『マッドサイエンティストの手帳』375
●マッドサイエンティスト日記(2006年6月前半)
主な事件
・播州龍野の日常(1日〜)
・創サポ講義(3日)
・姫路モノレール廃線ウォーク(5日)
・播州龍野の日常(6日〜)
・穴蔵の日々(11日〜)
・小林真人さんを聴く(15日)
6月1日(木) 播州龍野の日常
タイムマシン格納庫で組立作業の継続。
午前8時に25℃の室温、11時には36℃となる。
昔は、あとのビールが楽しみで、午後はお茶なしで体が干上がる寸前まで作業したものだが、さすがにこれはやばい。
少しは水分補給するのであった。
本日より駐車違反取り締まりの「民間委託」とかで駐車監視員というのがウロウロするらしい。たぶん警察OBの再就職なんだろうけど。
田舎では駐車違反は関係ないと思っていたが、念のために駐車禁止の「除外指定車標章」申請にケーサツへ行く。
脚の悪い老母の世話用でしか運転はしないのであって、手続き煩雑だが可能なようである。
大阪の雰囲気はどうか。
岡っ引きまがいが徘徊するのは気分のいいものではないなあ。
さっそくオレオレ詐欺に利用されそうだし。
6月2日(金) 播州龍野の日常
タイムマシン格納庫にて朝7時から黙々と作業継続。
ふだん使わない筋肉を使うから、体の節々が痛む。
歳であるなあ……。
午後、だいたいの作業が終了、「艤装」は相棒に任せることにして一区切りとする。
午後から明日の創サポ講義の準備。
約20編の原稿の再チェック。
なかなか「筋のいい」のを発見して、こういう時はうれしいものである。
6月3日(土) 播州龍野→大阪/創サポ講義
昼間、播州龍野から大阪に移動。
帰ってみると、わが穴蔵前の路上がすっきりしているのに驚く。
わが集合住宅の前は商業ビルの側面にあたるので、たいてい4、5台が路上駐車している。24時間パーキングがすぐ横にあるにもかかわらず、である。日産レンタカーの事務所があって、ここのクルマもよく置いてある。これが見事にゼロ。
集合住宅横の道は、昔ルン吉くんが寝起きしていた歩道、Paulゐのうへさんが勤務していたビルの前で、ここもクルマ停め放題の場所。ここも見事にすっきり。
こんなことは1月1日でもなかったことだ。
いつまで続きますことやら……。
夕方から天満のエルおおさかへ。
創作サポートセンターの講義。
描写のポイントについて、提出作品中心にコメント。
全体に熱心な雰囲気で、こちらも気分がいい。チャンバラ場面を出してきたひとり、おれの質問に「こういう動作です」と実技までやってくれたのにはちょっと感激する。前回、殺人場面はダメだが、路上に寝転がるとか自宅にベランダから侵入するとか(当事者の視点)はやってみるべきと話したのを実行しているわけである。
現におれも怪文書配布犯を「実行」してみたことがあるけど、これは勉強になりまっせ。
タイムマシン作業と田舎ストレスで疲労しており、まっすぐ帰館。
専属料理人に夏パスタ・その他を作ってもらってワイン。
6月4日(日) 穴蔵
終日穴蔵。
慣れない筋肉を使った結果、体の節々が痛む。
早朝に秋田の小学生殺害に関して「いちばん怪しい」と噂の「同じ団地の女性」を「実家」から同行させて任意聴取しはじめたというニュース。
断続的にニュース見ながら、たまった雑件の処理。
数日前の新聞を読んでいて、疑問氷解の記事1件。
先月24日のブログ記事について「小諸の蕎麦屋の店員が無愛想」というのコメントをいただいた。
信州そばは食べてみたいが、どうしようかと思っていた。
と、「流域紀行・千曲川をあるく」という連載記事の「小諸市」篇。
ともかく寂れているらしい。要するに新幹線誘致の失敗(小諸はミニ規格を主張)の結果、小諸は3セク・しなの線の特急も停車しないローカル駅に転落した。駅前で「名物揚げまんじゅう」を売っているソバ屋も閑散、店主はもはやあきらめの境地らしい。
貧すりゃ鈍すの典型であるのか。弱り目に祟り目、泣き面にハチ……小諸駅の便所へ行ったら人が入っているのであろうか。
こうなると逆に行ってみたくなるから不思議だ。
今月半ばに小諸へ行くことになっている。
早めに行って、活気ある佐久平を見物の後、昼は小諸駅前のソバ屋でと決意するのであった。
6月5日(月) 大阪→播州龍野/廃線ウォーク
11時前に穴蔵を出て梅田に向かう。
阪急本社前にテレビ中継車が2台。「村上ファンド」がらみ、動き急であるらしい。
運ちゃんは乗っているのだろうが、長時間ここをふさぐのは違反にならんのかねえ。
姫路へ移動。
13時、姫路駅で北野勇作さん、八杉将司さんと合流。
前にちょっと話題にした「姫路モノレール廃線ウォーク(+姫路駅西側の工事現場見物)」を本日実行することにしたのである。
世界環境デーにちなんだわけではなく、月曜昼間ならいちばん人がいないだろうという理由から。
先週の天気予報では曇か雨だった。「雨天決行」予定だったのが晴。
往路はモノレール高架に沿って手柄山まで、約1時間。
手柄山で記念撮影。
帰路は山陽電車・手柄に出て、山電の線路沿いに歩いて姫路へもどる。
「姫路モノレール廃線ウォーク」については別項。
15時30分頃に姫路駅に帰ってきた。
喉カラカラ。
八杉さんは「午後5時過ぎないと居酒屋は開いてませんよ」というが、そこはおれの「嗅覚」を信じてもらわねば。
小溝筋商店街からちょっと入った路地……おれの贔屓『プロ酒場』はまだ開いてないが、近くにいい雰囲気の店を発見した。
ということで、明るいうちから生ビールでヤッコ、串カツ。たまらんなあ。
モノレール、北野さんのソウル市場見学、映画『日本沈没』などガヤガヤ。
17時散会、姫路駅でそれぞれの方向に別れる。
おれは姫新線で本竜野へ。
6月6日(火)
『朝はミラクル』に小松御大登場。
『日本沈没』についてのインタビューである。
CGがいい、音響が凄い、阪神大震災以降の再映画化だけに色々なことが取り込まれている、防衛庁はじめ諸官庁の協力体制がいい……と、ポイント押さえて、なかなか的確。
親っさんも言語明瞭、ふだんのコントロールの難しい長口舌もなく、「阪神大震災以降のパニック映画」が気に入ってはる雰囲気であった。
「ドラマ性」「SF性」については触れず、賢明な判断というべきか。
タイムマシン格納庫にて軽作業。
午後、ケーサツへ行く。
「駐車禁止除外指定車標章」の申請であるが……運転者(介護者)が2キロ以内に居住していないとダメと判明。根拠がよくわからんままだが、不正使用の防止であろうか。
「もうひとり運転する人が乗りはったらよろしいねん」
それが可能なら最初から来るか。
田舎のことであり、住民票を移してまで手続きすることではないか。
ケーサツには逆らわず、書類は全部廃棄。
6月7日(水) 播州龍野の日常
本日も夏日なり。
雑用色々。
午後、タイムマシン格納庫に来客数名あり、ネクタイ着用で出迎え。
が、マシンの稼働状態をお見せするのは冷房設備なしの格納庫内であるから、服装など構ってられない、35℃のなかでの試運転となる。
失礼にはあたらず。
過酷な状況下でも問題なしと信用を得た……と信じたい。
ということで、ビールがうまいのであった。
早寝する。
6月8日(木) 播州龍野の日常
龍野のテレビ(CRT/7年7ヶ月使用)がついにおかしくなった。
午後、老母を連れて、先月に新規オープンのJoshinへ行く。
大画面のはパス。
昨年2月2日以来、松下製品は買わないことにしているので(この事件はジャストシステムの主張が認められるかたちで決着したから、個人的不買運動を続けているわけではないが、積極的に松下を選ぶ理由もない。前科者に世間は冷たいのである)、S社の26インチ液晶に決める。
特別価格で158,000円はまあまあではないか。
配達は明日となる。
6月9日(金) 播州龍野の日常
『朝ミラ』…今週は米朝師匠が月曜から連続登場であって、本日が最終日。15分ほど上方落語について。
かんべ氏のインタビュー、見事なもの。
チャーチャン、やっぱりいい声だなあ。電波弱けれど明瞭に伝わってくる。
弟子入り志願が今も来て「初任給なんぼですか?」というのには笑った。
ということで、終日、タイムマシン仕事と下男(おとこし)仕事、相半ば。
夕刻、26インチ・ワイド画面のテレビ到着。
夕食にでかいオムレツを作ってビール飲みながらボケーっと見る。
ワイド画面は誰も彼もがホリエモンみたいな顔つきに見えるなあ。
半井小絵が丸顔美人に見える、これひとつの不思議。
早寝する。
6月10日(土) 播州龍野→大阪
「こんな夢を見た」という話を聞かされるのは中学時代から苦痛で、おれも話さないことにしている。
例外的に一度だけ。
早寝したら午前2時頃に目が覚めて、朝まで断続的な睡眠。
なぜか永井荷風の葬儀に出席している夢を繰り返し見る。
関係者が次々現れて、死体を囲んで断腸亭を罵倒しはじめるのだが、これがだんだんとエスカレートしていく。特に「夜の生活」を覗き見された某氏の激高ぶりが凄い……。
どこかで見たような夢だなと思い、あ、これは『寝ずの番』の影響かと気づいたところで朝になった。
雑用を色々と片づけ。
昼の電車で大阪へ移動。
夕方から集合住宅関係の会合に出る。
理事は当分まわってこないのだが、「耐震」関係の委員会のメンバーにされてしまったのである。
調べなければならぬこと色々発生。
「日本沈没」にならって、「何もしなくていい」気持ちが半分以上あるのだが……。
6月11日(日) 穴蔵
終日穴蔵。
起きるのも面倒な。
田舎から戻ると1日はこんな気分になる。
昨夜、専属料理人に「お弁当」を作ってもらっているから、夕刻までとじこもり。
半分は昼寝である。
日曜は近所のビルの解体工事もなく、静かでいい。
夕食時のみ「自宅」へ行く。
また「お弁当」を作ってもらって穴蔵に戻る。
明日の昼まで閉じこもり予定。
6月12日(月) 穴蔵/耐震問題
定刻午前4時に起きて、色々と雑件処理。
と……5時過ぎ、椅子にかすかな揺曳感。
暁震というやつか。明け方の揺れには敏感になっとるからなあ。
テレビをつけてみると、大分方面で震度5弱の地震。
しばらくニュースを見るに、大きな被害はない模様。
ということで、昼まで穴蔵にこもるが、昼過ぎに自転車で出かける。
某所(詳しく書くと後述の通り「ある人」に迷惑となる)へ行く。
わが居住している集合住宅の「耐震調査」に関する相談のためである。
午後、某所に着く。
相談相手のセンセイ……無料法律相談における弁護士のごとく、この場合は「当番建築士」なのであろうが……アネハそっくりなのにびっくり。思わず冗談をいいたくなったが、ここは我慢。
「耐震相談の相手がアネハでどないなりますねんな」などといってはいけない。
まじめに質問する。
しかしなあ……親しい業界関係者は酒席で「お前、アネハそっくりや」などといっているに違いない。それを確信させるほど似ている。
ただ、わが質問には極めて誠実に答えていただき、さらに非公式ながら本音部分まで話していただいた。
立派な方なのである。
ありがとうございました。
さらに……某センセイ、アタマは絶対に擬装でないことをつけくわえておく。
帰路、ハチに寄る。
8/8の山下洋輔ライブのチケット購入。
8/6の京都でのNYトリオ+オーケストラは予定が微妙で迷うところだ。
帰館。
テレビは今夜のサッカー中継の予告ばかり。
おれは19時半からフラナガンのスーパー・トリオ聴きながらビールを飲み、もう眠い。
もし夜半に目が覚めたら見るかも……ということで、そろそろ就眠である。
6月13日(火) 穴蔵/タッキーが来た
終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
夕刻、滝川雅弘さんが遊びにきた。
自転車で……なんと大きなアイスボックス(趣味の釣り用か)に冷酒やビールを詰め込んでの来訪。
専属料理人に色々作ってもらって、ビール飲みながら、久しぶりにジャズ・クラリネット談義色々。白ワイン、芋焼酎……と、気がつけば22時頃になってしまった。
タッキーの酒気帯び自転車での帰館がちょっと心配だが、まあなんとかなるであろう。
6月14日(水) 穴蔵
ほぼ終日穴蔵。
少しは仕事もするのであった。
明日からしばらく上京(含小諸蕎麦)なので、片づけておかねばの雑件色々。
ODJCのホームページにラスカルズを紹介した関テレの『元気アップ関西』のビデオをwmv化してアップする。
動画ファイルを扱うのは初めてだが、思ったよりも簡単であった。
ということで、明日から上京。
東京の「隠れ家」から更新は可能であろうが、断続的になりそうな……。
6月15日(木) 上京/ミントンハウス
上京する。
今回は東海道昼特急(高速バス)……1C席で移動。
小雨が降り続き、眺めはよくない。
どういうわけかガラガラで、10人くらいしか乗ってないのではないか。最前列はなんとおれだけ。静かで、半分以上は寝て移動。いい静養になった。
隠れ家……というかボンクラ息子その1の部屋……に荷物を放り込み、冷蔵庫内にビールやワイン、その他食材を補給してから、西荻窪に向かう。
西荻窪といえばアケタの店だが、本日は駅の南側。
ミントンハウスという「トラディショナル・ジャズ専門のライブハウス」があって、小林真人さんが出ていることがわかったからである。
本日は阿部寛(g)トリオで、ベースが小林真人さん、テナーがゲストの広津誠さん。このテナーは初めて聴く。 泣かせるなあ。本日はテナー1本だが、クラもうまいらしい。東京のプレイヤーの層の厚さを実感する。
小さな店だが、楽器はすべてマイクなし、生の音がよく響き、ベースの音がいい。
休憩中に小林さんから、先日までのドイツ・オランダ・ツアー(ブレダ・ジャズフェス)の話など聞く。
ドイツのトラッド・ファンのじいさんたちから、「ヤマシタはどうしてる?」と訊かれるという。70年代前半の山下洋輔トリオはドイツでは伝説になっているらしい。
ということで、大人のジャズを堪能、総武線が津田沼まで直行のギリギリまで聴いて「隠れ家」へ。
23時過ぎに親子ほぼ同時帰館。
深夜の酒盛りとなる。
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