『マッドサイエンティストの手帳』175
●滝川雅弘さんの注目CD
デフランコ派クラリネットの俊才として関西ではジャズファンの熱い支持を集めている滝川雅弘さんのCDが出た。
全国的に注目されていい傑作なのでご紹介いたします。
さる9月30日、奈良でスイングジャズ・フェスティバルが開かれた。
前夜祭のコンサートでもっとも注目を集めたのが関西の誇るクラリネット奏者・滝川雅弘さんである。
その時の印象は9月30日の日記に書いているのでちょっとご覧下さい。
終演後ロビーで購入したのがこのCD。
サインしてもらったが、その後聞いたところでは、前日に出来上がったばかりということで、ひょっとしたら、ぼくの持っているのがCDサイン第一号かもしれない。
Nam laboratory presents LIVE ALBUM
『Masahiro Takigawa』(NLCD-1)
1 Moment's notice
2 Invitation
3 Fascinatin' rhythm
4 I can't get started (with you)
5 Out of nowhere
6 Cherokee
滝川雅弘(cl)
八木隆幸(p)
山口裕之(b)
小前賢吾(ds)
一聴、ぼくは「ミスター・クラリネット」に匹敵するのではないかと驚いた。ライブ盤だが、Nam laboratoryのスタジオに少人数のファンを集めての録音らしく、ライブの熱気と緊張感、そしてスタジオ録音による音質の良さを合わせ持つ出来映えだ。ソロもたっぷりと聴ける。
そしてこれは滝川雅弘さんの初CDであるらしい。
滝川雅弘さんは4年ほど前から時々聴いているが、最初に聴いたのは梅田の阪急デパート東側の路上で、そんな場所になぜこんな凄いクラリネットがと驚いた記憶がある。……後日知ったことだが、これも滝川さんの求道的姿勢の現れらしい。
95年にはFMで北村英治、谷口英治との3クラのライブを聴いた。
その後、96年に「クラリネット・サミット」という小さなコンサートで聴き、さらに1年後、1997年9月28日の「クラリネット・サミット」でも聴いている。
キャリアも実力も十分なプレイアーである。
「Nam laboratry」はどうやら南方慶照氏の個人スタジオらしい。
南方という姓の人は、南方熊楠からチャンバラ・トリオのカシラ南方英二さんまで、立派な方が多い。関西の実力派ジャズメンを支援されている姿勢には頭が下がる思いだ。
少しでも協力できればと、ここで紹介させていただく次第です。
『Masahiro Takigawa』(NLCD-1)は、大阪では、
日本橋 「ワルツ堂」
梅田 「LPコーナー」(阪急東通商店街の東端近く)
に置いてあります。
遠方の方は、下記に直接お問い合わせください。
Nam laboratory
〒594-0071 大阪府和泉市府中町6-9-35 宝国寺内
電話 0725-41-1710
平井常哉氏の解説が懇切丁寧で詳細を究め、かつ愛情あふれる名文。
平井氏はクラリネット研究家でクラリネットも演奏されるらしい。ジャズ・クラリネットに関してはおそらく日本でトップの研究家であろう。一度お目にかかったことがあるが、トニー・スコットの初来日の時の録音テープを所蔵しているとおっしゃっていた。
滝川雅弘さんについても早くから注目されていたのだなとただ感心する。
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