『マッドサイエンティストの手帳』510

●マッドサイエンティスト日記(2011年9月前半)


主な事件
 ・台風12号(3日)
 ・大阪←→播州龍野、いたりきたり
 ・発作的讃岐うどん(7日)
 ・SF検討会(8日)
 ・現地取材(10日)
 ・Sunday at Jazz Club(11日)


9月1日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 昨日に引き続き、机に向かったり寝転がったり、アタマは痴呆状態で過ごす。
 あまり生産的なことはできぬまま。
 午後から雲行きがあやしくなり、夕刻に近い午後には雨になった。
 「九月の雨」……シアリングのピアノが泣かせるが、「台風の雨」というのは興ざめだなあ。
 台風12号、だんだん西寄りになって、関西直撃コース、それも9/3朝がいちばん風雨が強そうな。
 SF大会行きが微妙になってくる。
 今回、特に企画への参加はないし、ホテルも予約しておらず、ドタキャンでも迷惑をかけるところはないはずなのだが……どうなることやら。

9月2日(金) 穴蔵
 終日穴蔵。
 台風12号が四国南の海上を自転車で北上しているらしい。
 断続的にニュースを見るが、さっぱり変化しない。
 午後、雨になるが強い降りではない。風もほとんど吹かず。
 たちまち夕刻。
 夜はコンビニで弁当を買ってくる。
 どうも体力気力ともに低調である。

9月3日(土) 穴蔵/SF大会は断念
 午前5時に目覚める。
 静かな朝である。雨は降らず、風もなし。予報では近畿は暴風雨のはずだが……
 ニュースを見るに、台風12号はまだ四国沖である。相変わらずの自転車速度。
 大阪以外は「豪雨」みたいな映像ばかり流れる。
 色々迷うが、静岡行き(SF大会)はやめることにする。
 体調がいまひとつ、気分もすぐれない、雨で遅れがちの交通機関を利用するのは苦痛である。
 むろん、おれの場合、本来なら、こんな理由でコンベンションをドタキャンすることはあり得ない。
 何かの企画に参加の約束があれば暴風雨でも出かける。
 今回は企画参加なし、交流パーティの申込みもしていないので、迷惑をかけるところはないだろう。
 久しぶりに会いたい人は多いのだが……何とぞご容赦を。
 ついでながら、ボンクラ息子その1とその配偶者が静岡に来ることになっていて、静岡関係の身内で食事会を予定していたが、これはおれ抜きで挙行される。勘定書だけがおれに回ってくる予定。嗚呼。
 ということで、終日穴蔵。
 ボケーーーーッと過ごす。
 台風は午前10時前やっと高知県東部に上陸。
 午後から播州龍野方面や静岡から色々とややこしい電話やメール。
 ボケーーーーッともしてられなくなった。
 時々刻々。
・播州龍野や宍粟市、佐用町に「大雨洪水暴風注意報」が出る。
・静岡は雨が断続的に強くて買い物にも出られないという。
・大阪は、15時過ぎにやっと小雨が降り始めた。
 雨は近畿の南東斜面(つまり紀伊半島の南東部)にドバーーッと降って、大阪には降らないのだろう。
・夕刻、揖保川流域(上流の方)に避難勧告。
・台風は18時30分に瀬戸内を渡って岡山に再上陸、倉敷あたりを通過するらしい。
・市川流域(姫路市)で10万人ほどに避難勧告(正確には4万2411世帯9万9732人に避難勧告を発令)。
・JR山陽線が姫路〜加古川で運休……市川の増水だな。
 こんなのを見ながら、本日もコンビニ・メニューでビール。
 タイムマシン格納庫と実家の書庫が気になるが、動きようがない。
 総合すれば、穴蔵(大阪)以外、西も東もたいへんな様子である。
 じっとしているのが正解であったか。
 「市川堤」でも聴こうか……
 明朝まで、仮眠と台風ニュースの繰り返しになりそうな。

9月4日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 曇天、断続的に強い雨が降る。
 JRは加古川〜姫路が運転見合わせ、姫新線も運休である。
 播州龍野が気になるが動けず。
 気分もすぐれず、ボケーーーーツと過ごす。
 夕刻には、JR山陽線も姫新線も運転再開したらしいが、播州龍野の方はまた大雨警報が出ている。
 書庫の被害は確実のような。
 明朝雨が降ってなければ播州龍野へ行くことにしよう。
 専属料理人不在につき、本日もコンビニ・メニュー。
 いかんなあ。

9月5日(月) 大阪→播州龍野
 昼間の電車で播州龍野へ移動する。
 昨日まで注意報・警報出まくりの加古川→市川→夢前川→林田川を渡って姫新線本竜野に着く。
 いずれの川も水位は低下していた。
 わが実家……やはり書庫に雨漏りの水たまりが出来ていた。
 
 豪雨があると雨漏りがして、バケツに半分ほど水がたまる。
 今回、バケツからあふれて、バケツ2杯ほどの水が床にたまっていた。
 本棚は下に5センチほどスペースがあるから、本に被害はない。
  (10年ほど前にフローリングしてくれた大工の腕がいいものだから、水が隙間から流れ出ないのである/さりとて屋根瓦の葺き替えとなると数百万かかる/迷うところだが、蔵書の保管に500万かけるなんて、もう無理)
 今回は普通の豪雨(?)の3、4倍降ったということであろう。
 まあ、20年に一度のことだから、あと、わが存命中にはあるまい。
 他には台風被害はなし。
 雑事色々。たちまち夕刻。
 日没が早くなったなあ。
 
 18時過ぎの夕景。センチメンタルになるぜ。
 食品スーパーで串カツ、豆腐、トマト、ポテサラを買ってきて、ひとり寂しくビール、「神の河」ロック。
 書斎で本を読みつつ、そろそろ就眠。
 室温は26℃で、まだ暖房はしないけど、冬遠からじだなあ。

9月6日(火) 播州龍野
 播州龍野にて午前6時に目覚める。よく寝た。
 室温23℃で長袖が着たい気温である。
 午前中、少しは仕事もするのであった。
 播州龍野の仕事場(昔の勉強部屋)、春と秋の限定期間だけは仕事がはかどるなあ。
 気温を予測して、こちら(播州龍野)の「別荘」を利用するのがいいようである。
 エアコンなしだから、快適なのは年間で50日程度でしかないけど。
 午後はタイムマシン格納庫にて雑事色々。
 夕刻に近い午後、1時間ほど散歩する。
 揖保川は水量多く、いつもより川幅は広いものの、清流の雰囲気はとりもどしている。
 
 右岸よりアンテナ林立の金剛山(片山)を望む。
 秋であるなあ。
 夜は一人鍋(豆腐チゲ+X)でビール、雑炊で「神の河」ロック。
 小松左京『地図の思想』を再読しつつ寝るのである。

9月7日(水) 青春の終り/発作的讃岐うどん
 播州龍野にて定刻午前4時に目覚めた。
 涼しいのであった。
 始発列車で移動することに。
 午前6時過ぎに本竜野から姫新線に乗る。
 〈青春18〉切符を利用する。
 この夏の〈青春18〉、大阪と播州龍野の日帰りに便利なので使っていたのが、1回分、余ってしまった。期限は9月10日まで。
 静岡でのSF大会への往路に使用、前日に、岡崎、豊橋、浜松で途中下車して、静岡にたどり着く予定だったのが、台風で断念したからある。
 で、本日、発作的に讃岐うどんを食べに行くことにした。
 姫路から岡山行き6:32に乗る。姫路から熊山(1時間ほど)まで通学する生徒が多いのに驚く。
 岡山からマリンライナーで、9時半頃に高松に着いた。
 「連絡船うどん」できつね。
 コインロッカーにバッグを預けて市内ウロウロ。名所見物に興味はなく、なんというか……知る人ぞ知る「怖いもの見たさ」で3時間ほど。ああこわ。
 琴電にも乗った。
 
 ↑これが証拠写真。
 昼は川福で天ぷらとざるうどんのセット、ビール1杯。
 昼過ぎのマリンライナーで岡山→相生→姫路→大阪と乗り継いで、夕刻帰館。
 〈青春〉もこれで終りかなと思うと泣けてきた。

9月8日(木) 穴蔵/SF検討会
 穴蔵にて雑事色々。
 たちまち夕刻となる。
 かんべむさし氏が来穴蔵。
 久しぶりに「定員2名内容非公開」のSF検討会を開催する。
 専属料理人不在につき、むさしくんが鶏の唐揚げや総菜類を持ってきてくれた。
 ビール、黒糖焼酎飲みつつダラダラとしゃべる。
 「内容非公開」といいつつ、話題はどうしても小松の親っさんのことになる。
 ただ、後日にパネルなどの企画があるので、無意識的に本質的な議論は避けて、周辺の話題をあれやこれや。
 わ、気がつけば4時間半のマラソン・セッションになっていた。
 まだ話し足りない気分だけど。

9月9日(金) 穴蔵
 終日穴蔵。
 雑用あれやこれや。
 調べたいことがあって出かけたいが、市立中央図書館は休館であり、明日に送る。
 タイムマシン関係で某国とのメールやりとりが錯綜。
 結局、近日、相棒の某くんが格安観光ツアーを利用して現地へ行くことにする。
 おれが行ってもいいのだが、この10年、海外関係はすべて某くんに任せてきたからなあ。
 海外勘が鈍ってしまったのである。
 再来週あたり播州龍野のタイムマシン格納庫で留守番を務めることにする。
 穴蔵から見る某営住宅、大規模修繕のためにネツトで覆われてしまった。
 
 これから3月、これを眺めつつ過ごすことになる。
 どうでもいいことだが。
 専属料理人不在につき、コンビニメニューで晩酌。
 明日は土曜につき、穴蔵休業として、ウロウロ予定、
 早寝するのである。

9月10日(土) ウロウロ
 爽やかに目覚めたのであった。
 朝9時に西長堀の市立中央図書館へ行く。
 ちょっと調べもの。1時間ほどで片づく。
 10時から、おれとしては珍しい「現地取材」に行く。
 宇宙SFの場合、現地取材はまず無理である。
 今考えている作品は大阪近郊が舞台であり、以前から行ってみたいと思っていた場所でもある。
 こんなことは、以前、かんべむさし氏と交互に新聞連載していた『時空いちびり百景』(これは関西のあちこちを舞台にするショートショート)以来である。
 ウロウロした場所は一応非公開。
  *
 ある山系の麓である。
 暑い。ドリンクを持ってなかったので、ちとやばいかなと思ったが、よく歩いた。
 帰路、遅めの昼食。
 ジャンジャン横丁の「やまと屋2号店」でビール(この店特有のシステムで生中2.5杯)、串カツ、トマト、バッテラ。
 夕刻に近い午後に帰館となった。

9月11日(日) 穴蔵/Sunday at Jazz Club
 日曜である。
 仕事はしないのであった。
 専属料理人(兼女中)不在につき、朝から洗濯。汗を吸った下着や靴下をためすぎて、予備がなくなってきたからである。
 あとは穴蔵にて本を読んで過ごす。
 午後、黒崎町のバンブークラブへ。
 Sunday at Jazz Clubの例会である。
 本日は「没後20年、マイルス・デイビス」特集。
 おれは『Relaxin'』を持っていく。なぜこんな名盤を……と呆れられそうな。
 マイルスとなれば珍しい音源が集中するに決まっている。
 そういう「緊張音源」が多いなら、途中で1曲くらい息抜きがあっていいという読みである。
 が、持ち寄り音源は意外に少なく、矢木さんが「あくまでもトラッペット奏者としてのマイルス」という観点から1時間ほどを構成。なかなかいい選曲であった。
 で、『Relaxin'』の出番はなくなりかけたが、コーヒー&タバコ・タイムに流すのにちょうどいいということになった。
 
 会場に、関西のジャズのフリー・マガジン『WAY OUT WEST』9月号(ライブハウスやCDショップに置いてある)……7月末に亡くなられたジャズ専門店「ミムラ」三村晃夫さんが表紙絵になっている。藤岡宇央さんのイラストが素晴らしい。
 雑誌「イグザミナ」連載のエッセイからの抜粋で三村さんのジャズ個人史が構成されていて、追悼号となっている。
 関西のジャズファン諸氏、この号はぜひとも入手して保存版にしてほしい。
 遠方で入手しにくい方はおれにメールください。
 夕刻帰館。
 本日もコンビニメニューでひとり寂しくビールを飲む。

9月12日(月) 穴蔵
 朝、近所の医院へ定期検診に行く。
 特に異常はなし。
 気が滅入り動くのが面倒になってきたのは歳のせいであろう。
 昼前に集合住宅の大規模修繕工事、3年目点検の報告会。
 先月点検のために屋上に上がったあと、熱中症みたいな症状でダウン寸前になった。
 本日も工事確認のために屋上に上がる。
 
 炎天なり。灼熱の砂漠にいる気分。
 最小限の立ち会いだけで勘弁していただく。
 午後は相変わらずの雑事色々。
 専属料理人からの連絡で、よんどころない事情により、あと2、3日実家滞在という。
 ま、この6年間、おれが似たような事情だったのだから、いたしかたあるまい。
 本日もコンビニ・メニュー。
 ケンペプ師匠、トミフラ師匠、パキート師匠など聴きつつ、ヤキトリ・トマト・ポテサラなど並べてビール。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

9月13日(火) 穴蔵/ウロウロ
 本日も炎天なり。
 ホリは羽ばたくといいながら、相変わらず、粛々と雑用の処理。
 たちまち昼となる。
 この10日ほどの食生活を省みるに、
 朝 トースト、ハムかチーズ、アイスティ、たまに果物
 昼 麺類……最近はかっぱ横丁の「つるまる」が多い。
 夜 コンビニメニューでビール、焼酎ロック
 というパターンに陥っている。
 栄養のバランスはそう悪くはないと思うが、野菜不足はあきらかである。
 ということで、昼は、天五の玉一へ行って焼肉定食。
 
 野菜を食べなきゃなあ。生中もいただく。
 午後も穴蔵にて雑用を処理する。
 たちまち夕刻となる。
 夜はまたもコンビニ・メニュー。
 野田くんの所信表明……「正心誠意」というが、変な表記だ。今後、これが標準になるのかねえ。

9月14日(水) 穴蔵/本町ウロウロ
 本日も炎天なり。
 午前、急用が発生して、本町へ行く。
 タイムマシンの部品関係。
 昔の勤務先の近くである。
 用件は10分ほどで終わり、ついでに近所を30分ほど歩く。
 
 伊藤忠がキタへ移ったあとの「廃墟」を見物したいが、ガーやんが立っていて近寄りがたい。
 ショールームと、北隣のユニチカ、福井銀行は普通に営業しているようだが、2棟のビル全体が黒い墓石に見える。
 この雰囲気が周囲に伝播して、本町が衰退していくのであろうなあ。
 地下鉄につながる地下階もシャッター下ろしたところが増えている。
 あと5、6年したら、本町界隈、寂れた雰囲気がいい町並になるだろうな。
 午後は穴蔵にこもる。
 夜は本日もコンビニ・メニュー。
 飽きてきた。

9月15日(木) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 実家の門柱に凌霄花が咲いている。
  *
 毎年、6月下旬に咲き、これがが咲けば、お茶を冷たい麦茶に変えるのが習慣であった。
 昨年は咲かず、老母は年末に永眠。
 今年は、3月遅れ、もう麦茶でもあるまいという時期の開花である。
 理由は……秋に植木屋が凌霄花の根元近くまで切ってしまうからである。
 凌霄花が咲かないから母が死んだわけでもないだろうが、毎年「既得権」みたいに来て20万円ほどふんだくっていく植木屋、おれとしては縁を切りたい。
 庭は雑草と雑木でいいではないか。
 兄弟間の話し合いが必要なことだけど。
 タイムマシン格納庫にて色々と作業。
 忙しいのである。
 たちまち夕刻。
 実家から西空を見る。
  *
 センチメンタルになるぜ。
 コンビニ・メニューならぬスーパー・メニュー(たいして変わん)でビール、「神の河」ロック。
 早寝するのである。

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