『マッドサイエンティストの手帳』731
●マッドサイエンティスト日記(2020年6月前半)
主な事件
・(緊急事態宣言解除後も)穴蔵の日々
・大阪JAZZ同好会(14日)
6月1日(月) 穴蔵
午前3時、目覚めれば6月であった。
アタマは相変わらずのボケ状態。
世間は「始動」してるようだが、ヤツガレは自粛生活を続けることにする。
終日穴蔵……のつもりだったが、金融機関(ATM)に行く必要が生じ、昼前に三番街まで。
人出は多くないので、ヨドバシを覗く。11時頃。ガラガラであった。
コロナが明けてもZOOMが主流と予想して(スマホよりPCの方が使いやすそうだから)、WEBカメラを見に行ったのだが、まったくない。
WEBカメラと表示された棚はカラッポ、品切れとかの表示もない。
店員に訊ねる気にもならず。WEB会議が増えて売り切れ、中国から製品が入らなくなったのであろう。
帰って、ネットで調べると、高い機種ばかり。倍ほどに値上がりしている印象だ。
まあ、当面スマホでいいか。
6月2日(火) 穴蔵
眠り断続的でほとんど眠れず。
早寝早起きが健康的と考えない方がいいのかもしれない。
終日穴蔵。
寝たり机に向かったりの繰り返し。
・葉永烈氏の訃報を知る。氏のことを3月に書こうと思い、しかしコロナで中断(書斎分断)してしまい、やっと再開しかけたところ。
なんと2020年5月15日に上海の病院で死去。79歳。お目にかかったのは1983年である。
・森山HPで9月のala 森山 JAZZ NIGHT 2020 の中止を知る。
わが皆勤が途絶えるわけではないが、途切れるのは初めて。
たぶん8月のハチ(山下ライブ)も無理だろうし(あの三密空間に山下さんを呼べるわけがない)。
寂しい夏になる。
・夜、東京アラート発動。
「接客を伴う飲食店」というややこしい表現に「夜の街」という言い方が加わった。
もっと明確にするべきではないか。「飲食もある濃厚接客店」で「夜のいかがわしい場所」なら、少しはわかりやすい。
歌舞伎町の店名を挙げるのがいちばんと思うがなあ。
6月3日(水) 穴蔵
薄曇りで直射光なく、過ごしやすい日である。
終日穴蔵。
昼、BSで『サイコ』を見る。傑作であり、シナリオの細部(心理的伏線とでもいうか)がよく出来ているのに感心するが、5回目ほどになると、怖くないのが致命的だな。16歳で初見の時の怖さと較べてはいかんけど。
その点、新コロナは予想できない怖さだ。
大阪の感染者がこの1週間でひとりというのが信じられない(緊急事態宣言の期間中も夜中2時まで営業していた近所のおでん屋の狂態を見ているから、感染拡大しないはずがないのだが)。
おれの予想では今週じわじわ増え、来週から急カーブで上昇だったが。
出るぞ出るぞと緊張しているうちは出ず、ちょっと気を緩めたところで……というのがテクニックだから、ま、あと1週間ほど外出自粛を楽しむことにするか。
6月4日(木) 穴蔵/アベノマスク
薄曇り。室温29℃で、過ごしやすい日である。
終日穴蔵。
午後、BSで『翼よ! あれが巴里の灯だ』を見る。これは61、2年ぶり、2回目。
やはり冗長だな。覚えているのは、操縦中に眠ってしまい、鏡の反射で目をさます場面だけ。
この場面も今見るとくどい。
ジェームズ・ステュアートは『ウィンチェスター銃'73』の印象が凄かったからなあ。
BSではこちらをやってほしい。
アベノマスクが届く。
2セット4枚ある。
*
集合住宅のメールボックス全部に1セットを投入したらしい。
住民票は関係なし。無人の部屋や事務所にも投入されて、うちは2セットになったのである。
布製でサイズは135×95? やはり小さい(ふだん使用しているレギュラーサイズは175×95の不織布)。
目視では頭髪や虫は混じってないが、検品(メーカーとは別業者が有償で目視検査)しただけ。「髪や虫が舞っている環境」で作られたマスクだから、気持ち悪くてそのまま使用できず、洗うとさらに縮むだろうし、「あんな顔」に見えるマスクは使用したくない。専属料理人もいたく同感。
直ちにゴミ箱行き……これには専属料理人が反対する。
アベノマスク回収ボックスがあるらしいが、WEB調査では徒歩圏には見当たらない。送料負担でどこかへ送るのも面倒だし。
衛生面は保証できませんが、お使いになるならどうぞ……という姿勢で、しばらく置いとくことにする。
迷惑な品物だ。(※)
※知人から、創作サポートセンターが下記のような活動中と教えていただいた。
*
(6月末まで)
小生同様にアベノマスクを持て余しておられる方、よろしくお願いいたします。(2020.6.5)
6月5日(金) 穴蔵
晴。8時には室温30℃になり、扇風機を出す。
着替える必要なく、過ごしやすい日がつづく。
アベノマスクのつづき。
「全戸」に1セットずつ配布するから、どっかの学生寮に1セット2枚が届いたという。
一方、京都では集合住宅のポストからアベノマスクを棒でかき出して盗んだとして西田優子(81)が逮捕されている。「空き部屋からで、悪いことはしていない」だと。
そうなると近所の市営住宅(野々村竜太郎の生家)が気になる。ここは半分近くが空き家である。半分ほどにマスクが眠っているのだろうか。
確認してみたいが、郵便受けを覗くだけでも「老SF作家、アベノマスク窃盗未遂で逮捕」となりかねない。ウチのアベノマスクを投入すれば不法投棄になりそうだし。
……などと愚考していたら、なんと創作サポートセンターの芝崎さんが、マスク支援で活動されていると知らせていただいた。
回収ポストはいちばん身近なところにあったのだ。
さっそくクリックポストで送ることにする。
投函に出たついでに、近所を30分ほど散歩。
1週間ほど出歩かないうちに、アジサイの季節に変わっていた。
*
野々村竜太郎の生家近くにも花は咲くのであった。
6月6日(土) 穴蔵
薄曇。室温はだいたい29℃。
終日穴蔵。
絶不調である。
北野勇作『100文字SF』を時々読み、ほとんど寝て過ごす。
大阪で本日新コロナ陽性が1名。6月になって1人目ではないか?
6月第1週ジワジワ増、第2週急カーブ上昇というわが予想は大外れである。
さりとて出歩く気分にもならないが。
6月7日(日) 穴蔵
晴。外気は涼しく、窓を開け換気しておれば快適である。
終日穴蔵。
気分は本日も絶不調、体調もいまひとつ。
運動不足なのであろう。しかし出歩く気分にはならず。
『100文字SF』を少し読み、昼寝し、『文豪宮本武蔵』を読み、昼寝し、youtubeでライブを色々視聴してたら夕刻となる。
専属料理人がおれ好みの小皿を色々並べる。
*
富山の昆布かまが嬉しいね。これでビール、冷やした喜久酔。「あと、カレーがありますから」という。そのために小鉢だけにしたのだとか。いらん。明日の昼食にする。動いてないから、これで十分。
早寝するのである。
明日は少し身体を動かすことにする。
6月8日(月) 穴蔵/ウロウロ
眠り浅く断続的である。
晴。快適であるが……穴蔵にてダラダラと過ごす。
午後、BSで『マディソン郡の橋』をやっている。10分ほど見るが、見つづける気力失せる。
原作は読んだが映画は見てない。原作のイメージが、30年近く経つと、どうもよろしくない(本はどこかにあるはずだが、手元にはない)。女房の浮気(亭主は知らずに死ぬ)が死後に判明したという話ではないか。役者は最高だし、ジャズピアノを弾く場面があるのかなと期待もするが、不思議に今さら見る気になれない。
歳なのであろう。
ここ数週間、さすがに運動不足。散歩に出ることにする。
梅田。人出はさほど多くはない。
ジュンクドー〜紀伊国屋〜ヨドバシをうろうろの後、久しぶりに大阪駅「風の広場」に上る。
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うめきた新駅(というより大阪駅の地下ホームというべきか)の工事、露天掘り(開削工法というのか)の「天井」がもとの広場に埋め戻されつつある。
大阪駅との連絡通路はだいぶ西の方(大阪駅ホームの西端あたりから北側へ)に作られるような。乗り換えにはずいぶん回り道になりそうな。東京駅ほどではないにせよ。
探検は後日にする。
そういえば……今の「はるか」「くろしお」は2期地区の西端を走っているが、これに300円の特急券で乗れるらしい。
ただし(新コロナ対策で)定期券の客の通勤対策らしい。
一度、今の線路から「うめきた」を眺めてみたいと思っている。
新大阪から天王寺まで、ICOCAで乗車してデッキでと企んでいるのだが、間違いなく天王寺までに検札にくるだろうな(ご存じの方はご教示を/正規に新大阪から天王寺まで特急にのればいくらなのか、面倒で調べてないけど)。そうか「はるか」のトイレに窓はあるのかな?
いや「老SF作家、キセルで逮捕」になりかねないな。やめとこ。
本日、6,660歩になった。
6月9日(火) 穴蔵
晴。真夏日とかの報道もあるが、最高室温30℃で、扇風機だけで快適である。
終日穴蔵。
ただし、ドタマの働きはさっぱり。
何もしない(できない)まま、たちまち夕刻となる。
専属料理人が小型のホットプレートでパエリアを作った。
*
米のパラパラ感がフライパンより旨い。他にも色々並べてビール、中本酒店推奨格安馬鹿旨白ワイン。うまっ。
悪夢を見つつ早寝……のつもり。
6月10日(水) 穴蔵/入梅
ややこしい天気である。
午前4時に起き、4:30には東の空が白み、5:30には直射光が入り、7時過ぎには室温30℃、8時頃に関西は「梅雨入りしたとみられる」という発表あり、雲が増え、正午に小雨あり、また晴れ間もあったが、15時頃にとつぜん土砂降り、しかし、また晴れ間もあったり……わけのわからん日である。
終日穴蔵。
わがドタマはまるで作動せず、ボケ−−−−ッと過ごす。気分は梅雨空のごとく。
珍しくもかんべむさし氏から電話あり。
ADSLのモデム故障で、光に切り替えるが、1週間ほどかかる。その間、ネットもメールも使えないという。
近所のビジネスホテルのロビーのを客みたいな顔して使えばと勧めるが、しばらくネットを離れて原稿に集中するという。
見習うべきか。
6月11日(木) 穴蔵
早朝曇、7時頃から雨になり、終日断続的に降る。
ドタマも相変わらずの梅雨空。
終日穴蔵にて無為に過ごす。
晩酌だけはきちんとやる。
ニュースで服部克久氏の訃報。83歳。曲学阿世、じゃなかった小林亜星に対する恨みは生涯消えることがなかったろうな。
あの世で復讐を遂げてほしい。
6月12日(金) 穴蔵
曇天。ドタマも梅雨空。
終日穴蔵。無為に過ごす。
いかん、少しは気分を変えねばならぬ。
悶々としているうちに夕刻となる。
専属料理人が色々並べる。
*
串カツがメインでキャベツなど野菜系あれこれ。
これでビール、れんと酎ハイを盛大に飲む。パキート師匠のキューバン・サウンドを聴きつつ。
明日からは明るく生きる……つもり。
6月13日(土) 穴蔵
窓の外も頭の中も梅雨空である。
終日穴蔵。
いかんなあ。
昼、ポーター役で専属料理人の買い物について行き、酒瓶を運ぶ。
たちまち夕刻。
専属料理人に色々(枝豆、もずく、トリ出汁のおでんなど)並べてもらってビール。
雨が激しくなり、茶屋町アプローズの明かりが雨に滲む。
*
BSで「街角ピアノ」を見つつ、冷酒(山田錦)をチビチビ。
時々泣かせる演奏がある。
ピアノに限らず、街角セッションはもっと開放してもいいと思う。
6月14日(日) 穴蔵/大阪JAZZ同好会
窓の外も頭の中も梅雨空である。
毎日こればっかり。
気分転換のため出かけることにする。
昼過ぎに出て、片町線の放出ディア・ロードへ。
電車に乗るのは2月半ぶりである。空いていてロングシートの両端にひとりずつ程度。
大阪JAZZ同好会の例会である。
新コロナ禍で中断していて、2月初め以来の開催。
皆さんジャズに飢えていたようで、盛況である。「聴くだけ」だから、マスク・距離などマナーを守って進める。
本日は特集企画がわが「当番」なので欠席するわけにもいかない。
企画は「クラリネットの名曲を別バージョンで聴く」で、「メモリーズ・オブ・ユー」をモンク、沖至(クリフォードの替わり)などで聴くとか。まあまあ面白がってくださった。
Fさんの新譜紹介にはケン・ペプロフスキーが登場するし、持ち寄り企画は「トロンボーン」特集で、ボブ・ブルックマイヤー(「真夏の夜のジャズ」冒頭に登場したバルブ・トロンボーン)が出てくるあたりはさすがである。
嬉しいことに次回(8月)は「真夏の夜のジャズ」特集である。映画とは別の映像が見られるらしい。
……と、久しぶりにJAZZとなると高揚するなあ。
夕刻帰館。
シャワーでさっぱり。専属料理人の並べた数皿でビール、酎ハイ。
早寝。明日は(少なくとも気分だけは)梅雨明けとなるだろう。
6月15日(月) 穴蔵
早朝は曇だったが、だんだん晴れて、夕刻には快晴である。
ドタマも少しは晴れてきた気がするが、これといったことはできず。
穴蔵にこもったまま夕刻となる。
特記事項なし。
一杯飲んで早寝するのである。
こんな日が続きそうなので、以下同文とするか。
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