 曇か小雨の日に限るな。
 中之島を抜け、天満のエルおおさかへ。
 創作サポートセンターの講義。
・長篇少年サッカー小説。少年チームの中心が少女という設定で、スポーツ描写、地方都市の設定、家庭環境の設定、サブキャラの書き分け、季節感、挫折と再生、最後の雨中の熱戦など、いずれも見事な秀作。なんとか形になるといいのだが。
・村を焼かれ両親を失った三兄弟が戦国の世を放浪するシリーズ作品。三人の性格が見事に異なるのだが、それが「助け合って」生きるのではなく、奇妙な反目をはらむという、不思議な設定である。
 秀作と問題はらみの作品、ともに面白く、こちらもやりがいがある。

5月13日(日) チャリウッド
 曇天が9時頃には小雨、昼前には本降りとなり、雨脚がだんだん強くなる。
 こんな日は穴蔵にこもっておればいいのだが、じっとしてられなくなり、午後、傘さして出かける。
 茶屋町「チャリウッド」の惨状を見物するためである。
 徒歩7分。おお、やっとるねえ。
  *
 模擬店閑散、屋外のテントなどは放置状態で、特設ステージで誰かが歌っているのを物好きが十数人、傘さして見ている。
 わははははは。気の毒な。10分ほど一帯を見物して帰館。
 また穴蔵にこもる。

5月14日(月) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 9時前に着き、タイムマシン格納庫で雑事の後、実家へ。
  *
 わが家は緑なりき。
 気温快適で、しばらく滞在して仕事するのもいいかなと思うが、今回は準備していない。
 本日は室内の夏モードへの変更。布団類を干し、暖房器の片づけなどの肉体労働。
 その間、税務関係の処理も行う。固定資産税の納付だが、バカにならぬ額。これが財務省のド畜生どものオメコ代になるのかと思うとムカムカしてくる。別荘の維持も大変である。
 夕刻に近い時間に帰阪する。

5月15日(火) 穴蔵
 初夏である。朝から直射光が射し込み、穴蔵の室温、7時過ぎに28℃となる。快適な季節になった。
 朝9時、近所の某医院で定期検診。ごく正常であった。ほっ。
 あとは終日穴蔵。
 某講座の作品を読んで過ごす。
 面白い作品(SFに限らない/エッセイもあり)が多く、とくに「後期高齢者女性のモノローグ」作品には驚く。嫁の悪口から始まる愚痴が、次第にややこしい背景を浮かび上がる構成で、「陰悩録」の老女版ではないか思ってしまう。
 この講座についてはまた後日書くことにする。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝する。


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