HORI AKIRA JALINET

【森山研】は全部聴く

 「Live at Lovely」

=== <951> jazz/salon, XL4O-ENDU(遠藤 治), 98/10/26 22:54, 36行, 3(13)関連
標題: 【森山研】『ライヴ・アット・ラヴリー』
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 次のアルバムは、前作からなんと6年後の90年12月に録音された 『ライヴ・アット・ラヴリー』。86年夏に二度目の引退をした森山 さんは、その後のジャズ・ライフ誌のインタビューなどによれば、 日常はジャズをまったく離れ(聴きもせず)多治見で珈琲店店主と して生計を営み、ことわりきれない場合のみ年に数回くらい人前で 演奏していたようです。
 さて本アルバムですが、ピアノの板橋文夫さんが復活し、井上さ んのサックス、望月さんのベース、そして森山さんのドラムスから なるワン・ホーン・カルテットで、あまりにも懐かしい森山クラシ ックスばかり5曲を演奏しています。
 サックスの井上さんは、森山さんの引退中に辛島文雄クインテッ トに参加し、藤陵雅裕さんという榎本さんとは別の個性ながらやは りワイルドなサックスとフロントを張り合ううちに、静だけではな い激しい表現を身につけたようで、本作では実に幅広くたくましい 演奏を聴かせてくれます。
 以下簡単に曲目のメモです。
 1曲目は「サンライズ」。『ハッシャバイ』収録の疾走するモー ド・ナンバーですが、初出型から若干変化し、テーマが反復された り、冒頭のリズム・フィギュアが反復されたりします。
 2曲目は日本の名曲「ワタラセ」。『スマイル』収録の初出型よ りずっとテンポを落とし、ルーズな中に感情が溢れ出る演奏となっ ています。
 3曲目は「エクスチェンジ」。『スマイル』収録の初出型に比べ、 はるかに激しい演奏となっています。前述の井上さんの咆哮が圧倒 的です。
 4曲目はクロージング・ナンバーの「ハッシャバイ」。言うこと なし。
 5曲目は「グッド・バイ」。後テーマで聴かれる森山さんのブラ シの乱舞が胸を打ちます。

 全体に、もうこの人たちの演奏は音楽の約束ごとがどうこういう 次元ではなく、フリーでルーズで熱く激しい4人のからだと魂その ものになってしまっています。

by ヨNDO


=== <952> jazz/salon, LA1A-HR(堀 晃), 98/10/27 21:35, 16行, 0(0)関連
標題: 【森山研】「ライブ・アット・ラヴリー」
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 ともかく最初の5秒間のドラムだけでクラクラッときてしまう、最高のライブ版。 それぞれのソロも素晴らしく……板橋文夫が凄い……なんというか、数年間の「鬱 憤」がぜんぶ最初の「SUNRISE」に集約されているようである。
 名古屋のファンは幸せだったなあ。
 それに続く「WATARASE」も、ちょっと気が静まった感じで、井上さんのソプラノが いい。
 録音(音質)はスタジオ録音に比べていいとはいえないが、ともかくライブ感覚が いちばんよく伝わってくる。
 「hush-a-bye」が始まった直後の反応がよく伝わってます。ぼくが会場にいたら、 やっぱり同じ歓声をあげたと思う。
 それから、このCD、写真がいい。表裏、ともに怪物ドラマーの演奏中の雰囲気を 見事にとらえている。
 神話的名盤。この演奏に立ち会ったファンに嫉妬を覚えますね。
 いや、できればその人たちを捜して、当日の現場の話を聞いてみたい。
 この書き込みがお目にとまりましたらメールくださいよろしく。

         LA1A-HR@asahi-net.or.jp 半魚人


=== <953> jazz/salon, IU8N-TKMT(高松 紀子), 98/10/27 21:41, 19行, 0(0)関連
標題: 【森山研】『ライヴ・アット・ラヴリー』
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 もうこれはえらいことですよみなさま。はい。こちらのほうはですね、 体力気力の弱っておられる御仁でも、一度聴けば腰に右手、左の拳を高 高とふりあげてエイエイオーなどと意味無く咆吼してみたくなっちゃい ます。元気のもともとある方なら、んもう階数気にせず窓をばガラリと 開けておそとに駆け出してゆきたくなっちゃいます。すごいでっせ。

(聴きながらここまで書いて、近所迷惑かもしれないのに気がついてヴ ォリュームを下げに行きました)音もちがうみたいです。どう、違うの か良く分かんない。うーむ。なんか、迫力のなかにもきらきらしたもの が感じられます。とくに、2曲目の「わたらせ」は、ええと暗闇、無限 に拡がる河を漕ぎ行く悲壮な覚悟の舟一艘。たゆたゆ。ちう感じのCD 「over the rainbow」とうってかわって、黎明から朝霞のなかを漕ぎ 行く希望の舟、少しずつ明転(暗転の反対ね)フェードアウト。ちう感 じでございます。どっちも、大好きさっ。「スマイル」のんもね。

森山さんの音も、なんか、どっか違うみたいに聞こえます(どっちも 好きだけど)。なんでなんで?教えて教えて。

                            のりこり


=== <954> jazz/salon, IB9S-YSI(吉井 誠一郎), 98/10/27 23:58, 45行, 1(10)関連
標題: 【森山研】『ライヴ・アット・ラヴリー』
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しばらくジャズ・シーンの表舞台から遠ざかっていた森山さんが、久々に 復活の大花火をぶち上げたのがこのアルバムであります。場所は、スタジ オFとともに森山さんのホーム・グラウンドである「ラブリー」。で、驚 いたのが、この録音がもともとは一種の「プライヴェート録音」であった ということです。ライナーによると録音をした水田さんという方、趣味で クラシックを録ったりしてはいたがジャズを録音するのはこの時が全くの 初めてとのこと。しかし、とても歯切れの良い音に録れていて、森山さん の音に限って言えば、シンバルの音がちょっと薄いものの、スネアとベー スドラムの音は実に素晴らしいと思います。ただ、もしかしたら楽器自体 も『グリーン・リヴァー』以前のものとは違うんじゃないかという気もす るんですけど。どうも根本的に音が違うような・・・。単に録音者による 違いなのかしらん。

で、まず1曲めの「サンライズ」。冒頭のずぱん、というスネアの2発が 凄まじい。これだけでゾクゾクしてしまいます。テーマ部分での叩き方は 初出の『ハッシャバイ』の感想でも触れましたが、初出時とは若干変わっ ています。しかしそれによってスピード感がいっそう増す結果となり、バ ンドはがんがんにノッて爆走しまくっています。
2曲めは名曲「ワタラセ」です。もう何も申しません。黙って聴きましょ う。ちなみに僕個人は、この曲に関しては『over the rainbow』に収録さ れたバージョンよりもこっちの方がリリカルで好きだったりします。
3曲めは「エクスチェンジ」。四童さんも書いてますが、井上さんが低音 を生かしてブリブリに吹きまくっています。もともとプレイのスケールが 大きいところにもってきて、さらに激しさが加わったのですからこれは強 力であります。いっぺん森山さん−山下さんの鉄壁のラインにぶつけてみ たい。「森山威男デュオ・プラス、featuring 井上淑彦」とかね(^^)。 4曲めの「ハッシャバイ」は、森山さんの演奏としては極めてオーソドッ クスなものです。『MY FUNNY VALENTINE』『IN A SENTIMENTAL MOOD』と 通じるものがありますね。これもまた森山さんの音以外のなにものでもあ りません。
ラストは「グッドバイ」です。これは森山さんのブラシを堪能する演奏で あります。終了直前、テーマ部分に入るスネアwithブラシ+ベースドラム の「どどぱぱ、どどぱぱ、どどぱぱ、どどぱぱどどぱぱどどぱぱどどぱぱ どどぱぱどどぱぱどしゃーん」が最高です。

いやあ、しかしあらためて聴いてみるとやっぱりいいですねえ。このアル バム、森山さんに関して初心者の人も昔から聴いているディープなファン も、両方とも満足できるアルバムなのではないかと思います。その意味で は「森山さん入門」にはもってこいかも知れませんね。

ぶる



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