HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』97

●第19回日本SF大賞授賞式


徳間文芸賞贈呈式(大藪春彦賞/日本SF大賞/懸賞短編小説賞)
  1999年2月26日
  東京會舘


 午後6時、東京會舘へ。大藪春彦賞、問題小説30年記念の懸賞短編小説賞と同時授賞式だから、セレモニーが長いだろうと覚悟していたが、1時間ちょっとだから、まあ進行は頑張ったといえるのではないだろうか。
 一応、レポートとして、受賞リスト。賞金金額順。

 第1回大藪春彦賞 馳星周「漂流街」 500万円
 問題小説30年記念短編小説賞 仁木雄太郎「夏の出口」 200万円
 第19回日本SF大賞 瀬名秀明「BRAIN VALLEY」 100万円
 特別賞 星新一
     井上雅彦監修「異形コレクション」
     NHK「宇宙を空想してきた人々」

 右側に選考委員諸氏がずらりと並んでいるのは壮観である。
 それぞれの選考委員を代表して挨拶されたのは、生島治郎/阿部牧郎/永井豪の3氏である。……徳間社長の挨拶もあり、今回、例によって受賞作を見事に誉め上げてから「ま、私はまだ読んでいないのでありますが……」というおなじみのフレーズはなし。

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 瀬名秀明氏は海外のため欠席、ビデオ挨拶となったが、読者カードの集計結果を分析して「難しいことと面白いことは背反しない」と説得力ある挨拶。これはまさにハードSFの本質である。
 ぼくが第一にお祝いを伝えたかった井上雅彦氏は星新一夫人・佳代子様と並んでの受賞。うーん、なかなかの男ぶりであるなあ。井上さんおめでとうございます。
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 SFミステリーその他合同だから、たいへんな盛会。SFはほとんど面識があるが、初めて会う人がずいぶん多い。菊池秀行氏とは初めて挨拶した。
 枝雀師匠が来ているのか! と驚いたら、花村萬月師匠であった。
 その他、色々な人たち……。

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 薄井ゆうじ、北野勇作氏 枝雀師匠…じゃなかった萬月師匠 石川喬司氏と高齋正氏 大森望氏と藤臣柊子氏

 その他、ウーロン茶(しか飲めない)山田正紀氏に会いちょっと暗い話も聞く。
 巽孝之氏からは明るい話も聞く。山尾悠子氏は書き続けていて、作品も発表されそうだという。その先駆けが出たばかりの「幻想文学」。実生活についてもチラっと聞くが、まあ山尾悠子さんの場合は神秘的な方がいいのである。わしみたいに作品と実生活の落差がお笑いになってしまってはいけない。

 最終ひかりに乗らねばならず、午後8時過ぎには去らねばならぬ。その他色々な人たちに会ったのだが、一枚だけ「自慢」を。
 宮部みゆきさんに、一昨年の新田次郎賞(谷甲州氏受賞)の時以来お目にかかった。
 昨年のSF大賞には来なかったので、直木賞と併せてお祝い申し上げた。おめでとうございます。

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