堀晃『遺跡の声』(創元SF文庫)
年初の『バビロニア・ウェーブ』に続いて『遺跡の声』(←あとがきはここで読めますから、それ以上のことをここで書く必要もないのですが)が創元SF文庫に入りました。
昨日あたりから書店に並んでおります。
ということで、さりげなく自画自賛したいところですが……『遺跡の声』は1996年にアスペクトノベルスから出ており、まあ再刊ということになるのかなあ。
ただし今回、今年書いた短編を1編加えました。
このシリーズ、第一作は1976年に(シリーズ化なんて考えず、独立した短編として「最終話」を)書いておりますから、30年間書き続けてきたことになります。
正式には「宇宙遺跡調査員」シリーズですが、助手役の結晶生命の方が目立って「トリニティ」シリーズと呼ばれる方が多いようです。むろん作者としてはどちらでもかまいませんし、「彼」が人気キャラクターになれば、それはそれでたいへん嬉しいです。
ともかく本文庫が決定版です。
今後、このシリーズを書くことは(おそらく、99%)ありません。シリーズ外のものを細々と書くつもりですので。
ということで、本HPをご覧の方は、もう知ってるよという方がほとんどと思うのでありますが、あえて少しだけ宣伝させていただきます。
加藤直之さんの表紙画が素晴らしいのです。
上記写真でもわかると思いますが、ぜひ手にとって見てください。
雑誌掲載の時にも加藤さんにイラストを担当していただきましたし、『梅田地下オデッセイ』の表紙も「私とトリニティ」が描かれています。文章のぎこちなさをイラストでずいぶん補強してもらいましたが、今回のは神話的なイメージで、ともかく突出して凄いです。これだけでも値打ち。
加藤さんは今や巨匠だなあ。
加藤直之さんによる特別コラムもついています。
解説は牧眞司さん。これについては「恐れ入りました」という他ありません。なぜか。……実物に当たってくだされ。
ということで、よろしくご贔屓のほどを。
(2007.9.23)