『マッドサイエンティストの手帳』455
●マッドサイエンティスト日記(2009年6月前半)
主な事件
・播州龍野の日常(〜6日)
・堺沖人工島/さかな(8日)
・A.P.J.ライブ(10日)
・100万人の蝋燭(11日)
6月1日(月) 大阪→播州龍野
わ、目覚めれば6月。
午前4時、もう東の空が少し明るい。
夏至も近いのである。夏至はわが誕生日であって、一里塚も近いのである。そろそろオダブツか。嗚呼。
ということで、早朝の電車で播州龍野へ移動する。
しばらく収監、<下男モード>入りである。
あれやこれや雑事色々。
昼、おれは龍野のうどん専門店は全滅したと思っていたのだが(ここご参照)、揖保川町にまだ1軒あるという情報を得て、昼、揖保川町の「麺*好」へ。
うーん。まあまあいいのだが、こりゃ間違いなく「冷凍」……そのメーカーまで特定できる。
営業妨害する気はまったくないので、これ以上は書かない。
そもそも「冷凍」を使うのは悪いことではない。へんな製麺所から安物を仕入れるよりずっといい。
おれの好きなさぬきやは冷凍であり、堂々とオープンキッチンで茹でている。しかも安い、むろんうまい。
「麺*好」はどこにも「手打ち」とは表示していない。その点は良心的である。
できればもうちょっと安く、ね。
ということで……他にも色々あったものの……早寝。
6月2日(火) 播州龍野の日常
本日も快晴なり。
張り切って<下男(おとこし)仕事>に勤しむのであった。
老母を久しぶりに(新型インフル騒動時は遠慮しておったのよね)I医院へ連れて行く。
なんと某値(知り合いのウ**ミはんが絶食でも3桁という数値ね)が101で、最低値を記録。次回には2桁を目指そうと、愚息が賢母にいい聞かす。
ということで、老母に粗食(目指せ99!)、おれは老母の新記録を祝って色々並べて盛大にビール飲む。
6月3日(水) 播州龍野の日常
早朝から弱い雨が降り出し、終日降ったりやんだり。
本日も下男仕事その他の仕事色々。
合間に「曇天だから花の写真でも撮ろう」埋草甚一、ちょっと違うか。
播州龍野の実家の庭や塀の回りの花を撮影することにした。
おれは、老母の歌集のために、播州龍野の四季を撮ったのだが、主に風景写真で、花は限られている。老母か詠んだ植物だけだった。
今は生活の半分以上が龍野だから、この際、龍野の花を1年間撮影してみようという気分になった。
この6月1日から1年間やってみることにする。
今咲いているのはドクダミ、石榴、名も知らぬ白いの、その他。
おれは花鳥風月にはほとんど興味がなかったのが、なぜこんな心境に至ったのか。老化とは思いたくない、たぶんこの方の影響であろう。
本日のニュース。
「金正日の後継者が三男の金正雲」とかいうのだが……はてさて。
こやつ、どう呼ぶのか。
金ちゃん小金ちゃんのあとは、ナニ金ちゃんになるのか。「小小金」か「微金」か「ゴミ金」か。
ま、よその国のことだけど。
一杯飲んで早寝。
早寝するのである。
6月4日(木) 播州龍野の日常
本日も曇天なり。
下男仕事の合間、とくに仕事もしないままであった。
●杉村太蔵が次期衆院選の出馬断念というニュース。
へえっ、意外に己を知っているではないか。
おれは支援する政党も党派もない、次期衆院選で見たいのは小泉チルドレンなるものの泣きっ面であり、その筆頭が太蔵であったのだが、なかなか賢明ではないか。
ま、アホはまだたくさんいるから、楽しみは残されているけど。
早寝。
6月5日(金) 播州龍野の日常
本日も曇天……午前9時頃から断続的に雨が降る。
下男仕事色々。小刻みに時間を浪費しつつ、合間はボケーーーッと書斎から外を眺めて過ごす。
●キタ関係のニュース。「金正男の側近が相次いで国家安全保衛部に連行されていて、正男はマカオから帰国できない」という。
さあ早くも粛清が始まったぞ。わくわくしてくるなあ。
ということで、夕刻外を見たら、晴れてきて、東の空に12夜?の月。
きれいな雲である。
センチメンタルになるぜ。
出所まであと2日。
6月6日(土) 播州龍野の日常
早朝に雲がかかっていたのが、見る見るうちに晴れ上がってきた。
「下男」には嬉しい洗濯日和である。
張り切って冬物とか布団カバーなども洗う。
あとは書斎から外を眺めてボケーーーーッと過ごす。
夕方に近い午後、30分ほど散歩。
青葉の上で雨蛙が一服してはった。
まだ若葉色。そのうち濃くなるのであろう。
おれも蛙を見習うようにしている。
播州龍野においては、クルマは車種も色も、このあたりでいちばん多いタイプである。
服装はグレイはベージュで、ほとんど作業服に近い。
環境に溶け込んでしまうのが気楽なのである。
問題は、大阪と播州龍野、1週間ごとに切り替えるのが、なかなか難しいのである。
播州龍野の格好で帰阪すると浮浪者そのものだもんね。
などと愚考しつつ、着替えの用意。
明日は「出所」である。
6月7日(日) 播州龍野→大阪
出所なのであった。
朝から張り切って下男(おとこし)仕事を片づけ、昼前の電車で大阪へ移動する。
移動経路、どこもかしこも工事だらけ。
まず、姫新線・本竜野駅が取り壊されて新駅工事開始。
駅前の道路拡張と併せて2年ほどは工事が続くか。
姫路駅は慢性的に工事中。姫路城の改修もあるから、おれの生きている間はずっと工事。
JR大阪駅に着く。ホームの上のコンコースの工事も始まっていて、視界はほとんど工事現場。
帰路も、茶屋町の東側、北野教会の更地と、工事現場ばかりである。
帰館。
ほっ。
よくぞクレーンの倒壊にも遭わず無事に帰れたものである。
雑事山積。
ま、しかし、しばらくは大阪での生活となる。
6月8日(月) 穴蔵/堺沖人工島/さかな
穴蔵にて粛々と雑事を片づける。
夕刻に近い午後、相棒の某くんがクルマで迎えに来てくれ、市内を南下、堺市の沖にある人工島の工場へ向かう。
巨大な化学プラントが並ぶ一帯、工場萌え諸君にはたまらない景観であろう。
前に来たのが8年前の年末……ボンクラ・サラリーマン生活をやめてしばらくの頃である。
周辺、あまり変わっていない。
対岸のM化学のプラントが新しくなっているくらいか。
タイムマシン格納庫を播州龍野へ移すまで、ここの一角に居候していた。
その時に世話になった某氏が今月で退職するという。
ということで、挨拶とお礼を兼ねての訪問。
せっかくだからと、夜、堺の某店で一杯やることになった。というか、こちらが主目的である。
グルメ誌などに紹介されると困るので特に名を秘す某「さかな」店で盛大にビール。
ここに来るのは9年ぶりだが、店の作りも料理の豪快さも値段も、まるで変わっていない。
お通しの小鉢がわりにと出てきたのが「中トロのぶつ切りにウニを載せたの」で、これがほんの序の口だから凄い。
漁師料理がそのままボロ家に持ち込まれたような雰囲気である。
ということで、事情があって禁酒の某くんのクルマで深夜の帰館。
あ、BSで『宇宙水爆戦』放映の日だが、とても起きてられない。
寝る。
6月9日(火) 穴蔵
ほぼ終日穴蔵。
色々出かけたいところがあるのだが、某所からバイク便で届けられるはずの機密書類を待たねばならず、ずっと待機である。
午前中届かず、昼は専属料理人にお弁当を届けさせる。
お、案外いけるではないか。
いつもこうしてもらおうかな。
14時前にバイクの兄ちゃん到着。
慌ただしくPDF化して某国へメール……このへんのことは便利になったなあ。
ただし古典的な手続きも必要で、EMS発送のため茶屋町アプローズ地下の郵便局まで歩いていく。
これ本日唯一の外出。
曇天で雨は降らず。が、夕刻には西日本「梅雨入りらしい」という報道あり。
以前の「梅雨入り宣言」というのはいつからなくなったのか。
これも役人の責任逃れなんだろうな。外れて文句つけるやつがいるからだろう。
ただ「仕事」としてやっている以上、堂々と「宣言」する方がいいのではないか。
気象庁の役人、自分の仕事に自信も誇りも持ってないように見えてならない。
……と諫言を呈するのは、本日「Certificate」とか「Declaration」なる文書を6種類も作ったからであろう。
民はこれくらい面倒な作業をきちんとやっとるのだぞ。
6月10日(水) 穴蔵/A.P.J.
ほぼ終日穴蔵。
某所からバイク便で届けられるはずの機密書類待ち。
昨日と同じパターンである。
2ヶ所で発行される書類の片方が1日ずれたためなり。
雨天になったから落ち着いて本が読めるけど。
午前中届かず、本日は事情あって専属料理人お弁当も届かず、昼は5分ほど穴蔵を抜け出して「河春」の500円弁当を買ってくる。
うどんの「たけうち」の並びにある店。むろん「河春」の方が遙かに古い。まあまあの店。グルメ誌が時々取り上げているけど、それほどの店じゃないよ、むろん私見だけど。
ということで15時前に機密書類が届いたが、銀行に持ち込むには遅い。
すべては明日に送る。
夜、専属料理人と歩いて梅田へ。
梅地下の北端から南端近く(桜橋)まで歩いて、「Mr.Kelly's」へ。
A.P.J.のライブである。
久しぶりにプログレ堪能。
1年ぶりかなと思っていたら、前回聴いたのは2006年3月で、3年前なのであった。
2ステージ22時20分頃まで。アンコール曲「クラゲ注意報」なんて草上仁さんの名短編を思い出させる名曲だなあ。
例によって水野正敏さんのMCが面白いけど、変拍子は疲れるというのは本音かもね。
ちょっと思い出した話。
昔、高信太郎がチャンバラトリオのカシラ・南方英二さんを紹介してくれた。
コーシンが「ハードSFの堀さんです」といったのだが、わかるはずない。
怪訝な顔で「ハードSFて、なんです」などとコーシンに訊いてはる。
で、カシラ、あとでおれに向かって、
「えらい難しいことをやってはるんですなあ」
以来、おれのカシラ支援度はさらに上昇した。
この「ハードSF」を「プログレ」に置き換えて、機会があれば難波弘之さんをカシラに紹介したいものだ。
きっと同じ反応をしはるであろう。
などと愚考しつつ、帰路、すぐ北側にある「まん馬」に寄ってスンドゥーフ、キムチ臭を放ちつつ地下街を歩いて深夜の帰館……あ、これも3年前と同じパターンだ。
6月11日(木) 穴蔵/100万人の蝋燭
昨夜夜更かししたものの、午前5時に気分よく目覚めた。
穴蔵にて粛々と仕事。
9時過ぎに梅田へ。
某行の外為へ書類一式を持っていく。
先日来の煩瑣な仕事はこれで一区切りつく。
ということで、いったん帰館、午後は自転車で梅田ウロウロ。
「ジャズの専門店ミムラ」で中古CDを2枚、紀伊国屋で数冊、ヨドバシのパソコン・パーツ売り場にいたら、某行外為から携帯に電話がかかってきた。
書類2枚に裏書きのサインが必要だという。
5分で行く。
ジーンズにヨレヨレのシャツ姿だが、着替えに帰るのも面倒だし、融資を受ける立場ではないから、貧相な姿を見せても支障はあるまい。信用とは服装でなく金である。
ということで、雑事は(たぶん)完了。
夕方まで本を読む。
夜、晩酌時に専属料理人が、茶屋町一帯で1000000人のキャンドルナイトというイベントをやっているという。
「100万人のよる」なんて雑誌を思い出すなあ。
ま、縁日というか夕涼みムードで、茶屋町アプローズの南側へ行ってみる。
あちことに瓶詰めのローソクなどが並べられている。オブジェも色々。DDハウスの方にもあるらしい。
結構な人出。
渋滞気味なのは、携帯普及で「撮影人口」が過半数という事情であるかららしい。
「撮影は手短にお願いします」というアナウンスが繰り返されている。
恐るべき画像時代だなあ。などといいつつ、おれも三脚を持っていたけど設置する場所もなかった。
6月12日(金) 穴蔵/鳩山邦夫辞任
気象庁が「梅雨入らしい」といったとたんに晴。こんなものである。
市内をウロウロしたいと思ってたら、某国からややこしいメール。
資料を作り直してPDFで送り、返事待ちで待機。
その間、某行へ書類の差し替えで往復しなければならず。
午後も待機しなければならないので、昼は阪急のデパ地下で「米八」の「角煮弁当」840円を買って急いで穴蔵に戻る。
*
「米八」はおこわの店。縁起がいい名前なので(堀川戎で桂米八師匠にお祓いを受けるとタイムマシン業が好調なのである)前に弁当を買ったら、これがなかなか。以来、お弁当ならここである。
今週はずっと「待機」で、昼は穴蔵で弁当が3回目である。
穴蔵では基本的に飲食はしないことにしているので、例外的な週である。
午後も待機。
と、鳩山邦夫が辞任のニュース。へぇーー。
西川善文という「老人斑の浮き出した希代の悪相」悪徳商人がここまで露骨に開き直った例は近代史上初めてではないか。
くたばり損ないの老人が、ここまでして隠さねばならぬ巨悪を想像すると恐ろしくなるねえ。
それがどんなものかは、有森隆『「規制改革」を利権にした男 宮内義彦』(講談社α文庫)を読んだばかりだから、だいたい想像がつくんだけど。
今回に限っては、野党のいうこと、いずれも正論で、不思議な気分だ。
特に国民新党の長谷川くん。
「家老が、御用商人が懐を肥やしていると殿様にいったら、切腹を命じられたようなもの」は至言である。
惜しむらくは、鳩山邦夫が悪代官面であることかなあ。もう少し色白でやせていたら、通俗時代劇パターンでわかりやすいのだがなあ。
などと愚考しつつ、午後、某国からの返事はなし、半日無駄にした気分だ。
土日はウロウロすることにするぜ。
6月13日(土) 穴蔵/ハチ
市内ウロチョロする予定であったが、天気がいいので、冬物を洗濯に「自宅」へ持っていったり(専属料理人は専属洗濯人でもある)、本やCDの整理したり(専属料理人は専属掃除人ではないのである、穴蔵については)で、昼過ぎになってしまった。
午後は、片づけの最中に出てきた読みたい本をめくっていたら、もう夕方になってしまった。
まあ無為な日ではなかった。
シャワー後、晩酌。
夜、ちと気になることあってチーハに電話したら、若手の常連集まってこれからライブをやるという。
共通の親しい人の追悼を兼ねたライブという。
気分が落ち着かず、21時頃に自転車でハチへ。
棚に写真が飾ってあった。
委細は後日に。
水割り2杯飲んで、酒気帯び自転車で空いた道を選んで帰館、23時前。
寝る。
6月14日(日) 穴蔵/ウロウロ
わ、二日酔いに近い朦朧である。
朝6時に起きて、朝刊を読み朝食も食べたが、また仮眠、昼前まで生産的なことはできなかった。
昼前から、自転車で西回りの徘徊コース、ヨドバシ〜北ヤード〜桜橋(Waltyなど)〜ジュンク堂〜旭屋と回ったところで、喉が渇いてきたので、「市力」にて寿司。
トロ、イカ、穴子、甘エビ、ネギトロなどつまみつつ、ビール、ついでに熱燗。
市力は曾根崎小学校の南側、塀に沿った路地にあって、昔は寿司屋がずらっと並んでいた。
今では亀寿司と市力だけかな。
まあ大衆的な寿司屋で、今は回転寿司に押されて苦境なのであろうか。
おれの場合、ここに旧NULLの同人だった人に連れてきてもらったのが学生時代(1965年)で、以来、家族で来たり、なんやかやで、もう半世紀近くになる。たぶん最古の店。ハチより古いのである。もう腐れ縁。
おれは回転寿司には行かんよ。
ということで、自転車での徘徊はここで中止。
まっすぐ帰館。
入手したボブ・ウィルバーを聴きつつ昼寝するのである。
6月15日(月) 穴蔵/DVD化
穴蔵で使っている14インチのテレビデオが不調、テープが絡まってしまった。
DVDの時代であろうなあ。
午後、ヨドバシへ行って、ビデオキャプチャー(GV-MDVD3)を買ってくる。
「自宅」にあるビデオデッキを持ってきて、パソコンに接続。
ビデオテープをDVD化していくことにした。
映画はたいていDVD化されているから、テレビから録画したジャズと落語関係がメインで、3、40巻くらいだろう。
ま、ぼちぼちやっていくことにしよう。
設定に意外に手間取る。夕方までかかってしまった。マニュアルが不親切なのである。
DVDレコーダーは定額給付金が出てからにするか。
そういえば……大阪市の定額給付金はどうなっておるのか。5月初めに申請したものの、周辺で貰ったという住民は皆無だ。
明日の酒代をどうするか心配になってくる。
ということで、ビデオを整理していたら、ハマコンで暗黒星雲賞を受賞した「S年F組授業ライブ」が出てきた。
もう時効だから公開することにするか……
そろそろ就眠と思ったところにニュース。
金正雲の側近が正男の暗殺を計画したが、中国当局によって阻止されたとか……わくわくしてくるなあ。
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