HORI AKIRA JALINET

【森山研】は全部聴く

 「mana」

=== <959> jazz/salon, LA1A-HR(堀 晃), 98/10/28 23:00, 22行, 2(5)関連
標題: 【森山研】「マナ」
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 感傷的感想。
 森山さんのリーダー・アルバムをたどって、ついに「マナ」まで来た。
 この録音は4月24日(日)。残念ながら立ち会っていない。
 藤井先生のライナーノーツでは、ひょっとしたら「最後」になるかもしれない演奏 だったことが記されている。
 もし本当にこれが最後だと、ぼくはちょっと悔いの残る余生を過ごすところだっ た。
 幸福なことに、われわれは森山さんの演奏を聴ける。
 しかし、このCDに「覚悟のほど」が感じられるのも確かだ。
 「SUNRISE」はのっけからフルスロットル、他のどのCD・LP収録の演奏よりも 激しく、圧倒されてしまう。ほぼ20年いっしょに演ってきた井上さんのソプラノが 凄い。
 最後の表題作「マナ」は、出典はいわずもがなとして、意外にもアップテンポの演 奏で、かえって愛情の深さを感じさせます。
 ……ちょっと感傷的になりますが、70年の初め、大阪・ハチで、ドラムの前1 メートルちょっとの位置を指定席にして聴き始め、そう熱心な追っかけでないにせ よ、ともかく25年聴いてきた。ここまで来たんだなあ……。
 研究テーマは広がるばかり。
 同時進行で、これからも追いかけます。
 ということで、「森山研」次の課題は、10月30日・新宿ピットインのフィール ドワークであります。

                    半魚人


=== <960> jazz/salon, IB9S-YSI(吉井 誠一郎), 98/10/29 00:04, 45行, 0(0)関連
標題: 【森山研】『マナ』
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これは前述のとおり『OVER THE RAINBOW』と対になって発表されたアルバム で、スタジオFで録音されています。実はこのアルバム、僕は土曜日に神保 町へ古書を漁りに行く時に車の中でよくかけています。当然大音量でありま す。山下トリオ時代のものをかけることも結構あります。やっぱり基本的に は「爆走系」が好きなのかしらん。

1曲めは「SUNRISE」。『ラブリー』の時よりもさらにテンポが速くなって いるような気がします。でもこの曲は速いほうがいいですね。まさに爆走し ているという感じであります。観客が狂喜しているのも納得できます。

2曲めは「Dr. FUJII」です。山下トリオ時代を彷彿とさせる、リズミック な短いテーマ一発のフリー・ナンバーです。わし、こういうのやっぱり好き なんよね。「これぞタイコじゃあ!」と叫びたくなるような名演です。あ。 井上さんの後に林さんが出ようとして、思いっきり板橋さんに阻止されてし まうのには爆笑しました。

3曲めは「BARJO」。ちょっと毛色の違う曲だな、と思って作曲者を見たら 林さんでした。これ、ベースが鍵を握る曲であるように僕は感じました。な んか、メロディアスでありながらちょっと変わった動き方をするんですよ ね。

4曲めにはご存知「EXCHANGE」。文句無し。皆さん、黙って大波に呑まれま しょう(^^)。

最後には「MANA」であります。「Dr. FUJII」とともに、山下トリオ的なナ ンバーです。こういうのは可能な限り大音量で聴くのが正しい聴き方であり ましょう。テーマ部分で踏むハイハットが最高ですね。また、テーマへの導 入に使われるベースの音にはゾクゾクします。

「静」の『OVER THE RAINBOW』に対してこのアルバムは紛れもなく「動」で あるわけですが、まさしく重戦車が全速力で驀進しているといった趣で、こ の迫力は大変なものです。現在、ドラムセットからこれほどパワフルな音を 出せるドラマーは世界中どこを探しても存在しないのではないでしょうか。 僕もこんな音を出せるようになりたい。

・・・それにしても森山さん、NYにいっぺん出てほしいなあ。BLUE NOTE などではちょっと合わないと思うけれど、KNITTING FACTORY のような先鋭 的なところなら全然違和感がないと思いますね。最近現地のレコード会社で もそのあたりの音に注目しているようですし。最近あたくし、結構マジにそ んなことを考えているのです。

                                ぶる


=== <961> jazz/salon, IU8N-TKMT(高松 紀子), 98/10/29 00:53, 23行, 1(3)関連
標題: 【森山研】『マナ』
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 何層にも重なった音たち。5人のかたで演奏されてるとはとうてい思えない、 さわさわさわと重ねられたおと。ぱりぱりに良く焼けたパイ皮をたくさん重ねて その間に秘密のお酒をたっぷり仕込んだコッテコテ生クリームをごってりはさん だミルフィーユを、大急ぎでぱくぱく食べるわたし。胃に、がっがっと来る来る。 身にもこころにも、不思議に甘く甘くしみわたる濃い味。夢中で食べるうち、秘 密のお酒が効いてきて、3曲目「BARJO」のあたりでんもうすっかりらりりらら。 とっても楽しいらりりらら。
 この皆さんの演奏の、音一個一個を音符にして書けるかたがもしおられたら、 その楽譜はきっとまっくろくろでございましょう。おっそろしいのであります。

 ええと、「マナ」ってたしかお嬢様のお名前でしたでしょうか、ド・シロート でよく知らなかったのですけど。このアルバム最後の曲は、「わたしはこのよう に演奏する(このように生きる)。」ってきっぱりした強い信念の感じられる、 たいへんな曲です。ここの森山さんはとくに、すごすごすごいです!

 音楽を聴くときにも本を読むときにも、作った人と作品とは切り離すようにい つもしているつもりなんですが、この「マナ」を聴いていると演奏のなかに人格 がねじ込まれているというか演奏そのものがその人というか、森山さんの「絶対 存在(こんな言葉はあるんだろーか)」に胸ぐらを捕まれます。聴いたことのな いひとがおられたら、この「マナ」、ぜひ聴いてほしい。そしてわたしに森山さ んを聴くように薦めて下さったみなさんに大感謝。ちゅ。

                                のりこり


=== <962> jazz/salon, XL4O-ENDU(遠藤 治), 98/10/29 01:35, 30行, 1(2)関連
標題: 【森山研】『マナ』
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 ついに『マナ』までたどり着きました。今のところ、森山さんの リーダー・アルバムとしては最後の作品です。この後さらにマル・ ウォルドロンとの共作とか村上ポンタ秀一さんの最新作へのゲスト 参加とか録音としてはいくつかあるのですが、それらについてはま たいつか別の機会に触れることにします。
 本作品では、94年4月24日に演奏されたうちのアップ・テンポ なナンバーばかりによって構成されています。

1曲目は「SUNRISE」。板橋さんと森山さんのぶつかり合いが素晴 らしいです。
2曲目は「Dr. FUJII」。ベース・レスでフリーに疾走します。 3曲目は「BARJO」。オーネット・コールマンの「ターンアラウ ンド」というブルースに似た雰囲気のテーマです。
4曲目は「EXCHANGE」。行くところまで行くというのはこういう ことなのだろうと思います。
5曲目は「MANA」。とどまるところを知らぬフリーです。

 演奏中何度か訪れる絶頂は人類の到達点に数えるべきものです。 ジャズという音楽に出会い、森山さんの演奏を同時代の人間として 聴ける喜びを感謝します。

 最後になりましたが、現在、森山さんの演奏を生で体験する機会 は非常に限られています。が、ちょうど明日10月30日と31日に森 山さんは新宿ピットインに出演されます。もし我々【森山研】の書 き込みをご覧になって関心を抱いた方がいらっしゃれば、ぜひこの 機会に足を運んで頂けたらと思います。音楽に何ができるのか、と いうことを身をもって感じて頂けることと思います。

by ヨNDO



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