『マッドサイエンティストの手帳』39

●マッドサイエンティスト日記（1997年9月後半）

主な事件
　・倒産危険度ランキングは鋭い。
　・クラリネット・サミット

１９９７年

９月１６日（火）
　台風19号、奄美大島に停滞したまま動かず、出張予定を変更したものかどうか、判断に迷う。結局、天候急変と読んで、週後半にずらす。地下鉄売店で購入の週刊ダイヤモンドの特集「倒産危険度ランキング」は恐るべき分析力である。
　ぼくの危機感覚は森の小動物型で、何事でも逃げるタイミングはいいはずなのに、ここ数年、どうも感覚が鈍くなっている。
　台風に関しては外れ、倒産に関しては……どうなのか。

９月１８日（木）
　午後、大阪商工会議所でＣＡＤ展の審査。高専教授、大手自転車メーカーの企画担当者とで審査に当たる。
　これは、毎年行われている「ロボリンピア」というロボット競技イベントとともに行われる企画で、今年のテーマは「自転車」。
　夢のある、かつ実現性のある自転車をＣＡＤ図面で競うわけだが、工業高校生、高専生ともに発想とＣＡＤ技術のバランスが悪い。図面のうまいのは、すでに商品化されているタイプのものが多く、着想のいいのは作図にその意図が表現されていない。ぼくはとうぜんアイデアを評価するのだが……これは自分のＳＦもたぶん同じという自覚があるからである。
　夕方、会社の近所で本間祐氏とビールを飲みながら雑談。ホームページのリンク機能を生かしてなにか新企画を始めようとということにる。

９月１９日（金）
　衛星放送でレイモンド・コンデの特集あり、３時間の豪華番組。最初の一時間、懐かしいジャズメンをバックにクラリネットを吹きまくる。コンデさんは８０歳……クラリネット奏者は元気だなあ。鈴木章治が早逝としか思えない。

９月２０日（土）
　世間は休日なれど会社でＣＡＤを使用しての図面引き。先日のＣＡＤ展の影響ではないのだが、久しぶりにこういう実務をやるのは楽しい。

９月２１日（日）
　昼過ぎ、旭屋へ行ったら、かんべむさしとばったり会う。お好み焼き屋でビール。雑談１時間。かんべ事務所が西区に移ってから、こういう風にしゃべる機会が減ったのが寂しい。

９月２３日（火）
　世間は休日らしい。家族がいぎたなく眠っている午前７時、空腹に耐えかねて自転車で梅田の食道へ。ついでに本町まで走って会社でマニュアル原稿を書く。
　英文マニュアル、ほぼ完成。昼まで。帰路、梅田・市力寿司でちょっと一杯。帰宅後ごろ寝。

９月２４日（水）
　昼、特許事務所。帰路、京町堀のかんべ事務所で１時間雑談。
　夕方から、珍しく会社のグループで、梅田の土佐料理「酔鯨亭」へ。先日、商工会議所で勤務時間中に行ったＳＦ的行為にギャラが出たので、部内への還元である。４人でドロメ、土佐天、鰹のタタキ、鰺棒寿司その他色々、「酔鯨」をしこたま飲んで、結局やや持ち出し。また「勤務時間中にがんばってください」といわれるが、うーん。

） ９月２５日（木）
　6時30分発のひかりで静岡から清水へ。所用すませて静岡からひかりで東京。弊社支社、ちょっとアトソン。幼年期の写真をスキャナーで読み込んでもらう。夕方、新橋。スペース２１で、剣持啓子さんの個展。３０分ほど雑談。東京駅で某商社・小川氏と会って打ち合わせ。構内でビール、その後、六本木の米国人らしいおばちゃんのスナック。結局22時まで。新宿ピットインに山下さんが出ているのだが、結局行けず、そのまま、銀座国際ホテル、熟睡。

９月２６日（金）
　都内数社。金曜日の下り新幹線は混み合うので、午後５前のひかりで帰阪。
　２０時、梅田・旭屋へ。広島のＳＦ大会で奮闘してくれた帆羽ちゃんが、出張ついでに天五屋のうなぎを食べに来るのである。この際だからと、臨時ソリトン・オフ。帆羽、本渡、真殿、児島、岩崎、堀の６人。金曜の夜で、ボンクラ・サラリーマンどもが浮かれ出ている。おでん屋、和食の「かっぱ」、ヤキトリ「てころ」、すべて一杯で、西天満の「大美」に漂着、21:30まで。あと、サントリー５で23:20頃まで。帆羽ちゃんの「うなぎの権利」は次の機会に持ち越しである。
　本間祐氏、「海越」へのデビュー決定というニュース。全員で祝福。

９月２７日（土）
　世間は休日らしいが６時起床、自転車で本町の会社。夕方まで試験室で機器の検査。

７月２８日（日）
　午前中、原稿少し。
　昼前に、南海・羽衣。相棒とおなじみ臨海工業地帯へ。夕方まで作業。
　午後６時、梅田・サントリー５へ。クラリネット・サミットというジャズ・クラリネット奏者が集まる企画。詳しくは次のページで。
　帰宅午後１０時。少し原稿。

９月２９日（月）３０日（火）
　会社では上半期終了。雑用多し。