『マッドサイエンティストの手帳』119
●ホシヅルの日
星新一さんが亡くなられてもう2年近くになる。星さんの誕生日(9月6日)に近い休日ということで、9月11日(土)に、星さんを偲ぶ会が開かれた。
ホシヅルの日
1999年9月11日 14〜16時
科学技術館サイエンスホール
科学技術館の壁には無数の星のマークがびっしりと並んでいる。
まさに星さんにふさわしい建物である。
13時40分頃に歩いていったら、正面で高齋正さんがタバコをふかしていた。
そういえば、この地下、サイエンスホールは、1970年の国際SFシンポジウムの時、ファンと作家の集いが開かれた会場である。高齋さんは事務局で超多忙だった。
クラークが「宇宙が約束するもの」のタイトルで講演を行った。……今、宇宙作家クラブが取材対象としているのがその時の「予言」なのである。
米英ソのSF作家を舞台にあげて、司会は野田昌宏さんであった。
柴野さん、野田さん、豊田さん、高齋さんら、当時の参加者も目立つ。もうあれから30年であるなあ。
……進行役は井上雅彦さんと新井素子さん。
幼年期の珍しい写真や東海村見学の映像、それに色々に人へのビデオ・インタビューなどが上映され、つづいてパネル。
巽孝之さんの司会で、柴野さん、野田さん、豊田さん。
「星語録」に関しては色々聞いているから、そう新しい話はないだろうと思っていたら、出るわ出るわ、7割以上が初めて聞くネタである。
野田さんが言いかけて引っ込めた「天皇」語録だけはいつか聞き出したい。クチコミででも伝承すべき星さんの遺産なのである。
野田さん豊田さんの顔がのっぺら坊になってしまったが、デジカメの限界で、バチがあたったわけではありません。
人形アニメ「花とモグラ」上映……これは見た人は少ないはず。わしゃ見てましたがね。
色々なマンガ家、イラストレーター諸氏の描いたホシヅル上映。開田裕治には驚いたなあ。
パネルの2部は星新一作品からSF人生が始まった人たちが並ぶ。(ぼくは手塚治虫から始まる)
星敬さんの司会で、高井信さん、本日正午よりSF作家クラブ会長就任の大原まり子さん、新井素子さん、そしてショートショートコンテスト出身の太田忠司さん、江坂遊さん、井上雅彦さん。
さすが大阪の江坂遊、ひとり芸人ぶりを発揮。……コンテスト入賞者どうしが結婚、星作品のセリフで会話できるのだという。いったいどんな会話しますねん。トイレに入っているところへ「ノックの音が」して「おーい でてこーい」というんですかね。
参加者の投票による星ショートショート・ベスト3の発表。
1位 「おーい でてこーい」 26票
2位 「ぼっこちゃん」 11票
3位 「午後の恐竜」 6票
……当然というか、たいへんな票の割れ方で、1票2票作品がいっぱいだったという。
最後に、市毛良枝さんによる「おーい でてこーい」の朗読。
スクリーンに、しりあがり寿氏のイラストが映されたが、これは丁寧に描かれた作品であった。
会場はほぼ満席。映像やイラストなどよく準備された(影の実行委員長はとり・みきという)いいイベントであった。
夕方から九段会館で内輪のパーティ。……ここでは不謹慎な話はできないなあ。
ショートショート・コンテスト出身の藤井青銅さん、佐々木清隆さんと初対面。
ついでに巽孝之、難波弘之さんと記念撮影。奇妙な組み合わせに見えるかもしれないが、ご両人が中学生の時からのつき合いなのである。
小松さんが体調悪く欠席というのが寂しい。……小松のおやっさんにまさかのことがあったら、大阪でこんなイベントを企画しなけりゃいかんのだろうか。え、となると、かんべと俺が実行委員か。どうせかんべはワシに「お任せします」というに決まっているから、こりゃしんどいぜ。○宿○飯の義理があるからとり・みきは手伝いに来てくれるだろうが。……あ、いやいや、決してそんな面倒くさいことが起こってはなりません。……などと考えつつ19:45発ひかりで帰阪。
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