『マッドサイエンティストの手帳』500

●マッドサイエンティスト日記(2011年4月前半)


主な事件
 ・大阪←→播州龍野、いたりきたり
 ・納骨(3日)
 ・創サポ講義(9日)
 ・統一地方選挙(10日)
 ・Sunday at Jazz Club(10日)
 ・鈴木孝紀ライブ(14日)


4月1日(金) 穴蔵/ウロウロ
 4月になったのであった。
 タイムマシン業も新年度である。
 昼前後、梅田界隈、金融機関などウロウロ。
 暖かいのであった。
 昼は天五の「大一そば」で天ぷらうどんとジャンボいなり、370円。良心の塊みたいな店である。
 14時帰館、夕方まで「帳簿」の整備。
 軽く晩酌。
 読みたい本が溜まっているので、枕頭に積み上げて、朝まで「読んだり寝たり」するのである。

4月2日(土) 大阪→播州龍野
 昼間の電車で播州龍野へ移動する。
 姫路城の改修工事、見学施設が先日オープンしているが、かなりの人気らしく、予約しないと見学できないらしい。
 まだほとんど未着工だろうから、秋にでも見学することにしよう。
 ※「姫路城大天守 保存修理工事」についてはこちらが詳しいようだ。
 播州龍野は、桜まつり(武者行列)は中止、桜の開花もまだで、観光客はほとんどなし。
 近所では白木蓮と木瓜が満開である。
 
 夕刻に実家に兄妹集合。
 色々相談事項があり、ビール飲みながら深夜までしゃべる。

4月3日(日) 播州龍野/納骨
 昼前に身内があちこちから集まってくる。
 十数名。
 母の「納骨の儀」を執り行う。
 
 午後は中華料理店「八宝閣」にて宴会(食事会というふうにいうのがいいか)、ビール、紹興酒を盛大に飲む。
 遠方組もいて、午後から夕刻にかけて流れ解散。
 昨夜に引き続き、兄妹3人のみ、実家泊となる。

4月4日(月) 播州龍野→大阪
 快晴である。
 兄妹3人で某事務所へ行って、相談の結果を伝えて、以後の諸々の事務手続きを依頼する。
 昼はガレリアへ行ってランチ。
 ともかく、ここのコーヒーは抜群にうまい。日頃コーヒーを飲まないおれが、たまには飲みたくなるのだから。
 連れてきた兄妹も専属料理人も全員が絶賛。
 ということは、日本でいちばんうまいのではないか。
 
 ガレリア2階は「鶏籠山がいちばんきれいに見える」スポットである。
 午後の電車で帰阪。
 ちと疲れた。
 夜は、専属料理人が作ってくれた和洋メニュー(枝豆、独特の煮物、ローストビーフ、サラダ、その他)でビール、ワインを少し。
 早寝するのである。

4月5日(火) 穴蔵
 終日穴蔵にて書類作り。
 到着待ちの郵便物が幾つかあって、昼間、メールボックスを数回覗きに行く。
 播州龍野へ届く書類もあるから、しばらくは面倒なことである。
 快晴だが、花見にでかけるわけにもいかず。
 集合住宅の桜が満開である。
 
 廊下から1分間ほど花見。

4月6日(水) 穴蔵/ハチ
 本日も快晴なり。
 本日も終日穴蔵にて役所に提出予定の書類作り。
 夜、軽く晩酌のあと、久しぶりにハチへ出かける。
 中崎町の裏道を自転車で低速走行。
 20時頃に行ったら、先ほどまでハチママが来ていたという。
 夕刻から時々出てくることにしたのだとか。
 体調は万全とはいえないが、回復基調にあるらしい。
 
 ギター・トリオでリズミカルな「Willow Weeps For Me」を聴く。
 ターキーのロック2杯。
 帰路も極低速の安全運転で……と思ってたら、オマワリ2人の無灯火自転車が来たので、そのあとを走ると堂山町までスイスイ。
 
 無灯火おまわりさんに栄光あれ。

4月7日(木) 穴蔵/『スカイライン』
 穴蔵にて仕事……のつもりであったが、書類の到着待ち。
 うちの郵便配達時間は午後3時以降なので、某試写会(午前中)に行くことにする。
 南堀江へ。
 10時30分から、『スカイライン−征服−』を観る。
 内容についてのコメントは(色々書きたいことはあるけど)控えさせていただく。
 「スターウォーズ」を海外で観て、しゃべりまくり書きまくった(それも1年間!)人たちの愚行をおれは忘れてはいないのである。
 自分の創作でもないのに、他人より早く観ただけで、それを自慢げに吹聴するのは、どうかと思うものなあ。
 ということで、おれは映画は公開されてから、書籍は書店に並んでからしか発言しないことにしている。
 ただ、ロスが破滅する映像を見るのはつらい。
 配給会社には気の毒だが、東日本大震災の被害と重なって、日本でのヒットは見込めないと思う。
 帰路、堀江公園で桜の古木を見る。
 
 ボンクラ・サラリーマン&OL諸君が桜の下で弁当を食べている。
 平和な光景ではないか。
 おれは御堂筋まで歩いて「韓日館」で石焼きビビンバ。
 午後は穴蔵に戻り、雑事の続行。
 夜は山下洋輔NYトリオ『DELIGTHTFUL CONTRAST』を聴きながら、専属料理人に枝豆、新玉葱、米ピザ、みりん干しなど並べてもらってビール、ワイン1グラス。
 早寝するのである。

4月8日(金) 穴蔵
 曇天が昼過ぎから小雨が降りだし、典型的な春雨が夕刻まで降り続く。
 荷風散人ならこんなふうに書くであろふか。
 曇りて風なしが午後に至りて雨となり終日春雨霏々たり。
 終日穴蔵。
 雑読。
 明日の某講義のメモ作り。
 夜は専属料理人が並べてくれた、ごく普通のメニュー:枝豆、一口カツ・キャベツ・ブロッコリ、ひじきなどでビール。
 浅川マキの「MAKI Y」を聴きつつ。
 この1973年録音のアルバム……歌伴は、一番激しかった山下洋輔トリオ(坂田明、森山威男)+稲葉国光である。
 おれは……反感を買うかもしれないけど、なぜこのメンバーで「ヴォーカル抜き」アルバムを作ってくれなかったのか、残念でならない。
 森山さんのドラムなんて絶品だもの。
 というか、おれには浅川マキがよくわからないのである。

4月9日(土) 穴蔵/マホガニー/創サポ
 定刻より早く、午前3時頃に目が覚める。
 メールをチェックしたら、友人からのメール……書くべきかちと迷うが、訃報である。
 心配していたことだが、東日本大震災で、SFで長年の知り合いであり、30年以上賀状のやりとりが続いている方の「ご遺体が確認された」という。それも奥様とともに。
 思い出すことが多い。
 穴蔵にて、ボケーーーーッと過ごす。
 夕刻に近い午後に這い出て、心斎橋のマホガニーホールへ。
 河合良一さん中心にODJC関係の数名で打ち合わせ。
 いくつかの定例的なジャズフェスが中止や延期されたこともあって、5月に島之内教会で「JAZZ AT CHURCH」というコンサートを行うことになったのである。東日本大震災復興支援でもある。
 詳細は近日このページでも案内予定。
 ちょっと早めに辞して、天満のエル大阪へ移動する。
 創作サポートセンターの講義。
 提出作品を参考にしつつ、表現のポイントをレクチャーするのだが、SF表現に関して、(おれとしては今さらながらだが)ちょっと迷うところが生じる。
 超日常的な世界とか現象……たとえば「大は銀河系規模、小は素粒子サイズ」を描写する場合のポイントで、今まで迷うところはなかったが、次回まで持ち越しとする。まあ、迷いが生じるということは、おれもまだ「発展途上」なのであろう。
 帰路の大川沿い、花見の宴たけなわである。
  *
 自粛ムードと相半ばしているようだが、いいではないか。
 盛大なバーベキューやカラオケは今年に限らず感心しないが、桜の下で弁当広げてちょっと一杯なんて、家呑みとかわらないのだから。
 被災地は、桜はまだだろうが、桜前線が北上する頃には花見ができるくらいには復興してほしい。

4月10日(日) 穴蔵/地方選/Sunday at Jazz Club
 穴蔵にて粛々と雑事の処理。
 晴れて、公園の桜は場所によっては満開のようだが、まだ花粉がひどいようで、花見気分にはならず。
 午後、市議選・府議選の投票のあと、黒崎町のバンブークラブへ。
 Sunday at Jazz Clubの例会である。
 本日は(別に震災がらみではなく、前からの予定通り)レクイエム……最近亡くなったジャズメンを偲ぶ特集である。
 おれはモンティ・サンシャイン(2010年11月30日死去/83歳)の『Hush-a-bye』を持っていく。
 他にジェームス・ムーディ(昨年末)、ジョージ・シアリング(今年2月)、ビリー・テイラー(昨年末)、沖山秀子(つい先月)など色々。
 専属料理人は選挙の立会人をやってるので、夜は近くの「安呑屋なにわ」へ行って串カツ・ビール。
 と、信号を渡ったところで小銭入れを拾った!
 たいした金額は入ってそうにないが、徒歩5分の大淀署へ届ける。
 ま、金額ではなく小銭入れに愛着があるかもしれんからな。
 勝手に義援金に回すわけにもいかず、ネコババするにはスリルがないというか……

4月11日(月) 穴蔵/大阪駅
 結構慌ただしいのであった。
 朝、近所の医院で定期検診。先月受けた検査結果を聞く。血圧、尿酸値、コレステトール、蛋白など成人病関係は問題なし。ふたつほど高めがあって、ま、原因ははっきりしているのだが、Yセンセは物わかりがいい方で、他の数値に悪影響は出てないから「ま、ちょっと控え目にしなさい」ということである。
 あと、雑事が色々あって、梅田へ歩く。
 ヨドバシを抜けてJR大阪駅へ。
 3階の改札通路(橋上駅/南北連絡橋?)が本日オープンなのであった。
  *
 駅の南北をつなぐ通路にもなっているが、3階(実質的には4階かな)までエスカレーターで昇降するのはちょっと面倒である。
 残念ながら、南北が地下通路でつながることは(おそらく北ヤード側に新駅ができても)なさそうな。
 南側地下街の市サービスカンウターで証明書など色々。
 午後は穴蔵に戻って雑事のつづき。
 明日は播州龍野行きである。

4月12日(火) 大阪→播州龍野
 朝、通勤ラッシュの終わりかけの時間に播州龍野へ移動する。
 車中、朝刊を読むに「復興構想会議」なるものができるとか。
 政治関係のことはあまりいいたくないが……
 ただ五十嵐敬喜なる欲ボケ三百代言の裸踊りなんて、見たくもないよなあ。
 菅は国を滅ぼすぜ、ったくもう。
 両名、この世から退席したまえ。
 これ以上はいうまい。
 播州龍野にて雑事色々。
 5ヶ所ほどウロウロ。
 法務局の場所を裁判所と勘違いしてた。
 龍野公園のすぐ下まで来たので、ちょっと散歩。
 桜が満開である。人は少ない。
  *
 午後3時を過ぎて、銀行関係は明日に持ち越し。
 ひとり寂しく枝豆と豆腐チゲで晩酌。
 寝る。

4月13日(水) 播州龍野→大阪
 朝から龍野市内ウロウロ。
 快晴で暖かく、桜は満開、もったいないなと思うが、人出はほとんどなし。
 そういうものだ。
 ローカルニュース2件。
・4月29日に姫路・手柄山で「モノレール展示」施設がオープンするらしい。
 どうやら常設展示のようである。
 モノレール廃線ウォークからもう5年である。あの時に「格納庫」があることは知っていたが、やっと公開されるか。
 姫路城改修工事とともに、見学する値打ちはありそうだ。
・食品スーパーにカップ麺の「えきそば」が大量に並べてある。
 表示は「姫路駅名物」「まねきの」「えきそば」とある。
 
 よく見れば「日清」の製品。まねき食品との提携製品か。
 昼にさっそく試してみたが……似て非なるもの。
 「どん兵衛」の1バリエーションである。全国展開なのかなあ。
 えきそばは、わが立ち食いベスト1の逸品である。ブランド安売りはしないでほしい。
 ということで、諸兄には、姫路に来て、城改修現場見学→モノレール展示見学→えきそば立ち食いというコースをお薦めする。
 午後帰阪。
 夜は専属料理人の並べた普通のメニューで晩酌。
 早寝するのである。

4月14日(木) 穴蔵/ハチ
 天気晴朗なれど終日穴蔵。
 まだヒノキの花粉が多くて出歩く気にならない。
 ややこしい表計算と某書類作りをやってたら、たちまち夕刻になった。
 ビール飲みはじめたところに、ハチの明利マスターから電話。
 「今夜、鈴木孝紀くんのライブでっせ」という。
 あ、わすれていた。
 ということで、中崎町の裏道を低速自転車でハチへ。
 鈴木孝紀(cl)〜馬田諭(g)のデュオを聴く。
 
 「If I Had You」からはじまって、スタンダード中心に2ステージ、22時過ぎまで。
 鈴木さんのクラは急成長で、ハチでは「デュオでスタンダード」スタイルだが、大塚善章さんのグループとではスタイルが変わるし、たまにデキシーもやってるようだし、ジャズ以外にもユニバーサル・スタジオでも演奏しているとか……ともかく自己のグループによるリーダーアルバムが期待されるところだ。
 極低速自転車で23時頃に帰館。

4月15日(金) 穴蔵
 曇天である。だからというわけでもないが、終日穴蔵にこもる。
 某書類作り。
 昼過ぎに某野の某証人役場に電話してみる。
 近々某証してほしい書類があるが予約が必要かと訊ねたら、一応予約、事前に書面をFAXしてくれたらチェックすると、これはたぶん某証人本人の応答である。
 で、書類6枚をFAXしたら、1時間ほどして電話がかかってきて、5、6ヶ所の訂正指示。
 調べてみたら、確かにもっとも。
 さすがもと某判官というか。たいしたものだ。
 10年前に梅田の某証人役場に行った時はこんなに親切ではなかったものなあ。
 田舎の方がヒマな分、親切なのかな。
 ということで、たちまち夜になった。
 専属料理人が並べてくれた、枝豆、鰺ソテー、サラダで軽くビール。
  *
 引き続き「春パスタ」で白ワイン。
 アスパラ・空豆・菜の花などどっさりのパスタである。
 最後の晩餐というか、明日からは、よんどころない事情で離ればなれの生活になる。
 春は別れの季節なのである。


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