『マッドサイエンティストの手帳』379
●マッドサイエンティスト日記(2006年8月前半)
主な事件
・播州龍野の日常(〜5日)
・穴蔵の日々(6〜9日)
・8/8ハチ・ライブ(8日)
・播州龍野の日常(10日〜)
8月1日(火) 播州龍野の日常
タイムマシン格納庫にて見張り番。
そろそろ次の組立作業にかからねばならぬのだが、部品が揃わない。
準備作業を始める。
が、10時で36℃……ミネラル・ウォーターを用意してなかったので作業は中止。
ボケーーーっと電話番。
ニュースで親子がよく似たてっぺんハゲ頭を下げるのを見て、冬樹蛉さん的なのが浮かんだ。
ククルククーーーーーーーーーーーールッシィ、パローーーマ
8月2日(水) 播州龍野の日常/エイリアン茶番
朝5時でもまだ暗い。百日紅が咲き出して、もう秋の気配である。
寒い冬が近づくかと思うと気が重くなる。
タイムマシン格納庫で組立作業。
朝のうちはよかったが昼前には汗が噴き出す。
さすがに暑いなと寒暖計を見ると43℃である。
窓とシャッターを全開にしたらDRY41℃、WETが35℃まで下がったが、湿度は表の上限を超えているから不明。56%くらいか。シャツ、ビショビショ。ワンステージ終了後の森山威男状態である。
血液ドロドロの心配もあり、実家に戻りシャワー、水分補給(ビールにあらず)。
午後は事務スペースで電話番、16時で早仕舞とする。
17時前からビール。
早寝したら、身内からの電話で起こされる。
午後9時前。
で、思い出してテレビをつけると、ちょうど「世界タイトルマッチ」のゴング直前であった。
午後7時半からの放映だから、ずいぶん引っ張ったものだなあ。
亀田興毅は初めて(ニュースなどの報道以外で)見るが、横から見るとエイリアンによく似ている。尻尾がないだけである。
ランダエタは若い頃のジョージ・C・スコットに似た印象だ。
こうなるとエイリアン「闘技場」版の様相。
亀田がぶっ倒されるところを見たいファンは多いだろう。おれもそのひとり。亀田のパフォーマンスが嫌いだからである。いい悪いではなく、下手。芸になってない。藤猛にしろ輪島功一にしろガッツ石松にしろ、計算したパフォーマンスでないから面白かった。強さと芸を兼ね備えていたのはカシアス・クレイ時代のアリだろうけど。
亀田の場合、強さに疑問符がつく上に芸がなってないから不愉快なのである。
で、結果は……まあこんななものか。興業だからなあ。
ランダエタがエイリアンをノックアウトするほど強くなかったということであろう。
亀田は強気のパフォーマンスができなくなる(やっても白々しくなるだけで、ますます芸人としてのランクは下がる)わけで、両者が負けたというところか。
エイリアンだけに、タイトルマッチはあと3回あるのかな。
8月3日(木) 播州龍野の日常
性懲りもなく、朝からタイムマシン格納庫で作業。
昼に室温43℃となる。昨日より暑く、寒暖計の目盛りは43.5℃と読める。
昨日ノウハウを得たから、水分補給、濡れタオルで首筋冷却しつつ体を動かしていたら、結構快適である。
15時過ぎに早仕舞とする。
ニュースでは、ニューヨークが熱波に襲われて、昼間の気温が45℃とか。
行ってみたくなるなあ。
老母の夕食準備だけしておいて、おれはシャワー、16時前からビール。
職人さんにこの生活パターンが多いと聞いたことがある。
早朝から仕事して、場外馬券場が開いている時間に仕事を終えるらしい。
おれも向いているのかも。
……と、酔っぱらって早寝。
目が覚めて、定刻4時かと思ったら、まだ午後10時前である。
ということで、書いたブログがこれ。
朝まで本を読むことにする。
8月4日(金) 播州龍野の日常
炎暑なり。
性懲りもなくタイムマシン格納庫で作業……3時間が限度である。
午後、しばらく昼寝。
睡眠が不規則になってきた。
本来の予定では本日帰阪のつもりだったが、来週の行事(8/8ね)の都合もあり、1日延期。田舎ストレスがたまることである。
こちらのパソコンで唐沢俊一演出による紙芝居DVD『猫三味線』を見る。こりゃ恐ろしいね。唐沢さんも相変わらずヘンなことをやるなあ。
おれは紙芝居世代だが、この種の「因果もの」を見た記憶はない。似たようなのはあったかもしれないが、こんな大長編は知らない。
『市川堤』を子供の時に聴いたとしたら、どうだったのだろう。
案外退屈な話だったかも。
と、昼寝と『猫三味線』のおかげで、妙に寝付きが悪いのである。
8月5日(土) 播州龍野→大阪
炎暑なり。
龍野にいる時は、胴回りがゴムの……要するにパジャマの下半身みたいなだらしない格好で作業しているため気づかないが、ベルトをしてみると、穴がひとつずれている。ウエストが2センチほど細くなったらしい。
この数日間の肉体労働・発汗・水分補給の繰り返しで、少し体が締まった感じ。
文筆業がいかに不健康かわかるなあ。
午後の電車で帰阪。
梅田、異様な人出である。浴衣姿の女性が多い。
淀川の花火大会らしい。まだ午後5時というのに、ヨドバシから場外馬券場方向へ移動する行列、競馬開催日よりもはるかに多い。
打ち上げは午後8時頃のはずだが。
好きなんだのう。
ということで、久しぶりに穴蔵に帰館。
夕食前に体重を計ってみると3キロ減(ただしシャワー後・ビール前)、体脂肪率17%で、これは標準値なのかな。
専属料理人に色々並べてもらってビール。
花火の音が盛大に響きはじめる。
淀川堤防までは5分ほどで行けるのだが、今年はもう面倒である。
専属料理人と表に出て、公園を抜けたところにある酒屋の前へ。
ここの前の道、まっすぐ西に延びていて、その延長が打ち上げ点。
ビール飲みながら20人ほどが見物している。
ビルの隙間から最後の10分ほどを見る。
8月6日(日) 穴蔵
終日穴蔵。
たまっている雑件を粛々と片づけるのであった。
先月、7月27日に、近所の公園からホームレス氏が減ったと書いた。
この件につき、専属料理人が「ちょっと離れた場所に移動しただけで、まだいてはる」という。直射光が当たるので木陰に引越したらしいという。
炎天下、公園へ行ってみる。
古参のホームレス氏の住居は、確かに30メートルほど西に移設してあった。
ヒマラヤ杉2本の枝が伐採されて、鳩の止まり木になっている。
ヒマラヤ杉は他に何本も生えているのに、なぜホームレス氏のホームの上だけが伐採されたのか。よくわからん。
もうひとりの、石飛卓美似のホームレス氏(氏をつける位置が違うか、まあいいか)はというと、やっぱり少し離れた木の下に寝てはるらしい。この時は不在であったが。
こちらの「ロープ張り」の理由もわからぬまま。
どうも経過が不明である。
直接訊けばいいのだろうが、それもなあ……。
8月7日(月) 穴蔵
終日穴蔵……とはいかず。
炎天なれど、平日の昼間でなければ処理できぬ用件が幾つかあり、午前9時を待って自転車ででかける。
さすがに暑い。歩道も日影側(東側)が混み合っているから、日当たりのいいところが走りやすい。
最短距離を移動。
11時過ぎに終わるが、本日は寄り道する気にならず。
紀伊国屋書店のみのぞく。
亀和田武さんがコラムで取り上げていたのが気になって、「en-taxi」Vol.14を買って帰る。小林信彦小特集だが、期待したほどではなかった。もっとマニア的な特集かと期待していたのだが。
8月8日(火) ハチ8/8ライブ
定刻午前4時前起床。
ここ数日運動不足の感あり、自転車で東回りコースを走る。
淀川堤を毛馬まで。台風接近の予兆か、風やや強し。
毛馬から天六まで戻り、十八番で朝飯。
昼まで穴蔵にこもる。
昼はハチまで行ってランチ。
今夜の8/8ライブを控えて緊張気味……でもなし。普通であった。
雑事済ませて、また午後は穴蔵。
夕刻、専属料理人と歩いてハチへ。
8/8恒例のハチママ・バースディ・ライブ、山下洋輔さんのソロである。
すし詰め。あちこちに懐かしい顔が多い。
わが席、早々に予約したのだが、12,13番。最前列の隅で、ピアノの弦をのぞき込む位置。専属料理人は山下さんの真正面である。
↑少しブレてるけど、こんな位置。
目の前に知った顔があると演りにくいのではないかと、少し顔をずらして聴く。
山下さんは6日京都でNYトリオ+オーケストラのツアーが終わったばかり。
急にソロというのは不思議な感じ……といいつつ、やっぱりこれは素晴らしいものであった。
演奏は「ミスティック・レイヤー」や「クロッシング・パシフィック」のナンバーを中心に……記憶あやふや、たぶん次のような構成であった。
・ラウンド・ミッドナイト……これはソロの時の定番。
・フェイズ・アフター・フェイズ
・ギャザリング
・グルーヴィング・パレード……ニューオーリンズ風味のこの曲、おれは大好きである。
・「爆発」……これは先日の「岡本太郎の巨大壁画除幕」の時の即興演奏、それのできるだけ忠実な再現。岡本太郎へのオマージュ、語りも面白かったし、爆発的演奏は70年代の、まさに万博当時のものであった。
・しゃぼん玉
・ミスティク・ビート
・オンリー・ルック・アット・ユー
・ボレロ
・(アンコール)チュニジアの夜
わが席からは、弦やダンパーやハンマーの動きが見えて、ともかく迫力があったなあ。
ということで、しばし休憩のあと、8/8恒例の大騒ぎである。
『落下する緑』の作者・田中啓文さんが来ていて、山下さんに紹介。山下さん、啓文さんに「楽器持ってきてないの?」……こういう質問、ちょっとうらやましいねえ。
山下さん、例によって律儀に「ハッピー・バースディ」
あとは、大ちゃんのサマータイムは定番として、色々……「アメリカン」氏の歌う「中国語(まがい)のサニーサイド」に爆笑、こんな芸の持ち主だったとは。周りからのかけ声に「ニーハオ、シェシェ」とにこやかに応える余裕、たいしたものだ。歌自体が結構うまいのがいい。久々の「ハチ芸」……四半世紀ほど前だと、おれも含めてだけど、われもわれもと競ったものだがなあ。おれはもう体力ないけど。
などと飲んでしゃべっているうちに深夜近い。
台風はそれたようで、雨は降らず。
歩いて帰館。
8月9日(水) 穴蔵
終日穴蔵。
明日からまた田舎生活ゆえ、雑用片づけ。
午後、米朝師匠が自宅で転倒、腰を痛めて入院のニュース。
心配なことである。
腰痛は以前からのことだが、これが気力に影響するとなあ……。
8月10日(木) 大阪→播州龍野
早朝の電車で播州龍野へ移動。
ちと疲労。
下男(おとこし)仕事の合間は仮眠。
が、こちらの書斎、34℃である。扇風機の送る暖風の中で、少し本を読み、少し目を閉じるの繰り返し。
食欲はいまひとつ。
といいながら、本日、おれが夕食時に自分で並べたのは、枝豆、ヤッコ・カイワレ・カツオブシどばどば、トマトぶったぎり、イカ刺身、ビール、冷酒。
あと、キムチそうめんでも食べるかと思ったが、食欲なく、これまで。
20時前に老母が床についたので、おれも小谷野敦『谷崎潤一郎伝』を読みながら寝ることにする。
室温33℃なり。
8月11日(金) 播州龍野の日常
早寝したが、蒸し暑くて午前1時前に目が覚めて、あとは眠れず、本も読めず。
窓は網戸で扇風機回しているものの、風は通らず、室温は午前3時でも33℃である。
湿度は不明。推定70%か。
念のため、室外(窓の外)は29℃。
おれは少々の暑さでは音を上げないが、32℃以上になると、じっとしているのはつらい。
この時間、外をウロウロするわけにもいかず……。
睡眠できず食欲なし動く元気も失せてくる、たぶん人これを夏バテと呼ぶ。おれには珍しいことである。
エアコンが設置できる部屋を増設すべきか……。
イギリスで航空機の爆破テロ計画を摘発、24人逮捕のニュース。
当分空港は911当時の状態になるなあ。
10月にぶらっとニューヨークのつもりだったが、たぶん見送りになりそうな。テロが怖いのではなく、イラチだから、搭乗手続きの煩わしさに耐えられないのである。
タイムマシン格納庫へ。
某国から帰国した相棒の某くんから報告を聞く。
いいタイミングで往復できたというべきか。
8月12日(土) 播州龍野→大阪
昨夕雷雨あり気温低下、熟睡できた。
昼、所用あって大阪へ移動。
姫路駅……姫新線ホームと旧山陽本線ホームの間に仮設ホームが作られつつある。
姫新線ホームを西に移して、旧ホーム間をコンコースにする作戦か。
姫新線の高架化も意外に早いのかも。
大阪に着いてみると、帰阪の必要がなかったことが判明。
おれの連絡聞き間違いである。
ボケの兆候かと心配になる。
一昨日が暑さでほとんとほ不眠、昨夜が涼しかったので早寝。熟睡中に電話連絡があったのを聞き違えたのであった。
寝ぼけもボケか。嗚呼。
専属料理人に色々作ってもらってビール。
穴蔵でたまっている雑事片づけ。
8月13日(日) 大阪〜播州龍野、ウロウロ
忙しい日である。
早朝のJRで播州龍野へ移動。
老母の盆行事の準備色々。
午後のJRで大阪へ移動。
夕刻、阪急石橋の居酒屋で帰省中の友人中心の懇親会。
酔っぱらって朦朧状態で、またもJRで播州龍野へ移動。
22時半に帰着。
大阪〜龍野間、1.5往復したわけで、普通に料金を払えば5千円を超すところ、青春18切符を使ったので格安移動。青春18があったからこんな行動をとったのであった。
ああしんど。
8月14日(月) 播州龍野の日常
朝6時過ぎに老母を連れて墓参。墓地は東の山裾にあるから、直射光が射さぬ朝がいいのである。このために昨夜無理して龍野まで戻ったのであった。
タイムマシン格納庫で組立作業。
2時間ほど。
汗を絞り出すのに快感を覚えるが、気がつけば45℃。
身の危険を感じて作業を中止する。
午後は実家の座敷でごろ寝、雑読。
室温34℃で、さすがにつらい。
夕刻、庭に水まき。
ビールをたくさん飲む。1.35リットル。
20時前に寝るのである。酔っぱらって寝たら4時間くらいは眠れるであろう。
8月15日(火) 播州龍野の日常
昨夜早寝したら2時間ちょっとしか眠れず、午後10時半に目が覚めて、あとは夜明けまで眠り断続的。
室温32℃のまま。あと1℃下がれば快眠できるのだが。困ったものだ。
ということで、朝まで朦朧状態の読書。
夜が明けてから下男(おとこし)仕事。
暑さにマイルス・ディヴィス、氷水をチェット・ベーカーり飲んでも気分はアーチー・シェップ、汗がデフランコ、頭はジーン・クルーパ寸前……。
日が暮れる。
ビール飲んで早寝。
たぶん0時前に目が覚めそうだが……。
田舎生活、飽きたなあ……。
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