HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』148

●マッドサイエンティスト日記(2000年4月後半)


主な事件
 ・谷口英治さんのディスコグラフィーを作成(16日)
 ・杉浦茂先生の訃報(25日)
 ・美貌のバンジョー奏者・金田達子さん(25日>
 ・谷口英治セクステット・ライブat「キーノート」(27日)

2000年

4月16日(日)
 なんとなく肌寒い一日である。ほとんど終日ごろ寝、雑読。
 午後、ホームページ更新したあと、思い立って、前から整理しておきたかった谷口英治さんのディスコグラフィーを作成。ご本人に頼らずにやろうとしたら、この辺が限度である。こちらも仲間を増やす必要があるなあ。

4月16日(月)
 恒例の血圧高騰の月曜日である。
 と、夕刊のトップ記事は、ニューヨーク株の急落を受けて、日本は史上3番目の下げ幅という。血圧が上がると株が下がるのか? わしゃバクチを絶対にしないことにしているので(むろん株は立派な賭博である)、株なんてものは持ってないから、株価が下がっても血圧が上がるはずはないのだが、逆はあるということか。どうでもいいけど、恐慌よ来たれの気分である。

4月18日(火)
 4時に朝刊、ニューヨーク株はやや持ち直し。またかいな。もっと下げろといいたくなる。
 7時に出社、また血圧高騰事項。株価は関係ないようだ。
 終日ボンサラ仕事。セカセカと北摂方面へ向かう途中、阪急梅田・紀伊国屋書店前で中西秀彦くんとばったり。10数年ぶりであろう。印刷関係では著名な経営者・兼・文筆家(『活字が消える日』など)であるが、その本質はハードSF志向のSFファンであり、なかなか筋のいい書き手なのである。セカセカと挨拶のみですれ違い。

4月19日(水)
 終日ボンサラ誠実に手抜き仕事。つまらん日である。

4月20日(木)
 ボンサラ、血圧測定。朝、降圧剤を飲まなかったら、140/90。クスリには頼りたくないので、クスリをやめて減塩生活をしてみたいのだがなあ。医者はどうしても病人になりかけのを人質にしたがるなあ。……小渕の延命費用は一日幾らかかっているのだろう。身から出た錆とはいえ、「客」としてつかまってしまったからなあ。選挙前までは生かされるのだろうからなあ。延命費用はドコモの株を売って捻出するのかなあ。選挙対策費から出るのだろうか。
 嫌なこと多い日であったが、夜、阪神が巨人に3連勝。桑田を打ったから面白い。計6連勝。どうせまたボロ負けだろうけど。わしゃアンチ巨人という名の巨人ファン。阪神が勝ってもアホが騒がしいだけだから嫌である。巨人のボロ負けだけが楽しい。

4月21日(金)
 ボンサラ、東奔西走。
 夜、姫路の近くまで行ったので、突発的に実家に帰る。老母、大喜び……でもあるまいが、50面下げたボンクラ息子に、ビールを買ってきなさいと5千円くれる。ああ、ありがたや。自転車で龍野市「いせや」へ行き、500ml缶24本入り1ケースを5千円ちょっとを買ってくる。3缶を飲む。
 ナイター好きの老母とテレビを見る。阪神戦は雨で中止となり、巨人が負けるのを見る。ははは。わしのみ上機嫌だ。

4月22日(土)
 早朝に飛び起きて一路大阪へ。
 会社休日なれど昨日の雑件あり、昼までボンクラ仕事。
 午後、某相棒と、しばらく行く機会のなかった堺市沖の人工島へ行く。
 快晴で、臨海地区だけに花粉が少なく快適である。
  off
 野犬がちらほら……という形容はおかしいか。数匹がうろうろしている。
 新緑がきれいで、いい眺めである。
 早くここを舞台にしたSFを書きたいものだ。

4月23日(日)
 終日書斎で、ごろ寝雑読雑ネットあヨイヨイっと。
 アサヒネットの「豚犬騒動」、越中のサイファイ騒動など、もめごとが面白い。木の芽時はえてしてこうである。
 今頃、池井戸潤「果つる底なき」を読んだが、「出世」のために連続殺人やるアホがおるかいな。サイファイじゃあるまいに。

4月24日(月)
 わが血圧はたいしたことないが、「専属料理人」がこの数日、発熱咳痰くしゃみ鼻水。
 医局で薬をもらってくる。
 夕食、久しぶりに調理、といっても加熱して並べるだけだが。

4月25日(火)
 朝刊に杉浦茂先生の訃報。92歳である。……ぺっぷ出版からのシリーズ再刊の前、編集の原健太朗氏と横田順彌氏と3人で杉浦先生のご自宅にお伺いしたことがある。12年前だ。ぼくが担当していたPR誌のためにインタビューをお願いしたのである。三鷹の公園近くにお住まいで、毎週、新宿か渋谷に出て映画を見るのが楽しみということだった。「好きな女優は?」という質問に、「アフリカの動物が出てくる映画が好きでしてね、『愛と哀しみの果て』のラストでの喪服姿のメリル・ストリーブが良かったですね」と、その精神の若さに驚いた。
 当時でもブルーバックスの松田卓也先生の「これからの宇宙論」に挿し絵を描かれるほどアタマは柔軟だった。
 ぺっぷの6巻のあと、筑摩からも選集が刊行され、オリジラル作品も描かれていた。100歳までは活動していただきたかったなあ。
 コロッケ、メザシ、がんもどきなど、杉浦作品でおなじみの「ご馳走」が食べたくなる。
 昼、会社の近所にある「田舎そば」というありふれたソバ屋へコロッケ定食を食べに行くと、4月末で閉店という。店主の病気のためらしい。「ざるそば」愛用の店がなくなってしまった……。大阪のソバ屋のザルソバは9割は甘口の出汁である。30年前から贔屓にしていた「辛口」のダシの店が閉店である。困ったなあ。まあ、色々な意味で「別れの季節」なんだなあ。
 21時にサントリー5。サウスサイド出番の日。……飛び入りとかいう、つまらんギター・デュオを聴かされたのにはまいった。こんなの聴きに来たのではないぞ。
 サウスサイド、本日はチューバとバンジョーが休みで、「ホットファイブ」構成だという。
 が、なんと「流し」じゃないけど、バンジョーの金田達子さんがたまたま現れてゲスト参加。美貌のバンジョー奏者、1年ぶりである。
 off off
 「世界は日の出を待っている」他、いかにもデキシーらしいスタンダードが多く、楽しい夜であった。終演後、記念撮影をお願いする。
 23時過ぎに帰ったら、ヤクルト阪神戦、延長15回でまだ続いている。全選手を使い果たして、最後はなんとカツノリの三振で引き分け。ほほう。珍しい夜だ。

4月26日(水)
 雨である。
 ややこしい用件で堺市へ行き、小雨の中、市役所→府税事務所→社会保険事務所→税務署→労働基準監督署→職業安定所を歩いて回る。ああしんど。職安には近いうちにお世話になるのだろうか。

4月27日(木)
 連休前のややこしい時期に東西でややこしい事態が出来(しゅったい)、昨日の続きで午前4時から書類づくりを始め、午前6時に出社、8時半まで某部長と打ち合わせのあと、10時半頃まで近所の事務所でまたもややこしい話。やっと終了して11時過ぎのひかりで上京、車中でやっと朝飯か昼飯かわからん弁当。
 車中、野村實『日本海海戦の真実』を読む。東郷平八郎の神格化過程が面白い。石原藤夫『国際通信の日本史』とつき合わせると背景がより深くわかる。……それにしても、細部に批判は出るものの、司馬遼太郎『坂の上の雲』はたいした作品なのだなあ。
 午後、都内ウロウロ、これもややこしい話の延長である。
 いいこともある。
 午後7時、原宿の「キーノート」へ。
 谷口英治セクステットのライブである。
 谷口英治(cl)、右近茂(ts)、牧原正洋(tp)、岸ミツアキ(p)、小西忠昭(b)、山下暢彦(ds)
 3管編成は久しぶりである。本格的に演奏されたのは97年11月22日に放送されたNHK−FM「セッション97」以来ではなかろうか。……そして、本日のライブを聴いたあとでは、「セッション97」の重要性を再確認、こる放送を録音したMDは愛聴盤なのである。(近いうちにディスコグラフィーに追加することにする)
 この日の演奏曲目は、(うろ覚えでちと怪しいが……)
 1st: Theme / Splanty? / Deep Purple / Dark Shadow / Line in Lion / サボイでストンプ / Scuttle Butt
 off off
 2nd: Temptation Rag / Boplicity / 星降るアラバマ / Sweet Lawrene? / My Baby Care For Me / ?(Ellington number) / In a Mellow Tone / Undicided
 「モダンスイング」とは、簡単にいえば、ビバップの洗礼を受けて以降のスイングジャズ、というところかな。谷口さんがいちばんやりたい路線である。スイングのスタンダードに加えて、エリントン・ナンバーやマイルスの曲など多彩。バスクラははじめて聴いた。演奏はむろんのこと、アレンジャーとしてのセンスの素晴らしさが伝わってくる一夜であった。
 off
 臨席にクラリネットの「生徒さん」水野由紀さん(左)とそのお友だち。終演後、記念撮影。

4月27日(木)
 楽あれば苦あり。
 5時前に起床、6時過ぎのひかりで帰阪、またも血圧急騰のボンクラ仕事である。
 昼、本日で閉店の「田舎そば」で「最後のざるそば」。半額である。
 夕方までややこしい話の連続。……明日から「9連休」というのが多いが、どうもイライラは連休明けまで続きそうである。

4月29日(土)
 6時のJRで播州龍野の実家。「3軒ある別荘」で「肉体労働」に入る。
 たまにはアタマを使わない労働をしないとますますボンクラ化してしまいそうで、まあ健康管理と実益のためでもある。……労働の内容はマル秘であるが、菜園とか庭いじりとかでは絶対ない。「自然」は苦手である。まあ、タイムマシンの組立てみたいなものである。……ぼくの知っている某社の会長は、「他に何の道楽もない人なのだが(幹部社員)」人力ヘリコプターの開発が趣味で、日大航空学部から専任で2人を採用、体育館みたいな倉庫を人力ヘリ開発専用に使っていたという。これもマル秘事項で見せていただく機会がないまま、数年前に亡くなられた。気持ちはわかるなあ。
 夕方まで肉体労働。実家泊。

4月30日(日)
 小雨が降るちと肌寒い日である。
 朝7時から夕方6時まで、孤独な肉体労働。
 午後7時にビールを飲む、午後8時には眠くなる。
 健康な月末である。


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