HORI AKIRA:マッドサイエンティストの手帳

●マッドサイエンティスト日記（2000年1月前半）

主な事件
　・うーん、書斎に籠もってはいるのだが……じっと動かず何もせず。
　・オリジナル日記から食事メニューと会社業務内容をカットするとこんなもの。

２０００年

１月１日（土）　晴時々曇
　0時通過、特別な異常事態はなし。エリツィン辞任のニュースが昨夕から流れたが、Ｙ２Ｋ問題からの逃亡説もあるという。　０：３０頃に就眠。5時、分厚い朝刊を読む。6時頃にネットに接続。異常なし。兄からメール。午前3時にまだ待機中という。　7時に梅田方面を撮影。7:20頃にホームページ更新。「新年の挨拶」をアップ。8時過ぎに美保とふたりで朝祝い。子供はふたりとも熟睡。本年より餅なし日本酒なし。おせち。缶ビール１個。餅抜きの雑煮を一杯。9時過ぎ、近所のコンビニの食料品調査。ローソンは弁当おにぎりほとんどなし、ミニストップとファミリーマートはいっぱいある。ローソンの勝利か。配送車は動いている。9:30、年賀状届く。こたつで読む。昼まで寝る。ごはんが食べたいが、なし。買い置きの保存食消化のためカップ麺食べる。午後も書斎。ダラダラとパソコン、年賀状の返事18枚。18時、投函のついでにローソンで年賀状10枚買う。夜、家族揃ってふつうの夕食。……終日、腹具合がいまひとつである。おせちがいかん。

１月２日（日）　晴
　朝6時、ひとりで「まとも」な朝食。終日書斎。ごろ寝。……アイデアがなにもまとまらない。リビングへ断続的に行く。箱根駅伝の中継が流れている。何も頭が働かない。

１月３日（月）　晴
　家族惰眠。ひとりで朝6時、朝刊読みながら朝食。あと書斎。頭が働かない。
朝刊また新聞など読みながら惰眠。　昼前、自転車で会社へ。４日ほど出歩かないだけで、脚が弱っているのが実感できる。24時間営業の「梅ヶ枝食堂」で「ふつうの食事」。客はわしひとり。
　会社、Ｙ２Ｋで出社組があちこちにいる。端末は異状なし。夕方、自転車で帰る。暖かく気分のいい日である。
　夜中まで書斎。じっとしている。結局、原稿は進まないまま正月休みが過ぎていく。

１月４日（火）　晴
　7:30出社。9:15新年祝賀式、マンネリである。本日より通常業務。18:30まで。
　帰りに半年の通勤定期を買うが、これを使い切れるのであろううか。
　ビール、ワイン。早寝。

２月５日（水）　晴
　4時起床、朝刊。7:30出社。会社玄関にシーマ、中からＮ君が松葉杖で。年末から骨折で入院していたという。すごいクルマに乗っているものよ。早朝から他社の社長の年始かと思うではないか。
　昼休みに散髪。3300円。
　夕方、かんべ事務所１時間、「レディ・ジョーカー」のことなど。帰宅19時。早寝。

１月６日（木）　晴
　4時起床。朝刊、たいした記事なし。8時出社。19:30帰宅。頭の老化がずいぶん進んでいるような気がする。

１月７日（金）　晴
　挨拶回りを兼ねての東奔西走。本日より「専属料理人」は静岡～東京で３日ほど留守である。
　ボンクラ息子その２とふたりで晩飯。原稿書けない。

１月８日（土）　晴／曇
　5時、朝刊。7時、ひとりで朝飯。10時、世間休日なれど出社。15時帰宅。
　書斎。……原稿は書けない。頭働かず。
　電気屋の景品の「かも鍋セット」がクール宅急便で届く。ボンクラ息子その２と半分ほどを食べる。
　深夜まで書斎。じっとしたまま。

１月９日（日）　曇／夜、雨
　4時起床、刊。6時、ひとりで朝食、ボンクラ息子その１が熱心に競馬予想をしている。なんというやつだ。気晴らしに洗濯。パンツと靴下がやたら多い。8時から机に向かったまま、頭が働かない。
　昼、ごはんを炊いてＹ２Ｋ想定保存食で昼飯。
　午後も書斎。じっとしたまま。時々ネット接続。どうやらネットの諸君は山下さんのコンサート「もう一つの夜明け」に集結しているらしい。書き込みが全然ない。「専属料理人」は無事に当日券が買えたか？　結局、原稿書けないまま。上京すべきであったか。料理人、11時過ぎに帰宅。のぞみで帰ってきたという。山下さんの「もう一つの夜明け」は、指揮の佐渡裕が急病で「金聖響」に変わったのだという。……山下夫人、ハチママ、難波弘之、渡辺香津美、その他ネット関係の色々な人に会ったという。「利根川博士」に似た人がいたというが、誰だろう。感激興奮を３時間以上引きずっての帰阪、気持ちはわかるがいうことがよくわからん。こちらまで夜更かしである。

１月１０日（月）　曇
　4時起床。朝刊。ひとりで朝食。また仮眠9時まで。終日書斎。ずーーーっと座ったまま。頭が働かない。嗚呼……。昨夜の「利根川博士似」はたぶん「丸谷才一氏」であろうとネットのレポートで判明。

１月１１日（火）　晴
　3時起床、6時まで断続的読書と朝刊。ふつうに7:30出社。
　「週刊朝日」の高橋源一郎のコラムに気になる記事。漱石の「こころ」について。ぼくも「こころ」についてはひとつ検証したいことがあるのだが、精神的余裕なし。
　夜、ちょっと焦る電話。すみません。遊んではおらんのです。ただ、ＳＦの書き方を体が忘れてしまったようなのである。

１月１２日（水）　晴
　4:30起床、7:30出社。中国関係であわただしいテーマ発生。海外とE-mailやりとり。和英のソフトがほしい。
　19時帰宅。創元の小浜氏から電話。イーガンに関して雑談。19～21時、マンションの理事会。相変わらず賃貸住宅の「商売」関係の苦情と対応策。エステサロンが開設されてしまっているのである。太ったおばはんの経営らしい。22時やっとビール。

１月１３日（木）　曇、午後雨
　4時起床、7:30出社。フロア移転が迫っていて、地下にある工作機を借りて「日曜大工」１時間。
　医局で血圧測定、144-94と下が異様に高い。またしばらく減塩をやるか。知らず知らず塩分が増えているのは確か。
　20時帰宅、酒飲み、仕事はしないまま早寝。嗚呼……

１月１４日（金）　晴
　5時起床、7:30出社。9時過から姫路の取引先へ。16時、大阪駅に戻る。　三国の加工メーカーへ。堀越社長、久しぶりだから飲もうという。原稿が気になるが、十三東のふぐ屋へ。今シーズン、ふぐは初めてである。帰宅22時。

１月１５日（土）　晴／曇
　二日酔いである。
　8時に朝食。世間休日なれど自転車で出社10時～14時。フロア移転の準備作業。
　15時帰宅。書斎。じっと動かず。歌を忘れたカナリヤか、わしゃ……
　約1時間で本日記の整理。