『マッドサイエンティストの手帳』382
●森山JAZZ NIGHT 2006
2006年9月16日(金) 18:30〜 可児市文化創造センター「ala」
森山大明神信者にとっては年に一度の聖地巡礼。今年で6回目である。
毎回色々な趣向がこらされるが、今年はゲストが「5管」、レギュラーの音川さんを加えると、フロントに6管が並ぶという構成である。
フロントに、高瀬龍一(tp),渡辺ファイアー(as),音川英二(ts),井上淑彦(ts),中路英明(tb),田中邦和(bs)の6人がならぶ。
バックに望月英明(b),佐藤芳明(acc),森山威男(ds),田中信正(p)という布陣。
第1部は
「Birth Of Life」
「Gratitude」
「Catch Up With Him」……という曲らしい(塩之谷レポートを参照すれば)
ここで休憩。
メンバーが多いから、1曲平均20分かな。
森山さんのいうには「体力的にも精神的にも、大勢のミュージシャンの陰に隠れていよう」と企んだのが裏目に出て「全員が音を出すときはその分ドラムも大きな音で叩かねばならず、ソロの時は集中してソリストとやりあわねばならず」という状態。
大音量とやりあうということでは『INTRODUCING TAKEO MORIYAMA』(71年)以来ではないかなあ。
そしてソリストは6管+アコーディオン、ピアノと8人。次々に襲いかかる相手との果たし合いがつづく。
今回(後述するように「音」に集中せざるを得ない事情があって、その分よく確認できたのだが)高音のトランペットやアルトから低音のトロンボーンやバリトンまで、音域も奏法も多彩で、それとやりあうドラミングの多彩さに改めて感嘆した。
その演奏の細部については森山掲示板の塩之谷レポートをご覧下さい。「録音禁止」をきちんと守って記憶だけで演奏の細部まで再現できる(まさに『記憶屋ジョニィ』である)記憶力と表現力にはただ敬服。
第2部は
「Sunrize」
「雨」で挟んだ「Beyond the C」
「ずっと」……井上淑彦さんがこの編成のために作った美しいバラード。
ここで、森山さんだけが舞台に残って、おなじみジャンケン大会。
お宝は2点用意されていたが、今回は2回とも初戦敗退してしまった。
ま、いつかは獲得できるぞという夢は残しておく方がいいか……なんて悟りきったか考え方、おれはしないぞ。くやしい、残念、ほしかった!
アンコール「Hush-a-bye」
最後にレギュラー・クインテットで「Good Bye」
滅多にない編成……しかもそれぞれ個性的なプレイヤーが揃って、何重にも楽しめるステージであった。
それと、佐藤芳明さんが参加して1年ちょっと、リズムとフロントに重なる領域で自在に弾きまくる感じで、その存在感が大きくなっているなあと感じた。
ところで、今回は森山さんの「音」に集中したと書いた。
わが席はC19……ほぼ中央前から3列目で、音響的には申し分ないのだが、なんと、譜面台が邪魔して、森山さんの上半身だけが遮蔽されてまったく見えない。グズラさんは譜面台の隙間からかろうじて見えるが。
御大を拝顔できるのはMCで立ち上がった時だけ。
2列前の塩之谷さんが時々頭を下にやっていたが、同じ苦境にあったのかな。
なんたる不運。ま、これも「音をよく聴くように」と神が与えてくださった試練なのであろう……なんて考え方はしないぞ。おれは欲を捨てられぬ人間である。欲が満たされなければ拗ねるわめくダダを捏ねる僻む悪態をつくいつまでも恨むのである。
今回、どうしても森山御大がドラムを叩く姿を見たかった。
なぜならばレギュラー・メンバーの5人は新調した真っ白の「制服」で出演していたからである。この晴れ姿……ひところの「ミリタリー調」かな。
alaは撮影禁止だし、楽屋では、汗びっしょりで森山さんはすぐ脱いでしまいそうだし、「制服姿」の写真は残せないものだろうか……と嘆いたら森山掲示板に公開された。
私見ではグズラさんがいちばん体に馴染んでいる感じだ。
21時過ぎに終演。
森山追っかけ用に残してある確定申告還付金が手つかずのままなので、制服で出演しそうになライブがあれば、今度は森山御大の晴れ姿を見るために駆けつけることにしよう。
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