『マッドサイエンティストの手帳』439
●マッドサイエンティスト日記(2008年10月後半)
主な事件
・コスモス畑(20日)
・砥峰高原(21日)
・梅田「引きずり殺人」(21日)
10月16日(木) 播州龍野→大阪
朝も早よから下男仕事。
本日出所である。
午後の電車で帰阪。
こちらにも雑事山積である。
10月17日(金)
朝から穴蔵にて粛々と雑事の処理。
集中してやったら昼頃に終わる。
外出したついでに、昼過ぎ、玉一イサク店で豪勢に焼肉定食。
この店のいいところは、昼の生ビールが安いことである。
むろん生ビール付き。零細自営業者だからできる贅沢である。
広島の腹くん、うらやましがりたまえ。
チーハに寄ってヒーコ。
帰路、旭屋に寄ったら、店内、かなりの模様替え。実用書が全面に進出の様相である。旅とか料理ね。文芸書は単行本も2階に移った。時代であろう。
10月18日(土) 穴蔵
終日穴蔵。
海外向けのドキュメント作成。
運動不足なので、夕刻、淀川堤を散歩。
17時10分の落日を見る。
センチメンタルになるぜ。
10月19日(日) 穴蔵
終日穴蔵。
某コンテスト……と伏せることもないか……創作サポートセンターが募集した「大阪ショートショート大賞」の候補作十数編を読む。
半分にはすぐに絞れるが、ここからの順位に迷う。
再読、さらに半数にしぼって三読。
夕刻に結論を出す。
10月20日(月) 大阪→播州龍野/コスモス畑
早朝の電車で播州龍野へ移動。
下男仕事色々。
午後、母を揖保川町馬場地区のコスモス畑へ連れて行く。
昨日が「コスモス祭」だったので、静かなもの。
5ヘクタールの休耕地に500万本のコスモスという。つまり100本/uか。ざっと数えてみたら、だいたいそんな見当であった。
ということで、本日は晩酌のあと、早寝。
午前1時(テレビでいう25時)に起きて、25:10〜NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の柳家小三治特集の再放送を見る。
喜多哲士さんの評が面白くも鋭かったからである。
なるほどなるほど。
脳科学者というのは、他人のアタマの中身なんてすべてわかってるよという気分になるのかなあ。
住吉美紀という女性司会者の大仰な反応も(特に目の動き)が気色悪い。
桂小三治の「小言念仏」を聴いたのは南光さんの襲名披露公演の時だったかな。一度だけである。この方の妹さんは音楽家のはずである。関係あるようなないような。
10月21日(火) 砥峰高原
天気がいいので出かけることにする。
老母の昼食などを用意したあと、午前9時頃に出る。
目的地はススキに名所といわれる「砥峰高原」である。
播但道(東側)から行くのが普通らしいが、龍野からだと北進して、福知から県道をたどるコースがあるらしい。
宍粟市には親戚があって来たことがあるが、ここからの「県道」……途中からすれ違うのが怖いような道になる。
約50キロ、1時間20分ほどで砥峰高原に着く。絶景。想像以上に広大なススキの高原である。
*
しばらく散歩して引き返すつもりだったのが、結局展望台まで上り、一周3.1キロの散策コースを1時間ちょっとかけて踏破してしまった。
特別な「撮影スポット」はなく、どこでカメラを構えても絵になる。
以前、御殿場へ行ったことがある(これは喜八映画のロケ地を見るのが目的)が、自衛隊関係で制限されるし、起伏が思ったよりもなかった。
眺望はこちらの方がいい。
本日のニュース2件。
●「居酒屋で見せた後、路上で2千万円入りバッグひったくられる」
神戸市兵庫区の居酒屋で無職のおばちゃんが知人の男性客ふたりに「タンス預金が2000万ある」と自慢、「見せたるわ」と取りに帰って、自転車で持ってきた。「札束を見せるなどして」から店を出て、自転車に乗ろうとした際、近づいてきた男にバッグを奪われたという。
偶然のひったくりなら、犯人も自分の目を疑ったことであろう。が……男性客がトイレから誰かに電話した……ってくとにないよなあ、たぶん。警察には訊かれたか通話記録を調べられたかもしれないけど。
●「21日未明に梅田でひき逃げ?」
とんでもないニュース。梅田・阪神百貨店前で会社員をはねたクルマが、被害者を引きずって3キロ逃走。「真っ赤な血の跡が道路上を蛇行しながら3キロにわたって続い」ているという。これは引きずり殺人である。現場は、おれがトーテムポールのように仰いでいる梅田地下換気塔の前ではないか。おれの聖地でなんてことしやがる。
10月22日(水) 播州龍野の日常
下男仕事に並行してタイムマシン格納庫で某国向けタイムマシンの最終チェック。
梱包作業のためにチェーンブロックを買ってきて天井のフレームに取り付けテストしてみる。
「ホイストマン」2万円なんぼ。ベルトが結構高い。
相棒の某君がギックリ腰のため導入したのである。
天井走りにしたいところだが、そこまで頻繁に使うものでもなし、吊り上げて、下側の台座を入れ替えることにする。
自殺に偽装するトリックを思いついたが、ごく初歩的なので、たぶん先例があるだろう。宇宙ステーション内の首吊りにした方が面白いか。
10月23日(木) 播州龍野の日常
タイムマシン格納庫にて梱包作業。
午後は書斎にて、少しは仕事もするのであった。
タイムドメイン+携帯CDプレヤーで、大阪から持ってきたMP3でCD16枚収録したCD-Rをランダムモードで流しながら、あまりアタマを使わない作業。
デフランコ→ジョニー・ハートマン→花岡詠二→モンク→グラッペリみたいな順で出てきて、これはジャズ喫茶では流れない組み合わせである。
USB端子付きのミニコンポが欲しくなるなあ。
さあ、明日は蒔田友幸の判決である。おれは執念深いから忘れとらんよ。
大阪にいれば傍聴に行きたいところだけど、残念。
トロさんのタイトルに倣えば、「裁判長、ここは5年でどうっすか」……おれの予想は、求刑8年判決5年である。こいつは20年ほど世間に出さない方がいいと思うけどね。
10月24日(金) 播州龍野の日常
相棒の某くん、タイムマシンを搭載したクルマで関空の国際貨物センターへ向かう。
おれは乙仲某社からの連絡を待ちつつ、MP3でズージャを聴く。
午後に諸々の連絡あり、色々と連絡業務。通関は週明けになるらしい。
夕刻、蒔田友幸に懲役5年6ヶ月の判決のニュース。
ま、妥当なところか。
30歳くらいでシャバに戻ってくるわけで、また何かやりそうだな。
梅田の「引きずり殺人犯」はまだ捕まらない。
10月25日(土) 播州龍野の日常
ああ、田舎ストレスがピークである。
出所まであと1日。
終日ボケーーーーーッと過ごす。
夜はキムチ・カイワレ・トマト・ドバドバの盛岡冷麺で「神の河」ロック(大分のカボス絞り込み)を飲みつつタイムドメインでズージャ。
ささやかな楽しみである。
ムショは3食保証だが、これだけはやれんからなあ。
10月26日(日) 播州龍野→大阪
昼前、龍野の「青少年館」へ行ってみる。
たつの市立図書館の「ブックリサイクル・フェア」なるものがあるという。
図書館の本の「処分」で無料配布……どんな本が処分されるのかという興味で行ったら、入場制限で長蛇の列。龍野って、こんなに読書人口が多かったかしらん。タダというのは凄いねえ。時間ないので行列見ただけで退散。
午後の電車で帰阪。
夜は、専属料理人がこのところ不在(実家、どちらも似たような事情である)、さすがに本日は自分で料理する気力なし。
近所の凄まじくも安旨の立ち呑み屋「はなび」へ行く。
おでん、トンテキでビール。
10月27日(月) 穴蔵/梅田
穴蔵にて山積している雑事の処理。
昼過ぎ、金融機関関係のついでに、阪神前の「引きずり殺人の犯行現場」を見に行く。
曾根崎署のクルマ出入り口にビデオカメラが並び、カメラマンや報道関係者らしいのが十数人たむろしている。
犯人逮捕が近いのか……と思うが、そうでもないらしい。連行される場面を撮りそこなうとたいへんだからずっと待機している気配である。本を読むわけでもなく音楽も聴けず、ただボーーーーっと突っ立っている。業務とはいえ、たいへんだなこりゃ。小便しに行った間に動きがあるかもしれんしなあ。連中イライラしているはずだ。
被害者・鈴木源太郎氏が渡ろうしたのは陸橋の少し東、御堂筋からの合流もある、いちばん広い場所。たぶん始発に乗るために、阪急西側の地下街への入り口(ここがいちばん早い)へ向かうつもりだったのだろう。
地下街換気塔の北側、曾根崎署とは目と鼻の先である。大阪府警諸君の健闘を祈る。
10月28日(火) 穴蔵/梅田
わ、早寝したら3時に目が覚めた。
梅田が気になって4時前に自転車で陸橋へ行ってみる。お、相変わらず「検問」をやっている。
阪急側や陸橋上に報道陣が十数人たむろしている。
「一週間前に通りませんでしたか」などと訊かれる。某テレビの若い記者である。
「何か動きがあるんですか」と逆に質問……「あったらこんなとこにおりまへんわ」
検問はだいたいこの時間帯だけで、本日(1週間)をもって終了らしい。
曾根崎署側へも回るが、こちらはシャッターが降りていて、脚立が放置してあるだけ。
扇町公園を抜けて天五「ひろや」で朝食代わりに鍋焼きうどんで一杯。
ここの「大将」ますますやかましくなって、常連客との会話がテレビのバラエティ番組の影響か、全部「絶叫型」……騒がしくてしようがない。店がきたないのはともかく、旨いと感じなくなった。
本日をもって最終とする。
終日穴蔵に待機。
海外などメールとFAXの連絡色々。
10月29日(水) 穴蔵/梅田
朝のニュースで「東横イン」の元社長、廃棄物処理法違反で逮捕という。
おや懐かしい、西田くん、2006年2月6日の謝罪会見以来、久々の登場だ。
ま、違法建築発覚以前の投棄だから「忘れていた」ってのが本音だろうけど。
「サウンド・オブ・サンダー」のベン・キングズレーに似ているのだがなあ。あくまでも、そのとぼけた演技がだよ。
本日も穴蔵にて諸々の連絡待ち。
午後、やっと某乙仲から某書類が届く。
EMSで郵便局から発送。
ついでに梅田。
曾根崎署を見るに、本日は記者ゼロ。脚立が10脚ほど置いてあるだけ。事件は早くも風化しつつあるのか。
夕刻、専属料理人が帰宅。
夜は駿河湾のシラス、鰺の開き、黒はんぺん、わさび漬けなど静岡系中心に色々並べてもらって晩酌。
早寝するのである。
10月30日(木) 穴蔵/ウロウロ/玉一
早朝からドキュメントの整理。
9時に梅田の某行・外為に持ち込む。が、某乙仲のサイン漏れがあり、慌てて自転車で梅田〜信濃橋往復。さらに、おれのタイプミス1箇所に気づいて、穴蔵に戻り修正。
昼過ぎに再度持ち込んで、ともかく一区切りつく。
よく走ったものである。
ということで、さらに天五まで走り、玉一イサク店にてランチ。
豆腐チゲ定食+生ビール。本日くらいはいいであろう。
午前中サイクリングだったから、ビールのうまいこと。
広島の腹くん、うらやましがりたまえ。
10月31日(金) 穴蔵
終日穴蔵。
溜まっている本を読んで過ごす。
10月が終わる。
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