『マッドサイエンティストの手帳』531
●マッドサイエンティスト日記(2012年6月後半)
主な事件
・大阪←→播州龍野いたりきたり
・創サポ講義(16日)
・レコード・コンサート(24日)
6月16日(土) 穴蔵/創サポ
梅雨空なり。
こんな日は出歩く気分にならず。終日穴蔵にて雑事を片づける。
夕刻這い出て、地下鉄で天満、エルおおさかへ。
創作サポートセンター・専科の講義。
本日は提出された長編2篇。
・今川義元の生涯を経済視点から描く意欲作(堺屋太一『峠の群像』を思い出す)。
ただし、理屈と史実が優先して、義元の人物像が弱い。
「理論面はよく調べてあるのはわかるが、本人の婚姻などが書かれてないのは弱い。政略結婚なのか、正室・側室の事情などはどうなのよ」
「調べましたよ。義元が好きだったのは○○らしいですが、娶ったのは武田家からで、甲斐の山猿の娘みたいに思ったはずです」
「おい、そんな的確な表現ができるのに、なぜ書かんのよ」
「書き出すと、その部分が長くなりそうで……」
「書かなあかん。たとえば小沢一郎を書こうと思ったら、政策とか戦略ばかりではなく、正室・愛人・隠し子まで書かないと、人間・小沢一郎が浮かび上がらんやろ」
妙に説得力があったような。
・美少女の連続誘拐殺人を背景にしたサイバーパンク調の未来ミステリー。
ラノベと考えると、このまま本になっていいレベルの秀作。ミステリー的趣向はじつによくできている。
ただし本格SFとして見るとやや弱いところもあり。
アンドロイドが人間の少女に恋愛感情を抱くかどうかがポイント。
「小説講座やから下品な言葉遣いを許してもらうけど、チンポ持たんアンドロイドに恋愛感情が発生するかどうか、そこんとこ突っ込んで書いたらぐっとようなるで」
妙に説得力があったような。
ま、おれの「講義」というのはかくのごとく「下品」なのである。
帰路はえげつないどしゃ降り。下半身グショグショになってしまった。
帰館後、シャワー、遅い時間の晩酌となる。
6月17日(日) 穴蔵/ウロウロ
日曜なので仕事はしないのである。
午前中、両角長彦『大尾行』(光文社)を読む。
相変わらず不思議な状況と謎を作り出す人だ。
渋谷など東京の雑踏を尾行する描写が面白く、おれも梅田で何かやってみたくなる。
昼、晴れ間も出てきたので梅田をウロウロ。
梅田阪急ビルのスカイロビー(15階)に初めて上がる。
*
御堂筋が正面に延びて、なかなかの眺め。ここは「使え」そうだ。
あと、地下街〜大阪駅ステーションシティ〜ヨドバシ〜丸善&ジュンク堂などウロウロして帰館。
お。
夜は粗食(健康食とも申せましょう)だが、サントリーのプレミアム・モルツが出てきた。
「父の日」だからという。いまさら。Too late!
まあ、それはそれで旨いのだけどね。山下洋輔NYトリオ、森山威男と渋谷毅のデォオを聴きつつビール。
あと、DVDで米朝師匠「土橋万歳」を見る。聴かせるなあ。
6月18日(月) 穴蔵/ウロウロ
定刻午前4時に起きる。
関テレで、テレビでおれのいちばん好きな番組……即ち「天カメ映像」を見る。
おおっ、天カメが「新大阪方向」を映しているが、中央下側ギリギリに「わが家」が映っているではないか。
*
あ、場所が特定できても、訪ねて来ないでね。今はこの部屋にいないし、セキュリティが厳しくて入れないから。
このことは15年前に気づいていて、双方向通信をやってみたいと思っていた。
7年前には某テレに問い合わせもしている。
ただ、7年前の時点では、14インチのブラウン管テレビで、わが集合住宅の輪郭が確認できる程度であった。
今の32インチ液晶、地デジだと、白いシャツでベランダに出れば、判別できそうな。
ストロボを光らせれば、確実にわかるだろう。
両角長彦作品みたいなことが実行できそうな。
実行するかどうかはコメントしないけど。
終日穴蔵。
午後、2時間ほど、散歩を兼ねて梅田ウロウロ。
夜は粗食(健康食とも申せましょう)にてビール。
DVDで米朝師匠「祝いの壺」を見る。こういう下ネタギリギリの噺を米朝師匠の格調高い口調で聴くのはたまらなくいい。
6月19日(火) 穴蔵/台風直撃?
定刻午前4時に起きる。
台風4号が接近中。
時速50キロ以上のスピードらしい。
6月の台風上陸は8年ぶりという。
確かに2004年6月21日(じつはこの日が「還暦」であったので、よく覚えている)に明石に「上陸」したがのだが、龍野は微風であった。
今回もたいしたことあるまい。
播州龍野へ行くかどうか迷っていたら、ネット情報では、姫路あたりは大雨で、市川が(2年前にあったが)氾濫しそうだという。
播州龍野行きは延期。
終日穴蔵。
大阪は「ちょっとした雨天」程度だが、ニュースでは、梅田地下街やデパートは18時で閉店という。
本日は難波で滝川雅弘さんの月例ライブ、難波の地下街をあがってすぐの「845」だから、行けないではないのだが、地下街閉店となるとなあ。
ということで、夜の外出も見合わせ。申し訳ない。
粗食(健康食とも申せましょう)で軽くビール。
DVDで米朝師匠「始末の極意」を見る。
人生訓という観点からは、これは最高傑作であろう。早川浩くんが清親父から受け継いだ美徳がこれなんだよなあ。
教えはわかるが、おれにはとても真似できない。
台風は猛スピードで東に去り、静かな夜になった。
6月20日(水) 穴蔵
わ、朝寝坊した。
午前5時30分に目覚める。
ニュースを見る。台風4号は一夜のうちに東北海上に抜けて熱帯低気圧になっていた。
さわやかな1日、終日穴蔵。粛々と雑事。
政治については、あまり発言したくないが……
民主党が分裂するのかどうかが、政局のもっぱらの話題。
先週の週刊文春報道の影響で、小沢の子分は激減だろうな。子分といっても、新党について行ってもダメ、解散総選挙でもダメな「本来議員になれるはずのなかったチャイルド」ばかりだもの。
そもそも、小沢が離党するかどうかが怪しい。たぶんしないだろう。する度胸なし。
忠義な子分の松本兼公が、菅の不信任決議で敢然と賛成票を投じた。可哀想に、それを見捨てて、中途半端な「欠席」で逃げたのが小沢だものなあ。
まして、311で放射能が怖いと、地元(票田)無視して西へ逃げようとしたんだからなあ。「国民の生活」なんて、なーんも考えとらんのだよ。
あ、小沢が検察とマスコミに不当な迫害を受けた、これは理不尽というしかない。まったく不当である。だが、人徳は別だもんなあ。このへんが微妙なところだ。
ともかく、官僚(検察)の高笑いが聞こえてくる。
せめて願うは、民主党の消滅。しかし自民の復活はもっての他。
ともかく解散総選挙である。「嵐」になることを願うのみ。乱世になってくれ。消費税? ほっとけ。こちらは退屈しているのだ。
夜は粗食(健康食とも申せましょう)で軽くビール。
あと、DVDで米朝師匠「厄払い」を見る。こういう明るい噺は人生の玉箒であるなあ。
暗い気分を払っていただく。
「野田払い」になるといいなあ。
6月21日(木) 穴蔵
雨ぞ降る。
午前5時にコンビニへ行って、週刊文春を買ってきた。
「原監督が元暴力団員に一億円払っていた!」を読む。
昨日からネットで流れていた情報とはずんぶん印象が違う。
このスクープの面白さの本質は、竹園旅館にアルバイトで勤務していた女性の(原辰徳との男女関係を記述した)「日記」が、本人は行方不明になったにもかかわらず、不気味な人手をたどって、原をゆするネタに使われ、原は1億円を支払らい、シュレッダーにかけた……が、四半世紀後にもまた原をゆする材料に使われた、この「日記」の存在にある。
本人不在、その「幻の手記」が不気味な人種の手を渡っていく伝記ロマン的面白さこそが、この事件の本質である。
この事件についてはこちらに。
コピーはどこかに残っているに違いない。お楽しみはこれからだ。
このことは、明日にでも詳しく書くことに。
雨が激しく、出歩くことなし。
自宅ベランダ、緑のカーテンが成長してきた。
最近アタマがボケてきたので、背景も、雨にけむる梅田をボケ味で撮したいが、デジタル一眼でないと無理かなあ。
ということで、夜は粗食にてビール。
DVDで米朝師匠「崇徳院」を見る。
早寝。
6月22日(金) 穴蔵/里山
昨日来の豪雨はやみ、曇天、昼前には晴れてきた。
運動不足なので、午後、散歩に出る。
大阪中央郵便局へ行く用事があったので、西回りコース、許永中の生家付近を経由、中津のガード下を抜ける。
郵便局のあと、スカイビル北側の「里山」を散歩。
*
棚田の田植えも終わっている。
この里山はS字型変形生物が出る心配がないから安心である。
夕刻帰館。
夜は粗食にて軽くビール。
あと、ネギトロや浅漬けで、きりっと冷えた「越乃かぎろひ」をいただく。
昨日がおれの某記念日であったので、「ボンクラ息子その1」改メ「孝行息子その1(の配偶者)」が送ってくれたもの。備前焼のぐいのみにて。たまらんなあ。
あと、DVDで米朝師匠「貧乏花見」を見る。
よろしいなあ。
これで7月16日までに見る予定の米朝師匠60席が終わってしまった。
来週から別シリーズに入るかなあ。
6月23日(土) 穴蔵
曇天なり。
お、産経の朝刊(関西版)に眉村卓さん登場。
「家族を語る」というインタビュー・シリーズで「妻・悦子さん@」……『燃える傾斜』出版記念パーティの写真が載っている。1963年。おれもこの会場にいたのである。
土曜の連載となるらしい。
昨夜から腰痛がひどくなった。
1時間以上同じ姿勢で机に向かうと、立ち上がってからの痛みが辛い。
寝転がって、本を読んで過ごす。
読売社会部清武班『会長はなぜ自殺したか』(七つ森書館)で清武英利氏の凄さを初めて知る。
おい原、こんな鋭い追究力の持ち主に喧嘩売ってだいじょうぶかい?
6月24日(日) ジャズレコード・コンサート(神戸)
相変わらず腰痛が続く。
が、穴蔵でゴロゴロしていてはいかん。
昼前に出て神戸へ。トアロードに面した「木馬」へ。
Mさん主催の「ジャズレコード・コンサート」で、神戸の、ジャズに関しては海千山千の連中が集結する会である。おれなんぞ若造。
本日はキャンディ浅田さんがゲスト。
*
歌うのではなく、「あなたとJazzとCandy's Talk」というおしゃべり。
70年代のNHK「スタジオ101」デビューからのジャズ人生やジャズ・ヴォーカル観を、お気に入りのLP、CDを流しながら語る。
おれは、キャンディはニューサンなどでよく聴いているし(たとえばここ)、「テネシーワルツをもう一度」は愛聴盤だが、経歴はほとんど知らなかったので、じつに面白かった。
後半は、レコード稀覯盤や珍しい映像、新譜の紹介など。
腰痛、相変わらずで、時々立ち上がって背筋を伸ばしたり、たいへんなんすから色々。
まっすぐ帰館。
夕刻のニュースを見てギョ。
「学校前にサギの首 姫路」……姫路市本町の私立中高一貫校の通用門前に、切断されたサギの首が置かれていた。兵庫県警姫路署は悪質ないたずらの疑いが強いとみている。
はてさて、こりゃ、わが母校か、わが父親が勤務していた学校か?
用心してくだされ。
粗食にて軽くビール、早寝する。
6月25日(月) 穴蔵/ウロウロ
梅雨空なり。
小雨のなかを歩いて、午前8時前に西梅田の某院へ検査に赴く。
特に変化なし。
受付が早かったので、9時半に終わった。
午前10時前の大阪駅前ビル地下を散歩。
この時間帯に歩くことは珍しく、気づかなかった「変な店」を幾つか発見する。
やはりこまめに歩くものだなあ。
昼前に帰館。
あとは穴蔵にて雑事。
腰痛防止のために30分ごとに背伸びしたり体を反らしたり、仕事に集中できなくなっていくなあ。
6月26日(火) 穴蔵/記者懇談会
おやまあ、あれまー、梅雨晴間である。
腰痛のみ、相変わらずの梅雨空気分。
昼過ぎに梅田・新阪急ホテルへ。
「宇宙の知性と融合した(うかれ)小松左京に出会う会」の記者懇談会である。
一方的な発表ではなく、ガヤガヤしゃべろうということで「懇談会」。
おれは裏方だから、資料の用意をして、あとは隅っこにいることになってたはずが、「盛況」だったので「発表メンバー」に並ばされてしまった。
石毛先生が主旨説明……が、「うかれ」の説明あたりから脱線多し。あとのメンバーもしかり。
プロデューサーの林信夫さんが「当日のインパクトがなくなりますから」と抑える。
記念撮影も。
*
前列、石毛先生、高田公理はん、後列は澤田芳郎教授、乙部さんとやつがれ。
「『うかれ』というのはどう表記すればいいんですか?」
「できれば『吹き出し』に囲んでほしいんですが」
「禁煙に関する発言は小松さん自身の言葉なんですか?」
「そうです。もうひとつ過激なのがありますが、まあ当日に……」
ま、7/16の盛況を願うばかり。
夕刻帰館。
消費税法案の衆院通過。
「嘘つきどじょう」か「ぶれない悪相」かといえば、顔つきが悪くても論理が一貫している方がマシという他ない。
情に訴えて嘘をつき通す偽善政治家にはゲロが出そうになるぜ。「悪相で嘘つき」の五十嵐敬喜よりはマシかもしれんけどさ。
やけ酒飲んで早寝。
6月27日(水) 穴蔵/野次馬見物
ニュース雑感。
・産経新聞に昨日の記事。ありがたいことである。
・ナベツネが吠えたそうな(26日の報道)。
原から1億円をせしめたK(小指欠損/息子がプロ野球選手)について「すべて法廷で言うよ。実名から何から、球団名も全部出てくるんじゃないかね。出さざるをえない。しようがない。こっちも追い込まれているんだから、本当のことをいう」だと。
ナベツネ、言ったことは守れよ。
さらに女性の残した日記について「原君だけじゃなくて、何人かの重要な選手の名前も出てくるんだよ」
おおっ!
とどめは「25年(実際には24年)前の女性関係、そんなのは時効だ」
この発言については喜多哲士さんの意見が正当である。
(気になって午前6時にコンビニへアサ芸を立ち読みに行ったもんね。ヤクザのX氏のコメントは的確だ。「典型的なヤクザの手口」という。例証、説得力あり。)
・西成区の暴走男。
これは恐ろしい。ワゴンで太子1丁目の路地を何度も「巡回」、警官に拳銃を構えられても逃走、日本橋のシリコンハウス(おれが日本橋へ行ったら必ず寄る店)の前で御用となった。
凄いのは、そこいらにいた人が撮った動画が報告されている点だ。拳銃場面も堺筋に走り出る場面も、(たぶんスマホで)至近距離から撮影されている。
「巡回」時間が15分くらいあったらしから、野次馬諸君は暴走族見物気分だったのではないか。
はっきりいう。うらやましいなあ。
それとは別に「歩く監視カメラ」がそこいら中に溢れているということでもある。
両角長彦さんが「大尾行」で描いた世界はすぐそこにある。
本日は穴蔵にて静養……のつもりでいたが、朝から騒がしくなる。
ヘリの音がしたり、落ち着かぬことである。
本日、関西電力の株主総会で、会場が梅田芸術劇場なのだ。
ウチから徒歩5分。
昼前に見物に行く。
開会前には街宣車など来たらしいが、ロフト斜め向かいの広場での反原発の集会をガーやん達が並んで見ているだけであった。
*
「釜ヶ崎解放」の戦旗が異彩を放っている。
ただし、丸善&ジュンクドーへ行くために通る「抜け道は閉鎖され、横に警察がずらりと整列しているのが不気味だ。
午後は穴蔵にて粛々と雑事。
粗食にてビール。
早寝……と思ったら、ニュース雑感のつづき。
・「原の女性問題」事件に関して、またも明日発売の週刊文春「早刷り」ニュース。
原から1億円をせしめたKは中畑清の「駒大の後輩の父兄」(これは中畑も認めている)らしい。ということは、Kの息子は駒大出身のプロ野球選手ということになる。むろんこの選手に(たぶん)罪はないが。
・小沢の陸山会事件で「虚偽報告書」を作成した田代政弘検事について、検察は「嫌疑不十分で不起訴処分」、法務省は「減給処分」という。
これは「官」の小沢に対する「勝利宣言」なのであろう。
小沢は意地で「新党」作って、一文なしになるのであろうか。
官、怖いなあ。
6月28日(木) 穴蔵/夜景
朝5時にコンビニで週刊文春7月5日号を買ってくる。
「原辰徳の女性問題」事件の続報。
「中畑清が元暴力団員を仲介した」……これはタイトルがちょっとオーバー。
Kに原の携帯を教えたのは、駒大関係で知り合いだった中畑清だという内容で、まあさほど悪意があったとは思えない。
むしろ、前号で感じた疑問に答えるような記述があった。
・原がくだんの女を棄てたのかどうか。
Yの談「女性が広島のホテルで原監督から封筒に入ったお金をベッドに放り投げられ、この別れを境に女性がボロボロに壊れていく日記の描写だけは忘れられない」 ほほう。
・金はどう分配されたか。
同じくYの談「ワシはHとKが原を恐喝して一億円とったことを後になって知ってHを半殺しにして事情を聞き出したんや。」
・Kの息子は?
もとは新宿の「チンピラヤクザ」(昏睡強盗で実刑を食らっている)だったKは、今や熱海で旅館経営している顔(ただし風俗営業で挙げられたことがある)で、駒大出の息子は今も職業野球の二軍選手らしい。
いやはや。
「日記のコピー」発見が楽しみだ。
終日穴蔵。
ボケーーーーッと過ごす。
夕刻、ちょっと打合せなどあって外出。
あと、ちょっと夜景を見ながら一杯飲むかということになり、某ラウンジでちょっと一杯。
デジタル1眼に三脚でないと、いい夜景は撮れないなあ。
23時前に帰館。
久しぶりの夜更かしである。
6月29日(金) 穴蔵
終日穴蔵。
二日酔いでもないが、ボケーーーーツと過ごす。
播州龍野関係のことで書類の到着待ちなのだが、依頼先がなかなか動いてくれない。
そもそも「代理人」の手続きに不備があったのだが、20年以上前に死亡した人物の「原戸籍」取り寄せだから、その遺族経由でしか依頼できず、遠方に引っ越している上、本籍地はまた遠方だから、遺族が郵便での取り寄せることになり、その手続きの説明だけで電話で30分ほどかかり、それも理解しているのかどうか確認のしようがない。困ったものだ。
今週は1週間、ボケーーーーッと待機していただけ。
本日より専属料理人がしばらく不在のため、夕刻、近所の食品スーパーへ買い物に行く。
と、「TO DO」の2階への階段に「JAZZのフリーマーケット」の貼り紙あり。
(6/25〜7/2 13〜19時)
入ってみるとCDやジャズ書のバーゲンやってた。
CDに収穫はなく、ジャズ誌旧号を1冊買う。
よく通る……というより、足元といっていい距離に、こんな場所があるんだなあ。
ということで、本日はひとり寂しく、ヤッコ、出来合いの串カツ、トマトでビール。
あと、ハムとチーズのカナッペを作ってワインを少し。
6月30日(土) 穴蔵/銀恋
薄曇りの空が昼前には厚い雲に覆われ、午後には雨になった。
終日穴蔵。
雑事を片づけたり本を読んだり、非効率的1日である。
夕刻に近い午後、散歩を兼ねて、梅田のツタヤへ行ってDVD『銀座の恋の物語』を借りてくる。
昨日買ったジャズ誌旧号(「ジャズ批評」映画音楽とジャズ特集)で、菊池成孔氏の発言が気になったからである。
「ジャズと映画に興味ある人で100パーセント知らない珍品」が『銀座の恋の物語』という。「フリー・ジャズのバンドが出てくるのです。そのリーダーがジェリー藤尾で、昔ながらのビバップなんかやってられないと言って、十数秒なんだけどフリー・ジャズを演奏するシーンが入っていて……」
ほんまかいな……と確認したくなったのである。
本日も専属料理人不在、コンビニで買ってきた数品ならべてビール飲みつつ、『銀座の恋の物語』を見る。
てっきり通俗的歌謡ものと思って、むろん見ていない。
『銀座の恋の物語』は意外にもオーソドックスな青春映画である。
銀座の路地裏でルームメイトとして暮らすふたり。裕次郎は貧乏画家、ジェリー藤尾はジャズ・ピアニスト。
クラブの歌伴をクビになったジェリーは仲間と「さあ、練習しようぜ」とちょっとアバンギャルドなフレーズを弾くが、メンバーは「もう、別のことやろうぜ」とついてこない。
フリージャズという言葉は出てこないが、なかなかいい場面である。
ともかく1962年。銀座の景観も、都電の軌道あり、仕舞屋風の建物あり、半世紀前だものなあ。
確かに「珍品」といえばその通りだ。
あの頃の日活は面白かったなあ。
ペギー葉山の大ヒット曲『南国土佐を後にして』を映画化したのも日活。主演は小林旭。てっきり歌謡映画と思ったらとんでもない。「渡り鳥シリーズ」の原型ともいえるアクションもので、最後のアキラがダイスで勝負する場面など、高校生だったわしらは熱狂したものである。
タイトルで惑わされてはいかんのだなあ。
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