『マッドサイエンティストの手帳』162
●マッドサイエンティスト日記(2000年7月後半)
主な事件
・新生ダイナマイツを聴く。(19日)
・ニューオリンズ・ラスカルズにジェフ・ブルがゲスト参加。(21日)
・桂歌之助師匠百噺完遂(25日)
・「『知』の欺瞞」を読む。(30日)
2000年
7月16日(日)
日曜といえども午前4時に自然に起床してしまう。
5時から「日本の話芸」の再放送、露の五郎師匠を30分、やっぱり森山さんに似てるなあ。30年前から言われていることだけど。
終日ごろ寝。
7月17日(月)
終日ボンサラ仕事。つまらん日である。またも月度決算の数字でトラブル。某総務部某人事課の有能な女性が辞めて以来、毎月のようにトラブル頻発、まともなレポートが届くことが珍しい。担当部門に何の処分もないのはおかしいのではないかとの声が挙がっていることは書いておこう。もっと書きたいことがあるが、こういう陰湿な部署は報復権を持っているから怖い。
7月18日(火)
終日ボンサラ仕事。つまらん日である。
7月19日(水)
早朝のひかりで上京。仕事の「引継」の一環である。
関東ウロウロ。猛暑である。
夕刻、原宿「キーノート」へ。
新生ダイナマイツのライブである。
セロが近藤浩志さんから若い岩永知樹さんに替わってはじめて聴く。
ダイナマイツのライブはジャズとちがってクラシック系とおぼしきファン推定7割、若い女性が多くて全体におとなしい雰囲気だ。
谷口さんと少し話す。新CD録音準備でライブは控え気味らしい。……仕事の関係で上京の機会が少なくなりそうだと話す。秋に奈良で北村英治さんらとのコンサートなど、ツアーも増えそうだとか。全国区で活動していただきたいものだ。
7月20日(木)
海の日ということだが、工場関係は操業しているところの方が多い。
昼過ぎまでウロウロのあと、新横浜からひかりで帰阪。名古屋まで満員、これだから遊民の多い夏休みは嫌なのである……と怠慢サラリーマンらしからぬ発言。
7月21日(金)
終日ボンサラ仕事。
帰宅してみると誰もいない。遊びほうけているのであろうか。
冷蔵庫から「昨夜の残り」を並べてビールを飲む。……「残り」といっても、枝豆、冷や奴、イワシの生姜煮など、ぼくには十分なメニューなのである。
「専属料理人」など雇ったのが間違いのもとである。簡単には契約解除できない。
これが、どうやらメニューのイメージに合わせて食材を買ってくるタイプで、手元の材料で何かを作るという考え方をあまりしない。どうしても作りすぎ並べすぎ傾向で、昨日分が冷蔵庫にある。
わしゃ粗食で十分(というよりも食べ物を捨てられない)なので、残り物でいいのである。
が、ボンクラ息子用にはまた「その日のメニュー」を作る。また余る。20年近くこの繰り返しである。
と、晩酌の途中で「専属料理人」買い物から帰宅。と、刺身が出てくる。少しでいいというが、どうせ子供が云々。ガキには飽食させるな。……まだビーフカツがあるとかいうのだが、懇願して明日のメニューにしてもらう。
何年か先、食料費にことかく時代が恐ろしい……。
7月22日(土)
休日である。朝から猛暑。例によって家族はいぎたなく眠っておる。
5時頃、冷蔵庫を開けると昨夜の「残り」の刺身、早く片づけないといかんだろうという義務感から缶ビールで一杯。これだから食べ物を残すなというのよ。飲みたくもないビールを飲まねばならなくなるではないか。久しぶりに朝寝。
結局終日ごろ寝。昼間は36度以上か? とても外出する気にもならない。
夜、「ビーフカツ」でビールの後、サントリー5へ。久しぶりにニューオリンズ・ラスカルズを聴きに行く。
この夜は、オーストラリアからトランペットのジェフ・ブル(GEOFF BULL)が、ノルウェーから新潟経由で帰国の途中に寄ったとかで、後半にゲスト出演。新潟のリバーサイドジャズバント結成20周年記念コンサートにゲスト出演の帰路という。ポヒュラーな曲の多い日となった。
ジェフがニューオリンズで、ウィリー・ハンプレイ(cl)やルイス・ネルソン(tb)と吹き込んだCDを購入、サインを貰う。
デキシー、ニューオリンズ・ジャズの盛んなのが北欧・日本・オーストラリアというのは不思議だ。これについては「文明の生態史観」に似た仮説があるのだが、発表するほどの自信もなし……。
7月23日(日)
猛暑継続、終日クーラーを回してごろ寝。
午後、集合住宅の集会室でフラワーアレンジメントをやっていて、作品の写真を撮ってくれ「専属料理人」が呼びに来る。せっかくだからと背景紙を使用して7点デジカメで撮る。30分ほどでプリント、配布。こういうことはわれながらマメであるなあ。
夜になっても気温はほとんど下がらず、まとまった本も読めず……。
7月24日(月)
終日ボンサラ仕事。
そごうの破綻以降、また週刊誌に「危ない会社リスト」が増え始めた。ストーミー・ウェザーの予感。同名の曲、わしゃ、ジョニー・ハートマンが歌っているのがいちばん好きだ。ははは。
7月25日(火)
午前中、断続的な豪雨で昨日の予感通りの荒れ模様。
終日ボンサラ仕事のあと、夜、桂歌之助百噺へ。ついに百話達成である。
7月26日(水)
昨夜のワイン飲みすぎのせいで、変則的な寝方をしてしまった。クーラーつけたままごろ寝。途中で「寝直し」たために、気がつけば6時ちょっと前である。あわてて出発。大阪駅6:23の快速で近江八幡へ。ここから専用バスで八日市へ。途中、新聞の見出しを見るとコンコルドが墜落したらしい。さすが歌之助である。
午後は大阪を通過して西の方向へ。まさに東奔西走。暑さと二日酔いでさすがにこたえる。
7月27日(木)
某作業所でタイムマシンの組立。完成の目処は立たない。
ついでに「別荘」の書庫に寄って、ゼロコンへ送るソリトンの荷造り、発送。
夕方帰阪。
少し涼しくなったが、食欲いまひとつ。
7月28日(金)
わ、早寝したら午前1時に起きてしまった。ホームページ更新、歌之助の会のことなど。パーティで話題になった「百年目の謎」がどうも気になる。だいたい「百年目」の商家は何の商いをしているのか。番頭の権限と給与体系はどうだったのか、調べてみたいことが多いが、これ、SFになりそうにはないしなあ。
6時過ぎに出社、ボンサラ仕事。
夕方、かんべむさし氏の仕事場に寄って雑談1時間。
色々と「悩み」を聞くが、あまりにもバカバカしく、かつ、かんべもあほらしいことは自覚しているので、しゃべっている間に「悩み」は解消した……らしい。
夕刊に宮沢昭氏の死亡記事。7月6日に亡くなられて、身内だけで葬儀は終わっているらしい。松本英彦に比べて記事が小さいのが気になる。爆笑問題の影響か。
宮沢昭のでは「いわな」と「ラウンド・ミッドナイト」の2枚は今もMDに移して繰り返し聴くほどの愛聴盤である。
7月29日(土)
自転車で梅田のジュンク堂へ。探している書籍数冊、やっぱりここにもなし。
そのうちの1冊はノベルスで『不確定性原理殺人事件』……ノベルスの寿命は短いなあ。ネットで入手できるかな。こんな本は読みたくなった時に手にはいらないとなあ。
アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン「『知』の欺瞞」を買ってきて読み始める。むむむむ。これは凄い。
7月30日(日)
猛暑。終日書斎。「『知』の欺瞞」を読む。なんとなく潜在的に感じていたことがこんなに明快に説明されるとは……。これは「トンデモ本の世界」のスタンスとする菊池評、慧眼であります。
7月31日(月)
某所で某契約……というよりも、8月にはわが書斎が家族の圧力で、近所の狭い所へ押し出されることになりそうだ。20年以上、いちばん大きい部屋を占拠してきたのだが、ついに敗戦となりそうである。
盆休みに「戦線撤退」となると、予定していた名古屋での森山威男ライブその他は難しくなる。
戦後50年、わが「書斎」も梅田一望の部屋から敗退の予感。暑苦しい夏である。
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