『マッドサイエンティストの手帳』397
●マッドサイエンティスト日記(2007年3月後半)
主な事件
・老母卒寿祝い(16日)
・Aさん結婚披露パーティ(21日)
・鈴木孝紀トリオ(23日)
・「小松左京の宇宙」(31日)
3月16日(金) 大阪→播州龍野/卒寿
早朝の電車で播州龍野へ移動。
タイムマシン格納庫にて某社からの見学者対応。
久々に出会う純粋技術者タイプのおふたり、おれは一方的に極めて強い好感を抱いた。
こちらの航時理論について恐るべき理解の早さで、それは先方も独自の時間論を持っているからである。
嬉しい気分である。
所用あって昼までで、あとは相棒にまかす。
実家に戻り、身内で「赤とんぼ荘」へ。
老母の「卒寿」祝いである。
大食漢はおらず、あまり高カロリーの食事は好ましくないので、ごくつつましく2100円の昼会席で軽くビール。
つぎは9年先の「白寿」祝いである。
田舎の夜は早い。寝る。
3月17日(土) 播州龍野→大阪/創サポ講義
寒いのであった。
播州龍野、3月も後半になってキンタマが収縮する寒さになろうとは。
下男仕事色々。
午後の電車で大阪へ移動、天満のエルおおさかへ。
創作サポートセンターでの講義……というか、提出作品20編について、青心社の青木治道さんと対談形式で講評。
SF、ホラーからホームレス小説まで多彩。青木さんの論評はさすがに編集・出版の立場から、「迷ったらどちらかを捨てろ」「テーマが拡大できるのがわかっていても枚数制限があればそれ以上はやるな」と極めて明快である。8割は意見一致、あとの2割は好みの差というところかな。
個性的な作品が多くて、まことに刺激的であった。
まっすぐ帰館、21時半にやっと晩酌。
3月18日(日) 大阪→播州龍野
定刻4時起床、雑事片づけ。
5時過ぎ、「日本の話芸」で林家染丸「寝床」を見る。30分だからはしょり気味はしかたないか。
6時に穴蔵を出て、播州龍野へ移動。慌ただしいことである。
午前9時に到着、やっぱり寒いなあ。
雑事色々。
老母と買い物に行ったら、台湾産の枝豆が出ていた。
夕刻、これを茹でてビール。あとは湯豆腐や刺身で「龍力」熱燗、なんやら季節がわからなくなってくる。
ということで、早々と「寝床」に入って、これから筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』を読むという、至福の時間である。
3月19日(月) 播州龍野の日常
キンタマ収縮する早朝に起床、下男仕事。寒い。水仕事はつらいのであった。
本日は朝9時からはタイムマシン格納庫にて終日見張り番。
見張りしつつ『巨船ベラス・レトラス』の後半を読む。
文春の惹句は「『大いなる助走』から三十年」の問題作だが、おれは『脱走と追跡のサンバ』から四十年という方が近いのではないかと思う。
18時から晩酌。
老母は入浴後、19時過ぎに「寝床」に就く。
おれもそろそろ就眠。
早寝早起も極端になってくるなあ……。
3月20日(火) 播州龍野の日常
早朝から下男仕事のあと、本日もタイムマシン格納庫にて見張り番。
某国からの荷物待ち。なかなか届かぬ。明後日以降であろう。
海外との物流、911以降、なにかと煩雑である。
夕刻なにった。
運動不足なので本日は「北」へ、揖保川上流に散歩する。
堤防沿いはクルマが危険だが、河原を歩けることが判明。
祇園橋上流まで歩く。半世紀変わらぬ眺めである。
河原に石が積み上げられているのがいい。
帰りは土民どもが生息する田舎道を歩く。これもまたいい。
50分、5356歩である。ま、本日のビール分は歩いたってことか。
通勤に1万歩を越えるぶんきちくんの吉には及びもつかない。
本日、必要あって小松の親っさんの『虚無回廊』何度目かの読み返し。さらっと読むつもりが、第T巻熟読……このアイデア密度にたじろいでなかなか読み進めない。
そろそろ眠くなってきた。
寝る。
3月21日(水) 播州龍野→大阪/Aさん結婚披露
播州龍野の書斎にて老母の作った短歌の整理。卒寿記念に3冊目の歌集を作る予定が作業中断していたのである。
スキャナーでの取り込みのため、掲載誌など約4キロを下げて帰ることにする。
午後の電車で大阪に帰る。
夕刻、一応ネクタイをして、中之島の中央公会堂まで歩く。
中之島倶楽部で「友人」の結婚披露パーティである。
仮にAさんとしておこうか。
結婚披露なんだから大々的に写真も公表していいはずなのだが、どうも本人が公表しているのやら何やらわからん雰囲気なので、微妙な書き方になってしまう。
新婦は愛称「バス」さんで音楽家である。
A列車ならぬ「Aバスで行こう」てところか。
友人や身内関係中心の「披露宴二次会」で、司会がK堂南湖さん、途中でOBCの生中継も入るという売れっ子ぶりである。
東京からN野晴行さんとかK沢俊一さんも来ている。
まったく予告なしに乾杯の音頭を指名されてまごつく。
この年になって「友人の結婚式」というのは珍しく、15、6年ぶりではないかとしゃべったが、あとで「同級生」という方も似たようなスピーチをしていた。
途中、「高校同級」ということでスピーチしたのが、なんとT巳琢郎さんである。
おれもミーハーであるから記念写真をお願いした。
他に、名古屋からのO田忠司さんや、地元でお馴染みのT中啓文さん、Tべクマさん、A木治道さん、A栖川A栖さん、K森健太朗さん、その他いろいろな方々とワイン飲みながら歓談。
なんやらモロわかりのイニシャルばかりだな。ちとワルノリ。
新婦はピアニストでビンゴの賞品にCDがあったが、獲得できなかった。クラシック畑で、友人のバイオリンニストのスピーチによれば、「左利き」というところに個性があるらしい。ぜひともストライド・ピアノをやってほしいものだ。
……などと和やかに19時半まで。
千鳥足にはならず、歩いて帰館。
おおっ、万歩計、なんと10108歩を記録。
本日はじめて1万歩を超えた。一杯機嫌で歩くのがいいのかな。
3月22日(木)穴蔵/ハチ
久しぶりに穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
午後、銀行関係のことあって、歩いて梅田へ。
今年になってから、自転車にはほとんど乗ってないなあ。
ハチまで歩いてコーヒー。
帰路、堂山町の交差点北側に「ボートピア」がオープンしている。
しばらく通らないうちに、こんなものが出来ていたのか。
交差点4ヶ所にガーやんが計8人立って交通整理している。たいして客はいないようだが、大げさなことである。
これで梅田を通過するのに、西側は競馬、東側は競艇、どちらを通るにも博打打ち集団の人混みを抜けねばならぬ。
自転車はますます危険になるなあ。
先日から専属料理人が不在。
引越したボンクラ息子その1の部屋が気になるらしく、荷物の整理のために上京しているのである。
で、晩飯の用意に気が重かったところ、ボンクラ息子その2が、餃子、麻婆豆腐、野菜炒を作ってくれた。
専属料理人の血筋なるや、1、2ともに料理はマメにやるのである。
ということでビールを少々。後かたづけはおれがやるのであった。
眠い。早寝するのである。
3月23日(金) 穴蔵/鈴木孝紀トリオ/「Balkan Samba」
わ、早寝したら午前2時半に目が覚めてしまった。
朝まで雑読。
日の出を待って、朝刊、朝食、洗濯を約40分間で片づける。
たぶん銀行が混み合う日なので、9時に梅田・某行の窓口へ行ってタイムマシン関係の機密費送金……金額の制限が厳しくなって面倒なことである。別に不正やってるわけじゃないけど、ネット・バンキングの口座を増やすのはなぜか気が進まないのである。
あとは終日穴蔵。
夕刻這い出てミナミへ。
ナンバのMusicraftで鈴木孝紀トリオのライブがあることが判明したのである。
Musicraft、約30人ほどで満員の盛況。
どうも音大の後輩などがメインの雰囲気である。
メンバーは鈴木孝紀(cl)、津田兼六(acc)、廣田昌世(b)のトリオ……というよりも去年「Balkan Samba」を出した「トラヴェルセ」というグループからギターが抜けた編成である。
それぞれ個別には聴いてたことのあるメンバー。
最初のステージはそれぞれのオリジナル中心に、「Balkan Samba」からも。ミュゼットの雰囲気濃厚、変拍子あり、鈴木さんの演奏活動の広がりを感じさせる。
1部最後にマリガンの「ナイト・ライツ」を、2部のアタマに「枯葉」「メモリーズ・オブ・ユー」……これらは、ケン・ペプロフスキーが「Bistro」でやっているような雰囲気で、おれにはこちらが面白かった。
「セッション」というアマチュア参加演奏になったところで……これはお金貰っても聴きたいレベルではなく、こっそり失礼する。
御堂筋を北へ、心斎橋まで歩いたところで本日も1万歩を超えたので、地下鉄で帰館。
もっと早く紹介するつもりだったが、『Balkan Samba』は昨年Ohrai Recordsから発売されている。
上記メンバー+福島久雄(guiter)の4人編成。ジプシー音楽やミュゼット、民族音楽などさまざまな要素を取り込んでいる。7拍子とか9拍子など曲想も多彩。田中啓文さんがライナーで「映画数十本分のイメージが詰まっている」と書いているとおり。
クラに限れば、パキート〜ケン・ペプロフスキー〜谷口英治(ダイナマイツ)とつながる室内音楽風演奏をさらに民族音楽濃厚にしたように聞こえる。鈴木孝紀さん参加の最初のCD。次は自己のカルテットによるストレート・ジャズを出してほしい。
このCD、1000円である。「Ohrai」はん、商売っ気があるのかないのか、HPでも写真しか掲載してないようだけど。
3月24日(土) 穴蔵
曇天なり。穴蔵にて雑事を片づけていたら、外はいつしか雨である。
終日穴蔵。雨にも負けず歩かねばいかんのだが。
午後、老母の卒寿記念歌集の準備、この8年間に作った短歌をスキャナーでテキスト化する。短歌誌などが70冊ほど。すべて80歳を過ぎてからの作品。
約300首のテキスト化に5時間以上かかる。これで約半分。全部で600くらいありそうな。
変換効率はまあまあだが、ややこしい漢字に手こずる。多くは花や植物、昆虫などの名だが、「まくなぎ」に漢字なんてあるのかねえ。
「廂」はひさしだが、「廂間」が母屋の隅のガラクタ置き場ににしている小部屋なんて知らなかった。「蘖」……ひこばえ……なんて字は初めて見る。稲を刈り取ったあとの株である。クサガンムリでも出てこない。「もぎる」の漢字は漢和辞典にはあるが、パソコンでは出てこない。時代が変わったのかなあ。モギリよ今夜もありがとう。
夕方まで作業。
19時からわが集合住宅の大規模修繕委員会。
21時過ぎに終わるが……専属料理人はまだ帰らず、雨だから飲みに出る気にもならず、コンビニでヤッコと弁当を買ってきてビールを飲む。侘びしいものである。
3月25日(日) 大阪→播州龍野/相撲茶番
早朝の電車で播州龍野へ移動。
土日のJRダイヤは不便で困る。18日の新駅(さくら夙川?)開設に伴ってダイヤが変わったところに、本日も加古川付近の事故で遅れる。
朝食抜き、姫路で「駅そば」のつもりが、時間がなくなってしまったではないか。
タイムマシン格納庫にて明日からの準備作業。
久しぶりにマシンの組立作業である。腕が鳴るぜ。
夕刻……大相撲千秋楽を見る。(ふつう龍野では17:30から炊事なのだが、千秋楽は30分ほど早いので見てしまったというところ)
朝青龍が「かわって」千代大海に勝ち、優勝決定戦となって、今度は白鵬が「かわって」朝の負け。笑ってしまった。
この「笑い」は、失笑、苦笑、冷笑、嘲笑色々混じって複雑微妙である。
思い出したのは、40数年前のチャンバラ映画、稲垣浩『秘剣』である。当時の市川染五郎主演。
この「秘剣」という技、相手の親指を切り落とすという「邪剣」なのである。野球の「魔球」に例えれば打者の手首を骨折させるボールみたいなものか。殺しはしないが選手生命を奪うという残忍な技。
で、この映画、最後の決闘で、同じ技を使われて染五郎は指を切り落とされる。
で、染ちゃん、叫び声をあげて号泣する。
この時、大まじめな演技(演出)に、映画館では、客が笑った。哄笑ではないが、場内全体に笑いが拡がった。おれもちょっと笑った。
優勝決定戦を見た時の笑いは、まさにこの時と同質。微妙な笑いだが、ともかく40年以上前の映画館を思い出してしまった。
この取り組みについては色々意見が出るだろうが、おれは、相撲はスポーツではないと思っとる。興業なんだから「熱戦」を見せればいいんだよ。週刊現代も野暮だが、ムキになって面白くもない「真剣勝負」を見せる取的もどうかしとるよ。
そろそろ早寝するのである。
3月26日(月) 播州龍野の日常
快晴である。
朝のうちに下男仕事を片づけ、9時前からタイムマシン格納庫にて組立作業。
職人仕事は気分がいい。
スレートの格納庫、午後は汗ばむほどで、温度計を見たら28℃である。
冷暖房なしの格納庫、温度変化が極端である。
夕刻まで……のつもりであったが、部品に問題が生じ、15時までで中座。交換部品が届くまで1日ブランクが生じることになる。
ま、5月連休明けまで時間はあるから、ゆっくり丁寧に進めるか。
歩いて帰る。
近所にボケの花が咲いているのであった。
おれのアタマ同様である。
老母を連れて買い物に行く。
熊本産のあさりを買う。
おれはボンゴレでワインといきたいところだが、作り方わからず、老母が吸物にしてしまった。
ということで、夜は和系メニューとなる。
枝豆、ヤッコでビールのあと、刺身とカイワレで龍力の熱燗、最後にあさりの吸物と散らし寿司少し。
そろそろ就眠である。
……どうでもいいけど、ここんとこ、「外貨投資」とか「カジノ」とか、ややこしいコメントが多いなあ。わしゃギャンブルはやらんのだが。
3月27日(火) 播州龍野の日常/茶筒
下男仕事のあと、タイムマシン格納庫にて組立作業。
特殊部品のヤスリかけ2時間、われながら見事なもの。
部品待ちとなり、午後は書斎にこもる。
必要あって『虚無回廊』の再読とメモ作成。
冬樹蛉さんが拙作を取り上げてくださっている。過分なお言葉であるが、嬉しいのは「茶筒SF」という評価である。
「茶筒SF」とは『宇宙のランデブー』に由来する冬樹さんの造語。
そして、私見では、『虚無回廊』こそが「茶筒SF」の最高峰である。
それはSSの出現を説明するダン部長の、次のセリフに端的に表現されている。
「長さ二光年、直径一・二光年の、茶筒みたいな物体が、五・八光年先に、九ヵ月前、いきなり出現したんだ……少しは驚いたか?」
SFアドベンチャーで読んだとき、おれは腰を抜かすほど驚いた。
それほどこのセリフは衝撃的であった。
5.8年ほどして少し冷静になって読み返した時、アメリカ人が「茶筒」という言葉を使うのだろうかという疑問が浮かんだ。紅茶の缶はたいてい四角だし。名セリフだが、これは勢いで書かれたのではないか……?
今回読み替えして、おれの誤解に気づいた。
第V巻にHE2が古いメモリーから遠藤の出生を探る場面が出てくる。遠藤はなんと「静岡」生まれなのである! 身内にひとりいるからよくわかるが、静岡出身者のお茶へのこだわりは尋常ではない。
つまりダン部長は静岡出身の日本人・遠藤秀夫が実感としてわかるように「茶筒」という言葉を使っているのである。
色々な再発見がある。
3月28日(水) 播州龍野の日常
朝刊一面に植木等氏の訃報。
テレビはほとんど見ないしネットのニュースもあまりチェックしないから気づかぬままだった。都会では昨日の夕刊で報道されたのだろうか。
寂しい限り。
テレビをあちこち見たら、ほとんどの「芸能ニュース」はスーダラ一色、「高度成長期の象徴」で「これで昭和が終わった」ばかり。
名前は挙げないけど、「昭和」を代表する人はまだ色々生きてはりまっせ。
紋切り型は追悼にはならんよ。特に植木等氏の場合は。
追悼番組としては、60年代のクレージーの舞台のを放映してほしいものだ。
本日、おれはおれなりに追悼。CDは大阪だし、書庫から『日本の喜劇人』を出してきて再読。
半日、タイムマシン格納庫にて作業。外注部品の関係で、つづきは来週となる。
この3日、ほとんど歩いてないので、夕刻、30分ほど散歩。
H家の長屋門の前、桜は開花しはじめた。
老母の徒歩圏ギリギリの場所。来週あたり連れてくることにする。
本日2980歩。
ビールは6000歩分くらい飲む。
さあ早寝。
3月29日(木) 播州龍野の日常/火星人/カウス?
午前3時半に起床。
小用ついで、お茶を飲みつつ居間でテレビをつけたら、なんやら怪しげなSFものをやっている。
これ、『マーズ・アタック!』であった。
アタマの40分は見てない。これは豪華配役によるB級SFコメディ。火星人の襲来ものである。おもちゃみたいだが残忍きわまる火星人。
主演のジャック・ニコルソンはむろんのこと、将軍のロッド・スタイガーははまり役。トム・ジョーンズが出てきたり、結構面白い。
最後の秘密兵器?が唐突でよくわからないが、たぶん最初の方に伏線があるのだろう。
最後の少年のスピーチで、これが「人類=アメリカ先住民、火星人=移住民」という構図であることがわかる。なかなか。……ただ、早朝に見るものではないなあ。ビールでも飲みながら見るべきもの。
朝5時までテレビを見てしまった。
下男仕事色々。
午後、週刊新潮を買ってくる。
「『吉本興業』は怪芸人『中田カウス』に潰される!」
むむむ。
週刊現代の「大崎副社長がヤクザに脅されている」という記事との整合性がない。
一致しているのはどちらも「怪しい漫才師」に脅されている」という1点。
吉本でなにが進行しているのか。
吉本内の勢力争いの構図がいまひとつわからん。
木村はんも横沢はんも、目先の仕事の利害で遠慮することなく、本当のところを暴露してほしいものだ。
林マサさんは、ともかく実名で発言している。立派。
本日は3500歩。飲んだアルコールは7500歩相当。
そろそろ就眠。
3月30日(金)播州龍野→大阪
午前3時前の「雷鳴」で早起き。
チャド・オリバーを思い出す。『雷鳴と陽のもとに』……よかったなあ。
英国人女性をたぶん殺害した市橋達也という男、「行徳」あたりで裸足で逃げ出し、まだ捕まってない。
で、市橋らしき男が「ブティック・ホテル」(と、テレビ・ニュースではいった/昔の「連れ込み」今の「ラブホ」)に入ったと通報あり、警察が捜査、テレビカメラが取り囲んだ……その映像を見たが……間違いであったらしい。
ホテルの中にいた(やってた)客の反応はどうだったのか、そちらが知りたいものだが……ま、迷惑な話だわなあ。
「客」諸君は市橋を怨みたまえ。
ということで、午前中、下男仕事色々。
午後の電車で帰阪。
姫新線沿いの「普通の山」、山桜が開花している。
おれは、桜並木よりもこんな風景をボケーっと見ている方が好きである。
今度の来龍の時に本格的撮影をやることにしよう。
夜は久しぶりに専属料理人のメニュー。
マグロとアボガドの小鉢、トマト・チーズ・玉子のオードブル、ポテトサラダ、ビーフシチュー、フランスパンでビール、ワイン、最後にキウイ。
8000歩相当なりや。
3月31日(土) 穴蔵/青空/「小松左京の宇宙」
久しぶりに穴蔵……とはいうものの雑事色々あり、本日は久しぶりに自転車で市内を移動。
某製品、ヨドバシへ修理に持っていったら、現象確認、買って間もないからと同じのと交換してくれた。
北区役所で府議市議選挙の不在者投票を行う。4/8は上京のため。
帰路、青空書房に寄ると、坂本さん(奥さん)がいて、「さっき工事が終わったところ」という。中央の雑誌用の台が棚に変わり、通路が広くなり、収納量は増えたかたち。
20分ほど前に改装が終わったところで、坂本さんは向かいの蕎麦屋で大工連中と食事中という。
「営業方針」もちょっと変わるらしい。
帰館。
夕刻、穴蔵を這い出て江坂へ。
公園横のイタリア・レストランで、「小松左京の宇宙」というイベントにゲスト参加。
来年のSF大会DAICON7と宇宙作家クラブの共同企画……DAICON7のプレイベントというところか。
メインは小松の親っさんで、ゲストは福江純さん。笹本祐一さんが司会進行を務めてくれる。
参加者約60人だが、友人知人多し。名は列記しないが小松左京賞の面々や久しぶりに会う人など、ほとんどが筋金入りのSFファンである。
最初に福江さんがプロジェクター使用して宇宙論この10年の主な話題を紹介。おれにはダークエネルギーに関する解説が面白かった。
一般相対性理論の宇宙項を左辺から右辺に移項するだけのことだが、「宇宙の謎」が空間からエネルギーに変わってしまうわけで、まさに目から鱗。といっても「謎」は謎のままだけど。
小松さんが「さよならジュピター」連載中に、ニュートリノ関係の文献をざっと読んで「おい、素粒子の世界というのは簿記といっしょやぜ」といったのを思い出す。
話題は、宇宙にとって生命・知性・文学とは何かとすっきりとは進まず、当然ながら脱線の連続。親っさん、本日はなぜか○○ネタ連発……「太陽の塔」のデザインが「太陽の季節」の影響である(なんて慎太郎はユメ知らない……はず)とは驚くねえ。
相対性理論がらみで、おれも悪ノリで「相対会」なんていったら、小松さん、「あれは『関係』(relativity)で語源はいっしょや」……さすがに会場に「相対」を知る人は少なかったような。(おれも『赤い帽子の女』を読んだだけだけどね)……相対会についてはここが詳しい。活動開始時期は相対性理論とほぼ一致しており、相対論の本が難解ながら売れた一因は、こちらと勘違いしたからという説もある。
……などと午後8時半まで。
あと、ウチアゲムードでガヤガヤ。
SF大会関係の話をしていて、ワールドコン機会に大会復帰となりそうな……。「マッドサイエンティスト・カフェ」というのがあって、そこでメイド代わりにお茶を出して「接客」させられるという。久しぶりに「白衣」を出しとかねばならぬ。
親っさんは9時半頃にお帰り。
表にズラリ並んでタクシーをお見送りする。
一般通行者には「その筋」にしか見えないのではないか。
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