『マッドサイエンティストの手帳』541
●マッドサイエンティスト日記(2012年11月前半)
主な事件
・穴蔵の日々
・ラスカルズ島之内教会コンサート(4日)
・大阪←→播州龍野いたりきたり
11月1日(木) 穴蔵
11月になった。
終日穴蔵。
ずっと机には向かっているものの、相変わらず不調である。
夜中に目が覚めてしまい、昼間はすごく眠い。
2日間、歩数計が0歩と運動不足なので、午後ちょっと出歩くことにする。
梅田。金融機関で月次の処理など。
ひどく疲れる。阪急百貨店を見学に行こうかと迷うが、人混みを歩くのはやばそうな。
1時間ほどで帰館。3,792歩。
風が冷たくなった。
穴蔵にコタツをセットする。室温23℃だが、時々脚を暖めないと下半身が冷えてくるのである。
夜は専属料理人に和風メニュー(厚揚げと蕪の煮たの、酢のもの小鉢、鰆の照焼など)を並べてもらってビール、シーバスの水割り1グラス。
本日はともかく5、6時間眠ることにする。
11月2日(金) 穴蔵/ウロウロ
終日穴蔵。
相変わらず不調なり。
ウジウジしていてもいかんので、午後、散歩に出る。
梅田へ。
ヨドバシで「iPad mini」を見る。ちょっとほしくなる。
散歩以上に出歩く場合、所持品がだんだん増えている。手帖、ペン、携帯電話、歩数計、眼鏡、デジカメ。
これにノートパソコン、モバイルナビ、書籍2、3冊となると4キロを超えてしまう。スマホかiPadにすると楽なのは確かだが……あまりで出歩かなくなっているからなあ。
ステーションシティ。風の広場まで登る。風が冷たい。
*
時の広場では「フラワーアートなんとか」をやっていた。
ついでに新オープンの阪急百貨店へ行ってみる。
それほどの人出ではなし。
祝祭広場へ。
*
ヴォーカルグループが出てはった。まあこんなものか。
夕刻帰館。
夜はビーフシチューその他でビール、ワイン。
本日届いた「山下洋輔トリオ」を聴きつつ。
73年、オープンテープでのみ発売された幻の名盤のCD化。「ズーボ」など、興奮させられるなあ。
11月3日(日) 穴蔵/山下洋輔氏「旭日小綬章」
このところ毎日「不調」とばかり書いているものだから、体調が悪いのかと心配してくださる方が。
体調はきわめて良好であります。
短い原稿を書くつもりが、気乗りがせず、ボケーーーッと無駄に時間を過ごしてしまう。
たぶんアイデアがどこか気に入らず、見切りがつかない状態で、おれにはよくあることなのである。
しかし、これは愚痴であるので、今後やめることに。
文化の日である。
朝、山下洋輔氏の「旭日小綬章」受章のニュース。
昨夜CD「山下洋輔トリオ」を聴いて妙に昂揚したのだが、この予兆であったのか。
まことにめでたい。
が、「文化功労者こそふさわしいのではないか」という意見もあり、もっともである。
「山下洋輔文化圏」というのは、ジャズ(音楽)を中心に、文学・演劇・映画・落語・美術・格闘技・社会学・人類学・食文化・その他その他…ともかく広大である。
これに匹敵するのは西の「米朝文化圏」だけではないか。
その米朝師匠は、紫綬褒章→人間国宝→文化功労者→文化勲章。
あと10年で……だな。
終日穴蔵。
夕刻に近い午後、淀川堤を散歩。
*
日没の位置が南(十三大橋)に寄り、冬至が近いことを実感する。
体が冷えた。
夜は、つくね鍋で、ビール、「五代」湯割り。
早寝して、目が覚めたら机に向かう……つもり。
11月4日(日) ラスカルズ島之内教会コンサート
眠り不安定、眠ったり起きたりしつつ朝になり、机に向かったりごろ寝したりで昼となる。
午後、地下鉄で心斎橋へ。
(専属料理人はスタッフなので昼前に出ている)
14時〜島之内教会でニューオリンズ・ラスカルズの51周年コンサート。
今回のスペシャル・ゲストはジェフ・ブル(tp)とジョン・リチャードソン(p)である。
*
↑ジョン・リチャードソン(p)、ラスカルズのフルメンバー+ジョン、ジェフ。
ジェフ・ブルはおなじみだが、ジョン・リチャードソンは初来日。
ジョン・リチャードソンはイギリス人だが、クラシック音楽の素養はなく、ニューオリンズに渡って、白人がほとんど出入りしないようなところで演奏してきたという、異色の経歴の持ち主。
バプチスト教会での賛美歌メドレーをソロで演ったのが泣かせる。
その他、色々な組み合わせで楽しませてもらったが、福田恒民フィーチャーの「セントジェームス病院」には感涙。
終演後、専属料理人と自由軒でちょっと一杯。
(串カツ、サラダでビール、オムライスをシェアしてワインを少しばかり)
18時過ぎに帰館。
ともかく早寝するのである。
11月5日(月) 穴蔵
終日穴蔵。
さほど生産的な仕事はできぬまま。嗚呼。
たまたま見たニュース。
黒田丞(54)という男が、一人二役で振り込め詐欺をやって、この5年ほどで「余罪は1億円近く」の稼ぎという。
で、この黒田くん、「有名海外ブランドのスーツ」で「高級ホテルで小説家を名乗って」ナンパを繰り返していたのだという。
名刺が映ったが「作家 黒田丞」とあった。
作家を名のって詐欺を働いたのではない。振り込め詐欺で稼いで、作家ごっこ(ナンパ)に「1億近く」を注ぎ込んだのである。
戦果はどうだったのであろう。
「小説家」って、そんなにもてるのかねえ。「SF作家」じゃダメだろうなあ。
11月6日(火) 穴蔵
朝、近所の医院で定期検診。
きわめて良好な数値なり。
終日穴蔵。
さほど生産的な仕事はできぬまま。嗚呼。
おや、産経関西でロイヤルホースの關オーナーが語ってはる。
ジャズはライブでなければなあ。
11月7日(水) 穴蔵
終日穴蔵。
昼間、ダラダラと米大統領選の開票速報を見る。
フロリダの結果を待たずオバマはんが勝利宣言。ブッシュ〜ゴアほどの接戦ではなかった。
本日も生産的な仕事はできぬまま。嗚呼。
11月8日(木) 穴蔵/通夜
終日穴蔵。
本日もさほど生産的な仕事はできぬまま。嗚呼。
大学の学友Nくんの訃報。
この数年、入退院を繰り返していて、夏には退院、体調が良くなれば来てくれという話だったのだが……
夕刻、通夜のため宝塚市へ出かける。
同級生5名と小声で雑談。
これから、こんなことが増えるなあ。
11月9日(金) 穴蔵
終日穴蔵。
年内…というか、これからひと月の間にやらねばならぬことが色々たまってきた。
出歩くのは最小限にして、せっせと……のつもりなのだが、集中力が落ちているなあ。
気合いを入れねば。
夕刻に近い午後、40分ほど近所を散歩。
枯葉の季節である。
*
センチメンタルになるぜ。
こんな時に「ジャズの専門店ミムラ」さんがなくなったのはやはり寂しい。
「ミムラ」さんに立ち寄って、ちょっとジャズ談義、推薦盤があれば求めて、夜に一杯飲みながら聴く。
これだけでずいぶん気分が和らいだものである。
中崎町界隈を回って帰館。
夜は専属料理人が並べてくれた、温野菜、鮭のなんたら、トマトのかんたら、その他でビール。
レーズンパンでワインを少し。
「鈴懸の径」3バージョンその他スイング・クラを聴きつつ。
早寝するのである。
11月10日(土) 穴蔵
終日穴蔵。
ずっと机に向かうが、あまり効率は上がらず。嗚呼。
体を動かさねばならぬ。
夕刻に近い午後、散歩に出る。
梅田ウロウロ。先日オープンした大阪駅のエキナカ施設「エキマルシェ」を見物する。
雑貨店、ミニ・デパ地下、食堂などの混在だが、食指を動かされる店はない。
うどん、そば、うなぎがないのがいかん。
「宇和島の鯛茶漬け」「もつ鍋」にちょっとそそられる程度。
が、もつ鍋「やまや(←明太子の店ね)」にはちょっと魅力を感じるが、ランチメニューはペケ。ちょっと高くても「もつ鍋」出せよ。
新梅田食道街に較べるべくもなし。
日没後に帰館。
夜は専属料理人が並べた和風ハンバーグその他でビール。
秋にふさわしく、ハミルトン師匠、グラッペリ師匠、デフランコ師匠など聴き、グラスワイン飲みつつ、後藤勇一郎『私季』の「枯葉」で仕上げ。後藤勇一郎がたならなくいいなあ。
早寝するのである。
11月11日(日) 穴蔵
朝9時頃から雨になり、降りつづく。
終日穴蔵。
ずっと机に向かうが、あまり効率は上がらず。こればっか。
雨にもめげず、夕刻に近い午後、40分ほど散歩。3000歩ほど。
夜は専属料理人が並べてくれた粗食にてビール。
あと、グラスワイン飲みつつ、入手したばかりの「ほんまにとっておき米朝噺し」の中から、2001年の「宿屋仇」、つづけて「珍品集」を見る。
感涙。
明日からは、1日1話にしよう。今月中の幸せが保証されているのである。
11月12日(月) 穴蔵
終日穴蔵。
ずっと机に向かうが、毎度のことながら効率は上がらず。嗚呼。
・小沢一郎の控訴審判決は「無罪」
さあ、小沢の検察への「復讐復讐また復讐」(「ポイントブランク」のリー・マービンね)が始まるか、楽しみなことであるが、おそらく無理だろうな。
もう体力も気力も財力もなさそうだし。
「官」恐るべし。
次の標的は橋下か。
・その橋下がらみで、週刊朝日がお詫び。社長「辞任」らしいが、詳しいことがわからん。
昼前から快晴になったので、午後、早めの散歩に出る。
梅田ウロウロ。
週刊ダイヤモンド・特集「カネを生む地図 10兆円市場の全貌」を買って帰る。
百科事典同様、地図もほとんどネット利用になったが、その収益構造がよくわからなかったのである。
なるほど、スマホの影響が一番大きいような。
つい熟読。
もうひとつの特集「消えゆく“N”の系譜」が凄い。副題は「NECが陥った静かなる崩壊」……シャープみたいな「突然死」ではないが、恐ろしいことになってるのだなあ。
「株」なんてものをやらないから、経済にはすっかり疎くなってしまった。
11月13日(火) 大阪←→播州龍野
ほとんど眠れぬまま朝になった。
早朝の電車で播州龍野へ移動する。
3週間ぶり。
9時の龍野書斎、室温11℃である。
落ち着いて仕事ということにはならず。
庭木の剪定立ち会い、金融機関関係、タイムマシン関係その他、雑事色々。
裏の更地(ゴミ屋敷跡)で新築の工事中であったり、変化は多い。
昼、ウロウロついでに龍野公園へ行ってみる。
*
聚遠亭の紅葉はまだちょっと早いようである。
夕刻に近い午後に帰阪。
大阪駅に着くとえげつない雷雨である。
天気予報を信じて傘を持っていたのは正解であった。
が、結構濡れた。
シャワーの後、晩酌。
専属料理人がオニオングラタンスープと豚肉野菜色々の蒸したんを並べる。
これでビール、フランスパンでスープの残りを掬いつつワイン。
結構ざんした。
眠い。早寝。
11月14日(水) 穴蔵
終日穴蔵。
ずっと机に向かうが効率は上がらず。
朝から色々とニュースが気になって、集中できないのである。
・PC遠隔操作の「真犯人」が自殺予告のメール。
添付写真の撮影場所が保土ヶ谷の団地らしいというので聞き込みが行われている。
半信半疑。おれは狂言と見る。自殺予告には何も対応しないのがいいのだが(おれは過去の経験から無視することに決めている)、この場合は犯罪者だから、警察も動かないわけにはいくまい。
(夜の時点で首吊り死体は発見されず)
・午後、党首討論を見る。
どじょうの解散発言にはちょっと驚く。党内の野田降ろしが相当アタマにきてたんだな。一応立派。
それにしても小沢いっちゃんの「10分中8分」の風呂の屁みたいな演説はなんじゃいな。2分前に「解散発言」があったというのにこの無気力。もはや廃人か。
・夜には森光子の訃報。わが亡母(もうすぐ三回忌となる)の2歳下だから、寿命は同じ。たいした体力だったんだなあ。
11月15日(木) 穴蔵
終日穴蔵。
ずっと机に向かうが効率は上がらず。毎日これだな。
午後30分ほど散歩。
すぐ前の公園(豊崎西公園)、近くにアクターズ・スクールがあって、生徒諸君が何グループかで何かの課題を練習していることが多い。
立ち止まって見るほどのものではないのだが。
結構ひたむきである。
この中からスターが誕生するのであろうか。
もし活躍されている方がいたら、以前豊崎西公園で練習してましたよと知らせてほしい。
贔屓にするからさ。
この若さがうらやましいね。
わしゃ老齢でヨレヨレ。
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