『マッドサイエンティストの手帳』666
●マッドサイエンティスト日記(2017年11月前半)
主な事件
・中村誠一&紗理@ロイヤルホース(2日)
・グリーン交響楽団@芸術文化センター(3日)
・ホルター装着(6-7日)
・播州龍野いたりきたり
11月1日(水) 穴蔵
気がつけば11月である。
秋晴れ。
朝、近所の某医院にて定期検診。数値はきわめて正常であった。
あとは終日穴蔵。
わが穴蔵生活の標準的パターンは、
・午前6時〜テレビニュース見ながら朝食。
・正午〜テレビニュース見ながら昼食。
・午後7時〜テレビニュース見ながら晩酌。
食事とニュースが重なっていて、3食以外に間食はせず、食事時以外、テレビは見ない。
一昨日からとつぜん、座間市のアパートで白石隆浩が2ヶ月で9人殺して死体解体、ニュースはこればっかり。
ワンルームに首がごろごろ……食欲が失せるよなあ。
無差別殺人は色々あったが、この事件の「質」は、
大久保清/宮崎勤/白石隆浩
という系譜となろう。それぞれ、
クルマ/マンガ/ネット
という道具立てである。
まだ被害者の身元も不明だから、年内このニュースでもちきりということになるのだろうか。
鬱陶しい日がつづく。
11月2日(木) 中村誠一&紗理@ロイヤルホース
晴れて暖なり。終日穴蔵にあり。
播州龍野の実家にて某作業があり、身内に立ち会いに行ってもらう。
が、早朝から作業開始したから、電話連絡が錯綜。ややこしいことよ。
午前中には片づいたようである。
夜、専属料理人と梅田、久しぶりにロイヤルホースへ。
中村誠一と紗理の親子競演……「中村家ライブ」である。
*
紗理(vo) 中村誠一(ts/bcl) 中島徹(p) 小笹了水(b) 東敏之(ds)
19時から2ステージ。
親子競演は(南里文雄と雄一郎、ティーブ釜萢とかまやつひろしから坂田明と坂田学まで)色々聴いてきたが、父と娘の競演は珍しい。シナトラ親子くらいかな。
酔っぱらって曲目が思い出せない。
タレンタインの曲から始まって、スタンダードなど。誠一さんはバスクラも持参、そのためにクルマで来たのだという。
2ステージがいいノリで「All or nothing at all」やインストで「恋のバカンス」とか、スキャットで親子(ヴォーカル)デュオも。「グディグディ」「おおシャンリゼ」で終わる。
連休前夜、アホが浮かれ出ている路上を抜けて帰る。おお新御堂。
11月3日(金) グリーン交響楽団@芸術文化センター
晴れて暖。文化の日である。
専属料理人が体調いまひとつ(何かのアレルギー反応らしい/同じメニューでおれは何ともないのだが)というので、昼にひとりで出かける。
阪急西宮北口へ。
佐渡裕氏ご愛好の店でカツ丼を食おうと思っていたのだが、金曜が定休日なのであった。
阪急そばで昼飯。えらいちがいだ。
芸術文化センター大ホールへ。
グリーン交響楽団の定期演奏会である。
「文化の日にクラシックのコンサートという柄か」といわれそうだが、おれも年に1、2度はこういうのも聴くのである。
・チャイコフスキー「ロメオとジュリエット」
・ラヴェル「亡き王女のためのパヴァース」
・ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調Op.27」
3曲目はほぼ1時間の大作で初めて聴く。圧倒されるなあ。
夕刻帰館。
一杯飲って早寝するのである。
11月4日(土) 穴蔵/ウロウロ
(おれの体感では)秋から冬に変わった日である。
秋晴れ。午前中はマジメに机に向かう。
暖かいので、昼は冷たい信州そばを食す。呉春はがまんする。
午後、散歩に出る。
ジュンクドー〜ヨドバシ。3連休の中日で浮かれ出ている諸君多し。
地下道を西へ抜けたら、庶民は減り、かわりに急速に雲が増え、北風が吹きだした。
*
ミニ哲学の道には誰もいない。
ダークエネルギーの本質について思考を巡らせつつ歩く。
1時間ほど歩いて帰館。
たちまちタドコロ状態に陥り、夕刻までボケーーーーツと過ごす。いかんなあ。
体が冷えたのでシャワー。湯豆腐で一杯飲んで早寝する。もう冬である。嗚呼。
11月5日(日) 午前4時に「こんばんは」
早寝したら午前3時に目が覚めた。
室内防寒衣服(パジャマ+フリースなどと思ってほしい)で机に向かう。
この時刻、朝刊代わりにBSで「日テレNEWS24」を見ることが多い。
4時になると、平日は「Oha!4(おはよん)」になり、女子アナが5人も並んで「おはようございます」という。
だが、土日はいつも女子アナひとりでニュースを読む。
おれはこのスタイルの方がいいのだが、なぜか土日は午前4時に「こんばんは」と挨拶する。
午前4時は朝だろうが。日テレ、なぜ土日だけ夜なのか。不思議でならない。
ということで、世間は3連休の最終日。
梅田あたりは騒がしいだろうから、終日穴蔵。
6時朝食、正午昼食、19時から晩酌。
トランプが東京に来ているが、面白い(ことが起こりそうな)のは韓国滞在時だろう。
7日以降を楽しみに、早寝するのである。
11月6日(月) ホルター装着
午前3時に目覚める。このところ早起きにシフトしているような。もう少し不摂生につとめねば。
穴蔵にて粛々と雑事。
午後、歩いて、14時前に西梅田の某院へ。
ここ数年の11月の年中行事、ホルター装着である。
担当の女性技師、体に電極を貼り付け、わが腕時計(電波時計)に合わせて心電計の端末を起動させ、計測開始。
生活行動記録表の記入法について説明しかけて、
「あ、去年もすごく詳しい記録を書いてくださったんですね」
という。
24時間の行動を記録するわけだが、去年も分刻みの記録(歩行速度や信号待ち時間、飲酒の品種・時間・量、電動歯ブラシやシェーバーの使用時間、放尿時間など)をびっしり書いたら、こんなに詳しいのは珍しいと覚えていたらたしい。昨年と同じ担当なのであった。
グラフロ西の道を歩いて帰館。
また穴蔵にこもる。
行動記録となると、どうしても活動が保守的になる。
普段どおりでなければ検査にならぬのではないか。
ということで、晩酌の量はいつもより大目にするのであった。
11月7日(火) ホルター取り外し
毎年のことながら、ホルター装着していると眠れない。
午前3時頃まで本を読み、朝まで眠り断続的、午前6時前に起きる。
午前中、穴蔵にておとなしく過ごす。ちょこまか動くと「生活行動記録表」の記述が面倒になるからである。
昼過ぎに出て、歩いて西梅田へ。
某院にて「生活行動記録表」を提出し、ホルターを取り外す。
結果は2週間後の検診時まで待たねばならぬが、まあ異状はないようである。
身軽になったが、うろうろする気分にはならず、チケットショップで播州龍野行きの格安チケットを買って帰館する。
近所の公園……中本酒店の前でヨレヨレのおっさんがハトにエサをやってはる。
*
立冬であるなあ。
11月8日(水) 大阪←→播州龍野
野暮用発生、早朝の電車で播州龍野へ移動する。
小雨が断続的に降り、まるで梅雨空である。
午前9時前に実家に到着、集中的に肉体労働を行う。
30sの荷物担いで動いたり、梱包作業やったり、揖西町のヤマト運輸に搬入したり。
予定より早く、午前中に片づいた。
ご近所関係のこともあれこれ。
長居無用、午後の姫新線で姫路へ。
姫路で遅めのランチ。
いつもの灘菊が定休日なので、向かい側の英洋軒に入る。
小溝筋には立ち飲み屋が多いが、この店がダントツ。
ここは「ぎょうざ専門店」というが、唐揚げやオムレツ、ヤッコ、めざしなど色々ある立ち飲み屋である。10人ほどで満員。いつもカウンターにびっしり人が張りついていて、めったに入れない。
本日、客は7人。カンウターの隅が空いていた。
* *
餃子290円、オムレツ190円、水分の補給(口実)も怠りなし。
あと姫路駅のえきそばで仕上げ。
夕刻に近い時間の新快速で帰阪する。
11月9日(木) 穴蔵/ウロウロ
好天だが体だるく、穴蔵で過ごすことにする。
ゴミ出しのついでにコンビニへ行き、5分ほど週刊文春を立ち読み、週刊新潮を買ってくる。
この2誌の落差歴然。
週刊文春は、突出したスクープなければ、ほとんど読むところなし。巻頭は昔から女優のグラビアで紙の無駄。なんといっても2大看板、和田誠の表紙がずっと「再録」になり、小林信彦の連載が「長期休載」。体調いかがなのか。こうなると残りはほとんど屑記事。書評欄とみうらじゅんの「いやらしい」ページなど、5分ほどの立ち読みで済むのである。
週刊新潮も、往年のパワーはないが、グラビアが新舞子の干潟である。撮影は田中和義氏。未明の長時間にわたる「ねばり方」が実感できる。他に興味深いコラム幾つか。トランプ来日の切り方も意地悪くていい。
しかし、この2誌に限らず、週刊誌そのものの終焉が近いのだろうな。
午後、1時間ほど散歩。
北西エリア。
淀川堤を西へ歩き、許永中の生家あたりから中津商店街を抜け、梅田貨物線に沿って戻る。
梅田貨物線……地下鉄側線路(南側)撤去が中津町架線橋〜豊崎第6架線橋(ウチのネキ)まで進んだ。
*
今の線路を南側(手前)へ移し、北側の掘削開始が1年半ほど先。また線路を北側の地下に移して、新駅完成が5年半先。気の長い話だ。
2003年だったと思うが、アメリカのベンチャーが「15年後に軌道エレベーターを完成できる」とぶちあげたことがある。来年じゃないか。どうなったのか。梅田貨物線2キロ未満ですらこのペースだぜ。
イラチのおれには、完成を見届けるのは無理かも。
11月10日(金) 穴蔵
快晴。明日は雨で、週末から冷え込み、来週は真冬の気温という予報。
大量の洗濯物を専属洗濯婦を兼ねた専属料理人に出す。
薄手の衣料を片づけ、真冬の装備に変更する。
机下に足温マットを敷く。
昼間は室温22℃外気18℃で、まだ暖房の必要はないが。
ボケーーーッとタドコロ状態で過ごす。
いかんなあ。これから4ヶ月ほど、冬眠の季節となるのか。
11月11日(土) 穴蔵/ウロウロ
このところ睡眠が不規則になった。タドコロ状態がいかんのだろう。年中冬眠しているようなものだからな。
午前2時に目覚め、朝まで本を読む。雨音、未明にやむ。
7時朝食。きちんと机に向かう。
正午に昼食。
晴れたので散歩に出る。
北東方向。豊崎神社〜本庄公園〜淀川堤。
河口から9キロあたりに新しい水位計が設置されている。
*
取水管?は堤防下端まで。太陽電池で駆動、水面が堤防まで上昇すると無線で知らせる方式らしい。
水位が堤防の中ほどまで来たことは何度か(たとえば2013年9月の台風18号による大雨)あるから、これは有用であろう。警報が楽しみな。
長柄橋を過ぎ、毛馬近くまで来たところで、専属料理人からメールあり、引き返して、天八のスーパーで合流。
帰路、食材等のポーターをつとめる。
たちまち夕刻。
夜は専属料理人の並べた、湯豆腐、みりん干し、唐揚げ、生ハムサラダなどでビール、ブルディガラのクレセントパンで安ワインを少しばかり。
本日は7,036歩。
これからしばらくCDを聴き、本を読みつつ、22時頃に就眠のつもり。
生活を正常パターンに戻さねば。
11月12日(日) 穴蔵/ウロウロ
定刻午前4時に目覚め、普通の生活パターンに戻る。
やはり体を動かすのがいいようだ。
本日も午後散歩。東南方向。
新御堂を南下、日曜には人影のないオフィス沿いに堀川戎あたりまで行き、扇町公園に戻り、天五中崎商店街を抜けて、許永中の豪邸跡に参拝。
正確には「ひがし茶屋町西向不動尊」……更地(駐車場?)になり、ご本尊が西側のコーナーに移設されている。
*
不思議な場所である。
民団大阪本部があり、南側に大阪府警の別館、東側に極真会館と許永中の豪邸があったが、駐車場になり、今はマンション。
民団北側の一帯は2003年2月5日の火災で燃え、今は駐車場。
その北の方にはパナソニック跡地にタワーマンションがそびえる。
すべてイトマン事件以降の変貌である。
ウチの近所やうめきたに較べて変化が早い。
ということで帰館。たちまち夕刻。晩酌。
はやくも『シン・ゴジラ』地上波放映。起きてられたら見ることにする。
たまには夜更かしもしなければ。
11月13日(月) 穴蔵でQ状態
晴。午前6時、室温19℃、外は9℃、寒くなった。
厚着で足温マット。机には向かうものの何もせずQ状態に陥る(※)。
3度の食事はきちんとする。仕事らしいことはなーーーーんもせず。
まれにこんな日もある。
明日こそホリは羽ばたく……つもり。
※「仕事をしない状態」について、本ページでは独特のいい回しを使用しています。
一応、用語解説を。
いずれも、わがボンサラ(ボンクラサラリーマン)時代の実例で、以下の用例はいずれも周囲のマジメに仕事している連中の間で使われていた符丁です。どこの職場でも似たような事例はあるはず。
タドコロ状態 おれが月曜午前中3時間で行う業務を1週間かけて行う。「後任者はひどいもんでっせ」という内通がずいぶんあった。
アラセ状態 主に工場での共同作業中に行方不明になり、昼食時に戻ってくることをいう。用例「あいつ、またアラセやがった」「おれ、ちょっとアラっちゃうからね」
Q状態 通勤だけが仕事と考えること。北摂から本町まで1時間半かけて出勤、「ああ疲れた」と夕刻まで新聞読み、17時から1時間半かけて帰宅する。口グセは「しんどい」「疲れる」。
上に「Q状態に陥る」と書いたが、今のおれの場合、通勤時間ゼロだから、よりたちが悪いことになる。
11月14日(火) 穴蔵
いちばん嫌な日である。
未明に目覚めると、予報どおり雨。
肌寒く、氷雨としか思えない雨が降り続く。
出歩く気分にならず。厚着して終日穴蔵。
室温19℃。この時期に暖房を入れると真冬が耐えられないのである。
じっと机に向かって過ごすが、生産的なことは何もできず。準Q状態である。
こんな日が続くのであろうか。嗚呼。
11月15日(水) 穴蔵
晴。ほとんど穴蔵にて、断続的にテレビを見て過ごす。
スポーツ紙を読んでいるわけではないが、昨日のスポニチは今年最大のスクープというべきだろう。
一面で「日馬富士の貴ノ岩殴打事件」を報じるや、昨日今日、テレビはニュースもワイドショーもこればっかり。
おかげで札幌でタクシーの運ちゃん蹴り上げの弁護士杉山央がテレビから消えてしまったではないか。
むろん面白い事件だが、わからないのが貴乃花の態度である。最初、相撲協会から貴乃花に「圧力」があったと思ったが、そうでもないらしい。協会(現執行部)に対して含むところがあるとしか思えないのだが、真意は奈辺にありや。
事情あって、タカセ市場や天八のスーパーを自転車で往復。
たまには下男仕事もするのであった。
早めの晩酌。
夜はBSでイーストウッド『ブラッド・ワーク』を見る。これは映画館で見ていなかった。心臓移植受けたダーティ・ハリーみたいな設定は面白いが、秀作一歩手前というところ。
夜更かししてしまった。
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