『マッドサイエンティストの手帳』387
●雪の結晶
11月14日の朝刊に岩波映画の元社長・小口禎三氏の訃報。
うっかり見落とすところであった。
科学映画『雪の結晶』の製作に関わった方である。
この映画、小学校時代……5年生か6年生の時(1955年頃)に観ている。
どこで観たのか記憶が曖昧だが、おそらく小学校の講堂で上映会があったのだと思う。映画館ではチャンバラや西部劇がメインだったし、どこかの科学博物館に行くなんてこともなかったはず。
モノクロの短篇だが、雪の結晶が成長する姿が神秘的であり、その美しさに感動した。
その後、雪が降ると、黒い学童服の袖に落ちだ雪をペンシル型の顕微鏡で覗いたものである。
岩波新書で中谷宇吉郎の名著『雪』を読んだのは中学生になってからであった。
『雪の結晶』は、その後半世紀、観ていない。
機会があればもう一度観たい。おそらく今観ても感動的であろう。
いい年齢の時に最高の映画に出会えたものだと思う。
自然の不思議に感動したら、すべからく自分で観察すべきである。虫眼鏡や顕微鏡や望遠鏡はそのためにある。
その次に、優れた書物に出会うべきなのだろうな。
こんなことを書くのは、おれも、近年の「水からの伝言」に大いなる疑問……いや科学教育ということでは大いなる不安を感じているからである。
「雪は空からの手紙」は素晴らしいのだが「水からの伝言」はなあ……。
ということで、田崎教授への賛意を表明して、下記にリンクを張らせていただきます。
小口禎三氏も同意してくださるであろう。
「水からの伝言」を信じないでください
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