『マッドサイエンティストの手帳』610

●マッドサイエンティスト日記(2015年8月前半)


主な事件
 ・キッチン・ファイブ@ニューサン(4日)
 ・播州龍野いたりきたり
 ・山下洋輔ソロ@ハチ(8日)
 ・「N/Y」ライブ@ロイヤルホース(8日)


8月1日(土) 穴蔵
 午前5時に起きる。室温、外気ともに30℃。
 本日も炎天なり。
 終日穴蔵。アタマを使わない作業をして過ごす。
 ニュース番組、冒頭で「猛烈な暑さ」ばかり報道するので、見ないことにする。
 「アホいうもんがアホじゃ」の至言に倣えば「暑いいうやつが暑苦しい」。
 「暑いですね」と挨拶されるのが嫌で、この季節、閉じこもって、人と会わないのが快適に過ごす秘訣のようだ。
 夕刻に近い午後、日影を選んで散歩。
 豊崎交差点で気温表示を見れば31℃。爽やかなものではないか。
  *
 よく見れば37℃であった。16:30。
 別にどうってことないけどなあ。
 夜は翁豆腐(弥七の向かい側)のヤッコ(これはよろしい)、鯖のなんとか風なんとか掛け、トマト貝柱アボガトその他数種類ごちゃまぜのサラダなどでビール。トッピングが複雑過ぎる。おれはもっとシンプルなのが好きなのだが……と思ったら、完熟トマトを安く売ってたからと、割とシンプルなパスタが出てきた。
  *
 中本酒店の格安バカウマワインを少しばかり。
 早寝するのである。

8月2日(日) 穴蔵
 午前5時に起きる。室温、外気ともに30℃。
・午前5時半、ひとり朝食。
 トースト、チーズ、サラダ、アイスティ、メロンの定番的メニュー。
 7時過ぎから直射光が穴蔵に射し、室温32℃。2時間ほどエアコン稼働させる。
 アタマを使わぬ作業を行う。
・正午、昼食。
 自宅に行き、いただき物の「出雲そば」。うまっ。
 午後2時、外は37℃、室温31℃、扇風機があれば快適である。アタマを使う仕事さえしなければ。
 結局、終日穴蔵。
 夕刻シャワー。
・午後7時〜晩酌。
 専属料理人が、おれ好みの「居酒屋メニュー」を並べてくれた。
  *
 枝豆、翁豆腐のヤッコ、山芋おくらのネバネバ小鉢、ポテサラ、串カツ、キャベツどっさり。
 二度づけ禁止のソースに較べると粘度が高いが、というと、専属料理人「ビフカツで明治軒風にしたのです」と。なるほど新世界より上品路線であったか。
 これで盛大にビール、あと黒糖焼酎の水割り。
 こんな贅沢をしていていいのだろうか。
 いいのである。

8月3日(月) 穴蔵/炎天下放浪
 本日も炎天なり。
 月末に処理すべき事項などが残っており、外出せねばならぬ。
 午前10時過ぎに出て、歩いて梅田。郵便局〜金融機関〜ヨドバシなどうろうろ。
 天五の部品屋に寄る必要あり、東梅田〜天六のみ地下鉄使用。
 昼前に雑事終了。
 さあ昼飯……天五界隈だから、焼肉・寿司・コナモン何でもあるのだが、食欲なし。暑さのせいか。
 商店街を抜け、中崎町から豊崎まで歩くが、ここからは日影がほとんどない。37℃の気温は平気だが、直射光はさすがにつらい。
 中崎町の店は、カレーかピラフかパスタばっかり。好みでなし。
 結局自宅近くまで戻る。
 おや、昼時なのに、弥七は3人しか並んでないではないか。むろんパス。
 近所の「信州そば」に駆け込む。
  *
 最近、ここの蕎麦がいちばんの気がしてきた。
 うどん(讃州/たけうち)もそうだが、うまい店はいちばん近くにあるのだった。
 午後、32℃の穴蔵に戻る。
 8,783歩。意外に歩いていたのだ。
 扇風機の風に当たるとほっとするなあ。

8月4日(火) 穴蔵/キッチン・ファイブ@ニューサン
 毎日報道されていることだが、本日も猛暑日なり。
 うんざりしてくるなあ、暑さにではなく報道に。「昨日と同じ天候です」と一言で済むではないか。
 小網代湾のシートにくるまれた水死体とか、郭伯雄のアタマ偽装問題を追及しろよ。
 ということで、終日穴蔵。
 ほとんどアタマを使わない作業をして過ごす。
 夜、久しぶりに夜遊び。
 20時前にニューサンへ行く。
 原則的に月1度(第1火曜)のニューオリンズ・キッチン・ファイブの出演日である。
  *
 加藤平祐(cl)秋定暢(tb)川合純一(bj)脇本総一郎(b)梁瀬文博(ds)
 今、関西で…というより、世界でいちばん生きのいいニューオリンズ・ジャズ・バンドである。
 水割り飲みつつ「特等席」にて聴く。
 最終ステージは客が減り、実質、おれと録音担当のMさんだけ。
 最後の「ハイソサエティ」なんて、おれひとりのために演奏してくれたような熱演で感動する。
 かなり酔っぱらった。

8月5日(水) 穴蔵
 本日も昨日と同じ。猛暑日らしい。
 朝7時頃に直射光で目覚め、水をがぶ飲み。エアコン稼働、また寝る。
 昨夜飲み過ぎである。
 昼は自宅にて軽い昼食、午後も本を読んだり仮眠したり。
 たちまち夕刻となる。
 シャワーを浴び、晩酌。
 新潟産の枝豆、翁豆腐(豊崎/弥七の向かい側)のヤッコ、手羽の焼いたん、なんとかサラダなどでビール。
 早寝するのである。
 明日こそホリは羽ばたく……つもり。

8月6日(木) 大阪←→播州龍野
 定刻午前4時に起き、5時半に出て、早朝の電車を乗り継いで、姫新線本竜野に7時54分に着く。
 夏休みで高校生が少なく、姫路駅で4分間の乗り換え(山陽本線→姫新線)が可能なのである。
 午前8時過ぎに実家に着く。
  *
 百日紅の季節である。
 55年ほど前、この花を眺めながら夏休みの宿題をやったものであった。
 センチメンタルになるぜ。
 が、感傷に浸っているわけにもいかず、雑事山積。主に肉体労働。荷造り・発送、その他色々。
 タイムマシン格納庫でもあれやこれや。
 昼過ぎに片づいたので、姫路に出て、小溝筋のおなじみ灘菊直営店「かっぱ」にて日替わり定食。
  *
 水分補給も怠りなし。体に染みこむなあ。
 夕刻に近い午後に帰阪。

8月7日(金) 穴蔵
 本日も炎天好天なり。
 終日穴蔵。
 扇風機の風に吹かれつつ、あまりアタマを使わない作業を行う。
 夕刻に近い午後、空の眺めがいいので淀川堤まで散歩。
  *
 わくわくしてくるような夏の雲である。
 どこかへ遊びに行きたくなるなあ。
 ま、明日は色々なイベント(そういえば淀川下流では明日の淀川花火大会の準備中のはず)があるから、どこかへ出かけるとしても盆明けだな。
 夜は枝豆、豚生姜焼き、トマトサラダなどでビール、「揖保乃糸」で冷酒を少しばかり。
 早寝するのである。
※ニュース雑感
 体調はいいが、血圧高騰しそうなニュースがつづいていかん。何をいっても因縁つけるやつが待ちかまえてるのに発言せにゃならんのか。沈黙は金であろうに。精神衛生上よくないので、2週間ほどの「情報遮断」(テレビ、新聞、ネットも)を検討する。
 が……おもろいニュースも入ってくるからなあ。
・三浦半島小網代湾のシートにくるまれた女性の死体事件。グレゴリー・グモ(41)を逮捕。こやつ、ヨットは持ってなかったのだ。「太陽がいっぱい」を想起したおれは、ひとりバカを見た。
・西伊豆の電気柵感電死事件。設置者(79)が自殺。ドラマツルギーからいえば、これ以外の決着は考えられないな。回路の詳細が知りたいが不明のまま。安全のためにも公開してほしい。
・草加市に猿男。詐欺容疑で捜索を受けて、マンションのベランダ〜壁面〜隣のマンションとパンツ姿で逃げまくる大畑慎司(28)の映像が7時のNHKで放映されたが、がんばるなあ。墜死しなかったのがまことに残念である。こんなのが見られるから、ニュース番組遮断とはいかんのよねえ。
 困ったものだ。

8月8日(土) 山下洋輔@ハチ → 「N/Y」@ロイヤルホース
 大阪のいちばん熱い日である。
 むろん暑くもあるけど。
 朝から甲子園に「怪物」登場。大騒ぎらしい。興味ないから見ないけど。
 昼間は終日穴蔵。
 出たばかりの「上方芸能」。季刊だから今になったが、当然ながら桂米朝師匠追悼号である。
 
 小佐田定雄、小澤絋司、木津川計氏らの寄稿があり、米朝事務所の田中秀武会長が珍しく長いインタビューに応じられているのが貴重だ。
 これから精読。
 これまた出たばかりの「特選!米朝一門」も。
 「表芸の部」「裏芸の部」DVD各2枚の構成。「裏芸」のひとつ、米朝師匠の「ひとつとや」は絶品であるなあ。涙が出てくる。
 これから世間の盆休の間、少しずつ楽しむことに。
 16時頃から激しい雷雨。
 本日は淀川花火大会である。昨年は台風接近で中止になったが、大丈夫かいな。
 浴衣姿の人が大勢、近くのビルのエントランスで雨宿りしている。
 が、1時間ほどでほぼあがった。
 専属料理人と出かける。こちらは花火客とは逆方向に歩く。
 インタープレイ・ハチへ。
 8/8はハチママの誕生日で、40年以上恒例となっている山下洋輔氏のライブである。
 ハチママも無事到着、一年ぶりである。まだクルマ椅子は不要のようで、ほっ。
 「ゆずりはの頃〜ハッピー・バースディ」から始まって、「ラプソディ・イン・ブルー」20分以上など、1時間ぶっつづけの熱演。
 この2年ほど、ハチママは早々に帰館というパターンだったが、今回は終演後も居残り。
  *
 「リンゴ追分」を歌わないと気がすまないらしい。
 「来年もやるで」と、まあこの日ばかりは元気でなによりであった。
 ハチが早めに終わったので、専属料理人と徒歩5分のロイヤルホースへ移動する。
 こちらは、新垣隆・吉田隆一デュオ「N/Y」ライブツアーで、2ステージ目に間に合った。
 ちなみに、Gマネージャーに聞けば、宿泊がたまたま同じホテルで、ロビーで、山下洋輔氏と新垣隆氏の「ご対面」もあったのだとか。
 「N/Y」はCDで聴いていたが、やっぱりナマで聴くと迫力がちがう。
 「ロンリー・ウーマン」がピアノで弾かれることは珍しいが、新垣氏のきわめて「正確・端正」なソロに吉田隆一のバリトンが怪獣音みたいに被さって、このデュオの特質が見事に発揮されている。
 と、オーネットに続いて、なんとアイラーの「ゴースト」!
 これは、おれがこちらで冗談半分に書いたのだけど、まさか本当にリクエストに応えてくださるとは思わなかった。感激である。
 このアレンジもすばらしい。坂田さんは「赤とんぼ」を挿入したが、こちらはドボルザークで、しかもこれは2時間半前の山下さんの演奏とも重なり、不思議なシンクロニシティを感じてしまう。
 アンコール曲は武満徹「明日ハ晴レカナ、曇カナ」でヴォーカルも聴けた。
 あと、店の「記念撮影」に横から便乗させていただく。
  *
 (ちなみに、こんな映像がテレビに流れると「また新垣さんのそばに長髪でサングラスの男がいる」と噂になるそうな)
 会場に酉島伝法さんも。「『皆勤の徒』社歌」は1ステージで演奏されたらしい。残念。
 あと、しばらくウチアゲに同席させていただいた。
 新垣さんはテレビで見たり、「音楽という<真実>」で感じた通りの人柄で、口数も少ないが、時々さらっと口にされる音楽知識にびっくりする。吉田隆一さんは饒舌で、しかも8割くらいはSFの話をしている印象だ。
 不思議に面白い組み合わせで、これからも時々ツアーをやってほしいと思う。
 深夜、歩いて帰館。

※twitterをやってないので、読めるがコメントできません。ええっと、ロイヤルに関してこんなつぶやきがあるのですが、これ、専属料理人がどなたかに頼まれて、スマホがよくわからんからおれに回って来たのかな。むろん「喜んで!」でっせ。おれがそんなこと気にする人間でないことは、SF大会に来るようなSFファンなら誰でも知っていることであります。

8月9日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 あまり生産的なことは出来ず、本を読んだり米朝師匠のDVDを見たり。
 いつもなら顔を出す例会があるのだが、明日ちょっとした検査が控えているので、本日は穴蔵静養とする。
 たちまち夕刻となる。
 いい1日ではないか。
 歩行計0歩。

8月10日(月) 穴蔵/ウロウロ
 本日も好天なり。
 朝の通勤ラッシュ前、歩いて梅田へ。グラフロの西側歩道、日影でさわやかである。
 大阪駅西のガード下をくぐり、桜橋の某院へ。
 近所の壁抜け猫。
  *
 4ヶ月ぶりの対面。お変わりなしである。
 某院にて検査。異常なし。ほっ。
 地下鉄梅田へ。
 阪神デパートの前に長い列。先頭の方はダンボールに寝てたり、折り畳み椅子にかけてたり。地下街だから前夜からではあるまい。午前4時半からか。
 掲示を見れば「獺祭」目当ての行列らしい。焼酎か。
 いったん自宅近くに戻り、某内科で定期検診。盆休があるため1週間前倒し。こちらも正常。ほっ。
 また梅田へ歩き、郵便局その他色々。
 昼過ぎに雑事片づく。
 ランチはどことも混んでいる。
 土用ウナギを食べてないのを思い出して、某水産で780円のうなぎ弁当を買って持ち帰る。
 うーん。
 悲惨。黒門の某水産の方がまだマシである。
 炎天下をかなり歩いた(約8000歩)上に弁当がもたれ、午後はエアコン稼働させて3時間ほど午睡。
 悪夢を見た。

8月11日(火) 穴蔵
 定刻午前4時に起きる。
 コンビニへ行き、客のいない時間に、週刊ポストの立ち読み10分ほど。
 「『不良老人』はこんなに楽しい」という特集巻頭の筒井エッセイを読む。これはむろん面白いのだが、おれは不良老人にはなれそうにない。悪ぶることにストレスを感じる方だからなあ。
 この記事の後に「死ぬまでSEX」という特集!
 恥ずかしくて買えない。週刊ポストはどんな人が買うのか。電車で読めるわけないし家庭には持ち帰れないだろうし。独居老人用のエロ週刊誌ということか。
 烏龍茶を買って帰館。
 終日穴蔵。
 ボケーーーーッと過ごす。
 死ぬまでSEXねえ。

8月12日(水) 穴蔵/ウロウロ
 おや涼しい。
 午前4時、ベランダは28℃である。
 午前4時半になって東の空がやっと白みはじめる。夏至から50日、日の出は30分遅くなった。
 立秋過ぎ、もう初秋なのである。
 秋来たりなば冬遠からず、キンタマが波動関数の収縮を起こす厳寒が近いと思うと憂鬱になってくる。
 秋の1日を穴蔵で過ごしたいが、そうもいかず。
 雑事あり、午前、梅田ウロウロ。
 マヨネーズの商標に似た理髪店にて散髪も。
 昼、近所まで戻ったところで、讃州のカレーうどんか蕎麦か迷うが、信州そばで「ざる」とする。
 正解であった。
 夜は、メインがチキンカレー+ナンであった。夏場にはよくあることである。秋なのに、専属料理人はまだ夏とかんちがいしているのであろう。
  *
 これで中本酒店の格安バカうまワインを少しばかり。
 うまっ。
 早寝。

8月13日(木) 穴蔵
 おやおや涼しい。
 午前4時、ベランダは26℃である。
 曇天で昨日よりさらに涼しい。
 終日穴蔵。
 午前中、集合住宅関係の雑事。
 依頼していた印刷物が届き、現理事長と確認。原本その他の資料を焼いたCD-R数枚を引き渡し、これで先期から残っていた業務はすべて終了した。ほっ。
 午後は断続的に報道番組を見る。
 天津の爆発事故も凄いが、なんといっても……
※「虎ノ門の法律事務所で、元プロボクサーが42歳の弁護士を殴打、のびたところズボンを脱がせ、枝切り鋏みで『局部』を切り取り、ビルのトイレに流した」という事件。
 あまりにも衝撃が大きく、仕事に手がつかない。
 これは「傷害」なんてものではないわなあ。
 『聖痕』の主人公が被害にあったのは幼少期であったが……

8月14日(金) 穴蔵
 終日穴蔵。
 気になるニュースが色々あるが、健康上の理由で、今日から3日間、情報遮断生活とする。
 盆休である。
 本を読み、CDを聴き、米朝師匠のDVDを見て過ごす。
 夜は、新潟産の茶豆、翁豆腐(弥七の向い側)のヤッコ、トマトサラダなどでビール。
 あと、スイトンみたいなのが出てきた。戦後を思い出せということか。ニョッキというらしいが口に合わず。
 フランスパンを切ってもらい、スープのみいただく。ワインを少しばかり。
  *
 ↑阪急インターナショナル1階ベーカリーの。
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8月15日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 本を読んで過ごすが、このところ眼精疲労が激しく、30分継続して読むのがひどくつらい。ほとんどうたた寝となる。
 夕刻、近所を散歩。
 梅田貨物線。和歌山方面行きはガラ空きである。
  *
 外に出るとちと汗ばむ。ひょっとして、まだ夏なのか?


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