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『マッドサイエンティストの手帳』400

●マッドサイエンティスト日記(2007年5月前半)


主な事件
 ・高槻ジャズ・ストリート(3日)
 ・ビッグリバー・ジャズフェスティバル(5日)



5月1日(火) 穴蔵
 小雨なのであった。
 連休中の合間、近所の医院へ。連休明けから龍野行きのため、定期的な検診の前倒し。血圧は正常である。散歩効果であろうか。
 ついでに歩いて梅田へ。
 銀行関係の月初の処理など色々。
 ついでにヨドバシを覗く。2GBのUSBメモリーが実質的に(ポイント分を引いて)4千円ちょっとで出ていたので、これを買う。今まで使っていたのは128MBで、大阪〜龍野の二重生活用としてはさすがに限界である。
 午後は98機のハードディスクを整理。画像以外の仕事用(SF/タイムマシン両方)ファイルをUSBメモリーに移す。1GB以内に納まってしまった。
 男子一生の仕事がこれかと思うと、ちと情けないねえ。  ……相変わらず、カジノやloanなど、博打・金貸し系のコメントが多い。どうも有効な対策はないようである。色々とコメントをいただくのは嬉しいのだが、スパム・コメント?の削除が面倒になってきた。
 コメント機能を閉じるとHPと同じになるわけで、もとのホームページに戻すべきか。
 迷うところだ。

5月2日(水) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 午後1時間ほど歩く。
 梅田界隈、本日なぜか「聖書」関係が喧しい。街宣車みたいなのと3回遭遇。阪急やヨドバシ周辺には小型拡声器をつけた棒を風俗の看板みたいに持ったのがあちこちに立って音質の悪いテープを流している。その風体、救われそうには見えないのばかり。
 審判の日が近いから悔い改めて永遠の生命を獲得するようにと勧告しているらしいのだが……。競馬と競艇の開催日にやった方が効率がいいのではないかい。
 悔い改めよハーラン・エリスンとチック・コリアはいった。ちょっとちがうか。

5月3日(木) 高槻ジャズ・ストリート
 連休である。
 これから3日間、おれも世間につき合って遊びまくることにした。
 で、初日。
 昼前に専属料理人と高槻へ向かう。
 高槻ジャズ・ストリート、今年も谷口英治さん出演である。
 高槻現代劇場大ホールへ。
 目当ては13時からだが、席の確保のために、12時からの芥川高等学校和太鼓部の演奏を聴く。これが意外にも面白い。
 
 まったく知らなかったのだが、かなり有名なチームらしく、今年はバルセロナへも演奏旅行に行くという。ほとんどが女性部員というのも凄い。
 で、つづいて滝川雅弘さんと谷口英治さんの2clセッション。
 バックは大野綾子(p)、宮上啓仁(b)、高阪照雄(ds)。
 
 エリントンの「メロー・トーン」に始まって、スタンダード中心、ともかくモダン・クラでは日本最高のふたりの顔合わせで、たまらんなあ。
 最後のチェロキーは今年聴いた最高のノリであった。
 次は高槻商店街の中ほどまで歩き、水田宗親バンドを途中から聴く。
 
 播州龍野の「ガレリア」で月例ライブをやってるバンド。
 水田さん、気負うことなく軽やかにアルトを吹いている。「黒いオルフェ」などボサノバがいいねえ。
 また現代劇場へ。
 今度はレセプション・ホールで滝川・谷口2clセッションの「第2部」。
 こちらではややマニア的ナンバー中心かな。
 「ジターバグ・ワルツ」とか「バッハ」とか「11PM」とか。
 大野綾子さんと宮上啓仁さんは初めて聴いたが、なかなかの実力。高阪照雄さんのドラムはパワフルで手数が多く、しかもパフォーマンスでも相変わらず「見せる」なあ……。
 ということで、夕刻、気分よく帰館。
 ちなみに、高槻JSは基本的に「無料」、広告とTシャツの売上げとカンパで運営されている。かなりの赤字らしい。おれは(あまり着ないのだけど)Tシャツ2枚+カンパ少しばかりということにしている。が、周囲の客を見るに、やっぱり運営は苦しいかな。
 運営方針については意見なきにしもあらず(たとえば大ホールは有料でもいいのではないか)だが、いずれにしても、なんとか続けてほしいところだ。
 夕刻帰館。
 3日間遊びまくると決意したところに、某ゲラが到着している。
 少しは仕事もしますから→K様。

5月4日(金) 穴蔵
 午前3時に起床。
 冬の間「早朝徘徊」を控えていたのだが、暖かくなったので、今年初めて出かける。
 本日は自転車使用で西回りコース。
 連休中でコンビニと外食チェーン店以外はほとんど開いてない。
 大阪駅〜桜橋〜梅田新道〜曾根崎〜阪急東通と来て、このあたりで路上に座り込んでいる青少年が増えてきた。
 扇町公園を抜ける。
 ルン吉くんがいなくなった公園は寂しいものである。
 
 日の出前、庭園灯が消される寸前。
 消灯は5時2分である。センサーではなくタイマー制御らしい。
 日照時間にあわせてどう変化するのか、注目することにする。って、たいした意味はないけど。
 結局、天六の「十八番」で朝食、帰館。
 終日雑用。
 昼過ぎにヨドバシから注文していた「部品」が届いたという電話。
 このへんが普通の部品商社とちがうところだなあ。物流関係は連休中も動いているらしい。
 ヨドバシ往復。本日の人出はそれほどでもなく、競馬もやってないらしい。「聖書」の街宣車と街頭スピーカーが「悔い改めよ」を連呼しているのであった。
 「遊びまくる」予定だったが、おれも悔い改めて本日は中休みとする。

5月5日(土) ビッグリバー・ジャズフェスティバル
 遊びまくる日である。
 10時過ぎに出て、OAPまで歩く。45分、約4500歩である。
 ビッグリバー・ジャズフェスティバルの日なり。
 11時にODJCマーチングバンドによるオープニングパレードでスタート。
 
 滝川雅弘さんが制帽を被って参加している。
 去年は1階会場は芝生広場だったが、ここが駐輪場となり、コンコース前の広場に変わった。緑のないのが残念だが、いたしかたあるまい。
 おれが聴いたのは、ニューオリンズ・レッドビーンズ(1階)→マホガニーホール・ストンパーズ(38階スカイプラザ)→昼になったので、「ルーシュン」で昨年と同じく滝川さん参加のビッグリバー・トリオの出前ライブを聴きながら軽くビール。
 「インディアナ」や「メモリーズ・オブ・ユー」など。最後に短く(リクエストらしい)「ベサメ・ムーチョ」とは……。
 つづいてスカイプラザで早稲田大学ニューオリンズ・ジャズクラブを聴く。
 女性クラが「バーガンディ・ストリート」を「正調」で吹く。堂々たる演奏で、その音色に驚いた。
 1階に降りてマホガニーホール・ストンパーズ。
 
 ジェフ・ブルが飛び入り。最後の方で滝川さんも加わって、ジェフ・ブル、川合純一、滝川雅弘という珍しい顔合わせが聴けた。
 リバーボートの発着所前で、川風に吹かれながらレッドビーンズのウェルカム演奏を聴く。
 
 カエルさんのバンジョーがよく響いて、なかなかいい。新緑の木陰で演奏する、いちばんビッグリバーらしい雰囲気であった。
 最後はニューオリンズ・ラスカルズ+ジェフ・ブル。
 そして30人以上による大セッションで終わる。
 天気予報では午後は雨であったが、終了まで薄曇りの好天であった。
 終了後、ジャズ友数氏と中津へ移動。
 臨時営業の某格安飲み放題の店で盛大にビール……といっても、盛大に飲むのはおれとFさんのふたりで、SF系とか落語系みたいな大騒ぎにはならない。
 トラディショナル系は平均年齢が高く、学究肌の博識が多いから、静かに酌み交わしつつ、びっくりするような話を色々聞く。オーネット・コールマンのジョージ・ルイス評価なんて、へぇ〜〜である。
 楽しき1日であった。

5月6日(日) 穴蔵
 連休最後の日曜は朝から雨。
 おれとしては落ち着いた気分で、終日穴蔵。明日からの諸々の雑事に備えて休養するのであった。
 アイデアを構成しなければいかんのだが、あまりアタマが働かず、終日ボケーッと過ごす。
 デキシー・キングスのクラ、白石幸司さんの初リーダーCD「Someday Sweetheart」を聴く。
 スタンダード中心、ワンホーンで軽やかにスイングする快演だ。
 つづけて鈴木直樹さんがピアノにエディ・ヒギンスを迎えての「MELODIOUS TIME」。これまた気分がよくなる。親父である鈴木正男との2クラが聴ける「メモリーズ・オブ・ユー」「鈴懸の径」は特に泣かせる。
 テレビでは「スパイダーマン」が始まるようで、肛門付近から糸を出すスパイダマーンを想像しながら見たいところだが、明日から龍野行き。早寝早起きパターンを崩してもいかんので、そろそろ就眠である。

5月7日(月) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 2週間ぶりである。
 書斎からの眺望、花が散り若葉が増えて、大きく変わっている。
 4月19日と比べると、「伽羅の木」が増えたというのだが、存在感の希薄な木である。
  
 なんだか手間ばかりかかりそうな、つまらん形状の木だ。大型盆栽とでもいうか。植木屋には金のなる木なのであろう。
 「阿部一族」で争奪戦が展開される理由がいまひとつわからん。
 夕刻までタイムマシン関係の作業。
 枝豆など茹でて一杯やったら、もう眠い。
 老母につきあっておれも早寝である。
 ※うちの庭に「押し売り」された伽羅の木は、「阿部一族」(「興津弥五右衛門の遺書」)に出てくる伽羅の香木とは別物らしい。右の写真が葉のアップ。○万円の安物である。(2007.5.8朝)

5月8日(火) 播州龍野の日常/○忌避剤
 タイムマシン製作作業の合間に、下男(おとこし)仕事も色々とこなすのであった。
 ゴミ袋を持って玄関のドアを開けたところで、ギャーーーーーーッと叫びはしないものの、詳述するのも嫌な「S字型変形動物」を庭先に目撃。
 暖かくなったのは嬉しいが、また別の嫌なことがあるなあ。
 去年は見ずに過ごせて幸せだったのに、今年は早くも3回目。
 なんらかの駆除法はないかネットで調べてみる。自分ちの庭に出るのにビクビクするのはたまらんもの。
 が、ネットの説明の多くは、方法を説明する前段で「生態」が描写されるから、それを読むだけで気分が悪くなる。名前を聞くこと自体が嫌なんだもの。
 ま、こんへんはぶんきちくんの「ぶん」さんの方と話が合いそうだ。
 ということで、ともかく決定的なものはないらしいが、忌避剤として「木酢液」というのが効果的らしい。
 午後、大型ホームセンターの園芸関係売り場へ行ってみる。
 「木酢原液」を売っているが、植物の栄養剤で、特に「○の忌避効果」はうたってない。
 使用法を読むに、ウィスキーを薄い水割りにして散布するイメージである。これはちょっともったいない。
 それならむしろ積極的忌避剤として「天然・虫除け粉」が効きそうに思える。
 50坪ぶん5袋を買って帰る。
 タオルで覆面をして庭に「天然・虫除け粉」5袋を撒く。
 効いてくれよ。
 効果は約3週間というから、月末にはまた散布しなければ。
 秋までの負担の大きいことよ。嗚呼……

5月9日(水) 播州龍野→大阪
 S型変形生物にビクビクしつつ下男仕事。
 午後の電車で大阪に帰る。
 車中、週刊文春と週刊新潮を読むが、ともに高野連批判の特集。
 田名部和裕なる「佐伯達夫のかばん持ち」だった男(参与)が「ドン」「ボス」「天皇」「ラスプーチン」であることはよーーーーくわかった。
 ただ、田名部の欲は権勢欲であって、金銭欲は希薄なようである。官僚にくらべればましというか。
 野球少年の頂点が職業野球の花形選手であるなら、そこに至るまでの過程に欲どしい連中がうようよいるはず。頂上付近にはナベツネ。職業野球も「興業」の世界なんだから、それら魑魅魍魎も含めて、特待制度大いに結構と想うがなあ。そんなにきれいな世界ではないぜ。「芸能界」なんてのよりはまだまし……と、職業野球に興味をなくした立場からの意見だけど。

5月10日(木) 穴蔵/福家書店・淀屋橋
 予報では朝から雨のはずが、午前5時、晴れているではないか。
 それなら市内ウロウロすべき雑件、本日片づけるかと、午前8時過ぎ、出かける用意をしたとたんに雨になった。
 穴蔵にて雑用。
 昼前に雨が上がったので自転車で出かける。
 本町まで行くが、帰路、また雨になった。ややこしいなあ。
 で、雨宿りをかねて、京阪・淀屋橋の上、「福家書店」に寄ったら、橋元淳一郎『時間はどこで生まれるのか』(集英社新書)が入り口の「特選コーナー」にずらりと並べられ、手書きPOPが6点貼られている。
 
 引用する。
 「ありそうでない相対論・量子論をふまえた時間論」
 (図のコピーをつけて)「P120に出てくる図です。時間を忘れて見入ってしまいました。」
 「『時間へのやるせない想い』からこの本を書いたそうです。」
 「エントロピー増大の法則と生命進化の過程を視座に入れた著者の結論は?」
 「第五章までが現代物理学の解説。第六章と第七章が本論です。」
 「現代物理学が正しいとすると、『時間』は○○○○○!」
 たいしたものではないか。
 ……この熱い思い入れは何か。このコーナーに限らず、この「福家書店」の棚は「特集」といい「コーナー」といい(芸術書のところにある写真集など)、なかなかのセンスである。
 担当者はどんな方なのか。
 訊ねてみようかと迷うが、ま、やめとこ。時々書棚を見に来るのがいいのであろう。新書2冊を買って去る。
 ともかく、「福家書店・淀屋橋」の担当者は凄いということを報告しておきたい。
 『時間はどこで生まれるのか』はおれも注目した本で、このブログで感想を書こうと想いつつ、さぼっている。明日にでも。
 小雨が断続的に降る中、中之島経由で、ハチに寄ってコーヒー、「ジャズの専門店ミムラ」に寄ってデフランコの再販3枚組を依頼して帰館。
 夜は専属料理人が作った玉葱を煮込んだなんとかスープをメインにポテトのなんたらトマトのかんたらを並べてビール、ワイン。
 もう眠い。寝る。

5月11日(金) 穴蔵/上町台/○○台
 早寝したら2時半に目が覚める。
 どうも眠りが断続的。肉体労働の不足か。
 穴蔵にて「少しは仕事」の後、昼前に専属料理人と出かける。
 歩いて梅田通過、中之島バラ園を抜ける。中之島のバラ、花の良さがわからぬおれの目で見ても惨憺たる様相。昨日の風雨でダメージを受けたらしい。今年はもう終わりであろう。
 さらに歩いて、法務局。
 上町台のほぼ頂点まで、1時間、約7000歩である。
 近くの「香月」なる蕎麦屋で「ハーブカレーうどん」を食す。スパイスが効いたユニークな味である。
 梅田へ戻り、ここからはおれ単独で○西○○口へ。
 相棒・某くんのクルマに拾ってもらって北へ10数分……この2、30年間に開発された広大な住宅地○○台を抜け、細く急峻な道を下り、○○川に沿った崖下の道に出てしばらく進むと、およそ人家があるとは思えぬ狭い土地に行き当たる。
 周囲も対岸も一面の緑。横の狭い空き地にはネギが植えてある。
 「回転型タイムマシン」の重要パーツの製造を依頼する「某製作所」がここにあるのであった。
 まさかこんな場所にこんな設備があろうとは市民は誰も想像するまい。
 某氏はたったひとりここに籠もって作業している。
 正確には大きな猫が二匹いて周囲をウロウロしている。
 打ち合わせ1時間ほど。
 周囲におれの苦手とする(まさに蛇蝎の如く嫌う)S型が生息しているのではないかと質問すると、○大将はまだしも毒をもった○ムシも出るという。が「猫が撃退してくれる」から大丈夫なのだとか。
 恐ろしくなり早々に退散。
 写真も撮ってきたが詳述はしない。
 いずれモデルとして使いたいからである。
 現代のマッドサイエンティストは日常生活のすぐ裏側(都心の空き部屋など)にいると想像していた。が、古典的マッドサイエンティストは健在なのであった。新興住宅地のすぐそばにまだこんな「秘境」があり「秘密研究所」が作られているとは……。
 夕刻帰館。
 本日は13143歩。10キロちょっと。おれとしては記録的な距離である。

5月12日(土) 穴蔵
 天気晴朗なれど終日穴蔵。雑事色々。
 宅配便を出すついでにうどんでも……と、「たけうち」の前に行列ができている。
 土曜日に行列とは珍しい。1月22日以来、時々利用している店だが、テレビかグルメ誌で話題になったらしい。「讃州」の方は空いているから、3ヶ月で形勢逆転したということか。
 うまい店だけど、並ぶほどでは……。「とり天」というのはおれの好みではないし。
 ま、しかし、うどん一筋に情熱を傾ける若い店主、ヒットを飛ばしたのは喜ばしいことだ。列の途切れた時に利用するからね。
 午後、某伝説的ジャズメンの評伝を翻訳中のKさんが来宅。色々と打ち合わせ。秋にはかたちになるか。
 夜は居住している集合住宅の定期総会。
 理事とは別にまたも某委員を務めねばならなくなった。
 たぶん1年半くらい、委員会が続く。
 雑用がまた増えるなあ。

5月13日(日) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 9時に着く。
 10時、下男仕事色々。
 11時、買い物に行く。
 12時、昼食。
 13時、タイムマシン格納庫へ行く。
 14時、本を読む。
 15時、ボケーっとする。
 16時、ボケーっとしたままである。
 17朝、台所でゴソゴソする。
 18時、ビールを飲む。
 19時、食器を片づける。
 20時、シャワー。
 21時、水割り。
 22時、寝る。
 こんな日がつづくのである。
 
 この本(正確には改訂版の出る前の版)を手にしたのは1964年2月、銀座のイエナであった。残念ながら買えず、手にとってながめただけであった。40年ぶりの再会である。

5月14日(月) 播州龍野の日常
 5時前に起床して、あとは昨日と似たような1日である。
 某国へタイムマシンを移送するのに関連してややこしき英文書類が必要となる。
 ISO9000に準拠する検定基準書を探し出してくる。お、これはよく出来ていると感心したら、おれが10数年前に作ったものであった。今、新規にこれを書くのは無理なような気がする。SFしかり。嗚呼……
 老化しているのである。
 腐りかけの脳を絞りつつ昔の自分の文書をアレンジして英訳。
 情けない仕事だ。
 夕刻、裏庭で乾燥した刈草を焼く。
 石蕗が伸びていて、これを獲るのは老母の仕事であったが……。
 ややこしい生き物が出没しないためには、生息しにくい環境にしなければ。藪がなければつつくことなし、当然ややこしいのも出てこないという理屈である。
 
 見上げれば柿の若葉。
 若葉の季節は、わが退席(この世からね)を迫られている気分になる季節でもある。

5月15日(火) 播州龍野→大阪
 朝も早よから下男仕事の後、午後の電車で帰阪。
 専属料理人に「初夏パスタ」を依頼しておいて、ワインを持ち帰る。
 ということで、夜は、鰺の南蛮揚・ナスの炒めたの・プチトマト、大根サラダ、ゴボウの唐揚などに「初夏パスタ」、ビール、ワイン。
 わが家で「季節パスタ」という場合、旬の食材が入ったパスタという意味で、本日はアサリであった。
 ということで、そろそろ就眠。
 ……会津若松の高校生が「母親を殺した」と生首持って自首してきたという。
 悪夢にうなされそうな。
 いいたかないけど、「自首」と「首実検」を混同しているのではないかい。

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