『マッドサイエンティストの手帳』748

●マッドサイエンティスト日記(2021年2月前半)


主な事件
 ・穴蔵の日々


2月1日(月) 穴蔵
 目覚めれば2月であった。
 今月は、心を入れ替えて仕事に励むことにする。
 曇天。穴蔵にこもるには落ち着く。
 雑事あれやこれや。
 協力中のプロジェクトやら、播州龍野の案件やら、修繕依頼中の案件やら、色々交錯して、落ち着かないことである。
 たちまち夕刻。
 久しぶりに入浴する。
 湯上りで……休肝日の予定だったが、明日と振替にして、湯豆腐などで一杯やることにする。
 忙しいのは健康にもいいような。
 夜は昨夜の口直しにDVDで『ポイントブランク』を見る。

2月2日(火) 穴蔵/ウロウロ
 晴たり曇ったり。
 相変わらず雑事が多い。
 まあまあ暖かいので、昼、自転車で十三まで行く。
 十三大橋を渡ってちょっと先にある某信用金庫の淀川支店。兵庫県内にしかない(本店は姫路/いちばん近いのは尼崎)と思ってたら、ちょっと前に十三にも支店が開設されていたのだ。
 ここだと越境しなくて済む。
 が、ATMなし、案外不便であった。
 十三商店街の某店にも寄る。
 帰路、淀川右岸の河岸から梅田を眺める。
  *
 ここは藤野恵美『淀川八景』の表紙絵になった場所である(阪急の鉄橋がアレンジしてあるが)。
 まあ適当な運動になった。
 緊急事態、3月7日まで延長……播州龍野の用事はどうしたものか。

2月3日(水) 穴蔵/ウロウロ
 晴たり曇ったり。気温はよくわからん。
 終日穴蔵。机とコタツ、いたりきたり。コタツで本を読みつつ居眠りしている時間の方が長い。
 午後、BSで『裏窓』を見る。テレビではたぶん35年ぶり。記憶してたほどの面白さはないが、むろん傑作。
 夜は専属料理人に数皿並べてもらって晩酌。
  *
 アヒージョというのか、牡蠣などをニンニクとオリーブオイルで煮たのがいける。
 カリカリに焼いたパンで底まで掬い取りつつ、白ワイン。うまっ。
 あとはBSでコロンボ『攻撃命令』……これは初めて見る。まあよくできている方だろう。

2月4日(木) 穴蔵
 曇ったり晴たり。気温はよくわからん。
 終日穴蔵。昨日と同じ。いかんなあ。
 コタツで寝そべって本を読んでいる時間が長い。
 終日、鉄骨を解体する工事音が響いてくる。
  *
 先日から続いている駐車場の解体工事、いよいよ終盤である。
 更地になるようだか……あとはどうなるか。
 たちまち夕刻。
 休肝日につき粗食。早寝。つまらん日である。

2月5日(金) 穴蔵
 快晴である。暖かそうで……外出したいが、急に多忙になった。
 とつぜん、引退したはずのタイムマシン業で、残ってた製品を輸出する話が降ってわいた。
 貿易事務がとっさには思い出せない。
 2時間ほどで作れたはずの書類作成に半日近くかかるし、乙仲に電話したら、○年ぶりだから、事務所は移転、担当は変わり、テレワーク中ですので折り返し連絡しますといったきり、なったく連絡なし。
 外出するわけにもいかず。
 何も進展しないまま、終日穴蔵。
 外がうるさい。
 終日、駐車場の撤去工事の音が響いてくる。
  *
 夕方には整地を始めた。どうやら完了らしい。
 こちとらは結構手際いいではないか。
 見習わなければ。
 昼間、断続的にニュースを見る。
 森喜朗の「会議に女が入ると長くなる」という暴言?にお詫びしたのはいいが、その会見が火に油で、終日、五輪組織委員長を辞任しろの大合唱……のようである。
 いかんいかん、委員長は続けていただかなければ。
 どうせ五輪は中止である。今辞めさせたら「それみたことか」と鼻高々になるに決まってるではないか。
 森が居座ったから中止になったという方が、はるかに気分がいいはずである。がんばれ、喜朗。

2月6日(土) 穴蔵/ウロウロ
 晴れて暖。3月中旬並とか。
 相変わらず穴蔵にて効率の悪い作業を続けるが、やめた方がいいようである。
 1.土日は世間は休みであり、ひとり悶々としていても進展なし。
 2.播州龍野へ行かなければ進展しないことがほとんど。
 ということで……今日明日は仕事はやめ。
 午後、散歩に出る。
 人の少ない貨物線沿いに歩く。

2月7日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 生産的なことは何もできぬまま。
 夜、酎ハイ飲みつつNHK「麒麟がくる」の最後40分ほどを見る。最終回が本能寺という興味から。
 動機がよくわからん(最終回の途中から、しかも初めて見るのだから、わかるはずなしだ)が、本能寺の焼け跡に信長の死体は確認できず、ラストシーンで光秀が馬で駆け去る……続編は『信長島の惨劇』で決まりだな。数年後の大河ドラマが待ち遠しい。

2月8日(月) 穴蔵
 世間は休日明け。
 珍しく世間に連動して電話が数件。雑事発生してあれこれ。
 おれでもまだ役に立つと思われているのであろうか。カモにされている訳ではなし。
 ATMまで行ったついでにジュンクドーも覗く。閑散。
 午後は穴蔵でコタツに潜り込み、岸政彦・柴崎友香『大阪』を読む。
  *
 「大阪に来た人」と「大阪を出た人」が交互に大阪の「生活」を書く。淀川がらみが多く、前者は毛馬の上流、後者は木津川から河口あたり。
 その大阪描写はともにたいへん面白く、おれの知らない世界でもある。
 よく歩く場所なのに……と考えるに、おれは人がいなくなった(つまり生活のない)廃墟の大阪が好きなんだなあ。
 たぶん、大阪で初めて生活したのが毛馬の廃工場の中だったことに起因するのだろう。
 たちまち夕刻。
 本日は休肝日。
 夜は素面で某メンバーによるzoom会議。
 冴えてたのかボケてたのか、よくわからん。

2月9日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 不思議に非SF系の雑事で忙しい。
 午後、珍しくも穴蔵に非SF系の来客あり。詳しくは書かないが「登記上」の必要から。
 貿易関係の客人だが、雰囲気が「機械関係」とまるで違うので戸惑ってはる印象である。
 別に隠すことでもないから、ここは機械も幻想も生む場所なのだと明かしたら、興味がSFに移ってあれやこれや……
 逆にこちらも面白い話を色々聞く。最近の貨物機事情とか。
 忙中の閑か。
 夕刻、東側に見える駐車場の解体工事が終了した模様。重機が去り、静かになった。
 郵便投函のついでに見学に行く。
  *
 周辺のブロック塀も撤去され、隣のボロアパート(食品スーパーの調理場に使われてたが今は無人)の断面が初めて見える。
 奥の瓦葺きも面白そうだし。
 無人の建物が連なっているから、次々に廃墟の解剖が見られるのか、手術・再生となるのか。
 楽しみは尽きない。長生きしなければ。

2月10日(水) 穴蔵
 晴れて暖かそうな日である。
 終日穴蔵。
 非SF系の雑事あれこれ。忙しいというより、歳のせいで作業効率が落ちているのである。
 夕刻に書類を送り終えてホッ。
 たちまち夕刻。専属料理人の並べた数皿で晩酌。
  *
 某方面からいただいたイカの一夜干しが絶品である。佐渡からの。
 調理法が色々紹介されているが、軽く炙っていただくのがいちばん。マヨネーズなんてものはいらない。
 この場合、高級な酒(呉春など)よりも、料理酒にも使う紙パックのぬる燗の方がいい。
 いくらでも飲める。休肝日明けだからか。これなら時々休肝日を設けるのもいいものだ。

2月11日(木) 穴蔵
 資料など届けるので本町あたりまで行き、ついでに市内うろうろしてくるから……と出かけようとしたら、専属料理人が「今日は祝日だから普通の会社は休みでしょ」といわれる。
 建国記念日であった。
 突然空振り。終日穴蔵。
 部屋にこもっていると、ろくなことがない。
 ややこしいメールが届いたりして、気が滅入ってくる。
 夜、気晴らしのつもりでDVD『仁義の墓場』(まだ見てなかった)を見るが、これは最悪の選択であった。
 力作ではあるが、これはストレスの解消にはならん。

2月12日(金) 穴蔵
 平日である。
 昨日の用事をこなす。
 通勤ラッシュの終わった頃に出で、地下鉄で本町へ。書類のお届けやら、某ATMやら、ついでに昔の勤務先見物やら、色々。
 北浜の某万年筆店に寄り、モンブラン149の修理を依頼する。
 万年筆はほとんど使わなくなつている。久しぶりに書類にサインしようとしたら、インクが入らなくなっていた。
 店主がいうにはインクが詰まっているので、○千円程度で直せるだろうという。
 棚を見ると149は7〜9万円。高くなったものである。
 もったいないので修理依頼。
 午後は穴蔵。たいしたことできず。たちまち夕刻。
 チック・コリアの訃報
 夜は上原ひろみとの「スペイン」を聴きつつ献杯。
 チック・コリアは山下洋輔さんとのデュオをフェスで聴いた(山下さんのソロコンサートにコリアがゲストで登場した)。
 その後、ハチに現れて、サービスでドラムを叩いてくれた。80年代半ばだったと思うが、調べるのが面倒になった。
 79歳は森喜朗よりずっと若いではないか。
 引き続き「フォーエバー」。
  *
 本日のイカの一夜干しは「洋風バージョン」……野菜などとオリーブオイルで炒めたの。
 これで白ワイン。
 悪くはないが、やはり炙ったままのがいいな。
 ただ、コリアにはこの方が合う。

2月13日(土) 穴蔵
 晴。外は暖かいようだが、土曜で、たぶん人出も多そうな。
 終日穴蔵とする。
 昼。専属料理人が唐揚げとかサンドを運んできた。
 久しぶりにzoomランチ
 相手側は横浜のボンクラ息子その1ファミリー(犬も勘定に入れます)。
 向うはタコ焼きらしい。
 ビール飲みつつ1時間ほどうだうだ。
 コロナ状況は西も東も同じらしい。アホは唾液飛散の「会食」「接待を伴う飲食」に平気で出かける。アホからの感染者が減るのを待つばかり……であろうか。

2月14日(日) 穴蔵
 目が覚めて昨夜の地震を知る。
 23:08に宮城・福島で震度6強。まるで気づかなかった。死者ゼロは奇跡的であろう。
 晴れて暖。
 こんな日に浮かれ出ては東北の方に申し訳ないので、終日穴蔵。
 生産的なことは何もできず。
 粗食で一杯。
 早寝させていただく。

2月15日(月) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。以下略。
 9時に近所の某院へ行ったらガラガラ。新コロナよりも、雨のせいだろう。
 こちらも血圧測るだけ。ごく正常。
 あとは終日穴蔵。
 午後、BSで久しぶりに『新幹線大爆破』を見る。よく出来ているが、お産とかドンツクは余計だな。
 たちまち夕刻。
 本日は休肝日。ハッシュドビーフ。
 夜ごはんを食べると、やはりもたれるなあ。
 21時からBSで『127時間』があるが、これはパスすることに。
 閉所恐怖症の気があるから、苦痛だし、実話ベースというから、最後に意外な方法で助かるとパターンとは思えないからである。
 本を持ってベッドの潜り込ませていただく。


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