『マッドサイエンティストの手帳』530
●NHK不信
たとえばの話。
NHKが夏目漱石特集のテレビ・ドキュメント番組を作ったとしよう。
その中で、
「長編『吾輩は猫である』は漱石自身が飼い猫について語る私小説です」
などといったらどうなるであろうか。
おそらく抗議殺到であろう。製作者は漱石を読んどるのか、と。
これに近いことが、2011年11月24日にあった。
NHKの「クローズアップ現代」である。
おれはNHKの間違いを当日の書き込みで指摘している。
昨日(2012.6.9)、小松さん関係の会合があったのだが、その席で知人が「あの番組、そのままNHKのホームページにありますよ」と教えてくれた。
まさかと思って調べたら、確かにあった。
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クローズアップ現代 No.3125
2011年11月24日(木)放送
「想像力が未来を拓(ひら)く 〜小松左京からのメッセージ〜」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3125.html
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長編小説「虚無回廊」では小松さん自身を投影した老科学者が宇宙へ飛び出し果てしない旅を続けます。
↑この文章も訂正されないまま。
これは「事実誤認」とか「誤読」というよりも「デタラメ」(作品を読まずに番組を作っている)である。
(見解の相違とか解釈の違いではない。それならば、おれには異論がいっぱいある。ここでいってるのは、NHKのデタラメ、事実にまったく反する放映内容についてである)
新聞や雑誌は、たいてい訂正記事を出すわなあ。
テレビは……というより、NHKはかまわんのか?
デタラメ番組をこっそり直してミスを隠蔽するのはいかんが、間違いを訂正しないままいつまでも放置というのもいかがなものか。恥をいつまでも晒し続けるのもひとつの見識だが、事実関係の訂正だけはすべきではないか。この記事を信じる読者がいないとも限らない。
番組の製作者の名は表記してないから、責任の所在も不明。
この程度のミスはいくらでもあるから、いちいち訂正してられるかよ、ってことかな。そうかもしれんな。
NHKは信用できないという他ない。(あ、民放もだけど、それは別の話)
本日の昼食時、NHKでは新藤兼人に関する番組を放映していた。
おれは「信用できない」とテレビを切らせた。
わが家はNHKの受信料を支払っているのだが、中止したい。
ただ、専属料理人は、集金人の取り立てが怖いからと、おれの要望は拒否されている。
困ったものだ。
(2012.6.10)
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