『マッドサイエンティストの手帳』650
●マッドサイエンティスト日記(2017年3月前半)
主な事件
・播州龍野いたりきたり
・SF検討会(10日)
・シンギュラリティサロン(12日)
・北陸4県食べ歩き飲み歩き(15日)
3月1日(水) 穴蔵
目覚めれば弥生であった。
終日穴蔵にこもる。たいして生産的な仕事はできず。
昼、専属料理人がなんかのバーゲンとかで出かけてしまった。おれもうろうろしようか迷ったが、面倒になり、「河春」で500円の幕の内を買ってきて食す。
と、夜のメニューが、ブリのなんとか煮、ふろふき大根、筑前煮など、昼間のメニューと似たようなものばかり。
困ったものだ。城卓矢の名曲「殴り飛ばして別れよか」を思い出すが、ま、昭恵よりマシか。
3月2日(木) 穴蔵
不調である。
終日雨の予報であったが、午前9時には雨はあがっている。
近所の内科へ定期検診に行く。5分で終わる。正常。医院を出たら雨である。徒歩1分、濡れて帰る。
10分ほどで雨はやみ、昼頃には晴れてきた。
終日穴蔵。
気分沈み込み、コタツで雑多な本を読んで過ごす。
ついてない日だ。
3月3日(金) 穴蔵/ウロウロ
不調である。
気力わかず、雑多な資料を読んで過ごす。
昼、専属料理人が出かけたので、鍋焼きうどんを作ってビール1缶。
ちょっと元気が出てきた。
15時から石原慎太郎の記者会見の中継を見る。
権力の崩落を見物するのは面白いが、耄碌寸前よりは、もっと元気なときの崩落を見たかった。
カリアゲ豚に期待するしかないか。
ちょっと元気が出て、快晴になったので散歩に出る。
ひな祭である。
*
富島神社で白梅を愛でる。
淀川堤を西へ歩き、許永中の生家あたりから中津商店街を抜け、貨物線に沿って帰る。
*
地下化工事、豊崎第6架道橋の近くまで重機が迫ってきた。
まだ地下埋蔵物の撤去段階で、架道橋はあと1年ちょっとは通行できるらしい。
3月4日(土) 穴蔵/ウロウロ
定刻午前4時に目覚める。
気分はまあまあよく、一応机に向かって過ごす。
やはり体を動かさねばいかんようだ。
午後、梅田うろうろ。新御堂を南下、お初天神〜駅前第3ビルのチケットショップで姫路行きのチケット購入、あと古書店、CDショップなどを巡る。
大阪駅で地表に出て、北側へ。
うめきた広場へ行くと、取的が数人、特設の土俵で何かやっている。
*
「うめきた場所」というイベントのようである。
ヨドバシ〜ジュンクドー経由で帰館。
1時間半ほど、5,667歩となった。
やはり歩かねばいかんなあ。
夜のビールがうまい。鶏のソテー、温野菜、トマトサラダなど。
さあ、21時からBSで『セッション』を見るか。
※ということで見はじめたけど、冗長で、2度見る作品ではないな。2年前に見た時に感じたが、演奏がいまひとつで、何度も聴きたいものでないのが、ジャズ映画として弱い。
3月5日(日) 穴蔵
晴れて、外は暖かいようである。
部屋から出ることなく、終日穴蔵。
2週間先の講義用の資料(というか、某講座の提出作品)をメモを取りながら読む。10篇ほど。
高レベル作品が揃っていて、こうなると講義の進め方に迷う。『セッション』スタイルでやるか。
たちまち夕刻。
専属料理人と別れの杯を酌み交わす。
明日から西と東の生き別れである。
楽しくなるぜ。
3月6日(月) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動する。午前8時36分に本竜野着。
こちらの不動産関係で修繕補修工事の必要が生じ、立ち会わねばならぬ。
ま、無駄に固定資産税を支払いつづけるより、少しましな状態になりそうな。
別荘の維持もたいへんである。
打ち合わせ終われば、作業を見張っている必要はなく(作業者諸君に嫌がられしね)、昼間は龍野市内をうろうろする。
龍野市内の道は知り尽くしているのだが、本日のテーマは、以前から気になっていた「旧遊郭」の特定である。亡母の龍野高女時代(昭和7〜9年頃)に「旭町」にあったのは間違いないのである。
当時の龍野色街事情についてもっとも詳しい文献(加藤政洋『花街 異空間の都市史』)を、ネットで敬愛している某ロザーナさんからご教示いただいた。それを頼りに、旧魚町、旭町、龍神さんなどの路地を歩く。
*
1軒はほぼ特定できるが、最終確認は難しい。その家に「ここ昔○○でしたんか?」とは訊けないものなあ(まして、この建物では、その後、女がらみで死者が出る、ややこしくも面白い事件が起こっている)。
昔を知る、信頼できる土地の人を探さねば。
図書館の郷土資料を調べたいが、月曜で休館日である。
これは時間をかけるべきテーマなので、龍野に来るたびに継続調査することに。
播州龍野の夜は早い。
18時頃から独酌。持ってきた総菜と味三昧の弁当で、ビール、湯割り。
21時前に寝る。
3月7日(火) 播州龍野→姫路→大阪
午前3時に目覚め、朝までベッドの中で本を読む。
久しぶりの龍野泊だが、冬もストーブつけて一室に閉じこもっておれば、まあまあ快適に過ごせることがわかった。
いまさら(Too late)だけど。
工事はおまかせするとことにし、タイムマシン格納庫で相棒の某くんと打ち合わせの後、昼の姫新線で姫路へ。
風が冷たいが、久しぶりに姫路城まで歩く。
*
風雲白鷺城。
観光客は少なく静かである。
おなじみ、小溝筋の灘菊で遅めのランチ。水分補給も怠りなし。
夕刻に帰阪する。
さあ、楽しき独居老人モードに入る。
料理は面倒になり、コンビニメニューにてビール、湯割り。
早寝するのである。
3月8日(水) 穴蔵
晴。昨日の反動で動く気がせず、終日穴蔵(近所へ買い物に一度だけ外出)にこもる。
朝はトースト・ハム・サラダ・ミルクティ・伊予柑。
昼は河春のトンカツ弁当。500円。
夜は翁の木綿湯豆腐・みりん干し・肉じゃが・トマトサラダでビール、黒糖湯割り。
楽しきかな独居老人生活。
このところ外出が面倒になってきた。
気になって荷風がこの年齢でどうだったか、断腸亭を調べる。
おっさん、ロック座へ通い、時々新小岩まで行って「月よし」なんて書いてる。月を愛でてる日は「いい思い」をしているのである。元気だったんだなあ。
本を読みCDを聴くだけではいかんのだ。
見習わねば。
3月9日(木) 穴蔵
晴。本日も動く気がせず、終日穴蔵。外出はコンビニ往復のみ。
ニュースを断続的に見る。
東の豊洲市場、西の森友学園。
コンビニで見たら、産経の一面トップに、府は森友学園の小学校「不認可」の方針とある。まあ決定的であろう。
籠池泰典、気分は「やんぬるかな」であろうか。
籠池のいかがわしさは顔を見ただけでわかる。いちばん凄まじい「オバハン」(鴻池)が出てこないのが物足りなかったが、週刊文春が「総力取材」しているので立ち読み。泰典は詢子にけしかけられているだけか?
週刊新潮の記事もなかなか。森友の先代が死んだ時、通夜の席で遺産と金のことで親族間で怒鳴り合いになり、寿司桶が飛び交い、詢子が気を失ったという。いやはや。
豊洲も小學院も「愚の遺産」としてそのまま残しておけばいいのではないか。
半世紀もすれば文化遺産になるかも。
3月10日(金) SF検討会
本日も穴蔵にこもる。
東日本大震災から6年が経過。少しは神妙な気持ちで過ごすつもりが、ややこしいニュースの多い日である。
・昼前に、朴大統領の弾劾裁判、判事8名全員一致で罷免が決定の速報。わが予想は半々であったが。
運動不足なので、午後、梅田まで買い物に出る。うろうろ。5,050歩。
夕刻、かんべむさし氏が来穴蔵、久しぶりに定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
金正男暗殺がメインテーマの予定であったが、湯割りをちびちび飲んでいる間にもニュースがつぎつぎに報道される。
・南スーダンのPKO撤収、5月末に終了するという。へえ。
・と、塚本幼稚園で籠池泰典が独演会を始めた。小学校設立の認可申請を取り下げるというが、教育理念?やらマスコミ批判を延々。中継は途中まで。籠池泰典の顔の骨格は昔の松之助師匠に似ているが、話術に雲泥の差があるためにいかがわしく見えるのであろう。え、心根がいかがわしいからそう見える。確かに。
・北朝鮮が早くも朴失脚をテレビ報道したという。キタの国民は「弾劾」という制度が理解できるのだろうか。いや、こんな制度があると知ったら、わが国でもと思い出すのではないか。
・正男については、マレーシア警察が殺されたのは「金正男」と断定。特定方法は公表せず。
なんやら、落ち着いて議論できぬまま3時間が経過してしまった。
3月11日(土) 穴蔵
本日も終日穴蔵にこもる。
いかん、本日もタドコロ状態。ボケーーーッと過ごす。
本や資料は読んでいるからタドコロよりはましなのだが。
明日こそホリは羽ばたく。つもり。
3月12日(日) シンギュラリティサロン
昼過ぎに出てグラフロのナレッジキャピタルへ。
シンギュラリティサロンである。
本日のサロンはJAPAN SKEPTICSとの共同企画(松田先生はSKEPTICSの会長でもある)で、メインの講師は明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授。
講演は2部構成。
講演1はシンギュラリティで、「人工知能の当面の限界とその克服への展望〜心理学と生物学の視点から」。
石川先生は「第五世代コンピュータ」開発に携わった経験を踏まえて、今の「第3次人工知能ブーム」を「人間側」から考えるもので、狩猟採集時代の人間のモジュールが文明社会で変化し、さらに新しいモジュールに進化する可能性がある。この人間の本性の進化は早すぎ、そこには「未知の物理過程」が存在する可能性がある!(←この部分が講演2につながる)
講演2は擬似科学に関わるテーマで、「疑似科学とされるものの科学性判定〜超心理学の事例に注目して」
石川先生は疑似科学とされるものの科学性判定サイトを開設しておられる。この評定基準や、その評定結果のマップが大変面白いが(ともに擬似科学だが、話題性では血液型が上位で超能力はほとんど最下位とか)、ここでは擬似科学か未科学が意見が分かれているらしい「超心理学」を中心に話された。石川先生は「未科学」の立場で、ここに講演1の「未知の物理過程」がからんでくる。
最後に、田中嘉津夫先生、松田卓也先生、高橋昌一郎先生というSKEPTICSの中心メンバーが加わってのパネル。
ここでは人間の脳内に「未知の物理過程」が存在する可能性についてが話題になり、SFファンにとってもまことに面白く刺激的な議論になった。
あと、ビールも並んで(!)、1時間ほどの懇親会。SFファンの知人も数名来ていて、楽しい会になった。
本日は松田先生の誕生日であった。
*
花束贈呈。
シンギュラリティが2045年とすると松田先生もおれも100歳を超えるので、とても体験はできないだろうと思ってたら、松田先生はそれまでに人工知能に移転される予定だそうである。おれも続けるかなあ。
3月13日(月) 穴蔵
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
夕刻、中崎町交差点まで往復。ヤマタツでトンカツとサラダを買ってきて晩酌。
楽しきかな独居生活。
3月14日(火) 穴蔵
終日穴蔵。
昨日のつづきで、少しは仕事もするのであった、いと少なしを。
運動不足なので午後散歩に出るが、寒いので、コンビニまでで引き返す。
体を動かすのがだんだん面倒になってきた。
老化であろう。
3月15日(水) 北陸4県食べ歩き飲み歩き
昼前、郵便局、金融機関に行く用件があり、ついでに書店、ヨドバシを回り、梅田うろうろ。
阪神デパートで「北陸4県食べ歩き飲み歩き」という催しをやってるのでのぞく。
一夜干しや沖漬けなどうまそうなのが多いが、おれの目当てはふたつ。「昆布巻きかまぼこ」と「ます寿司」である。
金沢泊だと飲みに出るが、富山泊の場合、総曲輪の馴染みの店はもうなく、昆布かまのスライスしたのとます寿司を買ってホテルで飲むことにしているほど。
特に昆布かまは、大阪では物産展の時にしか買えない。
天野屋蒲鉾店の昆布かま3個1,080円と大辻のます寿司を買って帰館、ちょっと遅めのランチ。
*
銀盤の冷酒が飲みたいが、昼ビールとする。
うまっ。
ナマンダブツと「満腹念仏」を唱える。
*
外は12℃で寒くはないが、北風が強く、雲の移動が急。5分ごとに空の様相が一変する。
コタツで空を眺めつつ、トミフラ師匠、デフランコ師匠を聴く。
楽しきかな独居老人生活。
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