『マッドサイエンティストの手帳』556

●マッドサイエンティスト日記(2013年6月前半)


主な事件
 ・隠れ家にて
 ・大迫純一展(8日)
 ・大阪←→播州龍野いたりきたり
 ・筒井康隆『聖痕』出版記念講演会(15日)

6月1日(土) 穴蔵
 終日穴蔵……のつもりであったが、来週は不在となるので、集合住宅関係のチェックなどを本日中にやっておかねばならぬ。
 それでなくても、今日明日で整理しとくべき雑事が多いのによ。
 理事長はつらいよ。
 2階「屋上庭園」の桜、このままだと枯れるかも…とかで(おれは植木不要派なのだが)先日大きく剪定した。
 枯れるかなと思っていたら実をつけている。若葉にも勢いあり。
  *
 1センチにも満たぬ実。これも一応サクランボなのであろうか。
 RICOH CX4で撮影。相棒の某くんが最近RX100を導入、龍野でちょっと借りて数点撮影、その画質の良さにおれもほしくなったのだが(特に昨日の夜景撮影ではなあ)、マクロ機能はCX4の方がいいような。
 ま、あと2年くらいはこれを使うことにしよう。
 粛々と身辺の整理。
 19時過ぎから晩酌。専属料理人に色々(枝豆、サラダ、温野菜、揚げ物など)並べてもらってビール。
 シンプルな明太子のパスタでワイン。これでしばらく禁酒である。
 BSで「銀座の恋の物語」をやっている。ほぼ1年前に見ているのに、ストーリーはあまり覚えてない。通俗的なのである。
 ただし、江利チエミが裕次郎に片思いという設定はよく覚えている。チエミは裕次郎より健さんの方が好きだったはずで、「どう見ても裕ちゃんより健さんだよなあ」といったら、専属料理人、激しく同意。ま、世間一般、そうであろふ。
 などと批判的なことをいいつつ、結局最後まで見てしまった。
 早寝するのである。

6月2日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 雑事色々。
 おや、ぶんきちくんが明日から里帰りらしい。
 LCCで成田→鹿児島空港、片道2.990円とは!
 鹿児島空港〜鹿屋〜内之浦のバス代より安いではないか。
 おれもイプシロンロケット 打ち上げ見学に行きたいが、8月の内之浦の暑さは想像できないし、今日のニュースではイプシロンを輸送中のクルマがトラブルを起こしたそうだし、打ち上げ延期はざらだものなあ。格安航空券だとパーになる可能性も高そうだし。
 熱中症で懲りたおれには、ちょっと無理か。
 偶然だが、おれも明日からしばらく(暑くない場所へ)出かけることにする。
 午後は荷物の整理、詰め込み。
 夜はアルコール抜きの粗食。
 21時〜 BS1「エル・ムンド『“ジャズに生きる”ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティバル』」を見る。
 ぴんからが出てこないかなと見てた(ストンパーズも出演していた)が、今のニューオリンズで原NOジャズはごく少数派のようだ。(現地にはほとんどいないのだろう)
 エリス・マルサリスとブランフォードがインタビューに出てきた。
 
 エリスも老けたなあ。
 ということで、早寝。
 明日はノートPCは持って出かけるけど、通信環境は行ってみないとわからない。

6月3日(月) 隠れ家
 朝、穴蔵を出たら、わが集合住宅の駐車場に変死体!
 
 理事長兼第一発見者として拘束されることになるのか……と、しばらく観察するが、動かないけど安らかな表情だから、放置しておくことにする。
 私有地だから問題ではあるのだが、こちらも予定があるのである。
 事件になれば管理人が携帯で連絡してくるであろう。
 ということで某隠れ家に移動する。
 懸案の事項を片づけたいからである。
 播州龍野とは別の場所。かんべさんがやってた「朝ミラ」に「隠れ家の達人」として出たことがあるほどだからなあ。
 一応通信は可能だが、色々と制約があり、しばらくは隠れ家でのミッションに専念することにする。

6月4日(火) 隠れ家
 終日隠れ家。
 朝から深夜まで、忙しい1日であった。
 何やっとるのかと聞かれてもマル秘としか答えようがない。
 ただし、違法行為でも色ヘンでもなし。
 一種の取材である。
 ホラーSFのアイデアをひとつ得た(書けるかどうかは別だが)。
 実りの多い日であった。
 
6月5日(水) 隠れ家
 終日隠れ家。
 定刻午前4時に目覚める。
 昨夜(というか今朝というか)は午前1時過ぎまで色々やってたが、体調はよい。
 早朝にメールの処理あれこれ。
 ドイツ旅行中の知人から写メール届く。スマホ恐るべしだなあ。
 おれは工人舎のXP機(SX3KX06MAD)で、悪くはないのだが、旅行には向かん。
 里帰りしているぶんきちくんのブログ(これもスマホで更新らしい)によれば「擱座」したイプシロン運搬車は6月4日、まだ内之浦の坂道路肩にとまったままらしい。打ち上げを見に行くよりもおもしろいのではないか。
 それにしても「飛んでもないハプニング」(地元紙)とはうまいことを。
 粛々とミッション遂行。
 昨日に比べるとペースダウン。
 早めの夕食となり、早寝。

6月6日(木) 隠れ家
 終日隠れ家。
 ミッションはほぼ終了。
 ちょっと退屈になってきた。

6月7日(金) 隠れ家→穴蔵
 朝、ミッション終了。撤収モードに入る。
 
 隠れ家の窓から顔を出すと、狭い隙間から真上に夏の空が見える。
 荷物を提げて穴蔵に戻る。
 わ、こちらにも雑事色々。
 が、疲れたので、午後は室温29℃の穴蔵で昼寝。
 たちまち夕刻。
 ○日ぶりにシャワーを浴びる。
 お、体脂肪率が20%を切った。
 夜はビールをごく少量にとどめて粗食。
 早寝するのである。
 すべては明日から再スタート。

6月8日(土) 穴蔵/大迫純一展
 わ、目覚めれば午前5時を過ぎている。
 7時間以上眠っていたような。
 体調良く、せっせと雑事を片づける。
 ここ数日あまり歩いていなかったので、午後、専属料理人と天六まで歩くことにする。
 天六のギャラリーで開催中の大迫純一展(明日まで)を見に行く。
  *
 大迫純一さんが亡くなってもう3年になる。
 おれの場合、同業者というよりも、DAICON3の時から、大迫公成さん(もう半世紀のつき合いである)の甥っ子という印象が先にある。
 が、その後、作家(がメインだが)というよりも、マンガ、映像、キャラクターデザイン、作詞作曲、体技(←これが原点か)と、活動が多彩で、仕事の全体像がつかみきれぬままだった。
  *
 代表作品のひとつの前で記念撮影。
 展示とビデオ映像を見るに、やはりマルチなSF表現者であり、特異な才能であったことを再確認する。
 同時に、これら多彩な活動が何か「大作」(それが小説か映像作品かはわからないが)に総合される前段階にあったような気がしてならない。
 享年47歳というのは、先代歌之助さんや吉朝さんがそうだったように、これからという年齢なのである。
 まことに惜しまれる才能である。
 久しぶりに、ちょっと東の「ワイルドバンチ」に寄ってコーヒー。
 歩いて帰館。
 5,900歩になった。

6月9日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 本日は休息日とする。
 出席したい会合があったのだが、先日のミッション後遺症とでもいうか、長時間座っているのがひどく苦痛という事情もあって欠席。
 穴蔵にて、約1時間刻みで、寝転がって読書、机に向かう、CDかDVD、仮眠の繰り返し。
 たちまち夕刻となる。
 夜は専属料理人に数皿ならべてもらってビールたった1グラス。
 
 あと、初夏パスタでグラスワイン、いと少なしを。
 ワインを口にするのは1週間ぶりである。

6月10日(月) 穴蔵/ウロウロ
 午前3時起床。
 朝まで机に向かう。たいして生産的なことやるわけでもないのだが。
 午前、集合住宅の「大規模修繕5年アフター点検工事」の事後報告あり、屋上から駐車場までウロウロして説明を聞く。
 色々と拘束されるなあ。
 午後は徒歩にて梅田ウロウロ。
 先週処理できなかったこと数件あり、UMEGLEエリアをほぼ一巡する。
  *
 某社ロビーから観覧車を眺めるが、午後1時過ぎ、どのゴンドラにも人影はなし。
 周囲が高層化したきたから、面白くもないだろうな。HEPにもお荷物になってるのではないか。
 ちなみに、おれはこの観覧車に乗ったことはない。短編のモデルにしたことはあるけどね。
 ヨドバシ〜紀伊国屋〜ジュンク堂〜ロフトを回って、15時過ぎに帰館。ひどく疲れる。
 6500歩ほどになった。
 たちまち夕刻。
 粗食。
 早寝。

6月11日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ……のつもりであったが、本日も集合住宅管理組合理事長としての雑務あり、午後、管理会社のスタッフと金融機関へ行って名義変更とか色々。
 明日も一件あり。
 播州龍野へ行ってきたい用件あるのだが、動きづらいことである。
 台風接近とかで、夕刻から雲行きが怪しい。
 専属料理人が地域のなんたらで出ていく。
 夜は、並べてある数皿で、一人寂しくビール。
 オクラとワカメの小鉢があったので、カトキチの冷凍うどんを電子レンジで3分40秒加熱、冷水で洗い、小鉢の中身をぶち込み、梅干しを加え、冷蔵庫にあった手作りの蕎麦用ダシをぶっかけ。
  *
 これで冷酒を少しばかり。
 うまーーーーっ。丸亀製麺のはるか上をいく。
 カトキチに栄光あれ。
 専属料理人不要論が浮上するが、小鉢とダシを作ったのは専属料理人なので、まあ当面このままでよろしいか。
 ということで早寝。

6月12日(水) 穴蔵/理事会
 終日穴蔵。
 たいして生産的なことはできぬまま、ボケーーーーーッと過ごす。
 夜、集合住宅の管理組合の理事会。
 議題多し。ややこしいことがこんなにあるとは……。
 2年間、しんどいことである。
 21時過ぎから遅めの晩酌。
 ニュースを見る。
●職業野球の「統一球」問題。
 加藤良三の記者会見を見るが、茶番。「不祥事とは思っていない」だと。
 「知らなかった」で済む話か。お飾りならとっとと去れ。
 おれの関心は「ナベツネの圧力」があったかなかったか、これだけである。
 おい加藤、お前、何か隠してるんじゃないか?

6月13日(木) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 うへ、朝から猛暑である。
 実家書斎、午前9時の室温は早くも30℃である。扇風機を強にして換気するが効果なし。
 もっとも、この気温は、おれには快適なんだけどね。ステテコ姿なら。
 雑事色々。
 庭の雑草がひどいが放置。炎天下で草取りなんてやったら倒れるぜ。ま、廃屋ムードで、いいではないか。
 柿の芽がずいぶん落ちているが、今年はたぶん豊作のはず。
  *
 In the Shade of the Old Persimmon Tree
 タイムマシン格納庫でもあれこれ。
 2、3日こちらで静養したいところだが、そうもいかず。
 午後の電車で帰阪。
 炎天、猛暑。約4キロの荷物を持って歩くのがひどくつらい。脚が衰えているような。
 9,249歩になった。
 ということで、夜は盛大に「水分補給」する。
 21時、室温31℃の穴蔵にて、扇風機の風に吹かれつつ早寝するのである。

6月14日(金) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きて、少しはマジメに机に向かう。
 が、6時半には朝日が射しはじめ、7時には直射を受けて、温室状態、室温33℃となった。
 エアコンの室外機に遮光カバーをセット。
 今シーズン初めてエアコンを稼働させる。28℃で1時間半ほど。
 あとは扇風機に切替え、32℃の穴蔵にてボケーーーツと過ごす……つもりであったが、本日も理事長雑務多し。
 難題ひとつ。
 かなりの費用と手間(数戸の室内の壁紙を破る作業をともなう)をかけて行った「設備調査」の報告が届くが、これがレポートの体をなしていないお粗末なもの。輪島の卒論の方が立派に思えるほどである。
 改めて報告会を開くことにして、それまでに建築図面や過去の建物診断の記録を調べねばならない。
 管理会社の設備担当にレクチャーを受けることにするが、自分でも調べる必要があるからなあ。
 老朽宇宙船をテーマにした作品の取材と考えるしかないか。
 今週中に処理しなければの案件あり、午後、桜橋往復。
 日影、地下街経由で歩いたが、猛暑、かなりやばい。
 往復6000歩。
 帰館後、グタッと寝そべる。
 扇風機に吹かれつつ、眉村さんの詩集《捩子》の時代を読む。
 詩は疲労した状態で読むのがいいのであろうか。「近作」が妙に身につまされる。
 ということで、夜は専属料理人に、トヨウケのヤッコ、和風ハンバーグ、サラダ、納豆おくらメカブのネバネバした小鉢など並べてもらって水分補給。
 パキートのキューバン・サウンドを聴きつつ。暑いときはこれに限るなあ。

6月15日(土) 筒井康隆『聖痕』出版記念講演会
 曇天が昼前から雨になった。恵みの雨である。
 午後、地下鉄で本町、御堂会館へ。
 筒井康隆氏の「『聖痕』出版記念講演会」(筒井康隆さんへの質問状)である。
 朝日カルチャーセンターの主催で、質問を募って、それに答えるという形式。
 古語・疑古語の使い方、挿絵について、新作の可能性など10問ほど、いずれも賢問賢答というべきか。
 最後に「コントの作り方を教えてほしい」という質問に答えるかたちで、本日のサプライズ。
 新作のコント2.5篇が「朗読」された。
 0.5というのは歌謡曲の作詞である。
 あと、コント2篇のひとつはなんと「歌唱」つきであった。詳しくは……説明不能。
 朝日ネット「221情報局」や「筒井康隆症候群」のメンバーが、北は北海道から南は沖縄まで、全国的に集まっていて、近くのビアホールで懇親会を開催することとなる。
 本降りの雨の中を歩いて、本町のビアホール(わがボンクラサラリーマン時代に時々来た店)へ移動。
 筒井さん中心に、長いテーブルにズラーーーッと20数人並んでビールを飲む。
   *
 ↑こんな雰囲気。おれが手前で大きな顔してるが、たまたま幹事を仰せつかったから、端っこに座っていたのである。
 ともかく、10年に一度あるかないかの、至福の時間である。
 酩酊するもの皆無、なごやかな雰囲気で解散となった。
 おれは深酒できぬ事情もあり、まっすぐ帰館。
 早寝するのである。


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