『マッドサイエンティストの手帳』544
●マッドサイエンティスト日記(2012年12月後半)
主な事件
・Sunday at Jazz Club(15日)
・三回忌(16日)
・忘年会的SF検討会(21日)
・大阪←→播州龍野いたりきたり
・Windows8(27日)
・株主総会的忘年会(29日)
12月15日(土) Sunday at Jazz Club
午前中、少しはマジメに仕事をする。
午後、天五のバンブークラブへ。
「Sunday at Jazz Club」例会……事情あって本日が最終回である。
5年近く前に、ワイルドバンチで「天満ジャズ倶楽部」として発足した気楽にジャズを聴く会、おれは2008年3月16日して以来、だいたい毎月参加してきた。
途中から場所をバンブークラブに移して、名称を「Sunday at Jazz Club」に変更。
ともかく4年半以上、色々な方と知り合い、ジャズ談義しながらの、楽しい会であった。
本日も、年末で、今年のベスト盤や珍品の持ち寄り大会。
おれのベスト盤はエヴァン・クリストファーである。
デフランコ師匠の映像にはしびれるねえ。
最終回なので、あとで一杯飲もうかという話もあったのだが……Tさんが、来春から世話人を引き継いでやるということになり、ほっ。
しばらく冬休みだが、春の再会を楽しみとする。
12月16日(日) 三回忌/播州龍野
朝の電車で専属料理人とともに姫路へ移動する。
(衆院選投票日であるが、期日前投票済みである)
JR新快速、アホがいっぱい乗っております。
姫路に眷属十数名集合。
母の三回忌の儀式を執り行う。
相生ミッション終了からほぼ2年である。
午後は姫路市内の某所にて会席で一杯。
午後3時頃に解散となる。
おれひとり、姫新線で播州龍野へ。
夕刻、揖保川べりのガレリアへ。
鶏籠山がいちばんきれいに見える喫茶店でグラスワイン。
播州龍野の夜は早い。
17時を過ぎると急速に暗くなる。
昼間だいぶ飲んだので、夜は、20時過ぎれば、なべ焼きうどんで「龍力」熱燗で一杯やりつつ、選挙速報を見るつもり。
たぶん早寝することになろう。
(ということで追記)
20時から、なべ焼きうどんで「龍力」飲みつつテレビ見たら、すべてのチャンネルで自民圧勝の報道。
40分ほど見て、暗澹たる気分になる。
別に支持政党があるわけではないが、こうも極端から極端に振れるとは。
また官僚のやり放題か。
ポン人、よほど奴隷志向が強いのだなあ。
早寝。
12月17日(月) 播州龍野→大阪
午前6時に起きて、テレビで選挙結果を確認。
アホが次々落ちたのは痛快だが、比例で復活なんてのは、なんとかならんかねえ。菅とか辻元とか。
ま、政治的発言は極力しないことを原則としているので、ここまで。
7時過ぎから、肉体労働含む、雑事色々。
昼前に、命日ちょっと前なので墓掃除に行く。
*
片山麓の墓地、しんとして人の気配はない。
センチメンタルになるぜ。
午後の電車で帰阪。
車中、快楽亭ブラック『立川談志の正体』(彩流社)を読む。
副題は「愛憎相克的落語家師弟論」
……「立川談志がガンで死んだ。何を言ってやがんでい。談志そのものが、落語界のガンだったんじゃねえか」
いいねえ。不敬落語やりつつ愛国主義者、ブラックのアンビバというか、愛憎二筋が全開である。
夜はトヨウケの湯豆腐で「龍力」熱燗。
早寝するのである。
12月18日(火) 穴蔵
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
12月19日(水) ロボラボ/ニューサン
朝見かけたニュース。
iPS細胞の虚言男・森口尚史がタレント転身?!
芸能プロダクションと契約してバラエティ番組に出るのだとか。
テレビの愚劣ここに極まれり、だな。
ま、テレビはたまに朝のニュースを見るだけなんだけど。
昼過ぎに駅前ビルのロボラボへ。
林譲治さんも来て、SF作家クラブ50周年イベントの打ち合わせ。
近いうちに発表……となるかもしれない。
夕刻、以前の勤務先の先輩Tさんと会い、久闊を叙す。
天ぷら、鴨鍋で一杯。
あと、ニューサンへ。
満員の盛況である。
Mitch's Jazz Quintetの出演日。クリスマス・ソングを中心に快調である。
テナーがいいなと思ったら、武井努であった。
22時頃まで。
忘年会たけなわらしく、人出が多い。
酔っぱらいに注意しつつ、歩いて帰館。寝る。
12月20日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
雑事を色々と片づけるのであった。
主に年度末の処理。タイムマシン関係は12月末日が年度末なのである。
SF系のことは何もせず。いかんなあ。
夜は専属料理人に並べてもらった、肉の炒めたのとかサラダでビール。
あと、特製パスタ。
↑スグキの葉っぱ刻んだのを炒めて混ぜ込んだの。
これがバカウマ。スグキをくださった京都のYさんに栄光あれ。
豊崎西公園南側の中本酒店で買ってきた格安の「ラベル汚れ」ワインをいただく。
バカウマ。中本酒店に栄光あれ。
ということで、いい気分で早寝。
布団にもぐって、相倉久人『至高の日本ジャズ全史』(集英社新書)を読むのである。
12月21日(金) 穴蔵/忘年会的SF検討会
『至高の日本ジャズ全史』読了。
相倉氏の戦後日本ジャズ創成との関わり(1950〜70年)……有楽町の「コンボ」から山下洋輔トリオの誕生まで書かれている。 つまり極私的「全史」である。
おれがジャズをライブで聴き出したのが1970年で、ラスカルズと山下洋輔トリオ。この年、相倉氏はジャズから離れている。
最初に読んだ相倉氏の著書が『ジャズからの出発』(ジャズ離れの書である)だったから、見事にすれ違っていたのだなあ。
163-4ページの記述。「筒井康隆がピットインに来るようになり、やがてSF作家仲間の豊田有恒や平井和正やかんべむさしも一緒に現れるようになった」……これは記憶違い。かんべむさしの登場は1975年で、ピットインには行ったこともないはずだ。
本日は冬至。
世間では、忘年会がいちばん多い日のはずである。
終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
夕刻、かんべむさしくん来穴蔵。
定員2名内容非公開の忘年会的SF検討会を開催する。
あっという間に3時間ほど経過。
何を議論していたのか、きれいに忘れてしまった。
早寝。
12月22日(土) 穴蔵/ウロウロ
早朝の雨音が午前6時には静かになった。
午前中、小雨が降りつづく。
「年末恒例の雑事」(約250枚)を処理する。
午後、雨がやんだので歩いて梅田へ。
茶屋町から阪急にかけて、えげつない人出である。
息苦しくなって、地上(御堂筋)へ出る。
宝くじ売り場が撤去されて、閑散。
葉を落とした樹木が、鈍色の空に入った罅割れのように見える。
*
センチメンタルになるぜ。
年末特有の「ジングルベルの憂愁」と呼んでいる気分だ。
駅前第一ビルの中央郵便局に寄り、年末行事のひとつは終了。
あと、うめきたの西側、小松師匠の事務所跡〜スカイビル〜ご安置ホテルと、人気のないコースを歩いて帰館。
7,252歩となった。
12月23日(日) 穴蔵
今年もあと10日になった。
終日穴蔵。
非SF系の雑事を片づける。
年末の慌ただしい時期に世間3連休というには困ったものだ。
早いところ仕事納めにしたいのだが、金融機関関係の処理ができないのである。
体調いまひとつ。
アルコール抜きで早寝。
12月24日(月) 穴蔵/ウロウロ
いかん、睡眠時間が不規則になった。
早寝したら0時過ぎに目が覚めて、ほとんど眠れず。
午前5時に朝食後、2時間ほど仮眠。
アタマは働かないが、体調は持ち直した。
穴蔵にて雑事。
夕刻に近い午後、サプライ品を買いに梅田のヨドバシまで行く。
中津から梅田一帯、ほとんどの道が渋滞している。
専属料理人が予定の荷物が届かないとぼやくはずだ。
ヨドバシもたいへんな混雑。
ついでだからステーション・シティ「風の広場」まで上がる。
*
当たり前だが、寒いのであった。
そそくさと帰館。
クリスマス・イブである。
専属料理人が鶏のなんとかグリルを作る。2時間ほどかけたとか。
まあ、不味くはないけど、ここだけの話、おれは鶏料理といえばヤキトリがいちばん好きなんだよね。
北村英治『Santa Clarinet』を聴きつつ、ビール一杯、あと「中本酒店」のラベル汚れ格安ライン(バカウマ)飲みつつ、サラダ、チーズ、グリッシーニなど。
本町某ホテルのシュトーレンで仕上げ。
メリー・クリスマス。
早寝するのである。
12月25日(火) 大阪←→播州龍野
定刻午前4時に起床。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
この冬いちばんの冷え込みとかで、午前9時の龍野書斎の室温は2℃である。
コート着用のままパソコン起動、30分ほど作業(30分ならストーブつけても意味ないのである)。
タイムマシン格納庫へ行き、相棒の某くんと棚卸作業。
こちらも暖房なしだから、キンタマが波動関数の収縮を起こす。
午前中で終わる。
龍野唯一の都市銀行(もとは神戸銀行である)へ行くが、連休明け・年末の給料日で大混雑、駐車場にも入れない。
銀行関係の処理は明日に送る。
昼は余部の丸亀製麺所できつね。
あとは実家の書斎と書庫の掃除を兼ねて、たぶんどこかにあるはずの資料(手塚さん関係)発掘を試みるが、発見できず。
高校時代のものだからなあ。処分したはずはないのだが。嗚呼。
夕刻に近い午後の電車で帰阪。
寒いのであった。
専属料理人に普通の豚しゃぶを作ってもらいビール、雑炊(和風リゾットね)でグラスワイン。
やっとキンタマがほぐれてきた。
早寝するのである。
12月26日(水) 穴蔵/ウロウロ
わ、午前2時に目が覚めてしまった。
朝まで雑読。
ボンクラ・サラリーマン諸君の通勤ラッシュが終わってから、歩いて梅田へ。
昨日できなかった金融機関関係の処理。
必要あって地下鉄で淀屋橋へ。
高麗橋の某社に寄って業務終了。
ついでだから南へ歩き、本町〜船場界隈を散歩する。
*
ボンサラ時代の勤務先近く、綿業会館を眺める。
電柱・電線が地下に移されて、眺めはよくなっている。
以前の勤務先周辺、なじみの店はほとんどなくなっていて、しかし「ラジャ」とか「ゼロワン」はまだがっばっているなあ。「ラジャ」は40年以上ではないか。ステーキ・ランチはもうおれには重すぎるけど。
心斎橋まで歩き、東急ハンズに寄ってから帰館。
午後はタイムマシン業の決算書類の作成。
これで今年の仕事納めとする。SF系のことは趣味で細々やるけどね。
夕刻に、わが短編を英訳してくださっているMr.Dから郵便物が到着。
どうなりますことやら。
12月27日(木) 穴蔵/かんべ事務所
定刻午前4時に目が覚めるが、起きるのが面倒で、7時頃まで本を読んで過ごす。
朝食後、少しは穴蔵の整理をしかけるが、面倒になり、本を読んで過ごす。
昼前に、靫公園に近いかんべむさし氏の事務所へ行く。
パソコンをWindows8機(本体のみ)にしたというので見学というか見物というか……メールの設定がうまくいかないそうである。
Windows8の画面を初めて見せてもらったが、確かにわけがわからん。
アイコンが多すぎるし、エクスプローラーでのファイル表示も階層がさっぱりわからない。
ともかくXP機から移行して「経験的に操作する」のは無理なような。
Windows95以来の激変という印象を受ける。
特に困るのはWindows8の標準メールソフト?がPOP3に対応していないことである。
Thunderbirdを使えってことか。
プロバイダー各社が困るのではないか。
その他、使えなくなるソフトがやたら増えそうな。
おれはVistaも7も使ってないから自信はないが、Windows8はタブレット機優先で作られていて、従来のキーボード派にはきわめて使い勝手が悪い印象を受ける。
XP機をあと5年は使うぞと心に誓うのであった。
むさしくん、がんばってくれたまえ。
帰路、靫公園を抜ける。
冬の公園には誰もいない。
公園南のタケウチで焼き上がったばかりのパンを少しばかり求め、本町から地下鉄で帰館。
ということで、夜は専属料理人に牡蠣フライやサラダなど並べて貰って軽くビール。
あと、タケウチのベーコン(エピ)パンをつまみつつ中本酒店で購入のラベル汚れ格安ワインをいただく。
*
たまらなく旨いのであった。
そこいらへんの名店(喧嘩売るわけじゃないけど関西では「Meets」が紹介しているようなワインで儲ける二流店ね)なんて行く気がしなくなるものなあ。
タケウチと中本酒店に栄光あれ。
12月28日(金) 穴蔵
早朝に目覚める。
冬の雨が降りつづくのであった。
終日穴蔵。
迎春準備。諸々の帳票類(主に表計算ファイル)の2013年版の作成など。
あとは本を読んだり米朝・吉朝のDVDを見たり。
雨は夕刻にやむ。が、寒くて散歩に出る気分にはならず。本日は0歩。
ということで、夜は専属料理人が鴨鍋を作ってくれた。
蕎麦をぶち込んで、尼のU字型さんからいただいたワインを少しばかり。
鴨ソバとワインという組み合わせがたまらんのである。
喧嘩売るわけじゃないけど、某誌が紹介する二流店なんて行く気がしないもんね。
早寝。
12月29日(土) 呉春/年末総会
穴蔵にて雑事色々。
夕刻に近い午後に出かける。
阪急池田へ。
ここはボンクラサラリーマン時代、(兼務の期間も含めて)20年以上通勤した駅である。
ラーメン博物館へはまだ行ってないし、久しぶりにウロウロしたいのだが、本日の目的地は駅前のN酒店。
「呉春」の直販所でもある。
四半世紀前だといつでも特級が入手できたが、近年は難しくなった。
本日も特別吟醸は売り切れ、本吟醸は「おひとり様1本限り」と表記されている。
熱燗用に普通「池田酒」も購入(居酒屋で「呉春あります」と書かれている場合、たいていこれである)する。
一升瓶2本ぶらさげて石橋へ。
年末恒例の某懇親会というか……タイムマシン業の総会兼忘年会である。
円高で今年は惨敗予想だったのが、年末の特注で、なんとかセーフとなった。
ということで、某海鮮居酒屋にて活ふぐ1本をさばいてもらってコース料理、盛大にビール、ひれ酒。
呉春2本ぶらさげて、割らないよう注意しつつ、ふらふら帰館。
早寝するのである。
12月30日(日) 穴蔵/かんべ事務所
アメリカのVIZ MediaのSFレーベルハイソカルから、小松師匠の『復活の日』英訳版が出た。
近年、ハイソカルからは日本SFの英訳版が色々出ていて、伊藤計劃氏の『ハーモニー』もHaikasoru英訳版で2010年フィリップ・K・ディック記念賞特別賞している。
『復活の日』の翻訳者がDaniel Huddlestonさんと知って嬉しくなる。
Huddlestonさんはわが短編をボランティアで英訳してくださった方で(未公開/近いウチネットで公開する…かもしれない)、その後、黒田藩プレスのSpeculative Japan 第3巻に上田早夕里『魚舟・獣舟』を英訳されている。
そして『復活の日』の刊行……たいしたものである。
谷甲州さんたちが中心になって、パソコン通信で日本SFの英訳ダイジェイトを世界に公開しようと試みたのは20年くらい前だったかなあ。
日本SFの海外への翻訳が活発になってきたのはありがたいことだし、SFファンでもあるHuddlestonさんのような方が日本の地方都市(九州方面)に在住とは心強いことである。
雨である。
昼に近い午前、地下鉄で本町へ。
靫公園の北側の通りを歩いてたら「マルキン」ビルがあって笑ってしまった。幻の天才作家・きしべむれしはここに勤務していたのかしらん……とこんなギャグは2、3人しかわからんだろうけど。
きしべむれしならぬ、かんべむさし事務所へ行く。
先日やりのこした案件の処理。30分ほどで片づく。
正月用の食材をいただいて帰る。
京町堀界隈、年末の日曜で、会社はすべて昨日で仕事納め。開いている店もなく、ひっそりしている。
*
公園には誰もいない。
1993年の年末がこんな気分だったことを思い出す。
この年の暮れで、おれが創設に関わった事業部門の閉鎖を命じられたのであった。
この時に同志数名で赤穂浪士的リベンジを誓ったのであった。
水面下からスタートしたタイムマシン業、結局19年継続している。来年で20年。
閉鎖を命じたTの訃報を聞くまで、事業は継続しまっせ。
池田の事業所での寒く寂しい年末が忘れられない。年末最後の日に久安寺の庭を歩きつつ呟いたのであった。
「Tめが」←飛浩隆さんではありません。アタマの一字は同じだけど。
むさしくんが「きしべめが」と思うのと同じ気分であろう。
夜はスグキ系「特製パスタ」などでワイン。ほっ。
寝る。
12月31日(月) さらば2012
定刻午前4時に起きる。
早朝のニュース……というか民放の「報道バラエティ」とでもいうのか、そんなのを見ていたら、バカ女子アナが「来年は○ビ年ですから」とモロに言いよる。アホか。ちゃんと「巳年(みどし)」といえよ。気持ちが悪くなってきた。
NHKに変えたら「来年の干支にちなんで○ビの縁起物が…」などといっておる。
嫌な年が来るなあ……。嗚呼。
快晴である。
昼前、梅田を散歩。
人出は少ない。
大阪ステーションシティ「風の広場」まで上がる。寒風強し。
*
去年の大晦日もうめきた界隈を歩いたような。
来年こそ「うめきた」から始まる物語を完成させよう。
昼は、専属料理人が新蕎麦とレンコン入りの掻き揚げを作ったので、呉春を少しばかり。
午後は穴蔵の掃除を行う。
夜は粗食(というか、重箱に詰める前のオセチ)で軽くビール。
国民的学芸会は苦手なので、DVDで吉朝「ふぐ鍋」、米朝「除夜の雪」などを見る。
あと1時間ほどでカウントダウン。
シャンパンを開けてから就眠予定。
さらば2012年。
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