HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』248

●マッドサイエンティスト日記(2002年8月後半)


主な事件
 ・茜倶楽部と桂歌之助(16日)
 ・Jeoff Bull Group at Mahogany Hall(18日)
 ・滝川雅弘 SUB 月例ライブ(20日)
 ・小松さんに会う(23日)
 ・犬小屋で番犬(26-30日)

2002年

8月16日(金)
 カンカン照りである。
 午後、梅田の喫茶店で茜倶楽部の集まりがあるので顔を出す。先日、桂歌之助関係のコーナーを作ろうという話が出たので、その打ち合わせである。帰省途中の後藤昌之くんはともかく、岡崎からわざわざ相馬訓司くんまで来たのには驚いた。
 独演会のプログラムや、歌やん直筆の原稿など、意外な資料が残されている。
 それにしても(ヒマだとはいえ)歌やん、文章には凝っていたなあ。
 一例がひとりで発行した『歌コ新聞』である。「社説」や広告パロディまで凝りに凝っている。
 off
 時間と手間はかかるが、楽しみながらボチボチやっていこうということになる。
 明日からタイムマシン整備工場へ行くので、2時間ほどいて中座。
 著作権上のことがあり、夕刻、歌之助夫人・維久子さんに電話。
 と、寄稿してくれた文章などについてお任せしますということになるが、他に新聞や雑誌などに歌さんが書いたものは「大部分」残っており、どのようにするか迷っている、一度相談したいと思っていたとのことである。
 特にあるプログラムには20年以上にわたる「連載」が残されているという。
 歌やんの「遺稿」、想像以上に凄いらしい。
 何か協力できればいいのだが……。
 22時〜NHK「地球時間」JAZZ4回目、グッドマン特集。この番組、ウイントン・マルサリスがナビゲーター役だが、途中、コメンテーターとしてアーティ・ショウが出てきたのに仰天。一昨年製作の番組だから、90歳のはずである。意外にきちんとコメントしている。「引退」して40年になるのかな、番組の中でショウを取り上げないのが不思議だが。

8月17日(土)
 早朝の電車で播州龍野の実家へ移動。
 げ、実家にノートパソコンを設置したのに、肝心のCD−RWを持ってくるのを忘れた。
 しかたなく肉体労働に徹する。
 ビールがぶ飲み、早寝。

8月18日(日)
 わ、4時前に目が覚めてしまった。
 「朝、涼しいうちに勉強」……と、小学校時代の標語を思い出すなあ。
 9時のスーパー開店を待って、老母用食材を買ってきて冷蔵庫に補充。
 10時過ぎに大阪に向かう。
 いったん帰宅後、心斎橋のマホガニーホールへ。Jeoff Bull Group at Mahogany Hall、ジェフ・ブルご一行をゲストのコンサートである。

8月19日(月)
 終日穴蔵。風強く涼しい。

8月20日(火)
 終日穴蔵。といっても、半分は集合住宅関係の雑務で時間をとられる。職住隣接は問題であるなあ……。
 夕刻、学友のS野くんと会う。梅田「玉乃光」でビール。S野くん、江戸時代、特に元禄の「側用人」の役割を再評価すべきというが、肯首しかねるところあり、旭屋で「参考文献」を購入。
 そのまま地下鉄谷町線で谷九「SUB」へ。
 滝川雅弘カルテットの月例ライブ。ほぼ満席、結構なことである。
 時々歌いながらここ数年店を手伝ってきたHYUNちゃん、今日で店の方は終わりということで、3曲歌う。最後は「捧ぐるは愛のみ」。
 off
 またどこかのライブハウスで聴けるのを期待……。
 最後に、なんとリクエストで「シング・シング・シング」……熱演である。この曲、滝川さんの演奏では初めて聴いた。
 まっすぐ帰宅23:30。

8月21日(水)
 終日穴蔵。
 夜、集合住宅の理事会である。案件多く、資料整理、議題書作成、コピー、ああしんど。

8月22日(木)
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 タイムマシン関係の雑用。
 昼、近くの酒のディスカウント・ショップへ行く。いつも飲む発泡酒、1ケースで買うと、500ml缶が1缶142円である。大阪の近所の酒屋、安いと思ってたが20円もちがうのか……。
 冷蔵庫補充、午後帰阪。大阪のデスクトップと設定を合わせるために、ノートパソコンを下げて移動。結構思い。毎日これを背負って喫茶店を移動する田中啓文の体力、たいしたものである。

8月23日(金)
 終日穴蔵。
 夕刻、とつぜん小松の親っさんから声がかかって千里中央の高層ビル最上階にあるラウンジへ。
 タイムマシン整備のために海外へ飛ばねばならぬ某くんのために、ビジネス・ビザや航空券の受取など。 小松さんと民博関係で定期的に集まる会という。夏休みで人数が少ないので呼ばれたようである。小松左京、小山秀三、パチンコしていてちょっと遅れて石毛直道、それに関電関係の研究財団・加福共之の各氏。ほとんどおなじみの顔ぶれではないか。
 21時まで軽くビール。
 明日早くロンドンへ飛ぶという小山先生と地下鉄で中津まで。
 小山先生、なんと小野耕世氏と「同級」というのでびっくり。小野耕世氏は長いこと会ってないけど、小野氏はずっと若い印象しか残ってないものなあ。

8月24日(土)
 終日穴蔵。
 夜、久しぶりにニュー・サントリー5へ。ニューオリンズ・ラスカルズの出演日。それに、ニュー・サントリー5「開店32周年」だそうである。おれの「社歴」と同じか。
 パソコンを下げて行く。
 先日ちょっと「圧力」のあったホームページのコーナーについて、ライスルズのCD入手法について、記載事項をチェックしてもらうためである。
 2〜3ステージの間に河合良一氏にチェックしてもらう。CDは品切れのが増えているそうである。

8月25日(日)
 終日穴蔵。
 集合住宅関係の雑用多し。
 午後、ホームページの更新。ニューオリンズ・ラスカルズ賞賛コーナー「ふるさとはニューオリンズ」を開設。まだまだ情報不足だが、公式ホームページが出来るまでの露払い役である。
 さあ、来週は播州龍野の仕事場に籠もることになる。
 龍野から、このページの更新もできるか。

8月26日(月)
 限りなく未明に近い早朝、ノートパソコンを亀の甲羅状に背負って播州龍野のタイムマシン格納庫に向かう。
 本日よりしばらく、格納庫の番人である。
 格納庫は昼間40℃を越えるが、併設の「犬小屋」を改造、フローリングにして南北の窓は網戸を入れてあるから風は抜ける。エアコンもつけたから快適である。
 終日犬小屋。スフィンクスになった気分である。
 夕刻、実家に帰る。
 某修道院院長にして某校理事長でもある姉が、夏休みのうちにということで帰っている。
 夕食用の総菜は買ってきたということだが……ゴーヤチャンプル、豆腐、エビコロッケ、小魚の南蛮漬けといった不思議な取り合わせである。修道院のメニューというのは普段はどんなものなのであろうか。
 まあ、おれはビールがうまく飲めればいいので、何の不満もないのであるが。
 昔、本名の「加賀乙彦」先生に教えを受けたことのあるシスター。今は沖縄料理でビール一口。不思議なものである。

8月27日(火)
 終日、犬小屋で番犬。
 ノートパソコンでDVDも観られるので、昼間、『玩具修理者』を観る。舞台挨拶も収録されていて、小林泰三氏の出番も収録されている。
 田中麗奈、バラサイトから玩具修理者と、ホラーの本流を歩む。毛利郁子を超える怪奇女優に成長してほしいものである。
 夜、実家。
 珍しく姉が帰省しているというので、西宮から妹までが帰ってきた。
 夕食メニュー、ますます不思議な取り合わせになる。
 ……面白いのだけど、ここに書くのははばかられる。
 必要あって、ニーヴン&パーネル『インフェルノ』再読、当時ほど面白くない。宗教観の相違か。

8月28日(水)
 終日、犬小屋で番犬。
 夜、まあ普通のメニューになる。
 必要あって、西村寿行『地獄』再読、当時ほど面白くない。モデルの同時代性がなくなると、案外つまらない話なのである。つまり古びている。
 つづけて創元社『米朝落語全集』を拾い読み。こちらは古びないなあ。

8月29日(木)
 終日、犬小屋で番犬。
 夜、老母とふたりで夕食。メニューは、まあ書くまい。
 『米朝落語全集』を再読。

8月30日(金)
 昼前でタイムマシン格納庫の番犬業務を終える。幸い、盗まれなかった。
 老母のために食材・冷蔵庫補充。
 午後、帰阪。
 夕刻から天満の「エル・おおさか」へ。大阪で大阪シナリオ学校の「提言&懇親」の会。OBというか、昔からの演劇、シナリオ関係者が多く、その発言から、映画やテレビ番組の製作の多くが東京に集中している事情が実感できる。吉本も東京に重心を移すのではないか。
 小説に関しては、細かい仕事をやらないのなら、どこに住んでいてもいいわけだし、北野勇作みたいに、日本にいるのかいないのか不明というのも可能だものなあ。
 21時頃に帰宅。
 疲労蓄積、たまっていた新聞を読んでいる途中で寝てしまう。

8月31日(土)
 5時前に起床。朝刊で「小泉訪朝」のニュースを知る。どうなりますやら。かんべむさしの見解を聞かなくては。
 ほぼ終日穴蔵。
 なんとか「ふつうの生活」に戻れそうである。
 HPの更新など。そして書いたのがこのページ。


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