安藤忠雄『建築家 安藤忠雄』(新潮社)
安藤忠雄氏の自伝。
「独学」の実態から「住吉の長屋」「六甲の集合住宅」、そして商業施設、美術館、公共施設へと規模が拡大していく過程が多くの写真入りで語られている。
荒木経維による写真集も兼ねたような構成。380頁の半分ほどが写真で、1900円とは良心的な価格だ。
安藤忠雄氏の事務所(「大淀のアトリエ」と表記されている)は、わが穴蔵から徒歩5分のところにある。30年ほどこの距離で生活しているわけで、その意味では、安藤氏は許永中と並ぶ「徒歩圏の大物」ということになる。
よくアトリエの前を通るが、不思議に人の気配がしない。
ドアはあるが、玄関という雰囲気は皆無である。
東側の「アトリエU」に至っては、どこが入口なのやら。幅1メートルほどの通路に自転車が置いてあるが、デスクとか本棚など、どこから搬入するのだろうと、前から疑問であった。
この内部が紹介してあるが、なんとスタッフは25人いるという。
地下階から吹き抜けになっていて、扉を開けたら、下方正面に安藤氏が座っている……らしい。
扉一枚の向こう側にこんな空間があるとは驚きだ。
播州龍野の家を建て替えるなら、アトリエUのスタイルにしたい。
どこが入口かわからず、大東建託が訪ねてこないのは確実だからなあ。
(2009.2.23)
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