『マッドサイエンティストの手帳』440
●マッドサイエンティスト日記(2008年11月前半)
主な事件
・創サポ(1日)
・向井潤吉展(6日)
・グリーン交響楽団(8日)
・室津(14日)
11月1日(土) 穴蔵/梅田/創サポ
穴蔵にて雑事の処理。
天気がいいので、昼、梅田を散歩。天気がいいといいつつ、歩くのは地下街。
「未完の鉄道計画」がらみで確認したいことなどあって、地下街散歩である。
「たかはた」でうどん、WALTYでCD1枚、旭屋、紀伊国屋を覗いて帰館。
夕刻、また這い出る。
天満のエルおおさかへ。
創作サポ−トセンターの入学式と「大阪ショートショート大賞」の授賞式である。
ショートショートについては創作サポートセンターのHPにわが選評が掲載される予定。
今回(第10回)の「お題」は「窓」で、面白い応募作が多かった。
窓といえば、SFファンなら当然「スローガラス」を思い浮かべるのだが……そして「ヴァーチャルな窓」を扱った数編があったが……「去りにし日々の光」に比べて落ちるという評は酷だし、そもそもボブ・ショウは今では入手しにくいようだし、選考基準に迷うところだ。
ただし、今回の入選作・佳作は、文章、表現力でレベルが高かったので、順当な結果になったと思う。
入選・佳作の三氏と記念撮影。
入選のMくん、聞けば大阪芸大2年生、まだ19歳である。ノリのいい文体を評価したのだが、「現代詩」をやろうとしていて、「眉村先生の講座も希望していたのだが、今は院生だけらしくて」とか。わが読解、そう的はずれでもなかった……ことになるのかな。
余談をひとつ。
先日の梅田「引きずり殺人」事件……死体が発見されたのが、創作サポ−トセンターの事務所が入っている「大阪NOPプラザ」(福島区吉野)の前だったという。
おれは野田阪神からあるいたことがあり、これだけでもちと遠いなと感じたほど。まして梅田からとなると……その距離を実感して、改めて犯人への怒りがこみ上げてくる。
11月2日(日) 穴蔵/梅田
世間は3連休らしいから、こんな日は出歩かないに限る。
終日穴蔵……のつもりであったが、先日来FAXが頻繁に飛び交ったので、用紙切れ寸前である。
昼過ぎにヨドバシへ買いに行く。
ついでに紀伊国屋などウロウロ。
本日、午後は仕事しないことにして、地下の立ち呑み「大御所」で昼ビール一杯。
ここは、秋になると、冷や奴が湯豆腐に変わる。
秋を実感するなあ。
高齢の常連多く(おれでも若造の部類)、4、5人、フランク永井死去のニュースでもちきりである。
おばちゃん「あれ、大阪の女に、妊娠してないのに子供が出来たいうて脅されて首吊ったんや。大阪の女があかん。あれから20年以上、ボケたままやで。お姉さんが面倒みてたんや。あの大阪の女が……」
詳しいなあ。
牧伸二師匠も「低音の魅力」から出発したんだったなあ……。
11月3日(月) 穴蔵/梅田/NHK恐るべし
曇天なり。
終日穴蔵……のつもりであったが、運動不足でもあり、昼間1時間半ほど梅田徘徊。
三番街の正起屋で昼飯。
本日も、ヨドバシ、紀伊国屋などウロウロ。
大阪駅北側……建築中の三越のビルの骨格が組み上がってきて醜悪な印象である。
ずいぶん北側に張り出している。
おれのアタマにあった北ヤードの予定図とずいぶん違う。
最大の違和感は、大阪駅北側の道が直進できなくなった点だ。
↑新阪急ホテル前から西を望む。右がヨドバシ、左がJR大阪駅。
ビルが完全に道を塞いでいる。北へ曲がっているのだ。
北ヤードのパースでは、まっすぐな道があるという印象だった。
「大阪駅北口広場」なるものがどこにできるのか、よくわからない。
ヨドバシの西側、それも北寄りかな。
よくわからん。調べてみることにしよう。
三越は2011年完成だから、まだ3年以上先。見るのは無理かも。
ということで、夜は専属料理人に「枝豆、イカリング揚げ、サラダ、カジキのソテー+いんげん」など並べてもらってビール、白ワイン。BGMはJAZZ-CD。
で、20時半頃に晩酌終了、CDからテレビに切り替えたら、NHK『わが心の大阪メロディ』で、キダタローが指揮、オーケストラ+大コーラスで「あほっ、あほっ、あほのサカタ〜」とやっている。なんと坂田明……じゃなかった、坂田利夫が踊りながら花束持って登場した。NHK(大阪)の大英断、快挙である! うちは受信料、ちゃんと引き落としにして払ってまっせ。
NHK諸君、ますますの健闘を祈る。
11月4日(火) 穴蔵/梅田
珍しく遅めの朝食(といっても7時半頃だけど)の後、朝刊(一面に小室哲哉逮捕へ)読んでいたら、8時頃、やたらヘリがうるさい。ベランダから見ると、わが集合住宅の真上でホバリングしている。
専属料理人がテレビをあれこれやったら、毎日放送が小室哲哉の移送を中継しているところだった。
ラマダホテルの前から南(梅田方向)へ阪急の高架下をくぐる。
てことは、新大阪から新御堂を豊崎で降りて、すぐ前の公園横を通過していったということか。2分前なら部屋から見えたはず。黒いワゴンである。
小室哲哉といっても、おれの場合は、曲がまったく思い出せない(もともと覚えられない)世代だから、ヘリ飛ばすほどの大事件かいなとあきれてしまう。
黒いワゴンなら梅田の「引きずり殺人」ワゴンを追え……と思いつつ、ほぼ終日穴蔵。
雑事ダラダラ。
連休明けの処理事項があって、昼に梅田1時間ほど。
曾根崎署は報道関係ゼロ。全員、大阪地検〜大阪拘置所方面のようである。
午後もニュースを断続的に見るが、小室ばっかり。
と、15時過ぎに、「引きずり殺人」の犯行車らしいワゴンが此花区で押収されいいたというニュース。
建築会社の社用車で、社員1名が行方不明という。
あれだけの報道があったのに、この会社の社長、姿をくらました社員が怪しいとは思わなかったのかしらん。
曾根崎署、今夜あたりからまたカメラが増えるか。
小室はもういいから、こちらの犯人の顔を撮り逃さないようがんばってほしい。
11月5日(水) 穴蔵/梅田/曾根崎署/ハチ
穴蔵にて粛々と雑事の処理。
アメリカ大統領選挙の中継を断続的に見ていたら、9:35に「引きずり殺人犯」22歳の「元建設会社の男」逮捕のニュースが流れる。
落ち着かないなあ。
いつもは12〜13時の間に行う「外部の雑用」を少し繰り上げて10時過ぎに自転車で梅田へ。
曾根崎署前、おおっ、集まっとるぞ報道諸君。
いつも自転車をとめるりそな銀行前は片づけられて、駐輪は無理。
道路向かい側から10分ほど見物するが、そもそもどこで逮捕されたのかもわからず、カメラマン諸君もわからないようで、アクビしているのもいる。
雑事済ませてさっさと帰館。
昼には、オバマ確実とともに、
・住所不定のホスト、吉田圭吾容疑者(22)を逮捕
・住所不定、飲食店従業員吉田圭吾容疑者(22)を逮捕
・「今日の未明にミナミの繁華街で身柄を確保」「府警本部で取り調べ中」
……建設会社を辞めてからすぐにホストに転身? 昼は建設会社、夜は明け方までホストをやってたのか? よくわからん野郎だ。
大阪府警本部は大手町だから、曾根崎署の諸君は待ちぼうけ。
アタマに来ているだろうなあ。怒りは吉田圭吾にぶつけろよ。(←この名は蒔田文幸とともに、忘れんぞ)
ということで、昼過ぎ、また改めて梅田。
駅前第三ビル地下の「踊るうどん」で「ぶっかけ」。まあまあか。
チーハでヒーコ。
ハチママ、先日、居住する摂津市から、「金婚式」夫婦で今も現役(つまり納税している)ということで「最高ランク」の賞状+記念品を授与されたという。
「社会の風雪をのりこえて金婚式を迎えられた」ことをお祝いすると賞状にある。
ま、来年の「ハチ50周年」の前祝いというところか。
夜は久しぶりに集合住宅の某委員会。当分はややこしい役務から解放されるかな。
ふだんより遅めの晩酌。
色々読みたい本があるので早ゴロ寝するのである。
11月6日(木) 穴蔵/向井潤吉展/クライトン
穴蔵にて粛々と雑事の遂行。
昼前から専属料理人と阪急伊丹へ行く。
伊丹市立美術館で開催中の「向井潤吉展」を見るためである。
お前の柄かといわれそうだが、おれ、潤吉くん結構好きなのである。
茅葺き農家とか里山は、住みたくはないけど(S字型とか出そうだし)、見る分にはいい。
まして向井潤吉の風景には電柱と電線がほとんど出てこない。
日本中、どこへ行っても目障りな「くもの巣」電線がここにはないのである。
まあ、架空の日本というか「去りにし日々の光」というか……
スローガラスを手で拭いて
あなた昨日が見えますか
ちょっと違うか。
帰路、伊丹・ひがし商店街の「月山そば」でカレーそば。なかなか。
夕刊にマイケル・クライトンの訃報。
おれにとっては『アンドロメダ病原体』があまりに凄いから、その作者マイクル・クライトンの表記がしっくりくるのだが。
『アンドロメダ病原体』は今でもSFベストの投票があれば、おれはベスト10の中に入れる。
特に、ここに出てくる「オッドマン理論」が作者の創作であると知った時の驚きは、『富士に立つ影』の「築城問答」が白井喬二の創作と知った時の衝撃に匹敵する(白井の方が上だけど)。
クライトンは天才ではなく「超秀才」だったんだろうな。
それ以降の作品、いずれも感心したし、そのジャーナリスティックな嗅覚と取材力、プロデュース力には舌を巻いたが、「アンドロメダ」ほどの衝撃は受けなかった。
ただ、おれよりたった2つ年上。早熟にして、すごい活動を継続したのだなあ……病魔なければ、おそらく80歳でも書き続けられただろう。
思うところ色々。
読みたい本や雑誌がいっぱいあるので、枕頭に積み上げて早寝するのである。
11月7日(金) 穴蔵/ミムラ/屁の突っ張り
雨ぞ降る。
集合住宅の清掃業務などあって午前中は穴蔵に待機せねばならぬ。
細々と雑事をこなす。
午後、晴れ間もあって、14時過ぎから1時間ほど自転車で外出。
宅配便、郵便局など回ったあと、チーハでヒーコ。
帰路、「ジャズの専門店ミムラ」に寄る。
おや、小型のJBLが、不思議な形状のスピーカーに替わっている。
8センチ・フルレンジで、おたまじゃくし形の厚い板に茶筒みたいな筐体が取り付けてある。
なかなかの音である。2本で2万なんぼの輸入品とか。ま、おれはTimeDomain-miniがあるからいいけど。
好事家の諸氏、ご一聴を。聴くのはタダ。
ところで……
週刊文春の記事「石井慧の『ビッグマウス』語録」を読んで、しばらく前から気になっていたことを思い出した。
この青年の、「屁の突っ張り」という言葉の使い方についてである。
金メダル獲得した時、
@「五輪のプレッシャーなんて、斉藤先生のプレッシャーに比べたら屁の突っ張りにもなりません」
園遊会で天皇陛下と話したあと、
A「皇族の方々の空気というかプレッシャーにくらべたら、全柔連の方々のプレッシャーなんて、屁の突っ張りですね」
@は(文法的には)正しいが、Aは明からに誤用。
@は「五輪のプレッシャーよりも斉藤のプレッシャーの方が強い」という意味だろうから、適切な使い方とは思えない。
Aの場合、「屁の突っ張りにもならない」(まるで役にたたない)と成句で用いるのが普通だから、「屁の突っ張り」単独で使うのは誤用。しかも、意味がわからない。たぶん、皇族の雰囲気に感じる緊張感は全柔連にのそれよりも遙かに大きいということだろう。
そうなると、@「斉藤にはプレッシャーを感じる」がA「全柔連にはプレッシャーを感じない」ってことか。
思うに、石井の場合、「プレッシャー」→「プ」というオノマトペと「気圧」で→「屁」という連想が働いて、「屁の突っ張り」という言葉が出てしまうのではないか。ともかく「屁」という言葉を使いたくてしようがないような感じだ。
Aの場合、「皇族方の屁が全柔連の屁より強い」みたいで、ちょっと失礼でもあるな。臭気の濃厚さいっとるのではなかろうが。
どうしても「屁」を使いたいのなら、
@では、五輪の雰囲気に呑まれなかったという意味で、「決勝なんて屁の河童でしたわ」とか、もっと豪快に「相手を屁で飛ばしたったようなもんですわ」くらいいってほしい。
Aの場合、全柔連の連中のいうことなんて気にしないという意味で「全柔連なんて屁とも思わん」といってのけてほしかった。
とはいうものの、おれは石井慧には好感を抱いているのである。
権力欲・金銭欲まみれの全柔連や斉藤など屁とも思わない態度、しかし、天皇陛下にはまったく素直に正直に話した。
けだし好青年ではないか。
※石井慧は単に「屁の突っ張りにもならない」を「たいしたことない」と間違えているだけのこと……というご意見をいただいた。なるほど、合点。つまり「屁の突っ張りになる」のは「たいしたこと」であって、確かに柔構造の肛門の気密状態を保つのは並大抵のことではないものなあ。
11月8日(土) 穴蔵/グリーン交響楽団
小雨が降り続くのであった。
穴蔵にて粛々と雑事を処理する。
久しぶりにUSBプレヤーを使用して、某所から借りた稀覯LPのデジタル化2枚。
夕刻、専属料理人と出かける。
ザ・シンフォニー・ホールへ。
クラシックである。
グリーン交響楽団・第20回記念定期演奏会を聴きに行く。
お前の柄かといわれそうだが、おれだって年に1、2度はこういうのも聴くのである。
ホールの前で、江坂遊さんご夫妻とばったり。
開演までロビーでしゃべる。江坂さん、朝から2編を書き上げてきたという。アイデア豊富な人で、しゃべっているうちに、同じアイデアでそれぞれ別作品を書こうかということになった。
18時開演。
シューベルト 交響曲第8番「未完成」
マーラー 交響曲第5番
指揮は高谷光信。
1階中央の最高の席で聴けた。20周年ということで、最高のホール、最高の演奏であったのではないか。
ともかく心地よい響きであった。
終演は20時15分頃。
シンフォニ〜スカイビル〜長い地下道〜かっぱ横丁を30分ほど歩いて帰館。
遅めの晩酌となった。
快適な日々がつづいた。
さあ、明日からど田舎に「収監」である。
11月9日(日) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動。
懲役っつうか、下男モード入りである。
雑事の合間、2階の書斎にてボケーーーーッと過ごす。
書斎から庭を見るに、一隅の異様な黄色が目立つ。
しばらくこないうちに、石蕗が咲いていて、裏庭やご近所の庭先にも目立つ。
この黄色は秋に似合わないなあ。
午後の室温、15℃である。
キンタマ照射用のハロゲンヒーターを机下に設置するのであった。
これから寒い冬です
時々股間を掻きます
寒さでキンタマが縮んでいたら
わかってください
早寝するのである。
11月10日(月) 播州龍野の日常
終日下男仕事その他の仕事。
うーん。ついてない日である。厄日というべきか。
あまり書きたくもないことばかり。
こんな日は一杯飲んで早寝するに限る。
11月11日(火) 播州龍野の日常
本日も下男仕事色々。
ストーブの用意など、主に冬支度である。
合間、書斎からボケーーーーーっと外を眺めて過ごす。
いかんなあ。少しは生産的なことをやらねば。
夕刻、30分ほど川沿い散歩。
久しぶりに「吸血鬼ゴケミドロ」風の西空だ。17時10分の夕焼けを撮影。10分もしないうちに暗くなる。
メランコリックになるぜ。
こんな日は一杯飲んで早寝するに限る。
サンマ(大分産カボス付き)、湯豆腐、ここを参考にしたふろふき大根(いまひとつであった)で軽くビール。
夕刻のニュースで山崎直子さんを見る。うっとりしてしまうなあ。
老母が19時過ぎに入浴、早寝してくれた。ほっ。
おれもシャワーの後、カイワレ・トマト・キムチどばどばのビビン麺を作って、TimeDomain-mini+携帯CDプレイヤー、MP3-CD・ランダムモードでロリンズ〜パキート〜グラッペリ〜ジョージ・ルイス〜グロスマン〜デフランコと聴きつつ「神の河」ロックを飲む。
そろそろ早寝するのである。
11月12日(水) 播州龍野の日常
ぎょ。
朝たまたま目に入ってしまったテレビの占いコーナー、おれは最悪の日らしい。
相も変わらず下男仕事。
と、某国からタイムマシン関係でややこしいメール。
たぶん先方の誤解なのだが、説明のメールに手間のかかることよ。英作文の能力が極端に低下している。いわんや会話力においておや。ど田舎でくすぶってると、何もかも錆びついてしまう。嗚呼。
昼、老母の昼食の世話をしていたら、テレビで「毒ヘビ販売男の逮捕」とかのニュース。ギャーーーーッ。逮捕はいいけど、食事時にS字型なんて放映すんなよ、ったくもう。おれひとりならテレビなんて見ないんだけど。
「厄日」とはこのことだったのか。
終日、ややこしいことばかり。
夕刻、本日も揖保川沿いに30分ほど散歩。
川面の逆さ鶏籠山をしばし眺める。
ブルー&センチメンタルになるぜ。
夕暮れに小鳥さえずる声聞けば
我逃げ出したや母住む家から
田舎ストレス、ちとやばい状態。
明日はちょっと仮出所することにしよう。
早寝するのである。
11月13日(木) 播州龍野の日常/携帯小説作家?
ど田舎にいると、新聞に刺激がない。ニュースは1日遅れで読んだような話ばかり。
が、朝刊の「携帯小説作家わいせつ容疑」という見出しには???!!!……何者か。
携帯小説の作者で茨城県小美玉市の「パート店員」横森みさ子容疑者(35)が神戸でファンの女子高生(16)をホテルに連れ込んでわいせつ行為を行ったのだという。
ふーん。
で、横森みさ子は「携帯小説作家」なのか「パート店員」なのか。
社会的には「携帯小説作家」と認知されているが、小説だけでは食えないから「パート店員」をやっているということだろうな。おれは知らない作家だけど。
他人のことはいえない。おれもSFでは食えないからボンクラ・サラリーマンを30年以上やり、今も零細タイムマシン製造業者である。おれが捕まったら「SF作家わいせつ容疑」大阪市の自称航時装置製造業・堀晃容疑者を……と報道されるのだろうな。
わからんのが「携帯小説作家」という表記である。(←朝日新聞)
SF作家を「SF小説作家」とはいわない。推理小説を書いている作家は「推理小説作家」と表記せず「推理作家」である。ポルノ小説を書くのは「ポルノ作家」である。
この場合「携帯作家」の方が適切ではなかろうか。
持ち運べる小説家みたいで、いかにも軽い感じがするけどなあ。
携帯小説も、活字化・出版されれば作者は「作家」なんだろうしなあ。
「携帯小説作家」というのは、まだ活字化されてない小説家という意味なのか。しかし、これからは「携帯小説作家」が主流になるかもしれないしなあ。
朝から、わけのわからんことである。
天気晴朗なれど気分は梅雨空。
なーーーーーんもしたくない気分になり、朝食後、老母の昼食を用意し、門扉を閉ざして書斎に引きこもる。
再度パジャマに着替えて、ベッドに潜り込み、終日読書と昼寝……のつもりであったが、尿意と空腹を覚え、そっと抜け出して、ランチに出かける。
40分ほどで戻って、夕刻までまた引きこもり。
なんとか夕食を作る。ビール。湯割り。
うーん。ちとましになったかな。あと1日半の辛抱である。
11月14日(金) 播州龍野の日常
早寝したら午前3時に目が覚める。
月皓々。荷風のおっさんが喜びそうな天気だ。昨夜が満月であったか。
朝まで読んだり寝たり。
夜明けとともに下男モード入り。
明日が「出所」なので張り切って炊事洗濯掃除その他を片づける。
昼は魚が食べたくなって、室津の「堀市」へ行く。
「堀」市といっても、おれとはまったく関係ない。
ここは直売+バーベキューがメインで、おれの期待した煮付はない。
室津港の「まるよし」まで行くのも面倒になり、ふぐの唐揚げ+石かにの味噌汁を食して引き返す。
播州一帯、あまり旨いものはないなあ。
ま、明日は帰阪、専属料理人の腕に期待である。
11月15日(土) 播州龍野→大阪
出所つうか、仮釈放の日である。
朝からいそいそと下男仕事を片づけ、午後の電車で帰阪。
ああ、ストレスが遠い空の彼方へ飛散していく気分である。
夕刻、穴蔵に戻る。
郵便物その他雑件色々山積している。
しかし、まあ、雑事処理も楽しいものである、下男仕事に比べればよ。
夜は専属料理人の作ったブイヤベース、サラダでビール、白ワイン。
ブイヤベースの残りを利用してリゾット風雑炊(←固い米から作らないから厳密にはリゾットではないらしい)。
龍野から持ち帰った富有柿で仕上げ。
CDで、デフランコ・沖至・ロリンズ・後藤勇一郎など聴きながら使用人に料理を作らせて一杯……これ至福の時間あるね。
毎日こうだとこりゃ泣けてくる……けど、そうもいくまい。本日は「出所祝い」で特別なのである。
そろそろ早寝する。
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