HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』105

●森山威男研究会・第2回総会


アケタの店開店25周年記念ライブが5月から6月にかけて行われている。5月17〜18日、森山威男新カルテットが出演。公開秘密結社【森山研】としては2日目の18日を第2回総会とした。

 5月18日(火)午後6時半、「森山研」メンバー全員(東京2名、大阪2名)西荻窪コンコースに集結。まずコンコース南側の立ち食いそばコーナーに向かう。
 なぜのっけからソバかというと、森山研・第1回総会で、軽い昼飯から何も食べずに参加、演奏終了後、ビールを飲むまでにフラフラになり倒れそうになった会員が約1名いたからである。空腹で森山さんを聴くのは無謀である。で、ネギ盛り放題の荻窪の立ち食いソバ(これは山下洋輔氏の著作でも明らかなように、初期山下トリオのファンにとっては聖餐なのである)を食べてからということになった。……関東の出汁が苦手なぼくは、ざるソバ。まあこんなものであろう。
 アケタの店は20年以上前に一度来ただけ。ガランとした殺風景な雰囲気しか覚えていない。午後7時前に到着、地下への階段に地上まで列。予約なのか当日券組なのかわからないまま、なんとなくゾロゾロ入場。たぶん、入り口で予約か当日かを確認、料金だけがちがうという方式らしい。ドラムの前はすでに埋まっているので、かろうじてドラムの見える壁沿いに並んで座る。
 開店以来掃除してない雰囲気で、では開店当初はきれいだったかというと、20年前も同じ雰囲気だったように思う。
 今回の新編成ユニットは次のとおり。
 森山威男(ds)音川英二(ts,ss)田中信正(p)望月英明(b)

 第1ステージ
・エクスチェンジ 最初からスティックをへし折る熱演。
・新曲…「マイ・フェイヴァリット・シングス」みたいな三拍子。音川さんはソプラノ。
・グラティテュード
・サンライズ
 メンバー紹介があり、森山さん「今晩は徹底的にやります」
 ……なお、曲名の紹介はなく、曲名チェックは森山研の楽理派・遠藤バンマスによるもの。ぼくには4曲しかわからなかった。
 

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 第2ステージ
・ナノマシン(2曲あるうちの10月と違う方)
・新曲…新主流派っぽいミディアム・バウンスの曲。最初の1フレーズのみ音川さんはテナー、あとはソプラノに持ち替え。
・新曲…冒頭のフレーズがコルトレーンの「アイシャ」みたいなスローの曲
・マナ
 メンバー紹介のあと、森山さん。
 「ある友は賞を獲りました。ぼくにも賞をやろうという話がきたらどうしようと思いました。辞退するべきだろうか。しかし、賞の話は来ませんでした。……ある友は世を去りました。ぼくも癌にかかった時、どうしようかと思いました。しかし、死ぬということもありませんでした。世の中の動きと関係なく、10年1日のごとくドラムを叩いています……」
・グッドバイ
 最後の曲は日野元彦氏に捧げられたのであろう。音川さんのよく歌うテナーと森山さんの激しいブラシワークで締めくくり。
 アンコールの拍手が鳴りやまなかったが、森山さんが再登場「このグループでは、もうやる曲がありません。あとは演歌だけで『暴れ太鼓』が歌えるくらい……」
 残念ながら「暴れ太鼓」は聴けなかった。

 終演後、オモテで森山さんを中心に記念撮影、デジカメがストロボ付になったので、今回はきれいに撮れた。……撮影をそばにいる人に頼んだら、森山さん「その人はギターの宮之上貴昭さんだよ」。うへーっ、畏れ多いことをしてしまった。……スモーキンと北村英治の競演盤を聴いていたが、ライブで聴く機会がなく、お顔がわからなかった。名ギタリストの指がわがデジカメのシャッターを押したということで、なんとなくカメラに箔がついた気分である。

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 撮影:宮の上貴昭   右の写真は森山さんと宮の上さん

森山さんのお誘いあり、近くのヤキトリ屋「戎」へ。
 佐藤さん、伊沢さんという、ともに新潟からの追っかけファンおふたりも。前回は宮崎組に距離では負けたが、新潟と大阪では、たぶん大阪の方が遠距離であろう。
 なんと小山彰太さんまで出現した。
 鳥正のつもりが「戎」になったが、ここもまた素晴らしい。トリもいいが、イワシのコロッケ、ニンニクの煮込み(!……森山さんご推薦)などが絶品。
 ニンニクの煮込みは、ニンニク数個を串に刺して煮込んだもの。翌日の仕事に差し障りが生じるのではないか心配になって、森山さんの唇に5センチまで接近して臭いを確認したが、大丈夫であった。その代わり妙な気分になった。その後、森山さんがしなだれ掛かってきたのが下の写真。いつか森山さんとふたりで夜のセーヌ河畔を散歩したいものである。

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 森山さんがパソコンを所持、インターネット接続の用意ができていることが判明。キーを打つのも速いそうである。山下さんも渡辺香津美さんも、指はものすごく速い。ドラマーの指が器用なのはちょっと意外な気がする……といったら叱られた。
 「ドラムでいちばん重要なのは指使いで、微妙な指の加減で音がまるで変わってしまうのです」……うーん、そうであったか。
 ぜひホームページを開設してほしいとお願いする。
 その他、色々な話を聞けた。
 次回の「総会」は8月の名古屋・ラヴリーと決定。ギリギリで「立ち見予約」が間に合ったのである。
 その頃には森山さんのホームページがスタートしているであろうか。


森山威男ディスコグラフィー

【付録】
 「アケタの店」のビルにトマソンを発見。2階からの階段が途中で切れて、2階への昇り口は塞がれている。
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 写真を撮っていたら、2階のダンス教室経営の先生登場。クルマを置くために切断したので、騒がれるようなものではありません。皆さん、ダンスを習いに来なさい。
 はい、わかりました。申し訳ございません。


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