『マッドサイエンティストの手帳』664
●マッドサイエンティスト日記(2017年10月前半)
主な事件
・楽しき独居生活
・播州龍野いたりきたり
・廃墟巡礼(9日)
・森山威男@COTY(9日)
10月1日(日) 穴蔵/ウロウロ
目覚めれば10月1日であった。毎年この日は、何か大事なことをし忘れてしまったが、今さらどうしようもない、という気分になる。10日1日では遅すぎるのである。SFファンには「たそがれの国」を思い浮かべる人の方が多いだろうが、おれの場合はやはり尊敬してやまぬホイル卿である。
何ができなかったのか自分でもわからないが(たぶん構想していた作品を書くにはもう遅いということだろうが)、もうどうでもいいのである。
ということで、ボケーーーーッと過ごす。
しかしタドコロになってはいかん。
午前、久しぶりに自転車でウロウロすることに。
淀川堤を毛馬閘門へ。蕪村碑通過、赤川鉄橋手前で下界に下りて、45年前に住んでいた毛馬の工場跡(しろきた団地)あたりを走り、懐かしき大東商店街(今は蕪村通り商店街/さびれておる)を抜ける。当時は映画館があって『トルコ風呂王将戦』を観たのが懐かしい。
商店街の南端、赤川バス停前。
*
工事中の(仮称)都島駅(H31春開業予定)を見る。
駅名に城北公園とか蕪村を入れろとか揉めているようだが、都島でいいではないか。なんなら拘置所前とかさ。
商店街から西へ。大東橋を渡り、友渕町、善源寺町の裏通りをうろうろ。
大川に行き当たり、飛翔橋を初めて渡る。
長柄のリバーサイドを抜けて、おなじみ天六。
せっかくだから天五の某店(七福神のとなり)でビール一杯。天六うどんできつねを食して帰館。
走行距離はたぶん17キロほどであろう。
帰館して、ボケーーーツと寝そべって思い出す。
日頃徒歩や自転車でうろうろしている一帯は、すべて泥世界に沈めてしまいたいエリアなのであった。
もう遅いか。まだ間に合うかも。
夜は専属料理人に、秋田産枝豆、きんぴら、もやしのなんとか並べてもらってビール。
*
メインはビーフシチューで、これに使った安ワインの残り、カンテのフランスパン。
酔っぱらって寝る。
10月1日では手遅れである。
10月2日(月) 穴蔵/一周忌
雨ぞ降る。
終日穴蔵。
本日は一周忌というか一周年というか、1年前に穴蔵を移転した記念日である。
日当たりや気温の変化、冷暖房の使用期間、衣替えなど、年間パターンはわかった。
これをあと10回ほど繰り返して終わるわけである。
特に祝賀行事を行う気分にもならず。本を読んで過ごす。
こんな日が続くのであろう。嗚呼。
10月3日(火) 穴蔵
朝、専属料理人が実家に去る。
愛想尽かしされたわけではなく、家庭の事情である。
さあ、しばらく楽しき独居老人生活である。公園のヨレヨレのおっさんに、仲間入りの挨拶に行こうかしらん。ま、一時的なことだからやめとくか。
終日穴蔵にて本を読んだりDVDを見て過ごす。
たちまち夕刻。専属料理人の作り置きの総菜類を並べてビール。
お、ノーベル物理学賞のひとりにキップ・ソーンの名が報じられる。
これは嬉しい。SFファンにとっては、重力波よりも「タイムマシン発明者」(バクスター『時間的無限大』他)である。
ヒューゴー賞も特別賞を考えるべきではないか。授賞式が楽しみな。
10月4日(水) 穴蔵/ウロウロ
秋晴れである。
穴蔵にて雑事いろいろ。
夕刻に近い午後、散歩に出る。豊崎神社参拝、淀川堤を東へ、長柄橋手前で下界に下り、天八のスーパーで食材を買って帰館。
久しぶりに調理を行う。
といっても、枝豆を茹で、出来合のキムチ鍋に翁豆腐(木綿)を追加してビール、あと冷凍うどんをぶち込んで、黒糖焼酎の水割りをチビチビ。
*
BGMはニューオリンズ系で、神様ルイス、河合師匠など。
中秋の名月。ビルの隙間から昇ってきた満月を眺めつつ。
楽しきかな独居生活。
六角光汰『太陽系時代の終わり』(文芸社)
キップ・ソーンのノーベル賞受賞に合わせたようなタイミングで宇宙SFを読む。
草思社・文芸社の第2回W出版賞金賞受賞作、六角光汰(むすみこうた)氏の『太陽系時代の終わり』をお送りいただいた。
ジャンルを問わない長篇のコンテストに本格宇宙SFでの受賞だから、これはうれしいことだし、たいしたものである。
*
2200年代、人類は太陽系に進出している。火星はテラフォーミングされているが、宇宙の主な居住区は木星軌道の人工ステーション群。
太陽系は地球連合(GLC)と火星木星連合(MSJU)に二分されている。前者は1G、後者の居住区は0.3Gに管理されていて、重力環境のちがいから、両者の体型は異なり、人的交流はほとんどない。戦闘状態にはないが、権力は圧倒的に地球側にある。
MSJUはエウロパその他に宇宙人の残した遺跡を発見し、その謎を秘密裏に研究している(イシス・プロジェクトという)。
宇宙人(アンセスターと呼ばれる)は滅びたらしく、その遺産だけ残されている。それは、原理は不明だが、慣性質量を制御する機能があり、使いようによっては、簡単に光速飛行を達成できる。つまりMSJU側は太陽系を脱して恒星系に進出できるかもしれない……。
ちょっとフレデリック・ポール『ゲートウェィ』を思わせる設定である。
メインの語り手は木星軌道の基地で不思議な遺産を研究するフィリップ。
謎は拡大する。アンセスターはなぜ5億年前に滅びたのか(残されている「超技術」を使い誤った可能性が高い)、エウロパの遺跡からアンセスターの血液が発見され、DNAからクローンが複製される、それが可能なのは、人類と同じ先祖を持つからなのか、遺跡は太陽系に点在するのになぜ地球で発見されないのか……等々。
その研究施設に恐ろしく強権的なMSJUの長官が乗り込んできて、危険を顧みず実験の強行を命じる。さらにはスパイが潜入する……
基地を舞台にめまぐるしい展開となるが(ネタバレになるから書かないが)「次元構成」の異なるものどうしが三次元空間で交差する奇妙な描写があったり(さすがに、これが描写として「正確」かどうか判定できない。四次元感覚を三次元の住人たるわしらが体感できんのだから/しかし、そこが色々と工夫されていて、これもSF描写の面白さである)、その他、過剰なまでのアイデアが噴出する。
表題どおり、人類のあるステージの終わりが描かれるのだか、ぜひとも次のステージに挑んでほしいと思う。
10月5日(木) 穴蔵
室温も低下(6時26℃)したので、部屋着も衣替えする。
洗濯を行う。掃除もする。専属家政婦がいないと不便だが、愚痴はいうまい。
近所の某医院にて定期検診。数値はごく正常であった。ストレスがないからであろう。
秋晴れ。
昼の公園には誰もいない。
あ、ヨレヨレのおっさんだけ。こちらも衣替えしてはった。
*
仲間入りの挨拶をしようか迷うが、やめとく。人は自分に似たものを嫌う傾向があるからな。
昼は情熱うどん讃州でカレーうどん定食。
カレーうどんは某チェーン店よりはここがいい。
10月6日(金) 穴蔵
曇天、ゴミ出し、9時頃から小雨となる。
終日穴蔵にて資料(週明けにちょっと動く予定で、その下調べ)を読んで過ごす。
こういう場合、おれと同年の荷風散人はどう書いたか。
「雨。家にあり。」
と、1行パターンが多い。
文化勲章の前年、「家にあり」は少なく、ロック座通は相変わらずだから、たいしたものだ。
少しは見習わねば。
明日は「夜兎我野町。」といくか。
10月7日(土) 大阪→播州龍野
夜来の雨が午前9時前にやんだので、播州龍野へ移動する。
世間は本日から3連休らしいが、電車は混んでおらず。賢明な人が多いのであろう。
昼前に本竜野についたら、こちらはまだ小雨である。
彼岸花からコスモスの季節に変わっていた。
*
陋屋前、コスモスが小雨に濡れている。センチメンタルになるぜ。
雑事いろいろあり、市内数ヶ所をまわる。
タイムマシン格納庫にも寄る。こちらは、国慶節で某国からのややこしい案件がなく、助かる。
雨はあがり、晴れ間もあり。
*
鶏籠山がいちばんきれいに見える龍野橋東詰の喫茶店ガエリアでしばらく休憩。
背景の的場山が紅葉谷からわき出す雲で隠されて、トリカゴ形状がくっきり浮かぶ。
静かなもの。
来月下旬の紅葉〜たつのフェスティバルまで、人出はないだろう。
ということで、秋の日暮れは早く、午後6時には暗くなる。
つまらんメニュー並べて独酌。
室温22℃で、肌寒いがコタツを出すには早く、厚手のパジャマで龍力熱燗がちょうどいい。
鴨居のスピーカーから降り注ぐ尾田悟師匠(バックはハンク師匠)の濁音を聴きつつ。
後かたづけがなければ最高だが、愚痴はいうまい。
楽しきかな独酌。
10月8日(日) 播州龍野→大阪
秋晴れである。
ちなみに晴れた日の鶏籠山はこういう風に見える。
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輪郭、左側がいまひとつクッキリしない。
雑事あれやこれや。
揖西町のヤマトへ荷物発送に行ったついでに、揖保川町へ回り、馬場地区のコスモス畑を見に行くが、未だし。
下旬からシルバーウィークあたりが見頃であろう。
せっかくだから峠を越えて室津まで行く。
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ああ播磨灘。
すこし西に走り、海宝で牡蠣フライ定食を食す。悪くはないが、ビールが飲めないとなあ。
牡蠣の直販所が海岸沿いに多いが、牡蠣の料理はおれには無理。これだけは専属料理人がいなければ。
相生回りで実家に戻る。西播(に限らずか)あちこちの神社で秋祭りが行われている。氏子諸君、好天でなによりであった。
夕刻に近い時間の電車で帰阪。
さあ、明日は懐かしき町へのセンチメンタル・ジャーニィである。早寝する。
10月9日(月) 廃墟巡礼/森山威男@COTY(豊橋)
朝7時前に出て、新大阪から名古屋に向かう。
目的地は豊橋だが、せっかくだから、その前に知多半島をうろうろしたくなったのである。
ボンサラ時代、繊維関係の工場への出張が多かったが、回数がいちばん多いのが半田市である。ここの代理店の男が優秀で、小さな織布工場含めて40社ほどにタイムマシンを売り込んでくれたのである。工事は4、5時間。稼働確認含めて夕刻までかかる。すべて日帰りだった。
同じタイムスケジュールで行くことにする。
名古屋で武豊線に乗り換え、東浦に9時過ぎに着く。
ここには大生紡績の「廃墟」がある。7月にテレビの廃墟特集で見て、どうしてもこの目で確認したくなったのである。
* *
工場は駅に隣接していて、ホームからも見える。
ただ、改札の反対側だから、遠回りして踏切を渡らねばならぬ。
2、3度来た会社。工場や寄宿舎らしき建物はそのまま荒れ放題で、一部は崩れかけている。残念ながら内部に入れない。
さらに東側は田園地帯。これでは商業施設にもニュータウンにも向かないだろう。武豊線は単線で不便なようだし。産業遺産にして公開してくれないものか。
1周1時間半ほど。
東浦から乙川に移動。代理店のあった駅である。
建物跡地は駐車場になり、近くにあった山田紡績は大型書店(マンガやDVDが主?)に変わっていた。
10分ほど歩いて「江南」という洋食屋へ行く。ここが目的地のふたつ目。作業の合間に、よくランチを食べに来た店である。
これでビールを飲みたい……というのが「長年の夢」だったのである(この事情は宮津の富田屋に似ている。宮津は魚、こちらは洋食)。
*
昔と同じ、トンカツ、ハンバーグ、ミニオムレツなどが載ったAランチをいただく。ラガーを一杯。
うま〜〜〜っ! と感嘆するほどのレベルではなく、普通にうまい洋食である。やはり長年の記憶の反復が「幻の味」を作ったのだろう。まあしかし、夢は叶えられた。
乙川から大府経由、豊橋に移動する。
夕刻「COTY」という店へ。はじめて来るが、ゆったりしたテーブル席で、詰めれば100人近く入れそうな、豪華なライブハウスである。
森山威男4とWHYジャズ楽団のライブである。
第1部がWHYジャズ楽団。渡辺ファイアーさんがコンマスをつとめ、パーカッションがゲスト。森山追っかけN0.1にして主治医の塩之谷香さんがテナーを吹いている。
・Time & Money
・静かな夜に……ともにT.P.O.の曲
・アフリカの大地……これは板橋文夫作曲で、板橋さんが指揮……というか、煽ってるのか怒鳴ってるのかわからんようなアクションである。アフリカブラスの板橋版とでもいうか、大迫力の演奏。
・最後の曲はタイトル聞き漏らし……板橋さんの指揮で「ソロを指名されるのが、小学校で先生に当てられるみたいで怖い」とか。
第2部は森山威男×板橋文夫×望月英明×渡辺ファイアーのカルテット
*
リズムの3人は初期の「FLUSH UP」「hush-a-bye」「SMILE」そして名盤「Live at Lovely」の編成で、サックスだけが変わっていく。本日は渡辺さん。
本日は板橋作品ばかり演るという。
・アリゲーター・ダンス
・渡良瀬
・サンライズ
・グッドバイ
・アンコールがハッシャバイ、グッドバイの後という珍しい構成になった。
21時前に終演。
グズラさんは久しぶりに聴く。痩せた感じなので聞けば「禁酒したら自然にこうなった」とか。
実は(公式的には「ひとり外泊禁止」なのだが)内密で豊橋泊。独居中だからどこに泊まっても同じである。外で遅くまで飲んではいかんのである。
ということで、コンビニでビールや弁当などを買って駅前のホテルに帰館。
本日は18,625歩となった。
10月10(火) 豊橋→大阪
午前5時に目覚めた。6時半に朝食。
しばらくボケーーーーッとする。
本日は昨日の続きで廃墟巡礼、鷲津、新居町をぶらっと歩き、浜松まで移動して帰阪……のつもりであった。
しかし、急に面倒な気分になってきた。大生紡みたいな廃墟はなく、工場やニュータウンになっていて、ストリート・ビューで町の雰囲気もわかっている。ぜひともビールを飲みたいランチ店もないし、キタがミサイル撃つかもしれんし。
穴蔵に戻りたくなり、8時過ぎのひかりで帰阪、午前10時半に帰館。
こんなことなら昨夜帰るのだった。
楽しき独居生活に戻る。
10月11日(水) 穴蔵
秋晴れである。洗濯もするのであった。
終日穴蔵。
昼間の気温は外も室温も28℃で快適である。
つまらん雑事(集合住宅のややこしいこと)を片づけてたら、たちまち夕刻。
近所の食品スーパーで買い物してくる。
「紫ずきん」があったので、この1/3袋分を茹でる。
*
池田事業所に勤務時代、近所のダンプの運ちゃんが丹波から枝ごと買ってきてくれた。阪急宝塚線でこれを花束みたいに持って帰るわけだが、ついでに阪急池田駅前の新見酒店で呉春買ったり、懐かしいね。
ということで、本日の独酌は40年ほど前(独身時代)の夏バターンである。
枝豆、ヤッコ、トマトスライス、ビール、素麺。当時はこれで十分であった。
本日はぶっかけ素麺に温泉玉子、カイワレ、チクワをぶち込んで、黒糖焼酎れんとの水割り。
楽しきかな独身生活。
10月12日(木) 穴蔵
曇天なり。
穴蔵にて資料を読んで過ごす。
外出は午後にジュンクドー〜中崎町〜タカセ市場で買い物のみ。
「本の雑誌」11月号、特集は「書庫を建てよう」で、巻頭に水鏡子の書庫を見に行くルポ。
宝殿(加古川市)の近くらしいがおれは見たことはない。今は「完全独居」らしい。
新築2階建ての「無窓書庫」が凄い。それにしても……ここまで好きなことに徹した人生は他に知らん。ヨコジュンも凄いと思うけど、水鏡子の場合、わき目も振らずだからなあ。
夜は、料理が面倒になり、コンビニメニューで一杯。
眠くなってきた。
深夜に筒井さんの「特番」があるが、起きてられるか。
レコーダー持ってないし、記録された方あれば、その時はよろしく。
※特番というのは『ビーバップ!ハイヒール』600回記念で「筒井康隆。この男、何者なのか?」
番組サイトに「見逃し配信」というのがあると知らせていただいた。これなら「徹夜」しなくて済む。
10月13日(金) 穴蔵/ウロウロ
午前4時に目覚める。
昨夜23:30からの深夜テレビ(ビーバップ)、「見逃し配信」があるとメールいただき、さっそく視聴。
筒井さん、相変わらずお元気である。
10年後(頭脳は別として)おれもかくありたいと思う。ともかくノーベル文学賞受賞を見届けなくては。
ということで、曇天だが健康的な1日を過ごす。
穴蔵にて資料読み。
昼、所用あってキタ郵便局まで歩く。
沖縄そばが食べたくなり、スカイビルの南の方へ歩く。
徒歩圏にうまい沖縄そばがなくなった。本庄東の「寿」は閉店し、天六の「とぅるるん」は夕方から。三番街の北側に沖縄料理の店があるが、ここのは、もう悲惨なものであった。絶対に行ってはいけない。
大正区の「いちゃりば」か「よしや」に限る……というのがこの3年のパターンであった。
福島の一角、スカイビルの南西に「沖濱そば」という店あり、ここへ行く。
*
三枚肉そば+じゅーしー(炊き込みごはん)をいただく。
これはなかなか。徒歩圏随一である。沖縄そば専門で、ゴーヤチャンプルなど他の沖縄料理がないのも潔い。
今度はオリオン生もいてこましたろ。
うめきた地下道を抜け、ヨドバシ、紀伊国屋、ジュンクドー経由で帰館。
また机に向かう。
夕刻、専属料理人が帰館。
夜は静岡産枝豆、刺身、黒半、わさび漬けなど静岡メニューでビール。サラダ、チーズ、フランスパンでワイン少しばかり。
早寝するのである。
楽しき独居生活は本日で終わる。独居でも健康的生活は送れるのだが。嗚呼。
10月14日(土) 創サポ講義
曇天。穴蔵にて燻る。
夕刻這い出て天満橋のエルおおさかへ。
創作サポートセンターの講義。
秋期の提出作品多く、短篇4、ショートショート6作品を題材に行う。
・徳川の要人暗殺を企んで行われる「入れ替わり」作戦。正室すり替えだから「影武者徳川家康」よりも「和宮様御留」に近いのだが、作風から、映画「エロ将軍と21人の愛妾」を引き合いに出したら、ちょっと呆れられた。しかし、この映画、物語の骨格は意外にしっかりしているのである。
・大阪夏の陣に真田の秘密兵器が登場。これが意外に説得力あり感心する。
・大阪の道具屋筋の廃墟から発見された奇妙な鉄板が引き起こすアクション・ファンタジー。「なろう系」というジャンル?を初めて知った。
・吸血鬼が絶滅危惧種に指定された世界。着想は抜群で、マシスンの「吸血鬼」(「地球最後の男」)を知らずに書いたという。
・同一作者のショートショート6篇。かなり力のある作者で色々なパターンを書き分けているが、キラキラネームがエスカレートする話が抜群に面白い。
ちと時間超過して20時30分まで。
独居生活が終了しているので、まっすぐ帰館。
21時過ぎから遅めの晩酌となる。
専属料理人に、紫ずきん、翁豆腐、静岡の生しらす、鮭のなんたらなど色々並べてもらってビール。
*
四方竹と揚げのたいたんの妖女で黒糖焼酎水割り。こういうのがいちばんいい。
10月15日(日) 穴蔵
雨が降り続く。秋冷。
終日穴蔵にて調べものして過ごす。1年前の穴蔵移転以来、見つからない本が多い。
播州龍野書斎へ送ったダンボールの中にあるのだろう。
ジュンクドー(徒歩7分)と図書館(往復100円)で間に合うという判断だったが、雨の日は困る。
明日は西長堀行きとしよう。
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