『マッドサイエンティストの手帳』658

●マッドサイエンティスト日記(2017年7月前半)


主な事件
 ・穴蔵の日々 
 ・播州龍野いたりきたり


7月1日(土) 穴蔵/ウロウロ
 天気予報は大雨とか天気急変に注意とかうるさいことだが、晴れたり曇ったり、午後は快晴、梅雨明けではないか。
 昨年の台風もそうだったが、近県大騒ぎの時、大阪市内はいつも静かなものである。
 室温29℃の穴蔵にて本を読んで過ごす。
 運動不足なので、午後、梅田うろうろ。
 ジュンクドー〜チケットショップなど回り、ついでに昨日開通したヨドバシの歩道橋を見に行く。
  *
 ヨドバシ2階南側と大阪駅〜阪急歩道橋がつながった。
 ヨドバシの入口は2階東南角にある。
 これ、特に便利な陸橋ではない。この地下には、大阪駅〜地下鉄御堂筋線梅田北改札〜阪急連絡通路〜ヨドバシ地下入口がつながる地下道があるわけで、地下か陸橋のどちらを選ぶかのちがいだけ。
 御堂筋線利用者はとうぜん地下。阪急利用者も半分は地下。
 北側のスクランブル交差点を渡ってくるおれは、まったく利用することなし。
 ま、秋にはヨドバシ回廊が西に延び、グラフロとつながるというから、少しは流れが変わるか。
 いずれにしても、大阪駅の南は地下街、北は陸橋の回廊ということになるのか。
 あまり面白い近未来図ではないな。
 こうなってしまうのも、すべて、大阪駅の地下に南北の地下通路を作れないからなんよね。これは東京駅と事情が似ている。
 いたしかたなし……か。

7月2日(日) 穴蔵
 晴。6時前から直射光。遮光カーテン引く。8時、室温31℃。ま、がまんできる室温なり。
 終日穴蔵。
 午前、某講座の提出作品をメモをとりつつ読む。
 昼、外は35℃、室温は31℃で推移。扇風機を回しておれば快適である。
 午後も資料読み。
 楽しみのための本も読む。
 面白い本を色々読んでるのだが、あまり感想をアップしてないな。
 読んだらすぐアップすべきなのに(もともと拙ウェブの雑読雑聴は、新聞雑誌の書評より先にアップする/誰よりも先に面白い本を見つけて自慢するのが狙いであった)さぼり気味である。
 がんばって遅れを取り戻すことにしよう。

北野勇作『大怪獣記』(創土社)
 北野版シン・ゴジラともいうべき快作。
  *
 北野勇作さん、絶好調である。
 北野さんの作風は、20年ほど、そう変わっているようには見えないし、古びることもない。
 しかし、北野さん、最近の作品、いずれも面白く、アブラがのっている感じだ。
 『カメリ』は10年以上かけて書かれた作品だし、この『大怪獣記』もだいぶ前に(つまり「シン・ゴジラ」よりも前に)完成していたらしい。怪獣映画に引き続き怪獣SFの登場……というよりも、順序は逆、北野さんが怪獣を引き寄せたと見る方がいいようだ。
 これは怪獣SFというよりも「怪獣映画SF」というべきか。
 売れないSF作家(私)のところ怪獣ものの映画の小説化の企画が持ち込まれる。原作提供ではなくノベライゼーション? しかし、話はちょっとおかしく、シナリオもまだ出来ていない。ともかく原案を聞こうと脚本家のところへ行くが、そこは町内の豆腐屋。脚本家は豆腐屋の息子なのである。おからに転落たりたいへん。どうやら町内振興映画らしく、シナリオなしで撮影は始まっていて、「私」はエキストラにかり出され、スタントマンまがい(か本当の危機かわからん)演技が受けて、出演もする。おかしな盆踊りはあるは、撮影用の怪獣が逃げ出して大騒ぎになるは、いやはや。
 これはグルメ小説でもあり、おからから始まって、餅、粕汁、菜の花など、森川弘子的メニューも続出。
 なによりも楢喜八氏のイラストとの相性が抜群である。
 北野SFは、過去の事例を思い出しても、色々な災害を引き寄せる傾向が強い。しばらくは用心しながら生活しなければならぬ。

蓮見恭子『シマイチ古道具商』(新潮文庫)
 副題は「春夏冬(あきない)人情ものがたり」。蓮見恭子さんの新境地である。
  *
 蓮見恭子さんの作品はずっと読んでいるが、ミステリー、スポーツ小説など、大きくは「青春小説」でくくれる作品が多い。
 昨年の『襷を、君に。』は「駅伝小説」であり、極めて優れた青春スポーツ小説の傑作だった。どこかがテレビドラマ化しないかなと期待している。
 その蓮見さんの新作は、たぶん初めての大人小説(高齢者も含めて登場人物に大人が多い)であり、明らかに新境地だ。
 堺市綾野町……阪堺線(路面電車)が大阪市内から大和川を渡り、住宅街を走り、少しカーブして、とつぜん6車線の中央に軌道がある広い直線道路(大道筋)に出る。この曲がり角が綾野町である。
 おれはここで降りたことはないが、何度か通過している。少し南へ行けば、千利休屋敷跡とか(わが目的地)銀シャリの「げこ亭」がある。近代化と老朽化の境目みたいな下町で、古い町屋が残っていたりする。
 この古い町屋の古道具商「島市」に、透子一家4人が居候として住み込むことになる。教師だった亭主が精神的に不安定になり退職、その実家にやっかいになる。店を手伝いつつ、町内の人たちとのつき合いが始まる。
 茶道の先生、男やもめの会社員、シングルマザーと問題児……店で扱っているのは、不揃いの茶器、欠けた値打ちものの陶器、意外な資料が貼り付けられた家具……。どこか欠けた人たちと古道具が見事に対応しているのである。
 大きな事件は起こらない。だが、高齢の店主の引退と古い町屋の取り壊しという問題が浮上する……
 基本的には「人情ものがたり」である。だが、堺市の下町を描いた都市小説であり、古道具小説である。何よりも舞台設定と町の描写が素晴らしい。
 近いうち、阪堺線で南下、綾野町あたりを歩いてみたいと思う。

わかつきひかる『文章の仕事をするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』(雷鳥社)
 わかつきひかるさんは「フランス書院文庫」の人気ポルノ作家である。官能小説家というべきか。普通の小説や時代小説も書かれている。そのわかつきさんが、珍しいくも(本邦初ではないか?)「ポルノ小説の書き方」を公開した。
  *
 おれはポルノはあまり読まないし、とても書けないと思っている。
 しかし、これは小説作法書としても「業界」ものとしても、きわめて面白い。
 まず……
 タイトルが「文章の仕事をするなら、まずはポルノ……」であり、文筆業の入口としてポルノを選ぶのがいいというのである。
 小説家としてデビューするなら、一般的にはコンテスト。ところがポルノの場合、小説の前段階?みたいなジャンルとして「告白手記」があるというのである。これは知らなかったが、いわれていみると確かにその通りだ。原稿料は安いが活字になるハードルは低いという。ここでの訓練が小説につながる。なるほど。
 こんなことからはじまって、
・ポルノと普通の小説の性描写は異なる。
・ポルノには色々なサブジャンルがある。
・登場人物の年齢よりも読者の年齢ははるかに高い。
・好景気の時は鬼畜系が売れ、不景気の時は誘惑系が売れる。
 その他、ペンネームの付け方、売り込み方、営業まで、業界事情などもきわめて具体的に公開されている。
 いやあ、これはポルノというジャンルを超えて、勉強になるなあ。
 同時に、文筆業者のこの厳しさ! 小説家という「職業」が消滅に向かいつつあることを実感する。
 怖い本でもある。

7月3日(月) 穴蔵/室温チェック
 晴。本日は炎天、猛暑日らしい。
 新穴蔵に移って、はじめて迎える夏である。
 室温のチェックを行うことにする。
 つまり、エアコン使わずに夏場を乗り切れるか。イカルスで過ごす気分。昨秋までいた穴蔵では4年前にチェックしている。
 6時前に東からの直射光が射し込む。
 1時間刻みで気温を調べる。
  *  *
 いちばん暑い午前9時。ベランダ35℃、室温33℃。これは以前の「夏のピーク」である。
 アンダーシャツにステテコ。扇風機だけで快適である。
 ほとんど4年前の8月炎天日と同じ、午後は室温31℃で推移。
 ま、これなら、前の穴蔵と同じパターン(日射しの強い日に、午前中3時間ほどエアコン稼働)で乗り切れるであろう。
 ということで、晩酌のビールがうまい。
 八尾産枝豆、焼き茄子、肉じゃが、トマトサラダなどでビール。なんとかの塩パンとカマンベールで白ワイン少しばかり。
 20時の穴蔵、外は29℃、室温30℃。こんなものであろう。
 早寝するのである。

7月4日(火) 穴蔵/台風3号通過
 定刻午前4時に目覚める。
 7時に朝食。
 台風3号、長崎に上陸。これから西日本横断という。薄曇りで静かなもの。
 正午に昼食。雨が降り出した。宇和島あたりに再上陸したらしい。
 ボケーーーーッと過ごす。
 台風3号、夕刻、紀伊半島をかすめて東へ去った。
 風も吹かず、雨はやみ、曇天の夕空を眺めつつ、つまらんメニュー(鶏の南蛮なんとかとか大根のたいたんの妖女とか)でビール、黒糖焼酎の水割り。
 終日気分鬱で、何もせず、台風一過とはいかない。
 米朝師匠のDVD「看板のピン」「抜け雀」など1時間ほど見る。気分ちょっと晴。
 つまらん1日であった。

7月5日(水) 穴蔵/ウロウロ
 朝だ。雨が降っている。台風一過とはならなかった。
 穴蔵にてボケーーーと過ごす。
 昼に雨は上がった。運動不足なので歩くことにする。まず西回り。
 グラフロ北館(ナレッジキャピタルの下)で「世界を変えたレコード展」(無料・6/21〜7/23)をやっている。
 金沢工大所蔵のLPから、レコード史とポピュラー音楽史を関連づけて紹介するもの。
  *
 ジャズは1/5くらいか。名盤いろいあるが、まあジャズ喫茶でおなじみのものばかりで稀覯盤はない。
 むろんたいへん有意義な展示である。
 ジャケットの芸術的価値は認めるが、しかし、ジャズLPは、一杯飲みながら聴き、ジャケットを眺めるのがベストであるなあ。今度播州龍野の実家でやろう。
 地下街うろうろ、扇町、中崎町ぶらぶら、タカセで黒糖焼酎を買って帰館する。
 10,583歩になった。
 ということで、夜のビールがうまい。
  *
 専属料理人に、八尾産枝豆、翁豆腐ヤッコ、静岡かじき・淡路島玉葱と播磨灘しらすなどのワンパレットを並べてもらい、ビール、安ワインを少しばかり。

オキシタケヒコ『おそれミミズク』(講談社タイガ)
 副題は「あるいは彼岸の渡し綱」。これはオキシさんの(現時点での)最高傑作であろう。
 オキシさんは、一作ごとに変化しつづける作家だ。最初に読んだ「What We Want」(創元「原色の想像力2」)が大阪弁の宇宙行商人の話でユーモアSFだったから、笑い志向の強い人かと思ってたら、翌年の「プロメテウスの晩餐」はまるで傾向が違うし、『筺底のエルピス』はアクションSFかと思ったら、巻を追うごとにとんでもない広がりを見せるし、『波の手紙が響くとき』は青春SFに見えて、本格SFの傑作であった。それぞれ文体も違うし、次に何をやるのか、予想もつかないのである。
  *
 『おそれミミズク』は、たぶんホラー、日本の古典的な怪談の系譜に位置する怪奇譚である……と読み出した。
 語り手・逸見瑞樹(ミミズクと呼ばれることになる)は中学時代に両親を失い、(四国らしい)田舎町の叔母の家に引き取られる。コミニュケーション不全の性格である。叔母家の家業(新聞舗)を手伝い、毎日、田舎町で新聞配達を続ける。ある日、人里から離れた古い屋敷に入り込み、そこで座敷牢に入れられた少女と出会う。  その少女は「こわい話」を聞きたがる。ミズキは「こわい話」を聞くときの少女の笑顔に心を奪われ、ひそかに毎週その屋敷に通うことになる。そのために怪談を仕込まねばならない。ミズキは小遣いをすべて「実話怪談集」につぎこむ。スズキは怪談はべつに好きではなかった。むしろ胃を痛め体調を悪くする。それでも少女の笑顔を見たいため、古い屋敷に通う。そして10年、ミズキは22歳である。同級生のほとんどは都会に出たが、あいかわらず新聞配達を続けている。そんなある日、怪談集の編集者という男と道で出会ったことから、10年続いた「日常」が変化しはじめる……
 ここまでが最初の1/4ほど。不気味な雰囲気で、挿入してある「体験怪談」もじつに恐ろしい。舞台となる地方都市や古屋敷の描写もすばらしい。
 これは「耳なし芳一」の現代版かな……が最初の印象であった。
 だが、物語は想像もしない方向に展開していく。
 その後については書かないのが礼儀であろう。
 怖いことは申し分なし、だが「座敷牢のボーイ・ミーツ・ガール(宮内悠介)」であり、「前人未踏の実話怪談ホラー(大森望)」でもあり、メタホラー(なぜ人間は怖い話を好むのか)でもあり、しかも本格SFのセンス・オブ・ワンダーも満ちているのである。
 いったい、どうやってこんな作品が生み出されるのか。
 じつは来月、8月19日に創作サポートセンターのわが講義の時に、ゲストとしてオキシさんに来ていただき、創作の秘密を聞き出す予定である。

7月6日(木) 穴蔵
 曇天。気分も梅雨空のごとし。
 終日穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。
 断続的にテレビを見る。
 北九州の記録的豪雨、まことに気の毒であり心配なことだが、被災地からの中継の次に「気が触れた女優?」の異様なyoutube映像の垂れ流し。このふたつばっかり。後者は放映する意味あるのか?
 それにしても不気味な女だなあ。ホラー出演の声がかかるかもしれんが、暗い。まだ「チョギ!」の方がましか。どちらも怖いが質がちがう。幽霊と鬼のちがいか。
 などと愚考するうち、26年前の雲仙普賢岳の噴火を思い出した。こちらにも書いたが、この時もワイドショーは、大火砕流による被害よりも、大林雅美の離婚騒動を優先した。
 テレビのやっとること、四半世紀、ぜんぜん変わっとらんのだなあ。

7月7日(金) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 午前9時前に実家に着く。
 午前中に某設備点検があるので待機しておらねばならぬ。
 龍野書斎にてしばし机に向かう。
 庭の雑草がのびたなあ。
 庭はともかく、塀の外の雑草が凄まじい。
 窓から眺めている分には緑が豊かでいいのだが、ご近所から苦情が出そうな。
  *
 ひとりで処理できる量ではない。ややこしいS字型が出てくるかもしれないし。
 梅雨明けにシルバー人材センターに依頼することにしよう。
 別荘の維持もたいへんである。
 11時前に点検作業終了。
 午後はタイムマシン格納庫にて雑事。
 夕刻の電車で帰阪する。

7月8日(土) 創サポ講義
 曇天なり。終日穴蔵。29℃の穴蔵にて机に向かって過ごす。
 夕刻這い出て天満橋のエルおおさかへ。
 創作サポートセンターの講義。
 本日は提出作品4篇を中心に行う。
・人造生命が爆発的に増えた時代の「ある場所」の意外な景観。
・エロ雑誌広告を見て1錠3万円の惚れ薬を買った男の悪戦苦闘。
・十数年間RPGにのめり込んでいる美大生の奇妙な生活。
・圧政が続く中央アフリカでの村人の蜂起、その背景に「超越的存在」がある。
 それぞれ面白く、また設定の計算違い・ミスマッチもあり。
 すべてがSFではないが、大きくは「生命・意識・知性・超AI」などをどう描くかで共通しているように思える。
 コワモテ型(一見厳密な科学考証をやってるように見える)で行くかギャグ型(たとえば生命誕生キットを市販している)を選ぶかは、アイデア・設定・ストーリーなどとのバランスで作者が決めればよく、作品のレベルを決める本質的な要素ではないように思う。
 コンピュータ・ゲームに関して、囲碁や将棋のように数百年続くゲームと異なり、棋士ならぬ「ゲーム士」は誕生しないのではないかといったら、多くの生徒が、ネット中継を行う「プロに近い存在」を教えてくれた。
 そういえば昔「ファミコン名人」なんてのもいたなあ。ゲームの世界は小説(活字)の規模をとっくに凌駕しているのだった。

7月9日(日) シンギュラリテイサロン
 曇天なり。午前、29℃の穴蔵にて机に向かう。立派なものである。
 午後、歩いてグラフロのナレッジキャピタルへ。
 徒歩10分のところに知的空間があるとは、ありがたいことである。
 シンギュラリティサロンに参加する。
 本日は、株式会社アラヤの金井良太氏による「人工意識の実現」。
 金井氏は基本的には「学者」だが、会社組織で、意識を持つ人工知能の開発中である。
 その構想だが……うーん、どこまで理解できたか、まったく自信がない。OHPによる表示はすべて英文で、話される「用語」もほとんど英語のまま、まだ正規の訳語がなく、おれの英語力ではその概念が感覚的に理解できない。
 IIT(Integrated Informationtheory of Consciousness/意識の統合情報理論)をベースに、「意識」という現象を解明して、人工意識として構築しようという構想。その「意識」は「ある種の反実的な想像力?で内的な情報を生成する能力」?……このへん、的確な日本語で表現できそうにない。
 この情報生成が「SF的想像力」によってなされているのなら、ものすごいことになるのだが。
 (以上はまことに身勝手な曲解で、信用しないように)
 「意識」に関して何冊か読んでみる必要がありそうな。
 夕刻帰館。帰着したとたんに激しい雨になった。
 夜は専属料理人が串カツを並べた。
  *
 串カツは、焼き鳥、ホルモン、鰻などとともに「家庭に持ち込まない」料理のひとつなのだが、まあいいか。
 新世界で食べるより、肉ははるかに厚いし、玉葱は淡路島産だし、二度漬けもできるし。
 ということで、盛大にビール。
 早寝するのである。

7月10日(月) 穴蔵
 曇天なり。室温30℃の穴蔵にてボケーーーーッとタドコロ状態(Q状態アラセ状態とも申せましょう)で過ごす。
 午後、散歩に出ようかと思ったら、晴れている。
 体に悪そうで、外出やめ、午後もタドコロ(以下同文)で過ごす。
 いかんなあ。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

7月11日(火) 穴蔵
 定刻午前4時に起きる。5時前に穴蔵から朝焼けを見る。
 日の出は4:54で夏至から8分遅く(日が射し込むのは5:30以降だが)、秋が近いなあと思う。
 外は28℃、室温30℃。
  *
 が、秋は遠かった。
 曇天という予報は今日もはずれ、東からの直射モロで、午前8時、室温33℃となった。
 今季はじめて冷房モードでエアコンを稼働させる(午前中3時間ほど)。
 穴蔵にて雑事あれこれ。
 外出は専属料理人の命令でビールケースのポーターをつとめただけ。
 いかんなあ、こんな日が続くのであろうか。

7月12日(水) 穴蔵
 曇天→雨の予報が本日もはずれ。午前晴/午後薄曇。出歩く気がしない。
 終日穴蔵にて扇風機の風に吹かれて過ごす。
 夜、NHKで「立川談志の家」という30分番組を見る。
 練馬にある談志の家(3軒あったうちの1軒)をリフォームして志らくが住んでいる(3年ほど前にリフォーム番組があったらしい)。
 談志の書斎が残してある(というより、机や本棚が展示してある?)。もとのまま保存してあるのではなく、ミニ記念館のようなものか。その部屋の紹介。蔵書はこれが全部だったのではあるまい。
 遺品の紹介……といっても、声を失ってからの筆談メモなど。手塚治虫さんのベレー帽が珍しいくらいかな。
 米朝邸とはスケールが違うなあ(談志が小粒の意)。

7月13日(木) 穴蔵/室温調査
 午前4時過ぎに目覚める。
 本日は猛暑日らしい。予報では大阪は36℃になるという。
 昨秋この穴蔵に移ってから、まだ最高室温をチェックしていないので、本日調べてみることにする。
 前の穴蔵では4年前8月に行っている。
 新穴蔵も、朝、東から直射光を受けて、7時にはHothouse状態となる。
 密閉状態で室温がどう推移するか調べるのである。
 温度計は室内と外気(ベランダの日影部分、床から1.8メートルに温度計を吊す)で測定。
 扇風機使用、麦茶で水分補給、濡れタオルで時々額と首筋を冷やしつつ机に向かう。
  *
 測定値は以下の通り。天候は晴、時々曇。
 ---------------------------------------
     室温  外気
 ---------------------------------------
 05:00 30℃  28℃
 06:00 30℃  28℃
 07:00 31℃  31℃
 08:00 31℃  31℃
 09:00 32℃  34℃ ←9:30で直射光は入らなくなる。
 10:00 32℃  35℃
 11:00 32℃  35℃
 12:00 32℃  35℃
 13:00 32℃  35℃
 14:00 32℃  35℃
 15:00 31℃  34℃
 16:00 31℃  33℃
 17:00 31℃  33℃
 18:00 31℃  33℃
 19:00 31℃  32℃
 20:00 31℃  31℃
 21:00 30℃  30℃
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 前の穴蔵とほとんど変わらず。エアコン故障しても(アタマを使わない仕事に限り)夏が乗り切れることが確認できた。
西川正勝の死刑執行のニュース。
 まで生きてたのが驚きである。もう四半世紀になるのか。
 桂花枝(あやめ)さん殺害未遂、それまでに4人殺している。「四人死んでひとり助かった」
 1992年のアルカリ落語で「競演」したのが懐かしい。
 花枝さんは「事件」を語り、おれはこの事件を語った。
 花枝さんは、ものすごく気遣いの細やかな方で、自分の出番の最後に(次がおれだった)「次の方も、とても危険な話をされますが、くれぐれもここだけの話にしてくださいね」と付け加えられたのを思い出す。

7月14日(金) 穴蔵
 晴れたり曇ったり、外気は34℃だから、猛暑日ではないのであろう。
 扇風機の風に吹かれつつ、終日、31℃の穴蔵にて過ごす。
 頭脳を使わない限り、快適なものである。
 タドコロとかQとかアラセとかは、こんな気分で給料貰ってたのか。今頃になって実感できる。
 しかし、人間としては、絶対に真似てはいかんのだなあ。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。
 たちまち夕刻。
 専属料理人に、枝豆、翁豆腐ヤッコ、夏おでん(冷おでんではなく、舞鶴じゃがなど夏メニューの温おでん)でビール。
  *
 ヒラメ刺身、奈良漬などで、先月ボンクラ息子その1が送ってくれた「千年翠」(キリッと冷やしたの)を一献。
 クセがないというか、スーーーーーッと喉元を通過していく。やばい酒である。
 ちと飲み過ぎ。
 早寝するのである。

7月15日(土) 穴蔵
 「快晴」である。予報ではいちばんの猛暑日らしく、6:30に強い直射光が射し込む。
  *
 ↑午前7時の、穴蔵から見る空。念のためHothouse状態を再確認。
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     室温  外気
 ---------------------------------------
 07:00 32℃  33℃
 08:00 33℃  34℃
 09:00 33℃  35℃
 ---------------------------------------
 一昨日より1℃高いような。あとは無理せず、エアコンを稼働させる。
 終日29℃の穴蔵で過ごす(ベランダは夕刻まで35℃)。
 仕事らしいことはできず。
 たちまち夕刻となる。
 八尾産枝豆、舞鶴産じゃがのコロッケでビール。
  *  *
 あと、パエリアで安ワイン。手抜きしてフライパンで作ったとか。今まではそうでなかったのか? と訊くに、普通はオーブン使用なのだとか。別に差はないような。


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