『マッドサイエンティストの手帳』73
●CAPRICON1私的レポート
第37回日本SF大会
1998年8月29日〜30日
名古屋国際会議場
1998年
8月29日(土)
9時のこだまで名古屋へ。第37回日本SF大会「カプリコン1」へ参加するためである。
東海道線の普通に乗り換えて金山へ。SFファンらしいファッション感覚の乗客がチラホラ。金山で地下鉄の乗り換えると、ホームはそれらしいのばっかり。さっそくソリトンの定期購読者・藤井さんに会う。京都からほとんどいっしょの行程だったらしい。
会場は名古屋国際会議場……今年も立派な会場である。屋上近くの橋みたいな部分がレストランらしい。高そうである。誰が行くか。
11時前に到着。ソリトン販売のためにディーラーズルーム設定。例によって青春なんとか切符で到着(大雨で夜行が運休、東海道線一部不通と、さんざんだったそうである)の帆羽さん、毎年出現のフォイルさん、ともに開会前から手伝ってくれる。
12時オープン。今年はコスチュームショーがなく、また獣医学会と重なっているため、コスプレはディーラーズルームを兼ねたイベントホールだけ。したがって、売場周辺にはコスプレうろうろ、例によって怪獣・異星人が多いが、SFとは関係なさそうなバドワイザーギャルもいて、さっそく記念撮影してもらう。
色気はいいけど、イベントホール、企画がない時は「カラオケ・タイム」になっていて、ステージではアニソン次々。まったく切れ目なし。アニソン・カラオケがあるのだなあ。2、3曲目で「愛国戦隊大日本」が出てくる。人気があるなあ。もうロシアが攻めてくることはないって。……この映画に唯一素顔をさらした出演者としては心中複雑である。
さて、ぼくのSF大会参加は、ソリトン以来、ずっとディーラーズルーム定住型である。あちこち行くのが面倒になってしまった。したがって、訪れてくれる人としゃべるのが何よりも楽しい。
色々な人たちが来たり去る。ミーハー的に記念撮影。
以下はその一部。
左から、久美沙織さま。大森望とカジシン。売場が隣り(パラドックス)になった伊吹秀明氏。野阿梓氏。牧野修さんと田中啓文さん。
夕方、ソリトン同人・本間祐さん合流。
午後7時で閉店、それぞれのホテルにチェックイン。
色々なところで、場合によっては徹夜宴会を含む企画が進行しているのであろう。
わがソリトン・グループは、午後8時集合、伏見、御園座近くの居酒屋で5名の宴会。本間、帆羽、フォイル、シナリオ学校の柴崎さん、ぼくの5名。まあ、この程度だと「世にも暑苦しいSF作家」(あ、今回来なかったなあ。だいたい、ぼくとフォイルさんで店番していると出現するのだが、こないと確かにものたりない)に悩まされることなくSFの話ができる。
が、今回、テーマは「新幹線ノンフィクション」となった。
おばちゃんひとり切り盛りの居酒屋で味噌カツ・串カツバージョンを食べて22時半頃まで。もう、とても徹夜はできない。
8月30日(日)
7時に朝食。地下鉄で会場へ8時40分到着。
9時からの企画、参加者全員グッタリかと思ったら、9時過ぎからアニソン・カラオケが始まった。元気だなあ。
本日もディーラーズルームかがメイン。途中、ファーストコンタクト・シミュレーションの部屋へ1時間ほどゲスト参加。野尻抱介さんと並ぶ。あ、写真を取り忘れた。この秋の「コンタクト3」にはポール・アンターソンが来日という。……アシモフには会えなかったが、クラーク、ハインラインには会えた。ポール・アンダーソンは「最後の神様」だなあ。
本日もディーラーズルームで色々な人と会う。
左から、小谷真理さん、巽孝之教授。とり・みき。SF小説創作講座で講義中の森下一仁さんと久美さま、この企画だけは覗きに行った。2日目に出現した神林長平氏、まったく久しぶりである。
昼頃に、恒例チャリティ・オークションが始まる。
今年も「堀晃ホームページ登場権+ソリトン定期購読」セット。まあまあの価格で競り落としてくれたのが、下の写真の「吉井達也さん」である。
岡山から来会の吉井さんと記念撮影。
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なかなか存在感のある人である。今後ともよろしく。
午後1時半で売場は終了。片づけてメインホールへ移動。
クロージングの企画。
ファンジン大賞で、わが「ソリトン」がファンジン大賞を受賞。……創作部門は受賞作なし。これは寂しいなあ。ぼくは「ソリトン」以外からの受賞作はないと信じていた。まあ、これははずれなかったのだが。……牧眞司氏の講評では、ソリトンの複数の作品が候補として議論されたという。レベルの高さは認められているわけで、もって瞑すべきであろう。
浜松で「牛車道」が創作部門受賞、小倉で「ファンジン大賞」、広島でぼくが「柴野拓美賞」……ソリトンについては、もう十分発言してきたし、これは同人・編集スタッフの総合力による受賞なので、同人を代表して本間祐さんに登壇してもらった。
左は売場。フォイル、帆羽、半魚、本間。右は賞状を受け取る本間祐氏。
ファンジン大賞、星雲賞(とりさん、神林さん、おめでとう)については関連ページをご参照のほどを。
午後4時半。実行委員長暗殺により大会終了。
ソリトン・メンバーでぞろぞろと名古屋駅まで移動。台風の影響で東京方面への交通事情が不安定である。
一応時間を確認してから、「売場の4人」で、名古屋駅地下のウナギ屋「浜松」で受賞祝い。本間さんのみ、昨夜も含めて「思うところあって」ウーロン茶。……この店は、三河のダイナコンEXの時、草上仁さんとふたりで「星雲賞祝い」をやった懐かしい店である。
ビールを飲んでいるところへ、ゲスト・オブ・オーナー高千穂遙とご一行様が出現、似たような店を選ぶものだなあ。あきのこんに続いて記念撮影。
右は気鋭のイラストレーター……あ、お名前失念。高千穂が評価するイラストレーターは凄いのに決まっている。(注)
6時20分頃にウナギ屋を出る。出たところで江藤巌さんにばったり。名古屋駅周辺、いずこもSF大会である。
フォイルさんはのぼりひかり、本間さんは近鉄、ぼくはくだりひかり、帆羽さんは「どうなるかわからないけど静岡まで快速」。
名古屋駅コンコースで散会である。
なお、SF大会は次の予定が決まっている。
1999年 第38回 ヤネコン 7月3〜4日 長野県 白馬
2000年 第39回 ゼロコン 8月5〜6日 パシフィコ横浜
……さて、2001年の開催について、とんでもない話を聞いた。
「2001年の大会はすごいことになるという噂ですよ」
「なに……ゲストにクラークが来るのか?」
「いや、島根で開催というウワサが流れているのです」
これが本当なら、マイクなしの大会ということになるのだが……。
(注)高千穂さんからメールをいただいた。
気鋭のイラストレーターさんのお名前は、 漫画家のるりあ046さんです。「るりあぜろよんろく」と読みます。
確かに凄い。