『マッドサイエンティストの手帳』452

●マッドサイエンティスト日記(2009年4月後半)


主な事件
 ・姫路ウロウロ(18日)
 ・大阪城公園(3日)
 ・花見(7日)
 ・Sunday at Jazz Club 例会(12日)
 ・発作的高知行き(22-23日)


4月16日(木) 播州龍野の日常
 薄曇りなり。
 うすらバカ化してきたおれにふさわしい天気である。
 相も変わらず下男仕事。
 合間にボケーーーーーッと書斎で過ごす。
 3月19日に衝動買いしたONKYOのX-N7FXにUSBメモリーを差し込んで、ランダムモードで流す。
 2GのUSBメモリーにMP3でCDを40枚419曲収録。
 cl:ts:p-trio:etc=4:3:2:1の比率である。etcはグラッペリとかミルト・ジャクソンとかマイルスなど。
 しかし、これだけ曲があっても、2日目になると、ローランド・カークとかアルバート・アイラーなども1、2曲聴きたくなる。贅沢なことであるなあ。
 次回の帰阪時にはフリージャズ系もMP3化することにしよう。
 早寝するのである。

4月17日(金) 播州龍野の日常
 本日も下男生活なり。
 夜来の雨が明け方にはあがり、薄曇りが、洗濯物を持って庭に出る頃には薄日が射し、午前9時には老母の冬物パジャマを乾かすがごとく日が射し始めた。
 下男としては嬉しい。
 下男仕事の合間、細切れ時間はあるものの、仕事らしきことには集中できず。嗚呼。
 昼飯のあと、図書館へ行って週刊新潮を読む。
 『朝日新聞・阪神支局襲撃の実行犯“実名告白手記”』という「虚報」の顛末を早川清編集長が長々と書いているのだが……金払って読む記事ではないなあ。あ、おれはタダで読んでるけど、図書館は龍野市民の税金で買っているはず。ともかく、週刊新潮のその他の記事すべてが虚しく見えるところがすごい。
 可哀想だけど流れは廃刊だな。編集部はそのつもりはないだろうけど、売れ行き急減は避けられないだろうから、いずれ経営判断で廃刊となるだろう。
 前にも書いたけど、週刊新潮に限らない。
 この騒動について島村征憲にインタビューした週刊文春もサンデー毎日も、その記事は低調だし、他に読む記事もなし。
 週刊誌の使命は終わったのだろう。
 現に、酒代よりは書籍代の方が多いこのおれが、週刊誌は買うのはやめてしまったのだもの。
 夕方に近い午後。
 運動不足なので、COOPへ自転車で買い物に行き、ついでに祇園橋の上流、神岡あたりまで走る。
 揖保川左岸から赤とんぼ風車を見る。
 
 春風……微風というよりもほとんど無風に思えるが、ゆっくりと回転している。たいしたものだ。
 人間の晩年はかくありたいもの。わずかでも(風車の場合は電力で)貢献しているではないか。
 ということで、ヤッコその他色々でビール飲んで早寝するのである。
 
4月18日(土) 播州龍野の日常/姫路ウロウロ
 快晴である。
 張り切って下男仕事を片づける。
 昼間、息抜きに、姫路に出ることにした。
 姫新線にて移動。
 主目的は本屋であって、姫路駅のジュンク堂書店を1時間ほどウロウロ。
 読者を「虫」「小学生」扱いしている“小説作法書”があるというので、妙な興味で立ち読み。
 イヤハヤ。15分ほどで読めるから「読みやすい」のは確か。
 おなじみ「勝三寿司」で昼飯。
 天気がいいので、姫路城まで歩く。
 無料エリアのみ。
 
 来年から「平成の大改修」で、天守閣が巨大な箱でスポッと覆われるかたちになるらしい。
 それはそれで面白そうな。
 おれが中学高校と6年間姫路に通学していた時期が、ちょうど「昭和の大改修」の時期で、トタン屋根みたいにのばかり見ていた。卒業アルバムの写真も工事中のである。
 ともかく、姫路は(姫路駅とかモノレールもだけど)いつも「工事中」の印象なんだよなあ。
 昔の通学路を戻る。
 汗ばんできたので、姫路駅地下の「石挽蕎麦 御座候」にて、重ねせいろで龍力の冷酒。
 昼間から食べ過ぎ・飲み過ぎか。
 再度ジュンク堂に寄って、4冊ばかり購入、姫新線にて帰館。
 さすがに夕食はそう食べられない。
 豆華のヤッコ、枝豆で軽くビール。
 そうめん1束で仕上げ。
 下郎風情には贅沢な一日であった。
 早寝するのである。

4月19日(日) 播州龍野の日常
 本日も下男日和である。
 ヒノキ花粉がまだ多いようだが、おれの場合さほどでもないので、冬物衣類もまとめて洗濯する。
 毛布も日干しして片づけることにした。
 あとは寝転がって本を読んで過ごす。
 『日本鉄道旅行地図帳12号・九州』をパラパラ。
 そういえば……
 おれはテツではないのだが、播州龍野の実家に数日前に配られた、JR西日本労働組合のチラシが気になる。
 姫新線の高速化反対!とある。
 このチラシによれば、姫新線に時速100キロまで出せる新型車両を導入して、来年春から高速化(といっても、本竜野〜姫路で3〜4分の短縮?)しようとしているが、危険だから反対ということらしい。
 
 新型車両はキハ122、127系である。
 確かに、姫路駅の高架化、ホームの工事、本竜野駅の改築、車両の入替……と、姫新線のリニューアルは急ピッチである。
 アンケートによれば高速化より増便の希望がいちばん多いという。
 おれも朝の増便希望で、特に姫路発が、7:28〜8:28までの1時間、本竜野行きがないのが不便でしかたがない。
 主張だけを読むなら、JR西日本労働組合のいうことはもっとも。
 ただ、尼崎での脱線事故の車掌が所属している組合だからなあ……。
 こういうのは、何か政治的なウラがありそうで、素直には受け入れがたいのである。
 もう少し調べてみることにしよう。

4月20日(月) 播州龍野の日常
 薄曇りが午後には曇天、時に強風が花を散らす。
 わが心象風景なりや……と思うものの、明日からしばらく「仮釈放」なので、気分は明るいのである。
 冷蔵庫内の整理を兼ねて、昼は雑野菜を炒めて焼きそばを作り昼ビール。
 午後は本を読みながら2時間ほど昼寝する。
 気楽な生活ともいえるが、残り少ない時間、仕事が出来ない生活というのはつらいものだ。
 夜には雨になる。
 早寝するのである。

4月21日(火) 播州龍野→大阪/動く動く
 朝だ、雨が……降っているけど、朝刊はきちんと届いている。
 J・G・バラード氏の訃報。78歳。1970年にオールディスがバラードについて、酒のグラスを持って「His life is this.」といった……はずだよなあ。
 そのオールディス氏は琵琶湖ホテルで朝からおれにビールをおごってくれた。以来「My life is this!」だもんね。
 あれから39年……そう気にせずに飲めばいいということかな。
 バラードは「ニュー・ウェーブの旗手」みたいにいわれるが、おれは『沈んだ世界』が最高傑作と思うし、これはコンラッドに比肩する本格的な(イギリスの)冒険小説だと思う。コンデンスド・ノベルは業績のごく一部だろう。
 などと感慨にふけりつつ下男仕事。
 助っ人来たりて役務交替。
 午前中の「キハ127系」で姫路へ移動し、昼頃に大阪に着く。
 いったん穴蔵に戻る。
 地下鉄で上町台地の頂点近くへ。
 パスポートセンターでパスポートを受け取る。
 空腹を覚えて……『Y堀』という和食の店で遅めのランチのつもりだったが……14時近いので、発作的に谷三あたりの「上等カレー」というチェーン店で550円のカレーを食ったが……嗚呼。ノーコメント。
 法務局へ行って某本をとる。
 さらに小雨の中、坂を下って大阪商工会議所へ。
 タイムマシン関係の某証明書のためには某更新が必要なのである。更新手続き。
 梅雨空のごとく……高温多湿で、久しぶりにネクタイしてセカセカと歩いてたら、下着までグジョグジョになってしまった。
 穴蔵に戻る。
 と、不在中に某行から某状が某留で届いたらしく、不在通知がポストに入っている。
 宵の口、スカイビル北側の中央郵便局まで自転車で受け取りに行く。
 雨はあがり快適である。
 本日は専属料理人が実家行きで不在、外食も面倒なので、帰路、ほっかほっか亭で「竹の子御膳」590円を買って帰ったら、ボンクラ親父の息子その2がカレイの煮つけや山芋の小鉢などを作っていた。
 よく動いたからビールがうまい。
 おいしいところを色々つまんで盛大に飲み、竹の子ごはんは冷凍にする。
 明日も発作的に動きたくなったので早寝する。早寝でもないか。
 2日ほど行方不明になるかも。

4月22日(水) 発作的高知行き
 発作的に高知へ行くことにした。決めたのは昨日だけど。
 三番街から出発する阪急の高速バス(四国や山陰方面が多い)を見たら、急に高知へ行きたくなったのである。
 おれは高知で生活したのは40年前の数ヶ月、ボンクラ・サラリーマンに成り立ての頃である。
 その後、仕事で何度か行っているが、それも30年前までのこと。出張時は繁華街をウロウロすることはなかったから、実質的には40年ぶりか。
 阪急バス「よさこい号」は、明石海峡大橋を渡り、淡路島を抜け、鳴門大橋を渡って徳島経由で高知に向かう。
 これはまったく初めてのコースだから退屈しない。
 昼過ぎにはりまや橋に着いた。はりまや橋は平成10年3月に完成したらしい。
 ずいぶん新しいんだなあ。
 最初の目的地は昔生活していた場所である。
 高知駅が高架化していて、駅を北側に向けられるから、徒歩でもずいぶん近くなっている。
 ちなみに高知駅に「立ち食い」はなし。いかんぞ、これは。
 巨大ショッピングモールに変わっていて、塀に沿っての樹木だけが残されていた。
 
 樫の木は残った。
 愛宕町を抜けて、昔よく歩いたコースで帯屋町あたりまで30分以上歩く。
 記憶にある店も建物も皆無であった。
 駅近くのホテルにチェックイン。
 さあ酒とジャズの時間である。
 北本町の「アルテック」へ行ってみる。
 が、なんと朝8時〜18時の営業で、10分前に閉店したところであった。
 住宅街を歩いて帯屋町へ。
 居酒屋「大吉」へ。
 
 どろめ。うまーーーっ。今季初めてカツオのタタキをいただく。うまーーーーっ。名物だというイワシ団子を勧められていただく。うまーーーーーっ。ビール、土佐鶴の生貯蔵をいただく。たまらんなあ。
 最後は鯖寿司(※清水鯖と表記/これは足摺岬沖で獲れ土佐清水市で水揚げされた鯖という/バカウマに決まっている)でと思っていたが、これはとても食べられそうにない。2名以上で来るべきかなあ。
 隣席の男性(Sさん)が話しかけてくる。須崎から月1晩、息抜きに高知へ出てくるのだという。全国を飛び歩いて仕事をしていたという経歴を聞くと、その気分はよくわかる。ジャズも好きらしく、妙に話が合う。
 高知でジャズの店はと訊くと、なんとカウンター向こうの「大吉の大将」が、「木馬」という店への道順を教えてくれた。
 「大吉」の大将もここの常連だとか。
 ということで、Sさんと「木馬」へ移動する。
 「木馬」は、中央公園東側の路地を入ったところにあるジャズ喫茶で、1962年開店というから、全国的にも歴史のある店だ。
 
 最初のオーナーが亡くなられてから妹さんが継ぎ(今は昼のみ)、夜はバー営業で「夜の部」を仕切っているのは常連だった三代目?吉川リカさん。しかもダンナはドラマーの吉川英治さんである。
 2階がライブスペースになっているというので見学させてもらい、ちょっとドラムも聴かせてもらった。
 唐口一之さんや宮哲之さんも時々来るという。
 しかも……「角のハイボール」がちょっとしたブームになる遙か以前から、ここでは角ビン一筋だったという。
 いい雰囲気の店だ。できればライブに合わせてまた来よう。
 Sさんがぜひとももう一軒案内したいという。
 同じく帯屋町の「エルレロ」というスナックへ。
 
 ここのハウスピアニスト、容貌にふさわしく端正な演奏である。
 スタンダードを数曲リクエスト、軽やかに弾き語りまで披露してくれた。
 「オヤジ」の坂本さんは時々パーカッション。
 高知ジャズ、なかなか奥が深いぞ。
 モラスキーさんの調査で高知が抜けたのは惜しいなあ。

4月23日(木) 高知→大阪/裸になって何が悪い
 朝6時に気分よく目覚めた。
 高知駅のバスターミナルから朝の高速バスで帰阪。
 乗客は3人である。
 リクライニング・シートを倒して、半分眠って移動。
 昼過ぎに三番街についた。
 と……夕刊紙「草なぎ剛 公然わいせつ罪で逮捕」の大見出しに仰天。
 要するに、草なぎメンバーが、酔っぱらって午前3時に公園で全裸になって騒ぎ「公然わいせつ罪」で現行犯逮捕されたということらしい。
 木の芽時である。
 酔って裸になって外気に触れるのは気持ちいいものなあ。おれも淀川堤に寝そべって星空を眺めると、宇宙遊泳しているような気分になるもの。全裸にはならんけど。
 午前3時の公園だと、暗くて、アレは誰にも識別できず、実態は「公然わいせつ」なんてならないはず。せいぜい「騒音」が迷惑になったってところか。
 明日は我が身であるなあ。
 そうなるとSF作家クラブに退会届けを出さざるをえまい。
 日本SF大賞も返上して「日本SF裸の大将」の称号をいただくのである。

4月24日(金) 穴蔵/ウロウロ
 本日も晴天なり。
 終日穴蔵にて仕事……のつもりであったが、関西破門状、じゃなかった某国信用状の関係などあって、午後、某行外為へ行ったり、雑事色々。
 ついでにミムラに寄ってケン・ペプのCDをゲットしたり、チーハでヒーコ飲んだり。
 ハチからの帰路、この3週間ほど散歩コースを歩いてないと、近所の眺めが大きく変貌していることに気づく。
 アーバン茶屋町(安藤忠雄設計)の上層階が姿を現している。
 
 このエッジの鋭さ、真下を通ると巨大マサカリを振り上げられたような気分だ。
 ちょっと、いや大いに、怖い。
 豊崎ビルが完全に姿を消した。
 
 30年以上見慣れたビルであった。
 地下にあった大食漢御用達の名物喫茶「Y」は最後まで残っていた。
 どうなるか心配してたけど、200メートルほど東のビルに移転している。広島の腹くん、安心したまえ。
 わが穴蔵から見る梅田ローレルタワー。
 
 1月6日にほぼ最上階まで出来ていたのが、屋上の「冠」ができあがって、クレーンが姿を消している。
 クレーンを下ろすところを見たかったのだがなあ。
 最上部7階の作りが嫌みだ。
 夕刻、専属料理人が実家方面から帰ってきた。
 ということで、夜は、枝豆、しらす、石鯛刺身、黒はんぺん、野菜炒め、金目鯛煮付け、わさび漬け、新生姜+味噌など並べてもらって、ミムラでゲットしたケン・ペプロフスキーの新譜聴きつつ、ビール、冷酒。
 早寝するのである。

4月25日(土) 穴蔵
 終日雨である。
 雨降りだからSFでも勉強しよう。
 ……と机には向かっていたが、いまひとつ気合いが入らない。
 色々読んだり聴いたりで1日が終わる。嗚呼。
どうでもいいニュース
 要するに、福岡で70歳の爺さんが女子大生に一目惚れ、ラブレターを送ったが無視され、殺すぞと脅して逮捕されたというのである。
 いやはや。
 恋愛感情は理性でコントロールできないから恐ろしい。
 おれが女性も恋愛も書けないのは、怖いものには近寄らないことにしているからだが……そんなことはどうでもよろしい。
 「ラブレター」という方法がいかにも年齢を感じさせるが、おれはこのニュースで、半世紀以上前にラジオで聴いた恋文ギャグを思い出した。
  おれはお前をあいうえお
  だから手紙をかきくけこ
  嫌なら刃物でさしすせそ
  そして命をたちつてと
 そのまんま実行してるではないか。
 東京の落語家だったと思うが、誰だったか思い出せない。痴楽か三平? いや、もう少しマイナーな噺家だった気がする。
 70歳の無職山田孝之、同じのを聴いていた可能性が高いな。

4月26日(日) 穴蔵
 定刻4時に起床。調子が戻ってきたか。
 4時30分から「日本の話芸」再放送、桂千朝『鹿政談』を見る。
 千朝さんも年相応にいい雰囲気が出てきたなあ。
 朝は晴れていたのに、9時頃から曇り、晴れ間があったり急に雨が降ったり、寒くて不安定な天気である。
 こんな日は終日穴蔵にて仕事……のつもりだが、いまひとつ気がのらない。
 たいした成果のないまま1日が終わる。嗚呼。
 夜は笑福亭福笑師匠のDVDを見る。
 福笑師匠、風貌が小沢一郎をちょっと連想させる。
 民主が失速状態だが、ひとえにイッちゃんの愛嬌のなさに起因するのだろうな。
 本気で政権交代を考えてるのだったら、小沢一郎は福笑師匠の話術を学ぶべきであろう。

4月27日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。
 相変わらず寒い。
 寒い日だから解析力学でも勉強しよう。
 橋元淳一郎さんの『単位が取れる解析力学ノート』をひもとく。
 だいたいおれはこの40年、偏微分なんて仕事では一度も必要なかった。ニュートン力学で十分な世界で飯を食ってきたからである。
 冒頭にある「ラグランジュアンLはなぜT−Uなのか」(Tは運動エネルギー、Uは位置エネルギー)
 これはおれも昔から不思議に感じていたことである。
 (だいだい工学系は、函数論もそうだけど、理由はどうでもいいから道具として使え、だもんね)
 橋元さんの数式の展開はエレガントである。
 一方で、いろもの物理学者前野昌弘博士の疑問もこれまた面白く、刺激的である。
 終日あれこれやってみるが、数式展開の能力が(ボケが進んでいるから)からきしダメである。
 ここで、おれの直感的イメージというか妄想を書いておくことに。
 ニュートン力学と解析力学の違いは、前者が質点の運動「神の視点」で記述するのに対して後者が「質点の視点」で記述するところにあるのではないか。
 投げられたボールの軌道を記述するのに、ニュートン力学では距離から速度→加速度を割り出す。
 解析力学ではラグランジュアンを偏微分する……外部が見えなくても自分(質点)が受ける加速度と時間で自分の運動が記述できる。
 小説でいえば、3人称と1人称の違い。
 SFでいえば、スペオペの宇宙船と、通信機能と観測装置を失った宇宙船の内部の違い。
 で、なぜ「最小作用の原理」が自然の根本にあるのか。
 これは「質点」に感情移入すればわかりやすい。
 動く(動かされる)のが面倒だからである。変化を嫌う、これ宇宙の本質あるね。
 おれは「慣性の法則」と「最小作用の原理」を止揚して、これを「無精猫原理」と名づけた。
 落語『無精の代参』のマクラに出てくる黒猫から思いついたのである。
 「無精」こそ物理の本質。
 この原理は、物理法則のみならず、社会学まで敷衍できる(たとえば、パーキンソンの法則など、役人は無精と考えればすべて説明できる)。
 ではそんな無精宇宙になぜ文明が生成したのか……これは宇宙がビッグバン以来、膨張しつづけているからではないかと想像するのだが、これ以上の展開は面倒になってきたので、無精猫原理によりここまで。
 以上、あくまでも妄想であります。
 『単位が取れる解析力学ノート』は大学理系(たぶん)教養の参考書だが、刺激的な読み物である。
 久しぶりに解析力学に接して、ちとおかしくなってきた。

4月28日(火) 穴蔵/ウロウロ
 定刻4時に起きる。
 早朝のニュースで豚インフルエンザがフェーズ4。ほほう。
 いよいよパンデミックか。
 天気がいいので、この際、穴蔵を冬→夏モードに変更する。まだ少し寒いが。
 ベランダにて色々日干し。床に散乱・堆積している本・CD・雑書類を整理する。
 午前中でだいたい片づいた。
 今のうちに出歩き仕事も片づけておこうと、昼前に出て、市内ウロウロ。
 チーハでランチ。
 3箇所回って雑事処理、これで連休明けまで仕事で外出する必要はたぶんないだろう。
 近所の豊崎西公園。
 
 ニャロメの木も新緑である。
 さあ、部屋もすっきりしたことだから、これから穴蔵に閉じこもって、少しは仕事もしなければなあ。

4月29日(水) 穴蔵
 朝刊に中丸忠雄氏の訃報。
 76歳。まだ特異な悪役がやれる年齢ではないか。
 中丸忠雄といえば、なんといっても「独立愚連隊」と「どぶ鼠作戦」における佐藤允との「決闘」シーンを思い出す。
 中丸忠雄を最初に見たのは「独立愚連隊」の射撃場(沢村いき雄を撃つ)の場面だが、あれは凄かったものなあ。
 ともかく、中丸忠雄と天本英世抜きに岡本喜八作品は成立しなかったのだ。
 できることなら筒井康隆との凄絶な決闘場面を見たかったなあ。
 ということで、本日は、喪に服するわけではないが、終日穴蔵。
 少しは仕事も……するつもりだが、天気がいいので、昨日に引き続き、穴蔵の整理、冬物の片づけ。
 夕方から「ソリトン・スタジオ」でボブ・ウィルバーのLPなど3枚をデジタル化する。
 ウィリー「ザ・ライオン」スミス参加のLP『California Here I Come』……1971年の制作だが、録音がいつかはっきりしない。いずれにしても晩年の録音だが、ドラムがエルヴィン・ジョーンズである。いいなあ……。
 夜は豚!テキ、ゴーヤチャンプル、その他を並べてもらってビール、湯割り。
 久しぶりにビデオで『どぶ鼠作戦』を見る。

4月30日(木) 穴蔵/ウロウロ
 定刻4時に起床して、4時半からNHKのニュース(※アナウンサーは井上二郎くん)を見ていたら、5時過ぎにブタ改メ新種インフルエンザがフェーズ5に昇格した。
 ※井上二郎:数年前までNHK神戸で『ニュースKOBE発』を担当していたアナ。声が抜群によくて、難聴の老母がともかく聞き取りやすいとファンであった。地方局の夕刻から全国区の早朝へ。ま、栄転というべきであろう。
 で、フェーズ5である。
 これはえらいことですよ。
 本日も晴天なり。
 外出したいが、感染防止のためには終日穴蔵が賢明であろう……と思っていたが、月末の雑事色々あって、外出せざるをえない。
 昼前から自転車で梅田ウロウロ。
 チーハでランチ、ヒーコ。
 15時頃に穴蔵に戻る。
 雑事を色々とこなす。
 ということで、晩酌の後、寝る。

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